奥野克巳のレビュー一覧

  • フィールドワークのちから――「いまここ」を抜け出す人類学

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    フィールドワークについてもっとも面白い本であった。それは、本人がインドネシアやマレーシアの島のフィールドで
    数カ月生活したことから説明しているからだと思われる。マリノフスキのこともきちんと書いてある。人類学や民俗学でのフィールドワークでは最適であるが、ICT支援教育のフィールドワークに、さて、どうやって役立てられるかはよくわからないが。

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    2025年11月12日
  • 何も持ってないのに、なんで幸せなんですか?

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    ポインティが出てるラジオを聞いたら面白すぎたので本も読んでみた まあ内容はラジオとほぼ一緒なので新鮮味はないけど写真がいっぱい載ってるし、イラストもかわいい

    個人的に最近ハマっているミニマリストの概念とは少し違うけど、所有をやめて楽になれるというのは共通しているなと思ったり

    下ネタと噂話って本当おもろいwけどどんどんできる場所が減ってる感じ わかる
    本当息苦しい
    なんでこんな死ぬ確率も低い清潔で安定した社会に生きてるのにこんなに毎日息苦しいのか
    過度な資本主義から本当に脱したい…
    ほんまもっと毎日ゴロゴロしてたいよ

    大声で喧嘩しまくって翌日はコロっと元に戻る〜のくだりとかも羨ましすぎる

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    2025年11月11日
  • 人類学とは何か

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    こういうガチ賢い系の本初めて読んだけど 理解できることとできないとこがあってすごく楽しかった。自分には良い難易度だった。
    人類学とはっていう題名だけど「学問とは何か」についても新たな視点を得られた。科学をみんな信じてるけど、実験室でデータを集めて良い感じに解釈してるのをそれって真実として信じきってしまっていいのか、みたいな。(やばい語彙力無い)
    筆者は元理系だけど、そういう科学で正しいと言われてることは全て正しいとも限らないという脆弱性を感じて、より真髄の当たり前から疑う人類学というものに入り込んでいったそう。人類学は哲学とも社会学とも似てるけど違って、(どう違うかの詳細はしっくりきたけどちょ

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    2025年10月22日
  • 何も持ってないのに、なんで幸せなんですか?

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    ずっと気になっていて今月唯一買った本。プナン人の生き方から生きづらさについて考える。人類は農業によって所有することにより格差が生まれ、戦争が行われることになった。プナン人はこの「所有」という概念がない。全てのものは全員の財産であるという考え方。ありがとうやごめんなさいという挨拶も、モノに執着していないため存在しない。結婚離婚も自由(子供は共同体で育てる)。他にも存在しないものは多いが、全部「所有」がないからである。狩猟民族のプナン人から学べることは多く、今後の生き方に取り入れたいものばかりだった。

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    2025年10月13日
  • 何も持ってないのに、なんで幸せなんですか?

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    所有の概念がない、とは新しい視点でした。自分の持ち物に対してもその考え方を生かせそうで、人に勧めたい一冊です。

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    2025年09月17日
  • 何も持ってないのに、なんで幸せなんですか?

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    こちらも「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」で紹介されていた著作。マレーシア・プナンで住む人々と共に生活し、観察することからわかる文化人類学、それを超えて人間とは何かまで面白く考察できる哲学書ともいえる。文明社会にどっぷり洗脳されている現代人からみると不可解であり奇妙な概念のオンパレードを見せつけられるとプナンの人々がエイリアンにも見えてくる。人類がみなプナン人なら文明とかプログレスはありえないので、やはり進化といいたいところだが、そこが行き過ぎて生きづらくなっている現代からすると幸せに見えるとは思う。文明社会に洗脳されている人々が今更プナン人生活に入れるとは思えず(逆ストレスで押しつぶされ

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    2025年08月04日
  • 人類学とは何か

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    総合学(学とすらも呼ばないものか)としての人類学。
    人は皆、最高の人類学者だ!と呼べるような社会に暮らせたら。

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    2025年07月14日
  • はじめての人類学

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    ネタバレ

    一言要約:人は何故「生きづらさ」を感じるかに「we」で向き合う学問

    人としての倫理や道徳こそが社会を構成する我々の「構造の骨格」であり、これらは時代や環境、条件に合わせて組み替えが起こるものと捉える一方で、超マクロに(時間・空間を拡大して)見れば不変である
    この骨格構造内で生じるミクロ変化が「理(倫理や道徳)から外れる」ことが起きれば社会の歯車がずれて問題が噴出すること、これが昨今の企業の不祥事などであろう
    自分たちの行いがマクロで見た際に根底の倫理や道徳を外していないものであるのかの自戒が必要であり、ここに人類学が示唆を与えてくれると考える

    後半のまとめがことごとく刺さったが、人類学の変

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    2025年04月15日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    各種テーマに沿って、文化人類学の民族誌を実例として日本人アイデンティティで凝り固まっている固定観念を揺さぶられる内容。提供される事例が興味深く、圧倒され続ける読書体験です。

    ジェンダー、死生観、時間など自分がこれが正しい・正常であると考えていることは、相対的な比較において全く異質なものであることが浮き彫りになる。特に、時間というカオスなものを、通過儀礼など区切りをつけることで作為的に連続したものとして捉えている。便宜的にそうしているはずだったのに、産出された「時間」に私たちは縛られ不自由になっている。この感覚は、深層心理に根付いていて、現代人の窮屈さの根源なのかもしれないなと思いめぐらす。

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    2024年11月29日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    文化人類学の先生からの推薦、至極の一冊だった。私の日常やそれを支える社会を、全く異なる概念でとらえる文化人類学を学ぶことは、脳髄を揺さぶられるような感覚だった。
    これまで持っていた文化の概念を壊されながら、自分の見方、当たり前と思うことが「異なる」だけでなく「そもそもない」社会を知り、強い刺激を受けた。
    今後も自分にあって他者にないもの、必要としないもを知ることで、我々のものの見方の根底を知り、不穏な気持ちを抱く原因の追求を楽しみたい。

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    2024年10月14日
  • はじめての人類学

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    入門書なので当然だが、この本を読んで人類学が俯瞰できるわけでもないし、難しくてわからないまま終わるところもある。
    でも、人類学は何を学ぶ学問なのか、なぜ必要とされているのか、著者の熱量がとても伝わってきた。
    人類学の基礎知識がなくても、深く学ぶ気がなくても、今の自分の生き方を振り返るきっかけとして、とても良い本だと思う。文量もライトで読みやすい。
    個人的にはもっと色々な人類学の本を読んでみようと思わせてくれるきっかけになった。

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    2024年10月04日
  • ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う

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    シンプルながら唆られる装丁。
    同筆者の『はじめての人類学』では歴史的な流れを主要な人類学者を押さえながら紹介していったのに対して
    「ひっくり返す」という概念を我々の固定化された思考に比して提示しながら、人類学と社会との関係において不可分と思えるような形で、この学問の意義と存在感が示されている。

    外界から覗くそういったダイナミズムは、研究者自身にも見いだせる。

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    2024年09月30日
  • 応答、しつづけよ。

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    この本を通して何かを知るというよりはこの本を通して何を考えるのかということが重要に思える。内容のほとんどがアーティスティックであり、言葉遊びのようにも見えるが、確実に言葉を通して真理に迫ろうとしているのがわかる。
    前著の「人類学とは何か」に引き続き、現在進行形の世界や人、認識について思考や情動のしかたを見せてもらっているかのような感覚になる。ただ、前提となる時間の幅が普段思考する際の枠から外れているようにも思える。

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    2024年05月19日
  • 人類学とは何か

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    人類はどう生きるべきか?を人類学の問いとするというのが面白い。生を開いていく過程として捉えるのはフランス哲学と繋がるように思う。とりわけ、人種主義の問題を取り除くために、生物学的形質と文化的形質を相互に影響し合うものとして、新しい生物学と新しい人類学を打ち立てる箇所に進化論哲学的な可能性を感じた。

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    2024年04月03日
  • はじめての人類学

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    人類学における4人の巨人を中心にどのような考え方が主流として扱われてきたのかについて述べている。
    本質的に人類学とは相対的哲学なのかなと思ったし、大袈裟かもしれないが誰しもが普段の生活の中で「内部」と「外部」を意識することで人類学的な参与観察に似た過ごし方ができるんじゃないかと思った。

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    2024年03月09日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    文化人類学をイメージするのに最良の入門書かもしれない。著者の具体的な経験や観察と文化人類学の学問的知見が、内容的にも文章的にも無理なく接続・展開されていて、とても面白く読める。プナンの人々の暮らしを経験することで、今の自分たちの暮らしの常識や価値観が相対化される様を、ニーチェの思想と結びつけて語るのも新鮮で、それはそれでなるほどと思わされる。「所有」「自我」「言語」等について思考実験でなくフィールドワークによってラディカルに探究していくことの面白さといったらない。

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    2024年01月19日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

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    首狩りとカニバリズム目的だけで読み始めたけどめっちゃくちゃ興味深いことがいっぱい載ってる

    道徳基準のちがい
    人間を殺すのが悪か、精霊の意志に背くのが悪か
    プリミティブアートすげぇわ
    民族、信念、習慣おもしれぇ

    私は、何よりも自分が怖れているのは私自身の恐怖に他ならないことがわかっていた
    カール・ホフマンかっちぇー!

    沈黙は金、じゃつまらんもんなぁ

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    2023年12月31日
  • はじめての人類学

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    人類学とは、人間について研究する学問で、国により分類が多少異なるということを冒頭で知ることができます。
    イギリスでは、「自然人類学」「先史考古学」「社会人類学」の3つで構成されています。アメリカでは、上記3つに加えて「言語人類学」が加わるそうです。
    フランスでは、社会人類学を「民族学」と呼ばれてきたそうです。
    この人類学を年代別に重要な役割を果たしてきた人物を紹介すると共に、その書籍から何を導き出してきたのかを知ることができます。
    クロード・レヴィ=ストロースさんと、ティム・インゴルドさんの名前は聞いたことがありましたが、ブロニスラフ・マリノフスキさんやフランツ・ボアズさんは存じ上げませんでし

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    2023年09月17日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    白人中心の進歩史観にレヴィストロースらが文化人類学で比較文化論を唱える。白人中心から、文化の相対性を主張し、底から白人中心の発達史観の見直しを迫った。
    そして今や、人間中心の考えから人間以外の生物環境へと視野を広げた環境学になっていく。「これからの」というだけある内容であった。
    インセントタブー:近親相姦の禁止 他部族との女の交換ー閉ざされる集団は自滅
    魚類など 卵たくさん→子孫確率を高めるため
    哺乳類 一度の行為で最大化 睾丸が大きくなり、乱交で妊娠確率を高める 
    二足歩行→視覚→前面(胸 口唇が赤くなる=発情期)
     ヒトは通年可能となる 保護者確保のため 一妻多夫制 

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    2023年08月09日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

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    1961年11月20日、オランダ領ニューギニア沖(当時)でそれは
    起きた。オランダ人の人類学者とアメリカ人の青年が乗ったボートの
    エンジンに不具合が発生した。

    同乗していた現地案内人は助けを求める為に陸地を目指して
    泳いで行ってしまった。残されたふたりはボート内で待機して
    いたが、アメリカ人青年は案内人の帰還を待ち切れずに空き缶を
    浮き輪代わりにして海へ飛び込んだ。

    彼の姿が確認されたのはこれが最後であり、後々、衝撃的なニュース
    となって世界を駆け巡った。

    何故なら、行方不明になったアメリカ人青年は世界の大富豪である
    ロックフェラー一族の一員であったからだ。

    マイケル・ロックフェラー。

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    2023年02月10日