羽根田治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ごく普通の山好き市民たちが遭難し、生還を果たす。なぜ彼らは遭難したのか、そして、どんな感情と行動で山中を過ごし、生還したのかをインタビューしたドキュメンタリー。
考えさせられるのは、ささいな不注意で山の自然に飲み込まれてしまう人間の弱さと、その一方で絶対的な窮地で開き直ったときの人間の強さだ。
皮膚から骨が突き出し、大量の出血、傷口にはウジがわき、それが目の中に入るという発狂しそうな状況で何日間も救助を信じて待ち続けた者もいる。
彼のように本書で生還を果たす人々はどれも自力下山をあきらめ、救助された者ばかり。遭難時には、体力の消耗を抑えて耐えるということが必要らしい。とはいえ、ベストは遭難しないことであり、そのためには周到な準備と来た道を後戻りをする勇気だ。
本書が教えてくれるのは遭難のノウハウではなく、絶対に遭難しちゃいけないってことだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ単独行で遭難した事例が7例出てくる。
道迷い(による下山遅れ)が2
滑落(による負傷で行動不能)が3
熱中症による行動不能が1
悪天候による下山遅れが1
このうち、両神山で滑落して動けなくなり、
2週間ぶりに奇跡的に生きて級もされたケース。
これには感動して泣きました。
ほんとうに素晴らしいし、運の強い人だと思う。
島々谷での負傷者のケース
素晴らしい沈着さと完璧なセルフレスキューぶりに感動。
尾瀬の下山遅れのケース。
女性なのだが、その強さ、沈着さに驚いた。
指摘されている登山届の問題点は私も同感。
単独行がダメと言われてる理由については、
尾瀬の女性と同じく納得できない部分もある。
しかし、救助隊が言うように、死んじゃった人をみて、
「単独じゃなけりゃ助かっただろうに」という部分も
確かにあるだろうと思う。
(同行者の通報により助かるケース)
自分も単独で行くことが多いので、
事故に遭わないように、遭難しないように、
さらにセルフレスキュー力を高めておかないとなー。
ファーストエイド&万が一装備類ももう少し見直そう。 -
Posted by ブクログ
日本の山でトラブルが多いのは、
・人が住んでいるすぐ近くに山がある
・特別な入山料や手続が不要
という、世界的に見るとけっして当たり前ではない恵まれた環境によるところが大きい。世界で一番多く死者を出しているのは谷川岳で、800名近くが亡くなっている。これはエベレストを含む8000m峰14座全ての死者の合計よりも多い。
自分のように命を懸ける意志もその理由もない普通の人間がスポーツとして山に登るようになってから、おそらく100年経ったかどうかだ。先人たちの命を賭したルート開拓・保守や、登山用具(ウェア含む)の格段の進歩によって万人に開かれた山に対する時、先述のように地理的・社会的に恵まれた環境にある日本の場合は特に、登る側の知識や意識を高く持つ必要があるのだと思う。
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というわけで読み始めようと思ったヤマケイ山学選書の最初の1冊。分量的にも内容的にも、山と自分を繋ぐ回路を育てていくとっかかりとしては最適だと思います。