奥野克巳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幸せってなんだろう?お金をたくさん持っていること?結婚して家族をつくること?権力を持って人の上に立つこと?
多分今挙げたものは全部正解だし、全部間違っている。つまり、これが幸せ!と決まったものはなにもないのだ。
だけど、多くの人は自分、ないしは世間一般がイメージする幸せのかたちを追い求め、他人と比較して一喜一憂する。端から見ると自分で自分の幸せがなんなのかわかっていない滑稽な人に思えてまったく幸せそうじゃない。
でもこの本を読めば、幸せってなんなんだろうと悩んでいることがバカバカしくなることは間違いない。
私自身は特に目的もなく、会社の同僚に「おもしろかったから読んでみて!」と薦められて読 -
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Posted by ブクログ
学ぶとは何なのか、貧富の格差や権力の集中はどうして起こるのか、心の病はどうして起きるのか、人の死にどう向き合うべきなのか、人と自然はどう関わるべきなのか.何とも捉えどころのない質問に、ある程度的確な答えを提示する内容の本だ.現代社会でよく見られる問題ばかりだが、著者は狩猟民族のプナンやその他の原始民族へのフィールドワークから答えを導き出そうと思索している.学びという概念がない、ありがとうという言葉がない、権力者が存在しない、死を忘却して関知しない、人間と自然を別のものと捉えない.これらの状況が存在することは本書を読むまで気がつかなかったが、人類の祖先に近い生活を未だに営んでいる狩猟民族にその原
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Posted by ブクログ
人類学に学生時代ふんわりとしか触れてこなかった身からすると、とても読みやすく、面白かった!ちくまプリマー新書、やはり良い。
単純に「同じ地球上でこんなにも異なる文化が育まれているんだ」という驚きと、「いま自分が抱えているモヤモヤはこの社会に特有の文化的葛藤なのか」という気づきとそこから抜け出すきっかけを授けてくれる、そんな側面を持つ学問が人類学なんだなあと勉強になった。
当たり前を疑う、前提を見つめ直す、という行為は、当たり前や前提が異なる「なにか」をヒントにすると少し難易度が下がるというか、やりやすくなる。そのためにも、未知のものを知る、触れてみる、できるなら体験する、ということは重要なんだ -
Posted by ブクログ
自分の置かれた環境をメタ認知する為の引き出しを増やしたいと思い読書。
様々な風習を持った人々の営みも面白く読んだが、一番印象に残ったのは「私達」や「人権」という概念の捉え方が場所・時代により異なる事だった。
私を拡張して私達と呼ぶ時、普段私たちは家族・村・地域・国など人を中心に捉えているが、そこにある動植物なども含めて考える事もできる。
人新世という、人が環境を変えてしまう時代において持続可能性を考えるには動植物、環境まで拡張して私達の事を考えるパラダイムが必要だと思った。
また、地域によっては川など自然物に人権を認め、その権利侵害に当たる開発を差し止める例もあるという。マイノリティな -
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人類学の基本視点を通じて「生」を捉え直す旅へと誘う。
マリノフスキーは社会や文化を「生の全体」として捉え人間の行動がいかに相互に結びついているかを明らかにした。
ストロースは表面の多様性の背後に潜む「生の構造」を探り普遍的な秩序を解き明かした。
ボアズは多様な文化の中に「生のあり方」を見出しそれぞれの独自性を尊重した。
そしてインゴルドは固定されたものではなく常に変化し続ける「生の流転」に注目した。
これらの視点を通じ奥野は私たちに問いかける――「生」とは何か。その問いに向き合うことで、人間の本質や社会の在り方に新たな視点を得られるだろう。
外部という言葉が使われいる。知らない街に降り立つこと -
Posted by ブクログ
【学校について】
人から教わるという発想がなく、人がやっているのを見て学ぶ社会がある。
彼らは学校を必要と感じていなくて、授業に参加してもずっと座っているだけだと感じるし、宿題を忘れたら怒られ、いじめに遭うこともあり、次第に学校に行かなくなるが、困らない。
この話は大人になった今、すごく納得できる。
どれだけ英語の文法を勉強しても、ネイティブスピーカーと話すことに不慣れで抵抗があると使い物にならないし、逆に文法はめちゃくちゃでも話すことに慣れていて、意思疎通ができている人が周りにいて、「学校の勉強って何だったんだろう…」と思うことが多い。
社会に出て求められるのは、知識ではなく考え実践 -
Posted by ブクログ
立教大学で教鞭を取る文化人類学の著者がプナンという狩猟採集民族について書いた本。
プナンとは、ボルネオ島(マレーシア、インドネシア、ブルネイの三つの国から成る)に暮らす、人口約一万人の狩猟採集民である。彼らは今日でも、資本主義社会の一端に巻き込まれながらも伝統的な社会を持ち続けている。
本書で紹介される通り、彼らの生活は我々の生活と何もかもが違う。
プナンの社会には、「おはよう」もないし、「ありがとう」もない。「ごめんなさい」もなければ、時間という概念もない。ないない尽くしである。
プナンは常に生活をひとつの共同体で完結させているので、我々が使う交感言語(伝達機能を持たないが、一体感を生
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