倉数茂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
決してつまらなかったわけじゃないんだけど、「その描写いる?」という部分も多かったかな。
主人公?の刑事・浩明の同僚である絵美。シングルマザーの女刑事ってことで結構深堀されてたけどそんなに感情移入できるわけでもないし設定がそこまで物語に活きてなかったような。
美和目線の話も、大間知家の闇や差別・迫害についての別視点を描いているんだろうけど、、美和の兄とかなんであんなに攻撃的なのか終始意味不明だったw
「人ならざるものを見てしまう」美和の能力も、そこまで必要だったのかな?という感想。
【追記】
読み終えてから知ったんだけどこれ「七重町シリーズ」っていうシリーズものなのか~
他のシリーズ知っていたらまたぜんぜん違う感想かも?
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本格的な社会派ミステリーと神秘的な幻想ホラー。
両者が巧みなバランスで作中に並存しつつ、互いの闇を照らし合う。
――この読み味、僕はとても好きです。
――綾辻行人
人ならざるものを見てしまう高校生の美和は、雪の中道に迷い、見知らぬ街に迷い込む。その一角に、割られた窓ガラス越しにじっとこちらを見ている男がいた。男は死体だった。
一方刑事の浩明は、死体発見の報を受け、現場に駆け付ける。被害者の斗南という男性は、数日間体の自由を奪われ、食事も与えられないという残虐な方法で殺されていた。浩明は同僚の絵美とともに斗南の過去を探るのだが、予想外の事実が浮かび上がり――。
『名もなき王国』の著者が放つ野心作! -
Posted by ブクログ
【感想】
・最近よく見かけるようになった(昔から多いかな?)「現実」と「非現実」の境界があいまいに溶けていく作品のひとつ。
・書くことの意味と魅力を捜しつつ書くことの虚しさ描くというようなメタっぽい風味はカモフラージュで、じつはメタではなく、存在のあやふやさを利用して存在を確かなものにしようとあがく物語。
・強いてジャンル分けすれば純文学でしょうか。実はミステリという面も(多くの作品にミステリ要素はあるものだけど)。犯人は誰だ!? 動機は何だ!? 作品全体が犯行。なので我慢してでも最後まで読まないと姿がつかめない。
・アニメ「Sonny Boy」とどことなく近いテイストを感じる。
・文学系同人誌を読んでるような気分になった。未熟というのではなく、奇妙な熱量を感じて。
・第三章から読みやすくなった。第五章の「掌編集」は好みに合った。
【一行目】
これは物語という病に憑かれた人間たちの物語である。
▼簡単なメモ
【藍花/あいか】「私」の妻。積極的で表情がコロコロ変わるタイプ。
【生き様】《彼の優秀な頭脳と稚拙な生き様を思い出して悼んだ。》p.357
【異常】《正常さを証明するという試み自体が異常の印なのだ。》p.450
【簡潔】《文章においては、人生と同様、簡潔であることは常に善である。》p.304
【劫】瞬の双子の兄。十六歳で亡くなった。急性心不全。
【澤田瞬/さわだ・しゅん】「私」の友人で三十代の作家。元編集者で店の内装をはがしたりする仕事をしていた。
【沢渡晶/さわたり・あきら】澤田瞬の伯母で、十数年前に六十一歳で亡くなった作家。幻想小説系だったようだ。イメージ的には尾崎翠の感じかなと思っていたがだいぶ違うということだった。
【沢渡晶の屋敷】老朽化して廃墟じみていた。近所の子どもたちは自由に出入りしていた。
【死】《私が消えたとしても世界は何も失いはしないということだった。》p.369
【詩歌】《そもそも詩歌などはある種の楽器と同じで、どんな音色を引き出すかは、読み手のスキルにかかっているのだ。》p.318
【存在】《わたしは存在しない。いま、このダークブルーのインク――明け方の空の色――で綴られている文字のつらなりの外には。》p.301
【松本実花/まつもと・みか】美爽の友人。編集者。
【美爽/みさ】瞬の妻。のめり込みすぎてアンバランスになってしまうタイプ。
【物語】《物語は麻薬である。私は物語を服用することでまだ正気を保っている。》p.401
【私】四十九歳の作家。売れない。 -
Posted by ブクログ
捨て置かれた大きな病院の廃墟に住まう小説家、沢渡晶を中心として散らばる短編たちとして読んでいる間はとても素晴らしくて、それぞれの作品の緩やかな繋がりが、それに楽しみを足してくれる。
賛否両論あると思うけど、私は最後の種明かしで一気に白けてしまった。小説なんてのは所詮現実におけるエンターテイメントです、って、ここに来るまで読み進めながら感じていたものを全否定された感じで、怒りすら湧く。もし、最初からそれが目的でここまで延々読者を連れ回しているのだとしたら、星は1つに変更したい!!
もしこのラストを知ってて読み始めてたら「文章うまいなー、複雑な構成のメタフィクション小説だなー、へー」という感想しか湧かなかったと思う。
しかしそれと同時に、ラストが違ったらすごい傑作だったんじゃないか、という思いも捨て切れず、主人公(作者なのかもしれない)が、沢渡晶、ひいては小説そのものがもつ力への恐れ(畏怖?)みたいなものに打ち勝てなかったから、この小説のラストはああなるしかなかったのかと思ったりもする。
作者の意図も分からないし、読者としては書かれたものを読むしかないので的外れかもしれないけど、もっと自信持ってラストまで書いてよ!!と思ってしまった。