カート・ヴォネガットのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
廃墟と化したNY。最後の奇形大統領が述懐するこの世の終わりと自伝。ヴォネガッド一流の省略と分割、累積で物語が綴られる。あっけないほど空虚で、乾いたユーモアがそこかしこにばら撒かれ、断片と変人のエピソードの重層に惹かれ、なんとなく最後まで読んでしまう。プロローグのリアルなぼやきから物語へ滑り込むあたり、何も考えて無さそうだが、細かい計算づくだろうか。最後もあまりに唐突。しかも物語の続きを匂わせる。自伝は長い時間の一片であり、さらに別の視点で先へ続くと示すがごとく。舞台仕立ては瑣末なこと。拡大家族システムこそがテーマか。孤独じゃない。ハイホー。