奥野克巳のレビュー一覧

  • 人類学者K――ロスト・イン・ザ・フォレスト

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    文化人類学者・奥野勝己氏による、ボルネオ島の狩猟民「プナン」の文化、観念を描いた体験記。物語は三人称視点から展開され、主人公はカフカの『城』からとった「K」と呼ばれる日本人青年(= 筆者)。

    本書の主な項目は第1章「多自然」第2章「時間性」第3章「無所有」の3点で、現地での体験談をもとに、彼らの暮らしぶりや神話、世界観を詳らかに表す。
    文体が三人称であるせいか、ルポというよりは小説っぽさを感じるものの、エピソードごとに細かく節になっているし、その中身は発見+エピソードトークのような社会学や人類学関連の書籍に一般的な形式であるため、伝わりづらさを感じることはなかった。

    死者への視線や時間の概

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    2023年02月12日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
    御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。

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    2023年01月20日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    人間社会の原始の姿か。
    社会は一体化していて、わたしたちが基本で必須だと思っている挨拶さえもないという。貸し借りの概念もなきという。
    人間同士はそんなにも近しかったのかと感嘆する。

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    2022年12月28日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    こういうスパイキーな経歴の人の思想は大変興味深い。

    >「シェアリング」の理念が植え付けられているプナン社会には、「ありがとう」という感謝の言葉がない。
    言葉はコミュニティの文化の表れであり、カテゴライズされない行為に名前はつかない。
    その一方で、言葉で定義付けをすることに端を発して、自己改変的に進化するカテゴリーもある気がする。みうらじゅん的な。
    例えば企業理念、キャッチフレーズ、◯箇条なども、一つのカテゴライズされた行為である。が故に、それは自己改変を生むリスクが生じるのだと考える。
    従って、言葉で定義された行為は、定期的にその意味を共有する必要がある。
    ・・なんか言語の話ばっかにな

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    2022年12月14日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    筆者がボルネオ島で狩猟を主生業とする民族プナンと一緒に暮らして考えたことの記録。プナンは人から物をもらってもありがとうを言わないし、失敗しても個人のせいにしない。物は個人のものにせずみんなのものとして扱い、親族が亡くなると早くその人のことを忘れるために近親者の人たちは一時的に名前を変える。つまり、私たちとは違うことだらけなのだ。この本を読んで改めて人って自分が培ってきた感覚のフィルターでしかものを見られないんだなあと再確認。でも、だからこそそれがひっくり返ったときに面白いって感じる。

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    2022年11月12日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    旅の楽しみは日常からの離脱。
    自分が日頃属している社会の常識からの離脱。
    そして価値観の逆転と新しい視点を得る。
    それを究極まで見つめたエッセイ。
    昔わたしを捉えたツィアビの演説のようなもの。
    同じ社会に長期にわたって参与観察し続けた人類学者が、その面白さを各章でわかりやすく物語ってくれる楽しい本。
    以下、章ごとの感想。

    3 反省しないで生きる
    プナンの社会では、誰かが悪いことをしたり失敗したりした場合、やらかした当人が反省することはなく、まわりの人たちの側が、そうならないようにするにはどうしたらいいか対策を考えるのだそうである。
    何か問題が起きた場合、当人の反省に帰するより、当人の責を問わ

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    2022年06月27日
  • 絡まり合う生命――人間を超えた人類学

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    絡み合う生命 奥野克巳 AKISHOBO

    人間を超えた人類学だという
    つまりアニミズムが示す魂を見つめた話?
    人類学者だけでは無いが有名になる多くの学者がことの内容を端的に伝えることよりも背伸びした言葉遊びを誇らしげに楽しんでいるように見える
    成長期を過ぎての迷いが外目線へと向かわせて淀んでいるようにも思える
    この本は自分の研究を語る上で
    取り上げる人類学の解説本でもある

    アニミズムを人間とそれ以外にわけ
    あらゆるこの世の存在が
    身体と内なる魂からなるモノとして捉え
    さまざまに分析している
    ヒューマニズムの人間主義を超えた
    自然の一部としての人間を見つめる
    マルチスピーシーズ人類学と言うジ

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    2022年06月25日
  • モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと

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    面白かった
    もっと人間は感覚や感性を信じて
    生きていった方がいいのかなと
    なかなかは難しいような気もするが
    一足飛びに世界が反転してしまう事もあるから
    意外にスルッと変わってしまう事もあるのかも
    ONREADINGにて購入

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    2022年05月01日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    立教大学異文化コミュニケーション学部教授で、人類学者の奥田克巳と、漫画家のMOSAによる、文化人類学をテーマとした漫画と解説。インドネシア・マレーシア・ブルネイにまたがるボルネオ島に住む、プナンという民族の生活を漫画で描いていて、そこにある自然や動物の様子やその人たちの姿などを親しみを持って読むことができる。いろんな描写を通して、プナンの生活において、動物やモノの中にも自分たちと同じ人間性を共通して見いだす考え方や、人に物をあげることを良しとするがゆえに平等な社会ができあがっていることなど、今日本などの社会の一般的通念が絶対ではないのだと思わされる示唆をしている。

    プナンの生活それ自体も面白

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    2022年04月28日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    文化人類学を学んだはじめての本。全く違う文化を知ることで、自分を見つめ直すことが容易になる。自分のこだわりとか、固定観念が中立になる。たまたま手に取ったんですが、入門書としてアタリだと思いました。
    プナンの民は仏教徒ではないようですが、共通する部分があって、仏陀が少しだけ登場します。理解が進みました。

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    2022年03月13日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    ボルネオの少数民族プナンとともに暮らし、そのフィールドワークから導き出した人生観。
    ニーチェの詩と対比させ、それは「永遠回帰」の生き方と結論付ける。
    驚いたのは、後天的に所有欲を抑制していること。すべて共有財産で、まるで民族が一つの生命体のように生命活動しているがごとく。そりゃありがとうもごめんなさいも不要だ。
    これからの時代、見習うべきところもあるだろう。

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    2022年02月28日
  • 人類学とは何か

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    面白いと思うし、咀嚼できたらとても有益と思えるので星4つ。が、ところどころ「?」が頭の中に浮かんでしまう箇所がまだまた多いのも事実。インゴルドの他の本を読んでみてまた戻ってこようと思う。

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    2022年02月22日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    ネタバレ

    マレーシアのボルネオ島、プナン。そこは贈与論(Mモース)にでてくるような循環型社会の一端を虫眼鏡で拡大したような、個人での所有という概念の無い社会。この社会では、幼いころから親などから「ケチはいけないことだ」と教えられ、モノ・非モノ問わず全てを共有している。人々は常に今ここを生き、将来の心配も、過去の反省も無い。問題がおきても、個人にその責任を追及することはなく、それにより、ストレスや孤独、自殺も無いそうだ。

    著者はニーチェの言葉をそこかしこに引用し、プナンの生き方と重ね合わせ、我々の常識に揺さぶりをかけてくる。プナンの人々は生きることの意味を考えたりはしない。一生かけて何かを達成したり、社

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    2022年01月15日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    マンガのまとまりがないのでモヤモヤしていたところ、解説を読んで納得。2人の著者による思考の過程が透けて見えるマンガなのだと理解した。結論ありきの物語や論考が逆に危ういものに思えるようになった。

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    2021年11月26日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    人類学者・小説家・美学者によるリレーエッセイ。コロナウィルスをきっかけとして、人間と自然の関係を考える。オンライン授業の広がりで、仕事を持った社会人学生が、必須科目を受講しやすくなったという話を聞いたことがある。視点が違うとマイナスもプラスに転じる。振り返ってみると、コロナウィルス感染の蔓延に脅威は感じても、ウィルスそのものに怒りはない。結局、苛立つ原因は人間側の言動に対してだなと改めて思う。

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    2021年09月23日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    人類学、文学、美学それぞの観点が交錯するリレーエッセイ。
    「三人寄れば文殊の~」というが、同じ災厄を経験した世界中の人々から、コロナと共存する智恵はきっと出てくるはず。

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    2021年08月31日
  • 人類学とは何か

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    インゴルドの著した本編は、簡単には理解が難しい。詩的な表現も多いが、印象深い言葉が多いのも事実。訳者の丁寧な解説が読後の頭の整理に役立った。

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    2021年08月22日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    偶然手に取ったけど、とても面白い本だった。
    こんな世界があるんだ!と思い、何にも固執しなくていいんだ、自由でいいんだと思える本。
    ぜひ、たくさんの人に読んでみてほしい。、

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    2021年08月01日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    我々が常識に思っているものが、プナンにとっては常識ではない。異文化に身を置くからこそ、自らの常識を疑える。ありがとうもごめんなさいも必要としない社会のプナン、この本で追体験させてもらえ、ありがたい。

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    2021年05月18日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    マンガで描かれた文化人類学の読みやすい本というので購入。結果、読んでよかったと思う。

    読みながら思うのは、マンガや写真のような視覚によるサポートがなければ、想像でその言葉の表すものを実際にその通りに思い浮かべるのはかなり困難だろうということ。
    本書に書かれるボルネオの民プナンは、あまりにも文化が違いすぎて想像の域を超えている。そこがおもしろいのだが、文字だけでの表現では興味深く読み進められるかといわれると、うーん、難しい気がすると言わざるを得ない。

    本書を読んで今までより一層文化人類学に興味が湧いた。やはり人間にとって一番面白いのは、人間そのものなのだと思う。

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    2021年03月21日