奥野克巳のレビュー一覧
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自分の置かれた環境をメタ認知する為の引き出しを増やしたいと思い読書。
様々な風習を持った人々の営みも面白く読んだが、一番印象に残ったのは「私達」や「人権」という概念の捉え方が場所・時代により異なる事だった。
私を拡張して私達と呼ぶ時、普段私たちは家族・村・地域・国など人を中心に捉えているが、そこにある動植物なども含めて考える事もできる。
人新世という、人が環境を変えてしまう時代において持続可能性を考えるには動植物、環境まで拡張して私達の事を考えるパラダイムが必要だと思った。
また、地域によっては川など自然物に人権を認め、その権利侵害に当たる開発を差し止める例もあるという。マイノリティな -
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人類学の基本視点を通じて「生」を捉え直す旅へと誘う。
マリノフスキーは社会や文化を「生の全体」として捉え人間の行動がいかに相互に結びついているかを明らかにした。
ストロースは表面の多様性の背後に潜む「生の構造」を探り普遍的な秩序を解き明かした。
ボアズは多様な文化の中に「生のあり方」を見出しそれぞれの独自性を尊重した。
そしてインゴルドは固定されたものではなく常に変化し続ける「生の流転」に注目した。
これらの視点を通じ奥野は私たちに問いかける――「生」とは何か。その問いに向き合うことで、人間の本質や社会の在り方に新たな視点を得られるだろう。
外部という言葉が使われいる。知らない街に降り立つこと -
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【学校について】
人から教わるという発想がなく、人がやっているのを見て学ぶ社会がある。
彼らは学校を必要と感じていなくて、授業に参加してもずっと座っているだけだと感じるし、宿題を忘れたら怒られ、いじめに遭うこともあり、次第に学校に行かなくなるが、困らない。
この話は大人になった今、すごく納得できる。
どれだけ英語の文法を勉強しても、ネイティブスピーカーと話すことに不慣れで抵抗があると使い物にならないし、逆に文法はめちゃくちゃでも話すことに慣れていて、意思疎通ができている人が周りにいて、「学校の勉強って何だったんだろう…」と思うことが多い。
社会に出て求められるのは、知識ではなく考え実践 -
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立教大学で教鞭を取る文化人類学の著者がプナンという狩猟採集民族について書いた本。
プナンとは、ボルネオ島(マレーシア、インドネシア、ブルネイの三つの国から成る)に暮らす、人口約一万人の狩猟採集民である。彼らは今日でも、資本主義社会の一端に巻き込まれながらも伝統的な社会を持ち続けている。
本書で紹介される通り、彼らの生活は我々の生活と何もかもが違う。
プナンの社会には、「おはよう」もないし、「ありがとう」もない。「ごめんなさい」もなければ、時間という概念もない。ないない尽くしである。
プナンは常に生活をひとつの共同体で完結させているので、我々が使う交感言語(伝達機能を持たないが、一体感を生 -
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性・経済・宗教などの切り口で、現代日本の規範からは想像もできないような文化を持った集団を例に、文化人類学とはどういうものか、どういう思考をもって世界を見ると発見が得られるのか、といった事例が語られている。
文化人類学というとどうしても人とその文化が主眼に置かれるが、人の生活を構成する自然や生物も含めた人新世という考え方は、今までの自身になかった視点だったのでおもしろく読めた。
一番興味深かったのが、著者の思考の形成過程を旅と共に紹介する最後の章で、それまでの章で語られていた言葉がどのような背景を持ったものなのかがなんとなく想像できる。
文化人類学という学問に興味を持ったがどのようなものか -
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ネタバレボルネオ島のプナンの人と暮らして著者が考えたことが書かれている。興味深かった。
ボルネオ島の森でプナンと一緒に暮らすことは、「大いなる正午」を垣間見る経験だった。
「大いなる正午」という比喩はニーチェの言葉で、「真上からの強烈な光によって物事が隅々まで照らされ影が極端に短くなり、影そのものが消えてしまった状態。」のこと。「影が消える」とは、世界から価値観がすべてなくなってしまった状態である。おおいなる正午とは、真上から強烈な光に照らされて影の部分がない、善悪がない状態である。
世界には固定された絶対的な価値観が存在しないということを、体験をとおして理解したと言っている。
私たちは、一生をか -
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「マルチスピーシーズ民族誌」の考え方について、小説やコミックス、岩合光昭さんの猫あるきなどといった日常親しんでいる文学・芸術作品を入り口に解説。内容は難しいのだがある程度すんなりと読み進むことができる。
印象深かったのは「ぬいぐるみとの対話」を扱った項。
ヒトと人ではないものとの交流や交感のような感覚がなぜ起きるのか、あまり深く考えたことは無かった。
また、写真を撮ることと、狩りで動物をしとめることを同様の行動として見つめたことも無かった。
私にとって新しい視点が数多くあり、とても魅力的な本だと思った。
オーケストラを構成するそれぞれの楽器、各パートについて詳しく解説してもらいながら曲を聴く