奥野克巳のレビュー一覧
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性・経済・宗教などの切り口で、現代日本の規範からは想像もできないような文化を持った集団を例に、文化人類学とはどういうものか、どういう思考をもって世界を見ると発見が得られるのか、といった事例が語られている。
文化人類学というとどうしても人とその文化が主眼に置かれるが、人の生活を構成する自然や生物も含めた人新世という考え方は、今までの自身になかった視点だったのでおもしろく読めた。
一番興味深かったのが、著者の思考の形成過程を旅と共に紹介する最後の章で、それまでの章で語られていた言葉がどのような背景を持ったものなのかがなんとなく想像できる。
文化人類学という学問に興味を持ったがどのようなものか -
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ネタバレボルネオ島のプナンの人と暮らして著者が考えたことが書かれている。興味深かった。
ボルネオ島の森でプナンと一緒に暮らすことは、「大いなる正午」を垣間見る経験だった。
「大いなる正午」という比喩はニーチェの言葉で、「真上からの強烈な光によって物事が隅々まで照らされ影が極端に短くなり、影そのものが消えてしまった状態。」のこと。「影が消える」とは、世界から価値観がすべてなくなってしまった状態である。おおいなる正午とは、真上から強烈な光に照らされて影の部分がない、善悪がない状態である。
世界には固定された絶対的な価値観が存在しないということを、体験をとおして理解したと言っている。
私たちは、一生をか -
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「マルチスピーシーズ民族誌」の考え方について、小説やコミックス、岩合光昭さんの猫あるきなどといった日常親しんでいる文学・芸術作品を入り口に解説。内容は難しいのだがある程度すんなりと読み進むことができる。
印象深かったのは「ぬいぐるみとの対話」を扱った項。
ヒトと人ではないものとの交流や交感のような感覚がなぜ起きるのか、あまり深く考えたことは無かった。
また、写真を撮ることと、狩りで動物をしとめることを同様の行動として見つめたことも無かった。
私にとって新しい視点が数多くあり、とても魅力的な本だと思った。
オーケストラを構成するそれぞれの楽器、各パートについて詳しく解説してもらいながら曲を聴く -
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文化人類学者・奥野勝己氏による、ボルネオ島の狩猟民「プナン」の文化、観念を描いた体験記。物語は三人称視点から展開され、主人公はカフカの『城』からとった「K」と呼ばれる日本人青年(= 筆者)。
本書の主な項目は第1章「多自然」第2章「時間性」第3章「無所有」の3点で、現地での体験談をもとに、彼らの暮らしぶりや神話、世界観を詳らかに表す。
文体が三人称であるせいか、ルポというよりは小説っぽさを感じるものの、エピソードごとに細かく節になっているし、その中身は発見+エピソードトークのような社会学や人類学関連の書籍に一般的な形式であるため、伝わりづらさを感じることはなかった。
死者への視線や時間の概 -
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旅の楽しみは日常からの離脱。
自分が日頃属している社会の常識からの離脱。
そして価値観の逆転と新しい視点を得る。
それを究極まで見つめたエッセイ。
昔わたしを捉えたツィアビの演説のようなもの。
同じ社会に長期にわたって参与観察し続けた人類学者が、その面白さを各章でわかりやすく物語ってくれる楽しい本。
以下、章ごとの感想。
3 反省しないで生きる
プナンの社会では、誰かが悪いことをしたり失敗したりした場合、やらかした当人が反省することはなく、まわりの人たちの側が、そうならないようにするにはどうしたらいいか対策を考えるのだそうである。
何か問題が起きた場合、当人の反省に帰するより、当人の責を問わ -
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絡み合う生命 奥野克巳 AKISHOBO
人間を超えた人類学だという
つまりアニミズムが示す魂を見つめた話?
人類学者だけでは無いが有名になる多くの学者がことの内容を端的に伝えることよりも背伸びした言葉遊びを誇らしげに楽しんでいるように見える
成長期を過ぎての迷いが外目線へと向かわせて淀んでいるようにも思える
この本は自分の研究を語る上で
取り上げる人類学の解説本でもある
アニミズムを人間とそれ以外にわけ
あらゆるこの世の存在が
身体と内なる魂からなるモノとして捉え
さまざまに分析している
ヒューマニズムの人間主義を超えた
自然の一部としての人間を見つめる
マルチスピーシーズ人類学と言うジ -
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立教大学異文化コミュニケーション学部教授で、人類学者の奥田克巳と、漫画家のMOSAによる、文化人類学をテーマとした漫画と解説。インドネシア・マレーシア・ブルネイにまたがるボルネオ島に住む、プナンという民族の生活を漫画で描いていて、そこにある自然や動物の様子やその人たちの姿などを親しみを持って読むことができる。いろんな描写を通して、プナンの生活において、動物やモノの中にも自分たちと同じ人間性を共通して見いだす考え方や、人に物をあげることを良しとするがゆえに平等な社会ができあがっていることなど、今日本などの社会の一般的通念が絶対ではないのだと思わされる示唆をしている。
プナンの生活それ自体も面白 -
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ネタバレマレーシアのボルネオ島、プナン。そこは贈与論(Mモース)にでてくるような循環型社会の一端を虫眼鏡で拡大したような、個人での所有という概念の無い社会。この社会では、幼いころから親などから「ケチはいけないことだ」と教えられ、モノ・非モノ問わず全てを共有している。人々は常に今ここを生き、将来の心配も、過去の反省も無い。問題がおきても、個人にその責任を追及することはなく、それにより、ストレスや孤独、自殺も無いそうだ。
著者はニーチェの言葉をそこかしこに引用し、プナンの生き方と重ね合わせ、我々の常識に揺さぶりをかけてくる。プナンの人々は生きることの意味を考えたりはしない。一生かけて何かを達成したり、社
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