カート・ヴォネガットのレビュー一覧

  • タイムクエイク

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    エッセイ?小説?よく分からない作品。
    本の中心になるストーリーは、時間が突然10年前に逆戻りし、人々はまったく同じ10年間をデジャブの中でリプレイする。それが突然終わった時の混乱で、おなじみのキルゴア・トラウトが活躍する、というものなのだが……。

    冒頭で作者は、「老人と海」を引き合いに出してこう説明する。「老人と海」で釣り上げたカジキはヘミングウェイが書いた長編小説のことで、それが鮫に喰われてしまうのは、批評家たちにボロクソにけなされたことの象徴なのだと。
    釣り上げた魚は食われる前にバラしてしまえばよかったのだ。
    今回、作者は自分の作品が気に入らないので、自分でバラバラにして、いろい

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    2009年10月04日
  • ガラパゴスの箱舟

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    SF。しかし哲学的で、むしろそれが主軸なのだ。文体はスタイリッシュ。シニカルでユーモアに満ちた表現が多い。世界を憂いながらも、著者は希望を捨てていないと思う。

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    2009年10月04日
  • タイムクエイク

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    村上春樹の初期の文体は、ヴォネガットから70%、ブローティガンから30%の影響を受け、そこにチャンドラーの性格設定が加わり完成されたのでは?この3人の中でも、特に僕のオススメはヴォネガット。初めて読んだ時はショックを受けた程、そのスタイルは似ている。しかもヴォネガットは春樹に負けないくらい、いい言葉満載!

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    初ヴォネガット作品。なんてウィットに飛んだ語り口!超ヘビーな体験をシニカルな笑いで包んでくれることによって、説教くささがなく、読む人にぼーっとその時代に思いを馳せる余白を与えてくれる。素敵!素敵!
    そして最後はまさかのフェミニズム小説だった!時代ならではの「ん?」ってところはあるけれど、読んでおいて間違いない作家リストに入りました。次はスローターハウス5にしよう。

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    2025年12月15日
  • 人みな眠りて

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    1950年代、氏が30代の頃に書き上げていた作品群。ミスターzの最後の行、原書ではどうなっているのか読んでみたい。

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    2024年12月10日
  • スラップスティック

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    スラップスティック=ドタバタ喜劇。
    世界観がとても好み。
    中国に対する見方がヴォネガットが生きていた時代と今とリンクするところがあって、興味深かった。

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    2024年10月07日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    ネタバレ


    ●死圏
    ○あらすじ
     成層圏の外側に霊界があって死者がたむろしているとしたら、の世界。
     アメリカが核をソ連に命中させるため、命中したことを確認するために成層圏の外側にUFOを飛ばしたことで、その霊界は発見される。
    ○キャラは何を欲しているか。
     UFOに載った人は、死んだ妻を欲している。打ち上げ計画の最高責任者は、核をソ連に打ち込むことを欲している。計画に参加した科学者は、計画に対して自分が完璧な技術力を発揮したという事実を欲していて(つまり計画の成功)、途中からは霊界の存在の解明を欲している。
    ○感想
     霊界の存在をどうやって博士たちに信じさせるか、のところが面白かった。傍にいる死者が誰

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    2024年04月20日
  • 読者に憐れみを

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    カート・ヴォネガットの元教え子で作家のスザンヌ・マッコーネルさんがまとめた、ヴォネガットが考える作家論、創作論。

    とても良くまとめてられていて、あらゆる角度からヴォネガットの発言を読み解いている。
    時代に合わない部分や、マッコーネルさんの考えに合わないところは、はっきりと著者の考えを述べているし、カートのダメな部分も敬意を持って正直に書かれていると感じた。
    また、カートに近い人なだけに偏りがないよう少し離れた目線でまとめられている。方法論についても教科書的な部分も多いので、カート・ヴォネガットのあの語り口を期待してしまうと、少し物足りないかもしれない。
    しかしカートはジョークが上手いので、本

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    2024年04月17日
  • 猫のゆりかご

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    8月上旬に読んだ。
    原爆の父であるとされるハニカー博士の投下当日の様子、こども達からの証言や関係者をめぐる旅から始まる前半
    “本書に真実はいっさいない”と目次の前に明言されていることを忘れて、この時期に「たまたまー”定められたとおり”とボコノンならいうだろう」手元にやってきたこの本を読み、
    原爆開発側の国の視点にも触れるつもりになりページをめくっていった。

    「もしあなたの人生が、それほど筋のとおった理由もないのに、どこかの誰かの人生とからみあってきたら、その人はおそらくあなたの〈カラース〉の一因だろう」などと、最もらしい教義を散りばめてボコノン教の世界、謎の島サン・ロレンゾに読みながら連れ去

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    2023年08月13日
  • 読者に憐れみを

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    ヴォネガットの弟子にして友人による、ヴォネガット流文章読本。とても長かったけど、詰まることなく楽しくすらすら読めました。作者と役者に感謝を。もちろん、ヴォネガットにも感謝を。彼がうつ病だったということが興味深いです。

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    2023年02月17日
  • 猫のゆりかご

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    SF。
    ボコノン教という宗教を中心とした終末SF。
    登場人物は変な人ばかり。ボコノン教もおかしな宗教。ストーリーも荒唐無稽。
    とにかく奇妙な作品だが、地味に感動できて、印象的なセリフも多い。
    ヴォネガットの著作の中でも、かなり好きな作品。

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    2022年11月18日
  • 人みな眠りて

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    好きだったのは「ジェニー」と「ミスターZ」「ペテン師たち」かな。短編集であること、初期の作品の為か難解さもなく、素直な感じ。なんとなくカート・ヴォネガットって皮肉っぽいイメージがあったんだけど、そんなこともなく読みやすくて良かった

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    2022年02月24日
  • 猫のゆりかご

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    ヴォネガット長編3冊目は『猫のゆりかご』
    出だしからしてヴォネガット節がきいている笑

    本書には真実はいっさいない。
    「<フォーマ>*を生きるよるべとしなさい。それはあなたを、勇敢で、親切で、健康で、幸福な人間にする」 ー『ボコノンの書』第一の書第五節
    * 無害な非真実

    そうだよねえ...いやそうなんだよ....
    話はシニカルでユーモアたっぷりだったが、個人的には読んだことある長編他二作(タイタンの妖女、スローターハウス5)の方が好きだったかなあ
    さて次は短編集の2を読む

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    2021年10月09日
  • 猫のゆりかご

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    「猫のゆりかご」ってなんだろう。

    マザー・グースの詩に
    「風が吹くと、ゆりかご揺れる、ゆりかご揺れて赤ちゃん落ちる、落ちると...」(思い出したまま)
    という恐いのがある。

    読み始めてすぐに謎はとける、がその後の展開に怖ろしい予感。
    世界が終末をむかえるのか。

    短い文章の章立て。勿論シニカル。さびが効いている。
    たたみかけて大団円に。まるでSFXの画面を観ているよう。

    「専制」「大統領」「とりまき」「兵士」「科学者」「金持」「多くの貧困者」「カルト宗教」「カリスマ教主」「アメリカ」「ジャーナリズム」

    と、キーワードを上げるだけで現代と酷似している。1960年代に書かれたSFだのに。

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    2021年09月14日
  • 猫のゆりかご

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    広島の原爆…ボコノン教…世界の終わり…
    最後のほうはハチャメチャです。わたしは前半のほうがおもしろかった。いや、しかしシニカル。でもユーモラスティック。

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    2020年08月29日
  • ジェイルバード

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    たくさんの買い物袋を提げているホームレスを見かけることがあるが、女性の場合はshopping bag lady と呼ぶ。20年前字辞書を引き引き読んだこの作品で知った単語だが、なるほどと思ったのを思い出した。

    ショッピングバッグ・レディーとして登場するメアリー・キャスリーン・オルーニーの存在は、わたしにとっては「タイタンの妖女」の主人公マラカイ・コンスタントと同じぐらい衝撃的。よくこんなキャラクターを作り出せるもんだ。

    ヴォネガットらしい何とも言えないエンディングで、ある意味ハッピーエンドといっていいのだろう。読者はなぜか不思議な満足感を得られるのだが、これは最高度の離れ業ではないだろうか

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    2020年07月19日
  • スラップスティック

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    「チャンピオンたちの朝食」(1973)の次に発表された作品。

    この作品から、ジュニアが取れて、カート・ヴォネガット名義で発表される。

    「タイタンの妖女」(1959)、「母なる夜」(1961)、「猫のゆりかご」(1963)、そして代表作「スローターハウス5」(1969)に比べると、ややパワーダウンが感じられるが、それでもヴォネガットはヴォネガットだ。

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    2020年07月19日
  • これで駄目なら

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    アメリカの文化なりキリスト教についての知識なりがないため、ニュアンスがわからないところもありつつ、糸井重里氏の「目と心にしみる」と解説の円城塔氏の「声」の概念は読んで腑に落ちる感じがした。
    読む人によって心に残るところは違うだろうが、自分は「私も生まれたばかりだ」という考え方、「これで駄目なら、どうしろって」と物事がうまくいっている時に声に出してみること、の2つ。
    後者は英語のニュアンスを完全には理解できてないが、日本語でこれはこういうことだと書くのも違う気がする。
    ヴォネガットの「声」によってなんとなくわかる気がしていればいいのだと思う。

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    2020年04月12日
  • 猫のゆりかご

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    読み進めるにつれ、独特の表現や登場人物に不思議と引き込まれる作品だった。世界の終末…いつか来てしまうのだろうか。

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    2020年03月12日
  • 人みな眠りて

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    ヴォネガット初期作品集。結構好きなのは、「ペテン師たち」だろうか。のちのヴォネガットの複雑な陰影に富んだ内容とは趣を異にするかもしれないが、いずれも粒ぞろいの短編集だと思う。

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    2020年02月22日