松崎有理のレビュー一覧
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SFを得意とする著者の5つの短編と1つの掌編。
表題作もよかったが,それよりも私は『たとえわれ命死ぬとも』に惹かれた。
それは「動物実験禁止国際法」が成立した世界での「実験医」という職業の物語。
動物愛護の観点から,世界中で動物実験が禁止された。
医学の進歩に実験は欠かせない。しかし,その実験を人間以外の動物で行うことができなくなった。そのため,その実験は人間の身体で行うしかない。
もちろん,人体実験は自発的に行われるべきであり,強制はされることはない。そして,被験者はその実験についてきちんと理解している必要がある。つまり,
「これらの条件を満たす者とは,実験を計画する医師自身にほ -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作