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3年以内に一定水準の論文を提出できない研究者は大学を去れ――通称「出すか出されるか法」が施行された。北の街にある蛸足大学を卒業したミクラは、困った教授らの論文を代筆する代書屋の見習いとなる。癖のある研究者の出す難題と格闘するミクラだが、次々現れる恋の相手への妄想が膨らみ、仕事は行き詰まりがちになる……。理系男子の、不思議でキュートな世界。
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Posted by ブクログ
この本、教え子たち全員に読ませたいわあ。 研究の世界というものの実質をびしびし 脳髄に叩き込んでくれる。痛快! しかもなんとなく漂う胡散臭さが えも言われぬ高尚な香りを漂わせていながら 知的な者以外がこの作品世界に触れることを 拒むような狭量なこともせず エンターテイメントとしても面白すぎ...続きを読むる。 癖のある、しかし出すか出されるか法に 苦しめられる愛すべき研究者たちと 自らの鈍感さと体質的な欠陥ゆえに 実るはずもない恋愛に翻弄されるミクラ。 先輩代書屋トキトーに鍛えられつつ 少しずつ成長してゆく典型的理系男子の ミクラこそ、愛すべき人だ。 論文という研究者たる者の 宿命、足枷、飯の糧。 それをここまで俗世間に引き寄せて 書けるなんて! これから大学に進む連中に、読ませたい! この愛すべき素晴らしき世界を たくさんの学生たちに究めてほしい! 本当に楽しくてたまらない作品でした!
三年以内に一定水準の論文を発表できない研究者は即解雇-通称『出すか出されるか法』 大学及び教育研究機関で施行された法律により、需要が急増している論文代筆業。新人代書屋の『ミクラ』は、大学教授の難題に悪戦苦闘しながら、脳内神の『アカラ様』に語りかけていた。 「僕のしあわせはどこにあるんでしょう」 ち...続きを読むょっと頼りなく、惚れっぽいのが玉にキズのミクラ。彼の恋模様(ほとんど始まる前に終わってしまうけど)も気になるけど、論文テーマも中々興味深い。 そそて、空気も行間もよめない、ただ見守る事しかできない『アカラ様』の存在が、なかなかクセになってくる。
短編集「あがり」からのスピンオフ。研究と論文にまつわるお話ですが、主人公ミクラの片思いと失恋の話とも言えます。 このお話は固有名詞があまり出てきません。あえて固有名詞を使わずに書かれているのが、なんだか楽しい。
東北大学に仙台にゆかりのある人には、親しめる部分も多いと思う。今一つ、浅い感じがして、もう少し深いところでそれぞれの物語がつながっていると、もっとファンが増えそうなシリーズものになりそうです。軽く楽しむという意味ではよい本です。
『NOVA』で読んだ時に楽しかったけど、纏めて読むとミクラのキャラにイライラしただけだった理系女であった
大学研究者の論文の代書屋をやっているミクラの奮闘。 花屋の超現実的な彼女からもらったサボテン。 仕事を回してくれる同業者のトキトーさん、何度目かもわらかない失恋のまま故郷に帰った際に会った、風変わりな叔父さん。 失恋体質のミクラ。 ミクラが泣き虫なところが面白かった。 トキトーさんとおじさん...続きを読むの関係が謎のまま…最後の終わり方が唐突。
論文執筆を代行する「ミクラ」が、なんかこう、失恋しまくるような感じのお話。ひらたく言い過ぎた。 女性作家の書く男性にありがちなやたらなよなよした感じがちょっと鼻につくかな。そして森見登美彦作品とかもそうなんだけど、非モテ主人公の話のわりに装丁で描かれてる絵面ではイケメンってのがどうもイメージを損なう...続きを読むというか。 話自体はつまらないということはなく、なんとなくさっぱりと読める一冊だと思います。
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