カート・ヴォネガットのレビュー一覧
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内容はテンコ盛りだが、あまり記憶に残っていないのは、ヴォネガットに独特の奇想天外な展開がないせいではないか。
サマセット・モームがたしか「要約するとの」の中でプロット(物語の筋立て)の重要性を説いていて、フローベールの「感情教育」はすぐれた作品だけれども、それがないのでひどく読みにくいと言っていた。スティーブン・キングも「スタンド」の前書きで、「ヘンゼルとグレーテル」を例に挙げてその重要性を語っていた。
この作品では、米国の現状を告発する個々のエピソードが積み重ねられていて、それはそれでウィットに富んでいて面白く読めるものの、これまでの目のくらむような展開がなくなった分、読後の印象がモヤつ -
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Posted by ブクログ
カート・ヴォネガットの初期の短編集。着想はどれも面白いものの、大きな物語が始まる前に終わったという印象が強く、インパクトはやや薄めである。一番よかったのは冒頭の「耳の中の親友」で、補聴器が人間の内面を暴き、語りかけてくるという、siriやSNS時代を予見させるかのような一遍でアイディアは面白かったのだが、そこから何かが起こるわけでなく、日常の異分子で片付けられたのが個人的には乗り切れなかった。あとがきでスケールよりも寓意性を取った短編であると書かれていて、それには納得したものの、その機械が蔓延る未来への恐怖感とそれを見たい願望のほうが勝ってしまったので肩透かしというのが正直な感想である。基本的
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Posted by ブクログ
なんともけったいな物語。以前「チャンピオンたちの朝食」を読んだときにも同じような印象を受けた記憶がある。高橋源一郎「さよならギャングたち」と同じ(というか高橋がパクったんだろうけど)なんだけど、「さよなら〜」ほど詩的なわけではないなあ。一応ストーリーはあるんだけど、それよりも即興的な文章を味わうべき小説なんだろう。その意味では翻訳で読んでもダメなのかもしれない。訳者あとがきで紹介されていた書評でもそのあたりについて書かれている。以下抜粋。
「ヴォネガットは、カウント・ベイシーがピアノの名人であるのと同じ意味で、文章の名人である−−どちらのスタイルも、簡潔で、おどけていて、リズミカルだ。そのた -
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正直、表紙の糸井さんの言葉がずるい。
「ヴォネガットは目と心にしみる」って言われたら読みたくなるよ笑
僕は知らなかった人なんだけど、小説やら劇やらを書いていた人で、いろいろなところでスピーチしていたらしい。
その人の思う人生について、書かれているので、メモメモ。
金を稼ぐコツは、一生懸命に働くこと。
愛を勝ち得る秘訣は、いい服を着て、微笑むこと。
夫婦喧嘩の種は、金かセックスか主導権の問題。そしてもう一つ、あなただけじゃ孤独は紛れず、十分じゃない時。
大切なものはお金じゃない。あれば良いけどね。本当に大切なものは、隣人からの助言。自分を見てくれているということ。自分は満たされていると認識 -
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カート・ヴォネガット・ジュニアの代表作のひとつ。
広島に原子爆弾が落ちた日、アメリカの重要人物たちの様子を記録した書物となるはずだった「世界が終末をむかえた日」。その執筆にとりかかった主人公ジョーナは、いまや禁断のボコノン教徒。一方、いまは亡きフィーリクス・ハニカー博士とは、原子爆弾の”父”のひとりにして、”アイス・ナイン”の発明者。
ジョーナは、ハニカー博士の様子を記録すべく、博士の息子や上司、その他大勢にインタビューを試みるうちに、奇妙な孤島に降り立つことになります。そこはプエルト・リコ沖のサン・ロレンゾ島。ボコノン教に魅せられたこの島で過ごす奇天烈な日々は、誰も予想しない運命へ彼をいざ -
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この間読んだ本(図書室の魔法だったかな)でベタ褒めしていたので読んでみました。あやとりって猫のゆりかごっていうんですね。初めて知りました。
何冊かこの方の本は読みましたがひねくれている感じが読みにくい。大嘘なんだけど原子爆弾という兵器があり、それを取り扱う科学者や政治家にモラルが欠けていたらどうなるのか、というようなお話だったと思います。考えさせられますね。
この方の書かれる世界は宗教が結構大きく絡んできて面倒くさいというか面白いというか。きっと多くの現代日本人にとってさほど日常的に大きな容量を割いていないであろう宗教、信心というものが話しの中枢に据えられているので個人的にはだから?と言いた