【感想・ネタバレ】ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件--のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年06月12日

大峰山で道に迷い、幻覚に苦しめられながら彷徨った人の手記が怖い。幻覚はどれも、彷徨ってる人を楽な方へ、状況を悪くする方へと導いている。山を降らせたり(迷ったら下らない、沢に降りないが鉄則)、靴やスパッツを脱がせたり、時計を取らせたり。
大峰山という霊山だけあって曰くを感じてしまう。もともと迷いやすい...続きを読む厳しい山だからこそ霊山になってるのかもしれない。
迷いながら見る幻覚は、日本昔話に出てくる怪談や、山の話にでてくる「まよいが」的だ。
かつてここで彷徨った昔の人が、霊的な体験をし、それがよく起こるから霊的な山と畏怖されたのかも。
大峰山、穂高岳は、ヤマケイの遭難シリーズでよく名前が登場するので要注意な山なのだなと思う。

そういえば、父の友人のお父さんも、登山が趣味で、何度も大峰山に登っていたが、ある日大峰山に行ったっきり行方がわからなくなってしまったらしい。その後だいぶ後になってから、山の中で亡くなってるのが見つかったとか…。慣れても尚危ない山、大峰山。

この前桜井駅に行った時、「登山に行くなら必ずしも登山届けを!」ってポスターが貼ってあったのを見かけた。

「明暗を分けた分岐点」、秩父の前鬼に行こうとして迷った人の話はこのシリーズで他にも読んだことがある。道を間違えた際、先行する犬連れの人に「こっちで良いんですかね?」と聞かれ、「良いと思いますよ」と答えてしまった。その後、自分は遭難しかけ3時間彷徨うが、なんとか正規のルートに帰る。しかし犬連れの人は遭難しそのまま行方不明になってしまった、という後味の悪い話。

山で人に適当なことを言ってはいけない…。これとは別のヤマケイ本では、休憩所で見知らぬ人に「沢ルートから帰った方が早いんじゃないかな、行ったことはないけど」と言われてその気になり、彼の力量では到底行けないような沢に迷い込み遭難した人の話が紹介されていたのを思い出す。

「冬山登山基地を襲った雪崩」では、山小屋の側で雪崩がおき、山小屋の周囲にテント泊していたテントが二基押しつぶされて死者が4人でた。テントの端にいた人は雪の重みで窒息死、中央に近い人スペースが確保できなんとか生還。雪崩が起きそういないところで起こった雪崩。山に安全地帯はない。

ゴールデンウィーク中に、北アルプスで吹雪が起こり何人もなくなった事故も…。初夏とはいえ山の上はいつでも真冬に戻り得る。

「春の爆弾低気圧」、山登りには天候予測や気圧読みが欠かせない。大荒れになる直前の山はむしろ天気が良い擬似好天になる、っていうのも怖い。自然の罠。

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Posted by ブクログ 2015年05月28日

人間はこんなに”事前に計画すること”と”引き返すこと”が苦手で、過信、希望的観測を止められないものなんだということがよくわかる。とても興味深い。自分にそういうところがありすぎるくらいあることを忘れないようにするためにもときどき読み返してみたいと思う。

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Posted by ブクログ 2016年11月08日

山に登ったことが無いけれど、登山の本を読むのは好き第2段です 笑
いつか、いつか登るんだ!

本当は実体験した人が書いた話が読みたかったのですが、
この本は取材という形を取りながらも、なかなか鬼気迫る書き方で山岳遭難の怖さを読むことができました。

前半の冬山関連については現実感が無かったのですが
...続きを読む後半はとてもリアルで自分にも十分に起こりうることだなぁと感じました。

特に釈迦ヶ岳の幻覚と、奥秩父の分岐点の話はこれが現実に起こったと考えると背筋がヒヤっとします。

その厳しさも山の魅力…と思うのは、まだ登ったことのないあまちゃんだからでしょうか。
その厳しさの中で、自らが選択し進んでいく登山がいつかできたら良いなと思っています。
(その時はこの本をもう一度読み直そう!)

後日談で、無事生還された方の多くが再度同じルートに挑戦しているところが素敵でした。

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Posted by ブクログ 2015年05月25日

山での遭難というのは冬の日本アルプスなどの話と思っていたけど、先日行ってきた丹波山村地域での遭難の話も掲載されていた。日帰り登山だったのですが、実はこの時ちょっとした道迷いをしてしまっていて、この本を読みながらそのことを思い出し、少し緊張した。
どんな山行でも、慣れや油断は禁物。

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