竹田青嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
暇な時期があったので、ヘーゲルの『精神現象学』を読もうと画策するも、一番わかり易いと言われる長谷川宏の訳本を読んでも、全く歯が立たず。そこで、名著『ヘーゲル・大人のなりかた』の著者の西研と、竹田青嗣の解説書である本書の助けを借りることになる。
元ネタの訳文の雰囲気をかなり残しながらも、大事なところを選んでギュッと圧縮して、うまくまとめている。適宜、砕いた解説文が入っていて、だいぶわかりやすくなっている(それでも後半からは、段々疲れてくる)。タイトルの様に「完全読解」したとは思えないが、気になったところだけ書いておきたい。
まず、有名な「自己意識」の「ストア主義・懐疑主義・不幸の意識」の部分 -
Posted by ブクログ
哲学とは一体何なのか?という単純素朴な疑問がありこの本を読む。近代以前の絶対君主的な社会から相互に契約を結ぶという「自由」を主とした社会に変革する中で、宗教的な"物語"ではなく普遍的に了解される原理を導き出すこと。これこそが哲学の本質的役割だということだろうか。
絶対的に正しい世界というものは存在せず、世界を自分がどう理解するのか、また自分と他人との関係性をどう理解するという「視点」の転換が面白い。絶対的な社会が存在することを前提に、それを見つけ出すことこそ(そしてそれには知識が不可欠であること)が哲学だと思っていたから。そうだとすれば、哲学は一部の学者の高尚な学問ではなく、誰もに関わりうる、 -
Posted by ブクログ
岩波ジュニア新書からの出版なので、この本は中高生向けの本ということになっている。
しかし、哲学のテキストなどで参考文献として紹介されていたりして、内容的にはかなり質の高い入門書である。
特に近代から現代にかけての哲学が紹介されており、生活感覚に則した説明でわかりやすい。
「自由」というテーマで、近代以降の哲学者の紹介も、今日的な問題解決のための指針となり得るものであるし(第4章)、自己とは何かをヘーゲルとフロイトの思想から、展開する章(第5章)も哲学と生きていくことの関係を理解できる内容である。
ところで、私は入門書が好きである。
これまでに何冊もの入門書を読んだ。
入門書には、事柄 -
Posted by ブクログ
ネタバレかなり満足。同じ著者の「現象学入門」を読んで以来、ぼくには「竹田現象学」はかなり肌に合いそうだと思っていたのだが、この本を読んでその想いを強くした。
内容は全編にわたって現象学の解説、現象学に対する誤解の払拭、現象学に対する批判への「反批判」。
前半の固い解説口調も良いが、後半の少し叙情的なエッセイやコラム形式も悪くない。
前半と後半で内容の重複が多く見られ、主題の繰り返しも多いが、現象学の(一見)込み入った概念を腹落ちさせるためには、これくらい何度も同様の説明をされるのも良いだろう(少なくともぼくにはそうだった)。おかげで、フッサールやハイデガーが難解な用語を尽くして語っていたことが、実は -
Posted by ブクログ
哲学者にしては珍しく資本主義社会を肯定的に評価している。哲学者が、特に形而上学に比重を置いたそれが、その学問の無意義を恐れて、経済社会を論じることは多い。そして古代からの人間精神の歴史を独自に解釈して、現代社会を批判する。その批判する哲学者の姿は遊びであればおもしろおかしく笑うことも出来るのだが、本気で批判しているとなると哀れさと惨めさで見ていることが出来なくなる。
経済発展とは野生から脱した人間社会の進化論そのものであり、哲学でなく人間の欲望の相互作用として化学変化を起こしつつある姿に過ぎない。したがって、学者にある哲学上の観点から社会は「~しなくてはならない」という忠告・警告はほとんど意 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中学生には多分難しい。
けど読めないことはない。
社会とは相互承認で作られている。
犯罪的な裏取引も、そこにお互いが認めたルールがあるから成り立つ。
(悪の組織もルールを守っているから成り立つなんて…)
子供時代は親や周りのごく親しい人との間だけで、自分のルールを作っていく。
大学や社会に出て、自分と異なるルールを持つ相手と出会い、衝撃を受け、お互いのルールを少しずつ変えていきながら社会を作っていく。
(衝撃を受け、自己ルールが崩れて組み立てなおしになる人も多いそう。私自身もいままさにそういう状況だったので染み入った。)
幸せの話、みんなが求めているものを人間は欲しくなるけれど、みんなが -
Posted by ブクログ
近代哲学における基本像を通して見ると、ヒュームは独我論者であり、ヘーゲルは形而上学汎神論者であり、ニーチェは解体主義者であり、フッサールはこれまた、絶対的真理の擁護者である。そして、プラトンは形而上学的性格の絶対源流だ。
著者の竹田青嗣は、こういった近代哲学の基本像を真っ向から否定する。哲学の本質はそれが方法的な思考法にあるとし、最も革新的な理念は普遍性という概念で示されると主張する。
普遍性は、しばし誤解されているように、あらゆることに妥当する完全な認識や知のあり方、ということを意味しない。普遍性の本質は、異なった人間同士が言葉を通して共通の理解や共感を見出しうるその可能性という点 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
哲学というとなんだかむずかしそう。
けれど、偉い人の立派な考えを学ぶのが哲学ではない。
何か困難にぶつかったとき、ものごとを根本から考えてみたいとき、そこにはたくさんのノウハウがつまっている。
哲学者たちは自由や社会、そして自己についてどう考えてきたのか。
自分をよりよく知るための役に立つ哲学入門。
[ 目次 ]
第1章 哲学との出会い
第2章 哲学の「方法」について
第3章 哲学の難問
第4章 近代の哲学者たち(近代哲学がめざしたこと 自由をつきつめる)
第5章 「自己」を哲学する(「自己」とは何か-自己意識と無意識 他者関係の現象学)
おわりに 再び哲学とは何か
[ PO -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ヨーロッパ哲学の絶対的な「真理」主義の起源をなす人物として、ポストモダン思想家から最悪の評価を与えられている人、プラトン。
しかしプラトンこそ実は、異なった人間どうしが言葉を通して共通の理解や共感を見出しうる可能性を求めた、「普遍性」の哲学者であった。
また同時に、哲学の本質的なテーマは、人間の生の原理にかかわることを明確に提示した哲学者であった。
プラトン評価を逆転させながら、著者自らの哲学観を明快に開陳する、目から鱗の一冊。
[ 目次 ]
序 反=プラトンと現代
第1章 哲学のはじまり
第2章 ソクラテスからプラトンへ
第3章 イデア
第4章 エロス、美、恋愛
第5章 政治