竹田青嗣のレビュー一覧

  • 超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』

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    こんなにわかりやすい哲学書を読んだのは初めて。西洋哲学はとかく用語が難解で挫折してしまうのだが、著者の絶妙な言い換えでスッと理解できるようになっている。
    自分なりの理解としては、カントの功績は「哲学の限界」を示したことにあると思う。人間の認識能力を所与の条件として、人間が考えても仕方のないことが何か?を割と明確に示している。「それを言ったら形而上学に意味なんてあるの?」という気もするのだが、アプリオリという概念と合わせて人間の認識とはそういうものだ、という論理で貫かれていて清々しい。未だに「考えても仕方のないこと」に取り組んでいる哲学者が少なくないとのことだが、それもどこまでも原因を遡及してい

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    2021年08月28日
  • 超解読! はじめてのフッサール『現象学の理念』

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    『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』に入っていた竹田さんのフッサール解説に感動してもっと読みたくなり購入。『現象学の理念』を極めて容易に読み下しつつ、それでもわかりにくい箇所の解説も丁寧。主客一致問題という哲学の大きなテーマに対するフッサールのアプローチは非常にわかりやすいし、看護などの対人支援分野に取り入れられているのも納得する。社会的インパクト評価の文脈が下手な社会調査に荒らされる前にみんなでもっと現象学の勉強をしたい。

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    2021年07月25日
  • 完全解読 フッサール『現象学の理念』

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    量子力学に興味を持ったことを機に、サクッとフッサールの現象学を理解しようと思い読んでみた。はじめに書いてあるように、あとがきを読むだけで概要を掴めた気になれる笑。私はあとがきしか読んでないが、繰り返しの内容が多いので、軽く学びたい人はそれで十分な気がする。ただし、現象学までのデカルトからカントまでの流れは用語と共に抑えておく必要あり。あと、形而上学も。

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    2021年02月11日
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』

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    『精神現象学』をこれほどわかりやすく解説した本はないと思う。しかし、それだけ著者の解釈が入り込んでいるわけで、本当にこの本を理解したといえるかどうかはまた別問題である。やはり原書に当たるほかない。

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    2020年10月29日
  • 人間の未来 ――ヘーゲル哲学と現代資本主義

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    『ヘーゲルを超えるヘーゲル』でよくわからなかったところが読み取れて勉強になった。

    自由を追い求めて行き着いた先が、なぜ収容所と粛清になってしまったのか? ヘーゲルを基礎とする近現代の「左」の指向と「批判」を中心とした行動について。

    あまりに左ドライブが強いので右バッターと「普通の人」は敬遠するのかもしれないけど、自分はこういうのも普通に好きだったりする。でもそんな自分が好きでないのだけどな。

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    2020年10月07日
  • 超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』

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    原典に即した解説で、原典を直接読んで苦労した者としては非常にわかりやすかった。このような本がほかにも出ると嬉しい。

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    2020年08月05日
  • 哲学とは何か

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    哲学の課題を「認識の謎」「存在の謎」「言語の謎」の3つに整理し、ニーチェとフッサールの思想をベースにして、3つの謎に対する答えを誰でもわかりやすく解説した著作。

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    2020年05月09日
  • 欲望論 第1巻「意味」の原理論

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    それにしてもこれは名著。なんでもっと評価されないのかと思います。これまでのわたしの疑問に確実に応えてくれている。人工知能の問題、脳科学の問題、科学的思考と哲学の関係、そもそも意味と価値の本質など、すべてを挙げればキリがないが、欲望論的立場から完璧に応えてくれている。そしてこの欲望論を超える思考(というか理説)に出会ったことがない。全てを超えている。わたしの知る限りの最高峰の説得力ある世界理解ではないかと思います。引き続き第2巻に進みたいと思います。

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    2019年04月24日
  • ニーチェ入門

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    なんという本だろう。衝撃を受けた。今までニーチェと言えば「神は死んだ」といったフレーズだけでろくに理解も(今も理解はしていないが)しておらず素通りしていたがそれは大間違いだと気がついた。
    ニーチェの指摘したヨーロッパの病理がまさかキリスト教という宗教から生まれていたことや、真理を求めるといった普遍的に正しいと思われるような姿勢が逆に人間の弱さといった部分を、まさにルサンチマン的な態度であるということは衝撃を受けた。ルサンチマンやニヒリズムといった概念は薄く知っていたが、それが今現在の社会において特に色濃くなっているところにニーチェが指摘した病理の深さが図られる気がした。徹底したニヒリズムの先に

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    2018年08月10日
  • ニーチェ入門

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    ある企業の経営者が影響を受けた本との事で興味を持ちました。2001年宇宙の旅よく分からないままでこの歳になってしまいましたがこれでやっと分かりました。現在の混沌とした世界情勢を考えるうえでも役立ちます。

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    2018年06月26日
  • ニーチェ入門

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    落合陽一が落合信彦に「ニーチェを読んでないヤツとは話ができねえな」と言われた、という話を聞き、ニーチェを読んでみようと思った。

    が、いきなり「ツァラトゥストラ」なんかに手を出しても理解できないかも、と思い、この入門書を読むことにした。

    一言で感想を書くならば、
    「ニーチェすげぇ!」
    といったところ。

    著者の解釈が正しいのかどうかわからないが、自分がなんとなく考えていたことを言語化しているところがすごい。

    ルサンチマン思想の批判や、絶対的理念の否定など、よくわかる。
    そうだよね、と納得できるし、19世紀にこの思想を打ち出した感性が素晴らしすぎる。

    理解できる人は少ないかもしれないが、み

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    2017年12月31日
  • 知識ゼロからのニーチェ入門

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    わかりやすく建設的でもある。どこが角になりやすいかを踏まえた上でどのように受容すればいいのかまで提案されている。角を取って語っているのではなく角を提示した上で、こう考えませんか?なので良かった気がする。

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    2017年12月18日
  • ニーチェ入門

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    十牛図、ユングの錬金術にも通じて一味違う哲学。ラクダ、ライオン、子供。整体の世界でも言われている身体は何でも知っている、最後に残るのは身体だけ。今まで超人思想を誤解してました。いつの世の中を切り取っても同じような金太郎飴的な世界観が見える。一休宗純も似たような考えだったかなという感じ。ルサンチマンとは努力しない弱者の言い訳、その克服にたどり着いた答えは身体。とは言え文明は身体を弱体化する方向に進みがちにも見えるし、身体の可能性を拡大しているようにも取れる。その振り幅が大きくなっているのかもしれない。超人と弱者を分けるのは永遠の小さな違い。プロ野球選手でもその小さな差で一流と二流に分かれるのだと

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    2017年11月02日
  • 人間の未来 ――ヘーゲル哲学と現代資本主義

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    現代社会は、さまざまな困難と矛盾を抱えこんではいるが、人間の本質的な「自由」が生きのびる可能性の原理はまだ死に尽くしてはいない。
    この「可能性の原理」を現実化できるか否かは、われわれ自身の一つの根本的な決断にかかっている。つまり、恣意的な理想理念の「物語」からではなく、これ以外にはありえないといういくつかの原理的選択肢から一つを明瞭に選びとる、多くの人間の「われ欲す」を現代社会は必要としているのである。

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    2017年08月31日
  • ニーチェ入門

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    ネタバレ

    ニーチェの解説書の中ではすごくわかりやすい内容だった。

    抜粋×要点 という形式でまとめられていて、何ゆえにそのような解釈となるのか、その論理がわかりやすい。

    しかし要点解説の中には「本当にそうか?」「いくら読んでもニーチェがそのように考えていたとは読み取れない」という個所もある。
    なので、本書をとっかかりにして実際にニーチェの著作を読み込む、そして自分の頭で考え、咀嚼することが大切だと思います。

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    2017年06月12日
  • 恋愛論

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    メモ

    現実とはむしろ自分が自分に付け加えようとしたロマン的幻想が他人との関係の中で剥ぎ取られる不断のプロセスでありそこで人間が思い知っていく可能でないことの動かしがたい秩序のことなのだ
    だから生活感情のリアリズムとはいわば無数の心の傷の記憶の累積だと言える
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    ある欲望の視線において取り換えのきかない対象として見出されること。このことが事物の「この」性を作り出す源泉なのだ。
    同51ページ

    もしも思慮が何かの美の場合と同じような視覚に訴える自己自身の鮮明な映像をわれわれにに提供したとしたら恐ろしいほどの恋心を駆り立てた事ことであろう。その他魂の愛をよぶべきさまざまなの徳性についても同様

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    2016年12月14日
  • 完全解読 フッサール『現象学の理念』

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    現象学的還元とは何かについて、順を追って繰り返し説明される。「解読」部分に続く解説、そして「あとがきにかえて」。同じことを何度も、と思わなくもないが、これくらいでないと、慣れきった頭の使い方から、現象学的な頭の使い方への転換は難しいのも確か。著者の「解読」が適切なものであるならば(自分では判断できない)、この本のおかげで、フッサールの思想の勘所はつかめたような気がする。

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    2016年12月06日
  • ニーチェ入門

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    ニーチェ思想の精髄を分かりやすく伝えてくれる。

    「力」強い、前向きな思想であることがよく分かった。

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    2016年09月20日
  • ニーチェ入門

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    善きものを求める人こそニーチェを。鍛錬なき、反省なき哲学はないのだ。

    時代と歴史にまみれた自分という存在をニーチェは、鍛える。

    木田元の反哲学もニーチェが転回点だったが本書は、哲学だけでなく、人間が生きる上で、転回をもたらす本である。

    隣人愛(宗教)、真理(学問)の反人間性を乗り越えるために。浅いニヒリズムでとどまらないために。

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    2015年11月18日
  • はじめての哲学 賢者たちは何を考えたのか?

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    すっごくわかりやすい!PHPの調べ学習関連の児童書はわかりやすいしおもしろいし、大人でも楽しめるなー!
    なんとなく知っていたソクラテスやルソー、ハイデガーだったり、無知の知や存在と時間だったり曖昧なことがはっきりして良かった!個人的にキルケゴールに興味を持ったので著書も読んでみたいなあ

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    2015年07月01日