あらすじ
「5まで数えられないと天国へ行けない」という伝承に怯える少年と教会の幽霊の交流を描く表題作ほか、ホラーとSFの融合がテーマの世にも奇妙な6つの物語。
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Posted by ブクログ
ん、これってSF になるのかな?
星新一ばりの固有名詞感覚にディストピアな設定。結構好みかも。
《疑似科学バスターズ》ものはチャチなアニメみたいだけど、ドーナツは美味しそうだし、ハンニバル・レクターもどきがイイ味出してる。「砂漠」は過酷で素敵なサバイバル。そして表題作は手指失認の少年の話、どうやら実在の数学者のエピソードみたいで中々興味深い。
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再読。理系成分強めの短編集。個人的に凄い掘り出し物だと思っている。倫理観が違う世界を描いた医療モノや数学を好きになれそうなファンタジーなど計6作品。1つ目と5つ目が特に素敵。
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短編集。SF。ファンタジー。ホラー。
おそらく初めて読む作家さん。
趣向は違えど、どの短編も魅力的。
青春数学ファンタジー的な表題作がとても良い物語。感動しました。
残酷な近未来パンデミックものの「たとえわれ命死ぬとも」も印象的。
Posted by ブクログ
① 動物実験が禁止された世界の話。安全な医療とは、数多くの犠牲の上に成り立っているんだということ。 ② アンチフレッパーズ、アンチ疑似科学信仰 ③ ②の前日譚 ④ 凶悪犯罪少年集団6名を搬送していた飛行機が砂漠に墜落することによって巻き起こるドタバタ劇!(コメディとは言ってない) ⑤ いわゆる失算症の話。個人的に一番好き。
Posted by ブクログ
短編集。前半はSFなのかな。いきすぎた動物愛護で動物実験ができない世の中とか、ゾンビ的なものに怯える世界とか。全部面白かったけど重たい要素を含むなかで、ラストのショートショートが楽しかった!
Posted by ブクログ
SFを得意とする著者の5つの短編と1つの掌編。
表題作もよかったが,それよりも私は『たとえわれ命死ぬとも』に惹かれた。
それは「動物実験禁止国際法」が成立した世界での「実験医」という職業の物語。
動物愛護の観点から,世界中で動物実験が禁止された。
医学の進歩に実験は欠かせない。しかし,その実験を人間以外の動物で行うことができなくなった。そのため,その実験は人間の身体で行うしかない。
もちろん,人体実験は自発的に行われるべきであり,強制はされることはない。そして,被験者はその実験についてきちんと理解している必要がある。つまり,
「これらの条件を満たす者とは,実験を計画する医師自身にほかなりません」(P.12)
こうして「実験医」という職業が生まれた。
世界中でもっとも優秀な頭脳が,実験によって次々と死んでいく。
ベテラン医師の体には両足がなく,大腿の皮膚は醜いやけどで覆われている。
それでも,頭脳も身体も研究のために使い切るのが実験医の本懐であると,彼女は言った。
いったい何がきっかけでこのような世界が生まれたのだろう。『たとえわれ命死ぬとも』その後に続く言葉を,彼らは成し遂げることができたのだろうか。
医学とは,人を救うためのものではなかったか…。
Posted by ブクログ
科学系SF短編集。最初は報われない話が続いて挫折しそうになった。特に「たとえわれ命死ぬとも」。自らが人体実験の被験者となる実験医、という設定からしてすでに切ない。
唯一救われたのは表題作の数字が理解できない障害を持った男の子の話。天才的な頭脳を持ちながら、全く数学を理解できないことを必死に隠している。その彼が、ある幽霊との出会いで大きく成長していく。
男の子の強さや、数学だけでなく生き方をも教えてくれた幽霊、障害に気づいて真摯に関わってくれる先生。それぞれに勇気づけられる温かい物語。