羽根田治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
羽根田氏の「気象遭難」を読後、他の著作も気になったため、本作を購入しました。
登山好きを自称するには経験も微々たる自分ですが、こうした山岳遭難の事例を読むことで、もし自分が同じ状況下に陥ったときどうすべきかなど、教訓を得ることができます。
中でも最後の事例の大山(神奈川県)は、つい先日登った山でもあったため、自分が辿った道を思い出しながら、どこで分岐を間違えたのだろうか、と、条件が重なれば自分も同じ目に遭ってもおかしくはないのだと思い知りました。
登山時には
・行動計画を周囲に知らせておくこと
・低山といって装備など侮らないこと(緊急時にビバークできる程度の装備を常に携行する)
・もし遭難した -
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山岳遭難でよく聞く、雪山での遭難などではなく、「道迷い遭難」が40%を示すそうだ。
名前の通りちょっと道に迷い、そうしてそのまま遭難してしまう。
この本は道迷い遭難に遭い、帰還した人たちから話を聞いたドキュメンタリーである。
「家族に心配をかけると思って」「このまま頑張れば夕方までには帰れるんじゃないかと思って」というケースが多い。そして、沢を下る。遭難したときは峰に上れというが、不安なとき、安心できそうな道、帰れそうだからと下るケースは本当に多いのだろうなと思う。
ダメなときはダメ、不安なら不安、引き返しても大丈夫な体力、余裕がないと山は危険なのだなぁと思った。
この本を読んで -
Posted by ブクログ
たまたま現在、中国原産の熊の赤ちゃんが生まれ、日本のマスコミは大はしゃぎで報道に熱を入れているが、日本にも野生の熊がいる。
そして、その熊はちょこんと座って、笹を食べたりでんぐり返しをしているような熊とは違い、自然の中で生きて、時として人を襲う。
本書は、日本で実際に発生した熊による人間の被害について、その状況を詳しく解説し、併せて熊の生態、攻撃などについても、詳しく、正確に、かつ分かりやすく解説してくれる。
北海道では、ヒグマ。本州以南にはツキノワグマが生息しているが、熊は深山を分け入った山の奥深くに生息している幻ではない。
人里のすぐそばに住んでいる。そして、自然の食物が足りない事態にな -
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そこらへんのホラーよりもよっぽど恐ろしい本だ。
私も本格的な登山ではないが、トレイルランやスピードハイク等で近所の山に軽装で入ることが多いので、まったく他人事じゃない。
実際、「あ、これちょっと道間違えたな、まあ方角は大体分かってるしこのまま突っ切るか」等と軽く考え、薮漕ぎしたり滝を超えたりしながら強行突破したこともしばしばあり、反省しきりでもある。
山で道を間違えたら引き返す、というのは鉄則であり、この本で紹介されている遭難例もその鉄則に背いたが故、というのがほとんどだ。
決して山をナメたらいけない、という怖さを改めて心に刻むとともに、次に道を間違えたら必ず分岐まで来た道を戻ろうという決意を -
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Posted by ブクログ
ネタバレ漫画「岳」に紹介されていた本。
ここ数十年で山岳救助は大きく変わったんだなと思いました。
また、もともと日本という国には欠如している傾向にある「自己責任」ですが、登山ブームがあったということで、「自己責任」の意識が希薄な一部登山者がいるということにも驚かされました。気軽に救助を呼んで、救助されて当たり前という感覚が理解できません。
しかし、人里離れた山という場所、法律とかは通用しないと思っていましたが、法律に縛られて迅速な身動きができないこともあるのですね。。。
仕方ない部分もあるかもしれませんが、あまりのハードワーク、ワーカホリックぶりについては、とても残念です。
篠原秋彦という人に -
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厳しい遭難を生き抜いた、普通の登山者8組の話である。
ヒマラヤの凄絶な遭難は高度な技術を持った登山家の遭難である。一方で、穂高や燕岳のような一般人の行く山での遭難、それは、山に対する立場や姿勢の違う遭難者からすれば、ヒマラヤに匹敵する壮絶な状況だろうと著者は語る。
ここに出てくる登山者は本当に僅かな油断から一般ルートを外れ、道に迷う。ちょっとゆっくりしようという気持ちから1時間休んだら悪天候で帰れなくなってしまう。
「ちょっとおかしい」と思いつつ、それでも引き返せない、その状況が実際の遭難者へのインタビューをもとに構成され、いかにももどかしい思いにとらわれる。
福島は飯森山に登った一條氏は -
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本書はフリーライター羽田治による、ドキュメント「遭難」シリーズの第4弾で、単独行による遭難7件についてまとめたものである。
内容的にはシリーズの「滑落遭難」および「道迷い遭難」と類似した内容となっている。にもかかわらず、綿密な取材により単独行者の心情や状況がリアルに描かれており、相変わらず読ませる作品となっている。特に開放骨折の描写はなかなかグロい。ただし「単独行遭難者にインタビュー」して書かれたものなので、当事者は全員無事生還しているのでご安心を。
前述のように、以前の作品と内容的にはかなり類似しているため、★1つ減じて★4つとする。単独行者の方には、まずは「ドキュメント 道迷い遭難」を -
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山登りは楽しい。けだし、思いのほか疲れるもの、ということは経験上分かった。じゃ、どうしたら疲れを最少に抑えられるか。初心者に分かりやすくポケットサイズにまとめられた一冊。
はじめに登山中に起こり得る「バテ」のケース紹介、次に「バテ」のメカニズム、「バテ」を防ぐための栄養学とトレーニング(日常生活レベルでの知識)、最後にじっさい山で「バテ」ないためのテクニック、という構成。
更に専門的に知りたい方は他書をあたられたほうがよいが、登山をはじめたばかりの入門者が、経験を積む最中で読むにはうってつけの一冊。
読後、いきあたりばったりの登山ではなく、知識をつけて自分と山と付き合うような登山をしたいと思っ -
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ヤマケイのイベント(文庫フェス)で上映された「レスキュー 『篠原 秋彦の軌跡』」に登場する篠原秋彦ことシノさんがマンガ「岳」に登場するヘリコプターレスキュー隊の「牧英紀」にそっくりだったこともありいろいろと調べたら「牧」のモデルがシノさんだった。三歩の「よく頑張った」の台詞はシノさんが発していた言葉らしいです。本の内容は、シノさんの頑固一徹で完全を求める仕事ぶりや実際の救助現場の状況をリアルに描写し、ヘリレスキューの常に危険と隣り合わせの緊張感が伝わってくる。救助に携わる県警救助隊や山小屋関係者、民間救助隊の人たちの苦労を知り、あらためて謙虚な気持ちで山に向かいたいと思うようになった。