松崎有理のレビュー一覧

  • イヴの末裔たちの明日

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    SF世界ゆえの幸せと、SF世界ゆえのディストピア感が同居してる感じがとても好き。
    SFといえば未来!と思って読むと、それを裏切るようなまるで過去のお話みたいな短編があるのもまた良い。

    「それがしの任務は英雄をつくりだすことだ」
    ↑これ、色んな意味で印象に残った台詞です

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    2025年11月08日
  • 未来製作所

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    いろんな未来の形があって、わくわくするなあ。どの話もなんか、ちゃんと未来なのに、あったかくてやさしくて、環境が変わっても人々の心の感じは変わっていないようで、手を伸ばせば届きそうな、なつかしいような、現実味があった。

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    2025年09月30日
  • 5まで数える

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    再読。理系成分強めの短編集。個人的に凄い掘り出し物だと思っている。倫理観が違う世界を描いた医療モノや数学を好きになれそうなファンタジーなど計6作品。1つ目と5つ目が特に素敵。

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    2025年08月11日
  • イヴの末裔たちの明日

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    刑務生活でタイムマシン作り。
    過去と未来でトレジャーハント。
    AIに仕事を奪われたヒトの暮らし。
    江戸の頃を思わせる世界で妖怪退治。
    囚われた宇宙ステーションからの脱出。

    バリエーションあふれる5編の短編集。
    常々松崎有理と柞刈湯葉は
    相似形の思考回路を持ってるんじゃないかと思っているのだけれど、
    ベーシックインカムが導入された世の中の姿とか、
    宇宙ステーションに行けるのは金持ちの老人だけとか、
    やっぱり同じような世界が描かれていてひとつ自分にQ.E.D

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    2025年07月14日
  • あがり

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    日本列島の北の方にあるとある大学と
    その周囲の町を舞台にした連作短編集。

    仮説・実験・実証にSFを少々。

    時系列を使った仕掛けも少々。

    個人的には文庫が絶版で手に入らなかった
    代書屋のミクラくんに会えたので、
    非常に満足できました。

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    2025年06月03日
  • イヴの末裔たちの明日

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    短編集。表題作「イヴの末裔たちの明日」は、AI搭載ロボットに職を奪われた男性が、仕事を求めて治験アルバイト(正確には有償アルバイト)をする話。AIアシスタントとしてモラヴェックが登場するので、作者の他の作品ともつながっているようです。
    最後の「方舟の座席」はちょっと胸糞ですが、どの話も面白く読者をひきつける仕掛けがたくさんあります。ほんの少しの希望を残して本書は終わりますが、この先の物語も読んでみたい気がします。

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    2025年05月27日
  • イヴの末裔たちの明日

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    最初の未来への脱獄が1番好きかな。
    3点目のイヴの末裔たちの明日も、よかった。
    新しい概念を取り込んで、面白い話になっている

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    2025年05月11日
  • 駅と旅

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    松崎有理さん目当てでしたが、他の方々の作品の駅・旅・旅人のどれもひかれるところがあり、思わぬ出会いがありました。
    旅モノの作品集として楽しめ、今度はここに行ってみようと旅ガイドになるのと同時に、こんな面白い作品を書いている作者の他の作品はどんなのだろう?と新しい作家と作品への旅立たせてくれる、そんな1冊です。

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    2025年04月16日
  • シュレーディンガーの少女

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    ネタバレ

    様々なディストピアで苦境に立った少女、をテーマにしたSF短編集。物語それぞれに繋がりはないが、黒い手形の文様と「おねがい、モラヴェック」というAI起動の言葉が共通の小道具として登場する。平行世界、MCUでいうマルチバースってことなのか?

    収録最後の2編「ペンローズの乙女」と表題作は結構固いSFだが、全体通して固理系の作風ながら、俺みたいな軟弱文系SFファンにも楽しめる作風で良かった。

    作者はリケジョ兼業作家らしく、専業作家と違って量産はしてないようだが、既出作品は評価が高いもよう。過去作追いかけてみようかなと思う。

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    2025年03月29日
  • シュレーディンガーの少女

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    各作品ともに設定・コンセプト・プロット・ストーリー・キャラクターがしっかりしているので本当にその世界があり人が生きているように感じられ、嘘やフィクションと感じずに純粋に作品を楽しむことができた。
    特に「六十五歳デス」の師弟関係、「異世界数学」の異世界への数学の融合具合、「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」のAIとネットワークの進んだ世界でのその活用がよかった。

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    2025年02月16日
  • 山手線が転生して加速器になりました。

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    タイトル買いでした。

    蔓延する超強力ウイルスのパンデミック。都市文明を放棄した人類は全てリモートで生きている…。

    山手線が転生して、加速器になって、しかも意識まであって、言葉もしゃべれて、夏休みに憧れる山手線。おもしろい!!

    「ひとりぼっちの都会人」が特に好きでした。これ程極端ではないにしろ…。コロナウイルスによって人生がガラッと変わってしまった方々、計画が狂ってしまった方々、多くの子供たちも不自由な生活を強いられた日々。

    実は、わが息子もコロナきっかけで不登校になってしまったのだ。
    その事を思うと、辛くなる…。
    本当に辛い日々だったことを思い出す。

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    2025年02月13日
  • 山手線が転生して加速器になりました。

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    パンデミック後のSF。山手線を加速器として使うタイトル作が一番好き。山手線が夏休みに憧れたり拗ねたりするのがかわいくて可笑しい。

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    2025年01月25日
  • 紙魚の手帖Vol.18

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    SF短編特集。創元SF短編賞を受賞した「喪われた感情のしずく」(稲田一声)が圧倒的に良かった。香水のように感情を纏える世界が舞台になっており、取り扱いとしては現在の薬物に近いだろうか。感情をまとうことについて想像を膨らませ、ある意味でリアリティを感じるような作品だった。とにかくこの作品が突出していて、他の作品も読んでいる時は楽しんだものの、本号を読んだ後でもずっと頭に残った。

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    2024年11月04日
  • シュレーディンガーの少女

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    楽しめた。それまで評価3だったけれど、最後の「シュレーディンガーの少女」で4になった。
    「シュレーディンガーの猫」を未だに理解できていない。でも、何かぼんやりと見せてくれた気がする。

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    2024年10月26日
  • 山手線が転生して加速器になりました。

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     前に出版された『シュレーディンガーの少女』が良かったので、最新作のこちらの短編集も読んでみた。

     先に巻末付録の「作中年表」を読むことをおすすめする。何の説明もなしに「撤退宣言」とか「モラヴェック」といった言葉が出てくる。この年表に基づいた、人類が都市を放棄して、リモート暮らす世界を描いている。つまりは、連作短編集のような体裁となっている。いや連作短編集と言っていいのだろう。

     表題作は、鉄道としては廃止された山手線が円形加速器に再生され、さらに自意識を与えられるという話。加えて中央線が直線加速器になっている。さらにその1年後を描いた一編もあり、アイディアとしては秀逸。

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    2024年10月18日
  • シュレーディンガーの少女

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    夏の文庫50冊フェア2024⑥
    異世界数学がいちばん面白かった。要約して人に伝えるときがまた面白い!

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    2024年09月14日
  • シュレーディンガーの少女

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    ネタバレ

    ディストピア小説の短編集。

    六十五歳デス
    紫と桜のバディ。おばあちゃん、というには若い65歳の紫は、元スリだった桜に生きる術を伝える。活劇っぽい感じが良かったし、紫も桜もカッコ良かった。
    65歳前後で亡くなるのが分かっていることがディストピア的ではあるけど、現実を見てみると、これって案外いろんな問題解決ができるんじゃないの?とも思ってしまいました。倫理的には問題なんだろうけど。

    太っていたらだめですか?
    太っている人を排除するっていうのが政府の方針だったら恐ろしい。
    ただ、この政府の方針はどうかと思いますが、ストーリーとしてはおもしろかった。女性3人は生き残ったけど、男性2人はサメに食べら

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    2024年08月18日
  • 山手線が転生して加速器になりました。

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    表題作は、パンデミックにより都市が放棄され、東京から人がいなくなり無用となった山手線を線形加速器に転用しちゃったお話。本としては同じ歴史を共有するシェアワールドSF短編集という感じ。どのお話も人々は地方に分散し、リモートコントロールのロボットを使ったり、仮想空間で仕事をしてる。総じてみんな楽しそう。
    難しい描写は少ないので手軽に読めますが、それでもSFなので情報量は多い。作品全体で歴史線がしっかりしているので、今後も活用して作品が出てくるといいなと思う。

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    2024年08月17日
  • シュレーディンガーの少女

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    短編集。
    数学感強めのラスト2話は読み飛ばしたところもあったけど世界観、発想は面白いと思った。
    65歳デスと異世界数学が好き。

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    2024年06月15日
  • Genesis されど星は流れる

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    今回のアンソロジーは読みやすい作品が多かったように思える。あくまでも個人の感想であるが、世界観をぱっと理解できる短編揃いなのだろう。個人的に印象に残った作品は2つ。「メタモルフォシスの龍」(空木春宵)は個人的にはあまり好きではないジャンルなのだが、恋に破れると蛇化する女性と蛙化する男性、特に蛇化する女性の描写が生々しくも切ないのが良い。「されど星は流れる」は系外流星を流星同時観測の手法で探索する物語。科学を一生懸命やる話は私の好物である。遠くにある流星の母星と少し離れた観測者の男女の物語が接触しそうでしなさそうな、流星が地球をかすめていくような感じでよい。

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    2023年09月04日