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主観と客観の一致は原理的にありえない。 近代の哲学者たちを悩ませてきた「認識問題」の難問を解くために フッサールが考えた「現象学的還元」とは? 「内在-超越」、「構成」、「絶対的所与性」……。 さまざまな批判にさらされてきた現象学の誤解をとき、その核心に迫る一冊。 近代哲学の重要な原理を平易に読み解く大好評シリーズ第三弾!
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Posted by ブクログ
『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』に入っていた竹田さんのフッサール解説に感動してもっと読みたくなり購入。『現象学の理念』を極めて容易に読み下しつつ、それでもわかりにくい箇所の解説も丁寧。主客一致問題という哲学の大きなテーマに対するフッサールのアプローチは非常にわかりやすいし、看護などの対人支援...続きを読む分野に取り入れられているのも納得する。社会的インパクト評価の文脈が下手な社会調査に荒らされる前にみんなでもっと現象学の勉強をしたい。
フッサール現象学について理解が深まる一冊。現象学的還元については、最も丁寧にわかりやすく説明されている。
フッサールは主観-客観からなる従来の認識論をとっぱらい、認識は、客観には一致せず、対象確信に一致するものと考えた。つまり、我々は赤いその物体が、リンゴに客観的に的中していることは証明できないが、しかし、その代わりに赤いリンゴがあるという確信を作りあげることはできる。その確信は「超越」、つまり可疑性が...続きを読むあって客観的ではない。しかし、私がそう確信したという事実は疑いようがない、そう考えたのである。更には、個々人の確信が、共有されて世界確信=客観になる。
■著者が扱っているメインテーマ 認識問題とは何で、それと解く現象学的還元とは何か? ■筆者が最も伝えたかったメッセージ 内在意識から出発し、他人のそれと同じ構造を持つか 疑いえない意志内で反省された事象同士の一致である。 ■学んだことは何か 客観という考え方ではなく、内在意識の構造の一致の働きが...続きを読むあるということ。 つまり、主観から生まれた思いを前提に他社の考え(客観)を規定する。
榊原哲也先生の本を読み終わってから、現象学について学びを深めようと考えて手に取った本。2周したけど、分かったような、分からないような。でも、おそらくこれが一番平易に書いてあると思われる本。
「はじめての」と題されるだけあって、難解なフッサールの『理念』が誰にも分かると言って差し支えのない平易な言葉で説明されていると思う。(とはいえ、雑に読んでさくっと理解できるほど甘くもない) さらに一般読者及び初学者に向けた入門的説明であるだけではなく、フッサールの現象学における核心について、その後の...続きを読む正統派現象学や実存主義やポストモダン思想(相対主義、構造主義)が誤った咀嚼の元に批判を展開してきたという、竹田青嗣氏の力強い主張が展開されているところに本書の大きな特色があると感じた。 この「フッサールは誤解されているので見直すべき」という主張が竹田青嗣氏の独自的なものなのか、それとも現在の思想界でムーヴメントとして湧き起こっているものなのかどうか(類書があるのかも含めて)を、初学者である僕はまだ知らない。けれど、これから僕がフッサールを読み進めていく上で、氏の視点を心にしかと留め置きつつ本書を随時参照することになると思う。
時間意識の問題についての解説がけっこう楽しく読めた。 意識と知覚などなど現象学における認知の扱いは難しいけどおもしろい。
2017.07.10 現象学はなかなか難しい。輪郭は掴めたかもしれないが、十分な理解には程遠い。難しいが面白い。
『完全解読フッサール『現象学の理念』』(講談社選書メチエ)と同じく、フッサールの『現象学の理念』を著者がやさしく読み解いた本です。 『完全解読』よりもいっそう大胆にフッサールの議論をパラフレーズしており、読みやすくなっているように思います。また『完全解読』と同様、フッサール現象学のキモは「確信成立...続きを読むの条件」を明らかにすることにあるという著者自身の現象学理解が示され、その立場からフッサール自身の議論の流れにそくして解説するという構成になっており、著者の解釈の成否をある程度読者自身が確かめることでができるようになっています。
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