竹田青嗣のレビュー一覧
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こんなにわかりやすい哲学書を読んだのは初めて。西洋哲学はとかく用語が難解で挫折してしまうのだが、著者の絶妙な言い換えでスッと理解できるようになっている。
自分なりの理解としては、カントの功績は「哲学の限界」を示したことにあると思う。人間の認識能力を所与の条件として、人間が考えても仕方のないことが何か?を割と明確に示している。「それを言ったら形而上学に意味なんてあるの?」という気もするのだが、アプリオリという概念と合わせて人間の認識とはそういうものだ、という論理で貫かれていて清々しい。未だに「考えても仕方のないこと」に取り組んでいる哲学者が少なくないとのことだが、それもどこまでも原因を遡及してい -
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なんという本だろう。衝撃を受けた。今までニーチェと言えば「神は死んだ」といったフレーズだけでろくに理解も(今も理解はしていないが)しておらず素通りしていたがそれは大間違いだと気がついた。
ニーチェの指摘したヨーロッパの病理がまさかキリスト教という宗教から生まれていたことや、真理を求めるといった普遍的に正しいと思われるような姿勢が逆に人間の弱さといった部分を、まさにルサンチマン的な態度であるということは衝撃を受けた。ルサンチマンやニヒリズムといった概念は薄く知っていたが、それが今現在の社会において特に色濃くなっているところにニーチェが指摘した病理の深さが図られる気がした。徹底したニヒリズムの先に -
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落合陽一が落合信彦に「ニーチェを読んでないヤツとは話ができねえな」と言われた、という話を聞き、ニーチェを読んでみようと思った。
が、いきなり「ツァラトゥストラ」なんかに手を出しても理解できないかも、と思い、この入門書を読むことにした。
一言で感想を書くならば、
「ニーチェすげぇ!」
といったところ。
著者の解釈が正しいのかどうかわからないが、自分がなんとなく考えていたことを言語化しているところがすごい。
ルサンチマン思想の批判や、絶対的理念の否定など、よくわかる。
そうだよね、と納得できるし、19世紀にこの思想を打ち出した感性が素晴らしすぎる。
理解できる人は少ないかもしれないが、み -
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十牛図、ユングの錬金術にも通じて一味違う哲学。ラクダ、ライオン、子供。整体の世界でも言われている身体は何でも知っている、最後に残るのは身体だけ。今まで超人思想を誤解してました。いつの世の中を切り取っても同じような金太郎飴的な世界観が見える。一休宗純も似たような考えだったかなという感じ。ルサンチマンとは努力しない弱者の言い訳、その克服にたどり着いた答えは身体。とは言え文明は身体を弱体化する方向に進みがちにも見えるし、身体の可能性を拡大しているようにも取れる。その振り幅が大きくなっているのかもしれない。超人と弱者を分けるのは永遠の小さな違い。プロ野球選手でもその小さな差で一流と二流に分かれるのだと
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メモ
現実とはむしろ自分が自分に付け加えようとしたロマン的幻想が他人との関係の中で剥ぎ取られる不断のプロセスでありそこで人間が思い知っていく可能でないことの動かしがたい秩序のことなのだ
だから生活感情のリアリズムとはいわば無数の心の傷の記憶の累積だと言える
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ある欲望の視線において取り換えのきかない対象として見出されること。このことが事物の「この」性を作り出す源泉なのだ。
同51ページ
もしも思慮が何かの美の場合と同じような視覚に訴える自己自身の鮮明な映像をわれわれにに提供したとしたら恐ろしいほどの恋心を駆り立てた事ことであろう。その他魂の愛をよぶべきさまざまなの徳性についても同様