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Posted by ブクログ
SFを得意とする著者の5つの短編と1つの掌編。
表題作もよかったが,それよりも私は『たとえわれ命死ぬとも』に惹かれた。
それは「動物実験禁止国際法」が成立した世界での「実験医」という職業の物語。
動物愛護の観点から,世界中で動物実験が禁止された。
医学の進歩に実験は欠かせない。しかし,その実験を人間以外の動物で行うことができなくなった。そのため,その実験は人間の身体で行うしかない。
もちろん,人体実験は自発的に行われるべきであり,強制はされることはない。そして,被験者はその実験についてきちんと理解している必要がある。つまり,
「これらの条件を満たす者とは,実験を計画する医師自身にほかなりません」(P.12)
こうして「実験医」という職業が生まれた。
世界中でもっとも優秀な頭脳が,実験によって次々と死んでいく。
ベテラン医師の体には両足がなく,大腿の皮膚は醜いやけどで覆われている。
それでも,頭脳も身体も研究のために使い切るのが実験医の本懐であると,彼女は言った。
いったい何がきっかけでこのような世界が生まれたのだろう。『たとえわれ命死ぬとも』その後に続く言葉を,彼らは成し遂げることができたのだろうか。
医学とは,人を救うためのものではなかったか…。
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小説・文芸
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