ネレ・ノイハウスのレビュー一覧
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重厚!濃厚!日大三高!
いやー、なんかもうネレ・ノイハウスが達者になったなーって
まず、もうそういう偉そうな感想が来ましたよ
エピソードの繋ぎがうまい
滑らかになってきた気がすーる
そしてオリヴァーですよ
なんか自分を見つめ直して、心の中のモヤモヤが晴れてきたみたいで、ようやっと帰ってきました
優秀なリーダーがね
やったぜ
でもダメダメなオリヴァーもわいは嫌いじゃなかった
むしろ好きだった
フォーエバーダメ男オリヴァー
そしてわいが今回すごいと思ったのは、なにやらシリーズを通しての、敵というか悪い奴らの存在が見えて来たってことなんだが、絶対シリーズの一作目を書いたときはそんな存在想定してなかったと思うのよ!
それなのに初めの頃に書いたことを伏線として使ってる感じなのね
優秀な作家さんてそういうことしやがるのね
書いたときはそんな展開思ってもなかったくせに、しれっと後から繋げてくるの
ネレ・ノイハウスもそんなえげつない作家さんになってきたなーってことよね(だからお前はどの立ち位置やねん) -
Posted by ブクログ
刑事オリヴァー&ピア・シリーズ10作目。
ドイツの警察小説、ベストセラーです。
出版社の有名な毒舌編集者が失踪。
ピア・ザンダーは、元夫のヘニングに頼まれ、連絡がつかないという女性の家を訪ねた。ヘニングは昨年、自分とピアをモデルにした小説を書いて、それが大ヒット。ピアは迷惑しているのだったが…
2018年9月、オリヴァーの末の娘ゾフィアは12歳。
オリヴァー・フォン・ボーデンシュタインは、6年前の事件(「生者と死者に告ぐ」)で知り合ったカロリーネと再婚して5年になる。50代半ば?
継娘のグレータは18歳、オリヴァーへの反発を募らせて荒れ、家庭は破綻しつつあった。
オリヴァーの元妻コージマが癌とわかって2ヶ月、カロリーネまで気分の上下が激しくなったのだ。コージマとの間に情熱はとうに消え去っているが、カロリーネにしたら気になるのは無理もない面もある…
元々、オリヴァーとヘニングは友人。
ピアが警察の仕事に復帰して、オリヴァーと組むようになって13年。恋愛感情はない、あくまで信頼し合うパートナーだけど、ある意味では長く連れ添った夫婦のような、何も言わなくても通じることもある仲。
穏やかでハンサムなオリヴァーが、不安定な所のあるキャリア女性に惹かれては、優しさにつけ込まれるのを心配していました。
ふさふさの褐色の髪で育ちのよい貴族、完璧な発音、本来優秀なオリヴァーですが、10年ほど前の離婚後かなり迷走してるんですね~。
金髪で明るいピアは、2作目で知り合った動物園長クリストフと後に再婚して、こちらはまあ上手く行ってます。一時幸せ太りしてた(6作目「悪しき狼」)のも解消したよう(笑)
あ、モデル小説の件で今ちょっと揉めてるけど(笑)
失踪したハイケ・ヴェルシュは赤毛、先代の愛人でもあり、出版社の文芸部長として長く実権を握っていたが、解雇されたばかり。
1年半前に社長が交代、傾いた経営を立て直したのだが。方針に反対のハイケは、作家を引き抜いて新会社を作ろうと目論んだのが、漏れたのだった。
強引なハイケに敵は多い。担当した作家ゼヴェリン・フェルテンの盗作を暴露したのもスキャンダルになっていた。この作家、署長のニコラ・エンゲルがファンだったり(笑)
ハイケに続いて長年の同僚ロートも倒れ、学生時代からの友人達に動揺が広がる。
新社長のカール・ヴィンターシャイトは34歳。両親を早く亡くし、アメリカで成功した男性だが、先々代の社長の孫。先代の甥に当たります。
先代の娘ドロテーアは年の離れた従姉で、カールが営業部長にと呼び寄せた。
ユーリアは、ヘニングの担当編集者で33歳位。長い髪を三つ編みにした、化粧気のない女性。新人で、社長に認められつつある。生き生きしてます!
マリアはヘニングの文芸エージェントで、56歳。
エージェントというのは、作家の代理として出版社と交渉、契約する、間を繋ぐ存在。
ハイケやロート、マリア、ドロテーアの夫らは、先代社長の子供世代で家族的に扱われた年月がある関係。ロートの妻パウラが「永遠の友人」と揶揄する、閉じられたサークルの中にいた…
「友情よここで終われ」というタイトル、前にもそんな話あったような…と思いましたが。
いや、これは…~もうっ、ほんっとに、ここで終われ、すぐ終われ、いっそ遡って終われ!と言いたくなるような話でした(笑)
まあでも~これで多くの真相が明らかになり、良いこともあったわけで…すよ~それはね、確かにね。
登場人物が多く、それでもかなり、わかりやすく書かれてはいると思うのですが。
誰が誰だか、後で思い返そうとするともうわからない!ので再読。
年齢や外見など、確認しながら、書いてみました。
重厚な背景、意外性のある複雑な展開、ユーモアや心通い合うシーン含め、読みごたえたっぷりです。
オリヴァーが、思わず苦言を呈したピアに対して、その真心に感謝するところも良いし。
ゾフィアが、子供達のなかで一人だけ馬が好きで、オリヴァーの実家で幸せに暮らし始めるのは微笑ましく、いいですね☆ -
Posted by ブクログ
ネタバレオリヴァ―とピアシリーズの第11作。
雪の中で女子高生の死体が発見され、他殺と判明する。
親友の家に泊まると両親には嘘をついて恋人と過ごす予定のようだったが、
その秘密の恋人が犯人なのか。
遺体の体や服から移民の青年のDNAがみつかるが、
その青年は行方がわからない。
そして、被害者の母親のところには見知らぬ女が現れ、
「犯人を捕まえた、娘の復讐がしたくないか」と告げる。
一方、警察の捜査は行き詰まる中、
裁判官が裁判所で人質をとって立てこもりオリヴァーを呼び出す。
部下の一人、カトリーンが自分は裁判官の恋人だと言って
無理やりオリヴァーに同行するが、
裁判官はカトリーンを射殺したうえで爆弾で自爆する。
女子高校生の殺人と裁判官の自爆は関係があるのか。
オリヴァーは無事離婚できて、末娘のゾフィアと穏やかに暮らしていたのに、
目の前で射殺と爆弾自殺にあうとは。
ピアの方は、結婚していた時は結構もめていたのに
検死官ヘニングとは親友のようになっていて
認知症を発症している母親について相談にのってもらっている一方、
夫クリストフとは揉めている。
とはいえ、最後にはクリストフと共にナミビアに一年間行くことを決意する。
ピアのいない間、オリヴァーは大丈夫?
新しいメンバーが活躍するの?
それにしても、
娘を殺されたのにクリスマスツリーを買うべきかどうか悩むほど、
ツリーは重要な存在なのだろうか。
被害者の使っていたハローキティの毛布、キノコ農場でシイタケ、
親友が葬儀でしていた攻殻機動隊の草薙素子のコスプレと、
ちょいちょい日本が出てきて嬉しかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレドイツの女性作家、ネレ・ノイハウスのオリヴァー&ピアシリーズ第二弾。
動物園で切断された死体が発見される。死体は環境保全運動の活動家であり、政治家をはじめ各方面でトラブルを起こしていた一方で、一部の若者から熱烈な支持を受けていた…
一作目「悪女は自殺しない」より断然面白い。
オリヴァー&ピアシリーズといいつつも、一作目はピアにそこまで焦点が当たらず、キャラクターとしても薄味だったのが、今作ではピアがメインでがっつりと肉付けされる。
このシリーズの特徴なのか、登場人物のプライベートがしっかりと描かれる。容疑者二人を天秤にかけて揺れるピアとか、初恋の相手と仲良さそうな容疑者に嫉妬するオリヴァーとか笑。特にピアは、警察として良いんかいなと、ハラハラさせられる。
事件そのものは、活動家の死体発見というつかみから、二転三転して意外なところに持っていかれる。終盤まで犯人が予想もできず、ミステリとしても良い。
順当に翻訳されて嬉しいシリーズ。難点は、ドイツミステリあるあるだろうけど、登場人物の名前が全く覚えれないこと笑。しかもこのシリーズ、巻によっては登場人物表だけでなんと四ページもあるので…何はともあれ、追っていきたいシリーズ。 -
Posted by ブクログ
最高すぎる!
ネレ・ノイハウスのそこ知れない懐の深さや頭脳の明晰さ、問いかける重さに唸るしかなかった。
ミステリーとしても、オリヴァーとピアの物語としても、捜査11課の物語としても圧倒的な本作になったと思う。エンタメ性もすごくあった。
移民問題やそのヘイト、10代の危うさ、司法の視点、どれもデリケートな問題なのにぐいぐい引き込まれ読むのが止まらなかった。
個人的に、アンネの人物描写、心情描写が心震えるほど丁寧で沁みた。また、登場人物のページだけで3ページに笑った。
あと、前々から怪しいなぁ、ちょっと不透明な人だなぁと思ってました!
事件解決までの時間を一緒に体感しているのがいつも心地よい。 -
Posted by ブクログ
「性根」というものについて考えてみた
「性根が腐ってる」とか「性根が座ってる」みたいな使われ方をするよね
生まれながらに備わっている性格や性質を言い、後天的に変えにくいもの、精神や魂そのものを指す場合もあるようです
で、ナチよ
積極的にナチに加担した人たちって一定数いるわけな
そういう人たちってもともと「性根が腐ってた」んだろうか?
んで本来そういう人たちは、やっぱりまっとうな世界では日陰者になるところをナチスが支配する世界ではむしろ「素晴らしい人格者」とか言われて、俺たちの時代が来たぜとか思ってたんだろうか
いやね
ヨーロッパのミステリーではよくあるのよ
元ナチの犯人や元ナチの被害者(恨まれて殺される)がね
殺す側でも殺される側でも「性根の腐った」やつとして登場するんだけどね
うーん、なんかまとまらんなー
ドイツミステリーの本作はナチスを題材にしてきまして、やっぱりドイツではナチに積極的に加担したやつは「性根の腐った」人という扱いなんだなぁ〜と思った次第
まぁ、そりゃそうか -
Posted by ブクログ
ネタバレオリヴァー(主席警部)とピア(警部)のバディー。事件捜査の中で関係が進展し親密感が増していくのがいい。事件現場に残された「16145」は何を意味しているのだろうか。
1945年から2007年というスパンの壮大な推理小説。
登場人物の名前、関係性、家系、何度も何度も前に戻って確認した。沢山の登場人物の作品、読みこなすのに努力が必要だったが、それを上回るわくわく感があった。満足だ。
小説のキモはこのあたり。
P.443
「聖書に「汝殺すなかれ」と書いてあることは知っています」アウグステがまた口を開いた。
彼女の声は今にも酒え入りそうだった。「でもその聖書には「目には目を、歯には歯を」とも書かれています。彼らがエッダとその一味であることに気づいたとき、わたしはこの不正を僕わせずにおけなくなったのです。妹のイーダは生きていれば七十一歳です。まだ寿命があったかもしれません。そのことがわたしの脳裏を離れなくなったのです」
P.445
アウグステが体験させられたことといったら!目の前で夫、両親、親友、幼い妹を撃ち殺され、子どもを奪われ、ひとり生き残って地面をはいつくばったなんて!!さらには労働キャンプ、強姦、飢餓と病気。あの老婦人はそれでも生きつづけた。その力をどこから得ていたのだろう。息子に再会したいという一念だったのか、それとも復讐心?
アウグステは小説の核心人物。建物修復士の祖母。エッダは女性実業家の実の名前、彼女の過去のおぞましい行為が事件を引き起こした。
東部ドイツのナチズム、ソ連の侵攻、ドイツ敗戦前後の悲惨な歴史に62年後に発生した事件のカギ。
考えてみればわかることだが、ドイツでも敗戦後、ソ連での労働キャンプがあったことを改めてて知った。ナチズムやスターリン主義の下で人生を翻弄された人々が存在した。