松崎有理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレコンセプトは「ディストピア×ガール」とのこと。
各話ともバラエティに富み、趣向が凝らしてあって面白かったです。
特に表題作のシュレーディンガーの少女が良かったです。
元から知っていたシュレーディンガーの猫に加えて、量子自殺という考え方を初めて知りました。
多世界解釈に基づいてすべての可能性が分岐して存在するという発想結構好きです。
「自分がどの結果を体験するのか」という視点が理論上は複数の結果が存在しても主体として経験できるのは常に一つだけでありそのことが“生”や“死”の捉え方をより複雑にしているように思えました。
単に量子力学の不思議さだけでなく自分が存在しているとはどういうことかを考えさせられた。
書き始めるとキリがないので特に好きな3つをピックアップして書きます。
「六十五歳デス」
強くてカッコいいおばあちゃんが主役の、ハードボイルド風味なストーリー。キャラクターがみんな魅力的で、おしゃれな映画やドラマを観ている気分になれました。
「ペンローズの乙女」
ブラックホールを観測する知的生命体と、人類文明が滅んだ遠い未来の話。宇宙のロマンを感じさせるSFらしいムードが満点の話。
「シュレーディンガーの少女」
ゾンビパンデミックの世界を生きた少女の話。二人称視点によって、量子力学の観測問題を想起させるのが非常にハイセンス。難解な思考実験を題材にした上で、ドラマ仕立てで面白く読めました。
各単話ごとにもっと知りたくなるテーマばかりで、こちらの向学心を煽られました。
作者の頭が良すぎて本当に尊敬します。
こういう作品書ける方ってほんとすごいですよね。 -
Posted by ブクログ
ディストピアの世界を描いた短編集
数学や量子力学、宇宙の話を点在させながら、AIが今のスマホ並みに普通に使われている近未来が舞台の話が多くてなかなか不思議な内容でした
特に、秋刀魚が絶滅して食べられなくなった時代に、AI技術とかろうじて食べた経験のある曾祖母の協力のもと再現を試みる少女の話は面白かった
数十年後、本当にあり得そうな内容で、でもどれだけ技術が発達したところで、ホンモノには敵わない、ということと感じました
65歳で必ず死ぬ世界や、罹患したら必ずゾンビになるウイルスが蔓延している世界、ひとにうつす前に自殺する手段を国が推奨しているけれど、AIは人を殺してはいけないと言うルールがあって、自殺だけはAIに頼れない世界、肥満禁止の世界、腹ペコにさせて目の前で有名シェフに食事を作らせて、でも食べたら死ぬゲームの話、など、どこからそんなアイデアが浮かぶのかな、と思いながら読み進めました
と思っていたら、最後に著者による簡単な解説みたいなのが付録されていたので、しめくくりに読んで、読後感も良く終われました -
Posted by ブクログ
タイトル買いでした。
蔓延する超強力ウイルスのパンデミック。都市文明を放棄した人類は全てリモートで生きている…。
山手線が転生して、加速器になって、しかも意識まであって、言葉もしゃべれて、夏休みに憧れる山手線。おもしろい!!
「ひとりぼっちの都会人」が特に好きでした。これ程極端ではないにしろ…。コロナウイルスによって人生がガラッと変わってしまった方々、計画が狂ってしまった方々、多くの子供たちも不自由な生活を強いられた日々。
実は、わが息子もコロナきっかけで不登校になってしまったのだ。
その事を思うと、辛くなる…。
本当に辛い日々だったことを思い出す。