ネレ・ノイハウスのレビュー一覧

  • 友情よここで終われ

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    オリヴァーとピアシリーズ10作目のドイツミステリー。事件解決と並行して二人の私生活も深く語られるので、もはや私にとって二人は正月に近況を知らせてくれる親戚の様な親近感を抱かせてくれる。とは言え、今回の事件は登場人物も多く関係性も複雑、さらに過去の事件の影響が多大で、嘘に嘘を重ねる容疑者が常に入れ替わる。
    解決に繋がるチームのメンバーの地道な仕事も描かれているので600ページ超えもあっと言う間によめた。

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    2024年04月16日
  • 友情よここで終われ

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    ネタバレ

    登場人物が多い上に人間会計が複雑、更にそれぞれがあだ名で呼びあったり、作中作小説は仮名処理されてて、誰が誰だかわからなくなる。
    しかも、みんな嘘ついてて、ルービックキューブかってくらい事件の構図が目まぐるしく入れ替わり、その度に容疑者候補順位が次々シャッフルされる。
    これを最後に収束させられる技量半端ない。
    ピアがため息混じりに「これは最低の事件よ。嘘と巻き添え被害だらけ」というのも頷ける。
    そんな中、ゼヴェリン・フェルテンのキャラが最高。未だかつてここまで強烈な噛ませ犬がいただろうか。
    終盤で特殊応力を発揮するし、ニコラのお気に入りになってるし、レギュラ入りを予感させますね。

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    2024年03月17日
  • 友情よここで終われ

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第10作。

    オリヴァーの私生活はこんな酷いことになってたんだっけ?
    上手く行っていたような気がしたのだが、
    ピアに言わせれば、いつも同じタイプ、
    不安定さを抱えるキャリアウーマンタイプに惹かれるオリヴァーが悪いのだが。
    元妻のコージマが癌になり末娘と一緒に住んでいるが、
    妻の娘が悲惨な事件を目撃したトラウマからか意地悪三昧。
    オリヴァーひとりなら、自業自得で終わりだが、
    娘を巻き込むのは親としてどうかと思う。
    別居すると聞いて「ようやく?」と言いたくなるピアの気持ちがよくわかる。
    さらには、家を出た後に元実家のお城を改装したホテルに泊まり込み、
    敷地内の家に安い家賃で住まわせてもらえそうとは、
    貴族のお坊ちゃん極まれり。

    事件の方は、出版社の元編集者が行方不明になったことからはじまる。
    働いていた出版社は創業者一族が経営していたが、
    その関係者が関係しているのか
    もしくは作品の剽窃をばらされた作家が絡んでいるのか。
    出版社社長の年の離れた従兄が事故で亡くなったことや、
    社長の母親が自殺したことに関係しているのか。

    謎解き部分は面白かったし、
    編集者の一人と社長が距離を縮めていくところも良かった。
    その編集者がアイスティーをもってバルコニーに出て、
    原稿を読む場面がうらやましかった。
    人を殺したと思い込んだ有名作家のドタバタ劇も、
    意外にもそのあと事件解決に手を貸したところも面白かった。

    ピアの方はといえば、妹キムと前作で出会えたその娘はうまくいかなかったが、
    新しい家で、事件で知り合った犬を飼い始め幸せそうだった。
    元夫の法医学者ヘニングがミステリー小説を書き、
    今の夫がへそを曲げるのが問題らしい。

    被害者の隣人を見てピアが、
    投資銀行勤務か弁護士にちがいない、出勤前にはハーフマラソンをしていることに
    「わたしのミニを賭けてもいいです」と言ったところを、
    カシオミニ、と空目をしたのは私だけでははず。

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    2024年03月11日
  • 生者と死者に告ぐ

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    初めて読みました。
    デンポよく話が進んで、本の厚さを感じさせないくらい、あっと言うまに間に読み終わりました。

    街の雰囲気を想像できるような描写でよかった!
    酒寄さんの翻訳に感謝。

    他の作品も楽しみ❣️

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    2023年09月27日
  • 悪女は自殺しない

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    ドイツ人の名前に馴染みがないので、登場人物の名前は覚えにくいし、間柄や話題によって呼び方が変わるので、ちょっと前のページに戻って確認したりしながら読みました。

    元貴族の名前には、フルネームの中にそれと分かる呼称が入っているとか、ドイツ社会の中の警官の立ち位置がちょっと分からない(例えば、取り調べにきた刑事に侮蔑、見下すような眼差しを向けるといった表現があるけれど、日本では警官に対してそういった感情は起きにくいと考える)といったこともあるけど、物欲や見栄や嫉妬というたぶん全世界共通の、ドロドロな人間模様の中でおこる殺人。
    面白かったです。

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    2023年01月07日
  • 深い疵

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    日本語訳にされたのは、これが一冊めのようですが、シリーズとしては三作目。

    基本的に読み切りなので、これ一作だけでも十分楽しめますが、ちょこちょこ過去の話題が出てくるので、やっぱり一作目も読んでみよう!と思うほど、面白かった。

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    2022年12月16日
  • 母の日に死んだ

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    刑事オリヴァー&ピアのシリーズ、9作目。
    ドイツの警察小説です。

    前作でオリヴァーの子供時代からの人間関係に絡む事件が起き、疲れ果てたオリヴァーは制度にある長期休暇を取りました。
    オリヴァーは警察ではリーダーで人柄も見た目もなかなかいい男だが、やや女運が悪く振り回されがち。
    とはいえ、ここへ来て落ち着いたよう(笑)
    ピアは(何年も前になりますが)元夫と別居してこの地で農場を買い、警察の仕事に復帰、今では資格も先輩のオリヴァーと同等の主席警部に。お似合いの相手クリストフと再婚もしています。

    さて、オリヴァーが復帰しての新たな事件。
    とある邸宅の主人が亡くなっているのが見つかった。
    さらに、犬舎の下に死体が埋められていたことが発覚。思わぬ大事件に発展します。
    かって主人夫妻は多くの孤児を預かっており、虐待の噂もあったが真相はわかっていなかった。捜査していくと、関係者に複数の行方不明者がいることが判明します。
    それは5月、母の日の頃に起きていた…

    ピアの妹のキムもまだ登場していて、意外に不安定な面も見せたりして、当初の予想より役割が重要になっていきます。
    ピアの家族というのが長い間よくわからなかったのだが、旧弊な両親は娘たちの職業を今も快く思わっていないことなど、ドイツもそんなに開明的ではないのだねえ。
    疎遠な妹へ抱くピアのコンプレックスや、上手く行かなかった理由とは。

    生き生きと描かれる登場人物たち、数多い人たちが社会をなしている様子、現代の様々な問題を取り上げつつ、この特別な悲劇を解き明かしていく筆力はさすがです。
    そして、真相に近づくにつれ、思わぬ出会いも…
    今回も、胸に迫る読みごたえがありました。

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    2022年09月16日
  • 悪しき狼

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    このシリーズの6冊目。相変わらず面白い。事件が虐待ということで少し陰惨な感じがしたがオリバーとピアのコンビによる事件解決のテンポがいい。まだ少なくとも3冊は翻訳されているので読むぞ。

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    2022年03月05日
  • 母の日に死んだ

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    シリーズベスト級。孤児を受け入れていたラインフェラート家の年老いたテオが死んだ。調べると犬のケージからラップフィルムに包まれた遺体が3体。テオが連続殺人鬼なのか?

    すごく時間がかかった。しかしその甲斐あり。

    登場人物の多さ、被疑者の多さ。それを正当化するどんでん返しアンドどんでん返し。素晴らしい。


    ※自分用ネタバレ

    犯人は、孤児院で育ち、子供を捨てた母親を憎み、テレビで子供を捨てたことを話した母親を連続して殺した。刑事ピアの妹キムも実はレイプされた子を、親友の産婦人科医を通して、不妊のカップルにあげてしまっていた。そのため犯人に狙われた。

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    2021年12月30日
  • 母の日に死んだ

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    始めの翻訳シリーズからの大ファン。読み続けていてオリヴァーもピアも家族の様に感じるし、今回は特に年齢を重ねた二人を思うと、大切な友達と共にここに至ったと感慨深い。今回はピアがびっくりひっくり返るのが主題。

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    2021年12月20日
  • 母の日に死んだ

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第9作。

    新聞配達人が発見した老人の遺体。
    大きなお屋敷は、以前里子を多く引き取っていた。
    死にかけていた犬のゲージの中から白骨が発見され、
    母の日に起こっていた連続殺人へと広がっていく。

    もう一つのお話として、実の母親を捜している女性の話が
    重なってくるが、まさかそれがピアの妹のことだとは思わなかった。
    二人とも無事助かって良かった。

    ショックだったのは、ピアが白樺農場を売ったこと。
    あんなに楽しそうに馬の世話をしていたのに、
    馬も犬も亡くなってしまったのもショックだった。
    五十歳を目前にして、夫が住んでいた家を買い戻し、
    街に戻ってきた。
    新しい生活になじんでいるのを読んで、
    なんだか自分も引っ越ししたくなってきた。

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    2021年12月08日
  • 母の日に死んだ

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    待ちに待ったネレ・ノイハウスの新作。
    事件の原因などの陰湿な導入は、作者らしさに磨きがかかり、綿密だった!
    冒頭と挿入のエピソードの惑わせ方が良かった。信じてる読み手を本当に惑わせてくれる。
    シリーズを読んだ人なら、本作の深い湿度の事件の発端が、映像として今までの作品以上に脳内に表れるのではないでしょうか?
    取材力というか、編集者さんの力というか、今のテクニカルな手法も絡めてつつ、問題提起を書く作者のメッセージが作者らしく力強い。これは過去No.1。導入と表現とロジックの妙が生きている。
    オリヴァーでは無く、今回の主人公はピア、そして強くならざるを得ない女性達だから、最後はあんなにハリウッド的なのだろうか?
    ドイツ色があるのはオリヴァーだからだろう。本作はピアのものだ!
    とにかく、面白かった。エンタメ性がとても高い
    ネレ・ノイハウス大好きだ。

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    2021年11月17日
  • 森の中に埋めた

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    オリヴァー&ピアのシリーズも8作目。
    重厚な部分と、生き生きと親しみやすい部分を兼ね備えたシリーズです。
    前作「生者と死者に告ぐ」はミステリとして枠組みがユニークで、スピーディな展開と感じました。
    今作は、オリヴァーの過去に関わる、シリーズ中でも重要な作品です。
    こういう展開になることを見据えて書かれていたシリーズだったのだなあと認識を新たにしました。

    オリヴァーは、主席警部。
    長身で男前の、性格もなかなかいい方の50代。
    少し年下のピアは部下で、相方、金髪で明るい性格。恋人というわけではないのですが、夫婦よりも一緒にいる時間が長いほどでもあり、信頼し合う間柄です。
    キャンプ場でトレーラーが爆発、放火事件とわかります。トレーラーの所有者は高齢で施設にいましたが、そこでも事件が。
    さらに‥
    オリヴァーの住む地域で、怪事件が起きていくのです。

    オリヴァーはフォン・ボーデンシュタインという貴族の家系の出で、今は昔のように領地があるわけではありませんが、城では弟がレストランを経営、観光地となって存続しています。
    村人は皆、子供の頃からよく知っている人ばかり。
    実は40年も前に、少年の行方不明事件がありました。ロシアからの移民の子で孤立気味でしたが、オリヴァーは守ろうという意識があった。
    それなのに、守れなかった…
    それは心の奥の痛みとなって残っていたのです。

    次第に明らかになっていく過去の事情。
    登場人物が多いのは大変ですが。
    年月が経っていったことを感じ取りながら、オリヴァーが確かめていく家族関係や様々な変化。
    それを描き出していく筆力と、容赦のない真実。

    離婚から何かと不安定だったオリヴァーが、前作で知り合ったお似合いの女性と付き合っていることが救いです。
    オリヴァーを心配していたピアは胸を痛めますが。
    真相が明らかになったことは、やはり救いともなるのでしょう。
    期待通り、期待以上の、読みごたえがありました。

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    2021年10月13日
  • 穢れた風

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    新刊「森の中に埋めた」も読んだ後で、本作を読んだ。シリーズの中でずば抜けて面白かった!
    二転三転される伏線や、途中のモノローグが結びつく気持ち良さが格段にあった。ロジックが合わさる様で、でも交錯しない見せ方が面白かった。
    完璧な悪者も完璧な聖人も居ない。
    人間ドラマに溢れたミステリー。
    スッキリ解決するミステリーを好む人には向かないかも知れない。
    オリヴァーしっかりしてなさ過ぎも面白かった。

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    2021年09月09日
  • 森の中に埋めた

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    ネレ・ノイハウスは初めて。
    マジめっちゃ面白かった!
    犯人が読み終わる間際まで分からない展開がたまらない。読み終えるのが勿体なく感じた。
    文章もキャラも、そして作者が伝えたいメッセージも濃く深くて良かった。
    良いミステリー、というよりホント良い本に出会えた読書時間だった。

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    2021年08月13日
  • 生者と死者に告ぐ

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    オリヴァー&ピアのシリーズ、第7作。
    ドイツのミステリです。

    オリヴァーは主席警部で捜査のリーダー。ピアは恋人ではなく、仕事上のパートナーです。
    散歩中の女性がライフルで遠くから射殺される事件が起きた。
    ピアは夫と休暇旅行に行くはずだったが、人手不足の時期に難事件が起きたのを案じて取りやめる。
    次々に射殺事件が起きるが、被害者は誰も恨まれるような人柄ではなかった。
    捜査は難航するが…?
    思いがけない事件の描写がシャープで、ミステリとして興味を引く内容。

    オリヴァーは離婚後、幼い末娘を可愛がって、ようやくだいぶ落ち着いた暮らしに。ただし、今の交際相手とはどうも仲が深まらないので別れを考えている。
    今回は捜査に州の事件分析官が参加するが、これがやや戯画的というか、口は達者だが的外れで、お荷物になってしまう。
    ピアの妹キムが登場、実は司法精神医で、彼女の見立ての方が、事件分析官よりも役に立つという結果に。
    ピアは家族と上手く行っていないという話だけは以前からあったが、詳しいことは出てこなかったと思います。
    旧弊な両親らしいけれど、それなりに和解が成立した様子にほっとする心地。
    事件の関係者でキャリアウーマンのカロリーネの描写が丁寧で、ん?この人、オリヴァーとお似合いじゃないかしら…(笑)

    重いテーマを背景とした事件に切り込みつつ、人間的要素で読ませます。
    現実味のある登場人物、捜査する面々も等身大で、人生が少しずつ変わっていきます。
    そのあたりも読みどころ。楽しみなシリーズです。

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    2021年04月16日
  • 悪しき狼

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    「刑事オリヴァー&ピア」シリーズ第六弾。読み始めたらぐいぐいと引っ張られていく展開。事件が事件だけにつらくなるような描写もあるけれど、面白さは抜群。ひとつひとつが少しずつ繋がりだしていくその描きかたが本当にうまくて全体が見えた時の鮮やかさは素晴らしい。続刊も早めに読もう。

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    2021年03月27日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    ネタバレ

    冤罪で11年の刑期を終えたトビアスは、出所して故郷に帰って来る。
    それに合わせたかのように再び不穏な空気に襲われるアルテンハイン。
    暴力事件が起こり、再び少女が行方をくらます。

    これ、ものすごく怖い話です。
    例えばテレビの「逃走中」で自分一人が残った時に、何十人ものハンターが表情一つ変えることなく自分を追いつめてきたら。
    それも、捕まえて終わりではなく、命を取るまでゲームが終わらないとしたら。

    ところが自体はそれほど単純ではなくて、真実が少しずつ明かされるたびに二転三転と状況が変わって行く。
    トビアスは無罪。
    誰が、何のために、彼に罪をかぶせて、なおかつ今もなお暴力で支配しようとしているのか。
    加害者が自警団を作り被害者を襲う。
    その理由たるや、他人の痛みには知らん顔をしたまま自分の痛みだけを主張するおぞましさ。

    だけど、文章は読みやすくて、読後感もそれほど悪くはない。

    警察は警察でいろいろ問題を抱えているのだけど、例えば妻の浮気とか、自宅を強制退去させられる刑事の他に、届けを出さずにアルバイトする刑事や(届けが認められたらアルバイト可というのがびっくり)、知人に頼まれて証拠書類を廃棄する刑事(日本にもいるかも)など、日本の公務員に比べて職務専念の度合いの低さに驚き。

    次は自費出版されたデビュー作に挑戦だ!

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    2021年01月06日
  • 森の中に埋めた

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第8作。

    大変良かった。
    オリヴァーのルーツとも言える事件が解決したこともそうだが、
    長年もやもや、いや、いらいらしていたオリヴァーの私生活が安定を得られそうなことが、とても良かった。

    とはいえ、登場人物が多く、かつその関係が複雑で、
    さらには過去と現在を把握していないと話について行けないので、
    かなり読み進めるのが難しかったことは否めない。

    しかも、
    知識豊富で、証言を引き出すための嘘も上手い新人が入ってきたことや、
    (彼のあだ名、アインシュタインはそういうタイプの天才ではないと思うが)
    オリヴァーが義母の遺言で屋敷を相続することになったこと、
    今の恋人に心の内を打ち明けられたこと、
    長期休暇中の後任にピアが決まったことで、
    これが最後の作品になるのではないかという心配も、
    読む進めるのを難しくしていた。

    オリヴァーの人生そのものとあって、
    あちらこちらに心ゆさぶられる場面があったが、
    事件解決後にけがで入院したオリヴァーに、
    ピアがかわいい贈り物をする場面には心を打たれた。

    それと、あとがきで書かれていた訳者の「聖地巡礼」は本当に羨ましい。
    この事件の舞台の村、作者が暮らす村内の「聖地」を訪れ、
    作者本人に朗読してもらえたとは。

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    2020年11月28日
  • 悪しき狼

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    女性刑事ピア・キルホフが主人公の作品。
    重いテーマではあるものの、展開が早く目が離せない。
    プライベートの悩みを織り交ぜながら、展開が早く、引き込まれる。
    2作目から読み始めてしまったが、ドイツのベストセラー商品だけある。
    北欧作品に比べて少し色づきもある。

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    2020年10月13日