名倉編のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレかなり面白かった
「新しい法律ができた」と言う話を軸に
・AIに絡んだ近未来
・全く関係ない未来
・過去から法律ができたことにより、現代になる
・新しくできた法律の内容が分からない
といった様々な進め方を楽しめた
舞台装置としてのAIの便利さ(我々に身近だが未知のもの)と、法律はルールの為それによって話の土台を作れる万能さに驚いた
〜特にお気に入り〜
矢野帰子先生→おとなも英語を学ばせる話。「英語介護」という考え方が面白かった
潮谷験先生→人々は、作品を楽しむときに作品の裏にいる作者と交流している。AIが作った作品だとその交流ができなくて孤独を感じる。新しい視点だな。オチも良かった。
大沼紀子先生→一番好きだった。人を殺したらokな国(=SFちっく)が、人を殺しちゃ駄目になる(=現代)という逆転の流れ。斬新な視点から、現代を揶揄してて面白すぎた。
五十嵐律人先生→過去から現代に。当たり前だけど憲法も作られたときがあったんだよなぁと。
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Posted by ブクログ
ネタバレ素晴らしい。
勿体ないと思う点もなくはないが、これは大傑作。ハマらない人がいるっていうのも頭では分かるけど...いやハマらない奴なんておるんか?
開いたら分かる関西弁。読んでいくうちにどんどんクセになった。行間から滲み出る主人公の優しさに浸りながら、語りをそのまま聞いているかのようにグイグイ読んでいける。
「誰も出ぇへん。あたりまえか。平日の昼。」といった超短文(単語)の連鎖は不要な気もしたが、「ネット小説」という体裁を考えればリアルと言えるのかもしれない。
内容は、まず設定が面白い。小説世界に入り込む、という一見ベタな設定が、まさかあんなことになっていくとは。
作者への挑戦状、解決の創造といったミステリ好きに刺さる要素を取り込み、物語は深淵へと進んでいく。
『異セカイ系』によってこの「現実」が創られ、さらにその中で『異セカイ系』を作り/作らされ、その中に書いたことにより「現実」が改変されていく...だが、書くこと、それは創ると同時に、「書かない」領域をも生み出す。
その余白/自由意志が、リアルな存在となったキャラクターを作者がコントロールせざる部分となる。
さらにはこのメタ的な構造が、互いに作者兼登場人物となる平等な関係をつくり、また愛すか否かを相手に委ねることになる..........
あぁ頭おかしくなりそう笑。本当に凄まじい。
そのあとの、可能性それぞれの世界が存在していたら、というロジックにも仰天させられる。最後がややきれいごと臭くなるのは勿体ないが、もはやそれすら受け入れてしまう。
後出しの情報が多いというのは一つ欠点だが、前半の問題→解決を繰り返していく、畳み掛けていくような展開はスピーディーで素直に楽しい。
前例があるとかっていう話もあるみたいだが、まだSFはあまり読んでいないのでそれはわからない。セカイ系、なろう系などの言葉の意味すら分からない。そんな状態ではあったが、全く問題なかった。心を鷲掴みにされた。
最高だ。
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Posted by ブクログ
ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。
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Posted by ブクログ
話題作、人気の作家たちによる"新しい法律ができた"の一文から始まる短編集。同じような短編集の5冊目。めくる度にうわっ、今度はこの人か~とワクワクしながら読めます。個人的に一番良かったのは五十嵐律人さんの憲法のお話でした。
殺人や男女関係のエピソードあり、中学校から。
金子礼介「ルパちゃん」
日野瑛太郎「推し活制限法」
朱野帰子「日本国民に英語の勉強を義務づけへ」
阿部智里「つるべを取られて」
真下みこと「こんにちは、チャッテー」
須藤古都離「虚法」
嶋戸悠祐「国家殲滅フットボール法」
多崎礼「復讐者は振り向かない」
風森章羽「コロシヤとユキオンナ」
名倉編「Touch law if you can」
真梨幸子「ある死刑囚の回顧録」
東川篤哉「『ラ禁法』ディストピア」
霜月流「忘却加害」
矢樹純「密室の獣」
高田崇史「御首塚の風」
潮谷験「ネーミング」
献鹿狸太朗「試み」
高田大介「魔法罪」
大沼紀子「もう、ディストピア」
矢部嵩「自転車武装条例」
柾木政宗「ありがとう、虎太郎」
くどうれいん「ショートケーキの夜」
白井智之「ぜんぶミステリのせい」
赤川次郎「帰り道の行先は」
五十嵐律人「革命夜話」
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Posted by ブクログ
誠実さや愛や祈りをテーマにした小説。 誠実さや愛や祈りはいつだって至上のエンターテイメントとなりうる。
メタ構造を用いており、『好き好き大好き超愛してる。』や『君と彼女と彼女の恋。』などとの類似性を感じる。
本作のメタ構造は、『好き好き大好き超愛してる。』の「世界間の差異を創作内で解体することを通して、創作と現実の差異をも解体し全ての存在は連続体であると示し、それによって自作内の"祈り"を世界全体に普遍化させようという試み」の踏襲で、でも『好き好き大好き超愛してる。』が既に言葉を使わないかたちで鮮やかにそれを完全に達成してしまっていて、本作は「作中世界の構造の解説」という言葉を使った説明によって再現しているわけで、言葉は悪いけどその点においては先行研究の展開というより戯画化しただけという印象があった。
一方で、『未来にキスを』の展開としては正当後継的で、未キスでは「自分の認識の枠組を参照する形でしか他者を捉えられない」という問題を「その"距離"こそが大切で、「知りえない」ことには祈りがあり、「知りえない」と知ってしまった新しい人類としての私たちの新しい愛の形だ」と結ぶ。本作では、それが双方向的であるという指摘を付け加えて「愛の対象が代替可能であるように、愛の主体も代替可能であり、それでも代替可能な者同士の間の"感情"は真実で、それならそもそも代替可能であるということは受け入れるべき悲しみでもなんでもなく、喜ぶべきものじゃね」と展開する。さらに、現実世界と創作世界の差異の脱構築と、恋愛の対象と恋愛の主体の脱構築をオーバーラップする形で話を広げていて、結果的に独我論的ながらも他者志向的な祈りになっていく。
一方で、ポリアモリーの観点からは、納得がいかない。わざわざ「ポリアモリー」というアイデンティティを直接的に使用したにも関わらず"誠実さ"という立場から明瞭なアンサーを出せなかったように思う。言及しない方が良かったと個人的には思う。