松崎有理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFを得意とする著者の5つの短編と1つの掌編。
表題作もよかったが,それよりも私は『たとえわれ命死ぬとも』に惹かれた。
それは「動物実験禁止国際法」が成立した世界での「実験医」という職業の物語。
動物愛護の観点から,世界中で動物実験が禁止された。
医学の進歩に実験は欠かせない。しかし,その実験を人間以外の動物で行うことができなくなった。そのため,その実験は人間の身体で行うしかない。
もちろん,人体実験は自発的に行われるべきであり,強制はされることはない。そして,被験者はその実験についてきちんと理解している必要がある。つまり,
「これらの条件を満たす者とは,実験を計画する医師自身にほかなりません」(P.12)
こうして「実験医」という職業が生まれた。
世界中でもっとも優秀な頭脳が,実験によって次々と死んでいく。
ベテラン医師の体には両足がなく,大腿の皮膚は醜いやけどで覆われている。
それでも,頭脳も身体も研究のために使い切るのが実験医の本懐であると,彼女は言った。
いったい何がきっかけでこのような世界が生まれたのだろう。『たとえわれ命死ぬとも』その後に続く言葉を,彼らは成し遂げることができたのだろうか。
医学とは,人を救うためのものではなかったか…。 -
Posted by ブクログ
タイトルの「シュレーディンガー」から、理系の要素がある著者かなと思う。
理系と言えば星新一さんと手塚治虫さんの大ファンですが、
伊与原新さんや柞刈湯葉さん、海堂尊さんも好きです。
ところが、最初の2作品を読んで「あまり科学的な要素がないなー」と感じてしまった。
そこで、6作品の最後の「シュレーディンガーの少年」を3番目に読んだ。
うーん、ちょっと期待外れ。
もう読まなくてもいいかと思ったが「異世界数学」と「ペンローズの乙女」はそこそこ楽しめた。
なので、★2はやめて★3
楽しめた2作品は、期待せずに読んだのが良かったのかも。
ハードルを上げすぎて読み始めると期待外れになりがちだ。
東野圭吾さんも(昔)期待値を上げすぎて読んだので高評価に至らなかった(★2にしてる)。
「探偵ガリレオ」は、 ”科学的な要素” に疑問が多く、以降は東野圭吾さんを読むのをやめた経緯がある。
「ガリレオ」シリーズは、肩に力を入れずに人気作品を読んでみるというスタンスで読み直してみよう。
全部で11作あるようだが、まずは最初の3作「探偵ガリレオ」「予知夢」「容疑者Xの献身」を手に取ってみる。
レビューが脇にそれました。
本書の松崎有理さん。
今のところ次に読んでみようと思う作品はないです(^^; -
Posted by ブクログ
ネタバレ異なるSFの世界を生きる少女たちを描いた短編集。
『六五歳デス』では、65歳付近で必ず自然死するという世界のため、死ぬまでにやりたいことを65リストとしてまとめるよう教育される。65リスト最後の項目は有り金全部使い切るだった主人公が、孤児を拾ったことでその子に稼げる手段を授けることをリストに追加し、そのために生きていく。この世界ではエスカレーターであったり、その後の話で出てくるモラヴェックというAIも失われていて、その理由として老人から若者へ技術が継承されなくなったからだということが述べられる。65歳って結構元気だし、現役という感じのなか死んでいくことになるから、その後の世界に関心が持てないとかそういうことなのだろうか。
『異世界数学』では数学が禁止された世界で数学の面白さに気付かされるという展開が面白く、実際数学面白い。数学に限らずだけど、学業のホントの楽しさは思考することなんだろうなと思った。
『秋刀魚、苦いかしょっぱいか』では、サンマが食卓から消えた世界で、自由研究の題材としてサンマの塩焼の味を再現するという内容。食事は味覚だけではないということをすごく感じられる。