奥野克巳のレビュー一覧

  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    性・経済・宗教などの切り口で、現代日本の規範からは想像もできないような文化を持った集団を例に、文化人類学とはどういうものか、どういう思考をもって世界を見ると発見が得られるのか、といった事例が語られている。

    文化人類学というとどうしても人とその文化が主眼に置かれるが、人の生活を構成する自然や生物も含めた人新世という考え方は、今までの自身になかった視点だったのでおもしろく読めた。

    一番興味深かったのが、著者の思考の形成過程を旅と共に紹介する最後の章で、それまでの章で語られていた言葉がどのような背景を持ったものなのかがなんとなく想像できる。

    文化人類学という学問に興味を持ったがどのようなものか

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    2023年09月10日
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件

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    1961年、首狩り族と噂される部族に殺され食べられた(!)と言われるロックフェラー家の子息、マイケル失踪の真実を追ったノンフィクション。題名に比して残酷な描写は少なく、むしろ著者が得た真相には、異文化コミュニケーションについて色々と考えさせられました。

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    2023年09月05日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    ネタバレ

    ボルネオ島のプナンの人と暮らして著者が考えたことが書かれている。興味深かった。

    ボルネオ島の森でプナンと一緒に暮らすことは、「大いなる正午」を垣間見る経験だった。
    「大いなる正午」という比喩はニーチェの言葉で、「真上からの強烈な光によって物事が隅々まで照らされ影が極端に短くなり、影そのものが消えてしまった状態。」のこと。「影が消える」とは、世界から価値観がすべてなくなってしまった状態である。おおいなる正午とは、真上から強烈な光に照らされて影の部分がない、善悪がない状態である。
    世界には固定された絶対的な価値観が存在しないということを、体験をとおして理解したと言っている。

    私たちは、一生をか

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    2023年08月14日
  • 絡まり合う生命――人間を超えた人類学

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    「マルチスピーシーズ民族誌」の考え方について、小説やコミックス、岩合光昭さんの猫あるきなどといった日常親しんでいる文学・芸術作品を入り口に解説。内容は難しいのだがある程度すんなりと読み進むことができる。
     印象深かったのは「ぬいぐるみとの対話」を扱った項。
    ヒトと人ではないものとの交流や交感のような感覚がなぜ起きるのか、あまり深く考えたことは無かった。
    また、写真を撮ることと、狩りで動物をしとめることを同様の行動として見つめたことも無かった。
    私にとって新しい視点が数多くあり、とても魅力的な本だと思った。
    オーケストラを構成するそれぞれの楽器、各パートについて詳しく解説してもらいながら曲を聴く

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    2023年07月30日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    ボルネオ島の森の民、プナンの人びとの話。固定観念が壊される。
    いろいろな世界観があるんだな、と改めて実感。そうすると、やはり日本人の世界観は日本人として大切にしたいと思う。
    最後の解説もちょっと面白い。確かにマンガであることは、人類学を表現するのにとても合う方法なのかもしれない。
    筆者のマニアックさもなんとなく醸し出されている。

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    2023年05月05日
  • 人類学者K――ロスト・イン・ザ・フォレスト

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    文化人類学者・奥野勝己氏による、ボルネオ島の狩猟民「プナン」の文化、観念を描いた体験記。物語は三人称視点から展開され、主人公はカフカの『城』からとった「K」と呼ばれる日本人青年(= 筆者)。

    本書の主な項目は第1章「多自然」第2章「時間性」第3章「無所有」の3点で、現地での体験談をもとに、彼らの暮らしぶりや神話、世界観を詳らかに表す。
    文体が三人称であるせいか、ルポというよりは小説っぽさを感じるものの、エピソードごとに細かく節になっているし、その中身は発見+エピソードトークのような社会学や人類学関連の書籍に一般的な形式であるため、伝わりづらさを感じることはなかった。

    死者への視線や時間の概

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    2023年02月12日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
    御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。

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    2023年01月20日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    人間社会の原始の姿か。
    社会は一体化していて、わたしたちが基本で必須だと思っている挨拶さえもないという。貸し借りの概念もなきという。
    人間同士はそんなにも近しかったのかと感嘆する。

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    2022年12月28日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    筆者がボルネオ島で狩猟を主生業とする民族プナンと一緒に暮らして考えたことの記録。プナンは人から物をもらってもありがとうを言わないし、失敗しても個人のせいにしない。物は個人のものにせずみんなのものとして扱い、親族が亡くなると早くその人のことを忘れるために近親者の人たちは一時的に名前を変える。つまり、私たちとは違うことだらけなのだ。この本を読んで改めて人って自分が培ってきた感覚のフィルターでしかものを見られないんだなあと再確認。でも、だからこそそれがひっくり返ったときに面白いって感じる。

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    2022年11月12日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    旅の楽しみは日常からの離脱。
    自分が日頃属している社会の常識からの離脱。
    そして価値観の逆転と新しい視点を得る。
    それを究極まで見つめたエッセイ。
    昔わたしを捉えたツィアビの演説のようなもの。
    同じ社会に長期にわたって参与観察し続けた人類学者が、その面白さを各章でわかりやすく物語ってくれる楽しい本。
    以下、章ごとの感想。

    3 反省しないで生きる
    プナンの社会では、誰かが悪いことをしたり失敗したりした場合、やらかした当人が反省することはなく、まわりの人たちの側が、そうならないようにするにはどうしたらいいか対策を考えるのだそうである。
    何か問題が起きた場合、当人の反省に帰するより、当人の責を問わ

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    2022年06月27日
  • 絡まり合う生命――人間を超えた人類学

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    絡み合う生命 奥野克巳 AKISHOBO

    人間を超えた人類学だという
    つまりアニミズムが示す魂を見つめた話?
    人類学者だけでは無いが有名になる多くの学者がことの内容を端的に伝えることよりも背伸びした言葉遊びを誇らしげに楽しんでいるように見える
    成長期を過ぎての迷いが外目線へと向かわせて淀んでいるようにも思える
    この本は自分の研究を語る上で
    取り上げる人類学の解説本でもある

    アニミズムを人間とそれ以外にわけ
    あらゆるこの世の存在が
    身体と内なる魂からなるモノとして捉え
    さまざまに分析している
    ヒューマニズムの人間主義を超えた
    自然の一部としての人間を見つめる
    マルチスピーシーズ人類学と言うジ

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    2022年06月25日
  • モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと

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    面白かった
    もっと人間は感覚や感性を信じて
    生きていった方がいいのかなと
    なかなかは難しいような気もするが
    一足飛びに世界が反転してしまう事もあるから
    意外にスルッと変わってしまう事もあるのかも
    ONREADINGにて購入

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    2022年05月01日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    立教大学異文化コミュニケーション学部教授で、人類学者の奥田克巳と、漫画家のMOSAによる、文化人類学をテーマとした漫画と解説。インドネシア・マレーシア・ブルネイにまたがるボルネオ島に住む、プナンという民族の生活を漫画で描いていて、そこにある自然や動物の様子やその人たちの姿などを親しみを持って読むことができる。いろんな描写を通して、プナンの生活において、動物やモノの中にも自分たちと同じ人間性を共通して見いだす考え方や、人に物をあげることを良しとするがゆえに平等な社会ができあがっていることなど、今日本などの社会の一般的通念が絶対ではないのだと思わされる示唆をしている。

    プナンの生活それ自体も面白

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    2022年04月28日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    文化人類学を学んだはじめての本。全く違う文化を知ることで、自分を見つめ直すことが容易になる。自分のこだわりとか、固定観念が中立になる。たまたま手に取ったんですが、入門書としてアタリだと思いました。
    プナンの民は仏教徒ではないようですが、共通する部分があって、仏陀が少しだけ登場します。理解が進みました。

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    2022年03月13日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    ボルネオの少数民族プナンとともに暮らし、そのフィールドワークから導き出した人生観。
    ニーチェの詩と対比させ、それは「永遠回帰」の生き方と結論付ける。
    驚いたのは、後天的に所有欲を抑制していること。すべて共有財産で、まるで民族が一つの生命体のように生命活動しているがごとく。そりゃありがとうもごめんなさいも不要だ。
    これからの時代、見習うべきところもあるだろう。

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    2022年02月28日
  • 人類学とは何か

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    面白いと思うし、咀嚼できたらとても有益と思えるので星4つ。が、ところどころ「?」が頭の中に浮かんでしまう箇所がまだまた多いのも事実。インゴルドの他の本を読んでみてまた戻ってこようと思う。

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    2022年02月22日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    ネタバレ

    マレーシアのボルネオ島、プナン。そこは贈与論(Mモース)にでてくるような循環型社会の一端を虫眼鏡で拡大したような、個人での所有という概念の無い社会。この社会では、幼いころから親などから「ケチはいけないことだ」と教えられ、モノ・非モノ問わず全てを共有している。人々は常に今ここを生き、将来の心配も、過去の反省も無い。問題がおきても、個人にその責任を追及することはなく、それにより、ストレスや孤独、自殺も無いそうだ。

    著者はニーチェの言葉をそこかしこに引用し、プナンの生き方と重ね合わせ、我々の常識に揺さぶりをかけてくる。プナンの人々は生きることの意味を考えたりはしない。一生かけて何かを達成したり、社

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    2022年01月15日
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか

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    マンガのまとまりがないのでモヤモヤしていたところ、解説を読んで納得。2人の著者による思考の過程が透けて見えるマンガなのだと理解した。結論ありきの物語や論考が逆に危ういものに思えるようになった。

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    2021年11月26日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    人類学者・小説家・美学者によるリレーエッセイ。コロナウィルスをきっかけとして、人間と自然の関係を考える。オンライン授業の広がりで、仕事を持った社会人学生が、必須科目を受講しやすくなったという話を聞いたことがある。視点が違うとマイナスもプラスに転じる。振り返ってみると、コロナウィルス感染の蔓延に脅威は感じても、ウィルスそのものに怒りはない。結局、苛立つ原因は人間側の言動に対してだなと改めて思う。

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    2021年09月23日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    人類学、文学、美学それぞの観点が交錯するリレーエッセイ。
    「三人寄れば文殊の~」というが、同じ災厄を経験した世界中の人々から、コロナと共存する智恵はきっと出てくるはず。

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    2021年08月31日