斉藤章佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おぞましい本だった。
作者のインタビュー記事などを新聞で読んだことがあり、この本もミソジニーについての考察ではよく言及されるので、すでにこのジャンルの古典ですらある。
ネットで本書の一部が引用されることも多く、すでにだいたい知っていたことだが、改めて読んでゾッとした。
・痴漢の多くは四大卒で妻子もいるサラリーマン
・痴漢は真面目で努力家。逮捕されないこと、バレないこと、ターゲット(大人しそうなタイプの女性)探し、逃げやすい位置取りなどに努力している。
・被害者への想像力や謝罪がない
・逮捕されないスリルを楽しんでいるが、逮捕されないかぎり、痴漢行為への依存を留められず、逮捕されてむしろほっとしたとか発言する。しかし再犯率も全ての犯罪のなかでだんとつに高い。
・痴漢は性欲からではなく、支配欲から起こる
・根底には女性蔑視がある。
・ストレス解消のために女性を消費してよいという身勝手
・逮捕された場合も、痴漢の母や妻がひどい思いをするが、父親は役に立たない
・AVは性犯罪の抑止にならず、むしろ悪影響
無理。
つまりは、男たちがセルフケアができず、できていないことからも目を背けてきた社会が裏にある。
がんばっている自分に、女をあてがえと叫ぶ本音が透けて見える。
男の競争社会は、大量の負けた男たちと、勝った男のトロフィーにされ、または負けた男に恨まれる女を生む。
勝った男性しか楽しくない(たぶん)。嫌な世界。 -
Posted by ブクログ
なぜ盗撮は刑法ではなく条例でしか取り締れないのか。歯がゆい。普通の家庭で育った普通のサラリーマンが、ストレスから盗撮にハマっていく。そのきっかけがアダルトビデオや盗撮サイト。自分にも出来そうと始めて、成功体験を積んでいき、抜け出せなくなっていく。アダルトビデオや盗撮サイトの規制はできないのだろうか。盗撮物だけでなく、小児性愛、痴漢、レイプなどの性犯罪に繋がりかねないものは規制してほしい。性犯罪に手を染めると抜け出すのは容易ではない、そのきっかけになったり、トリガーとなったりするのがアダルトビデオなどだと言うことがよく分かる本でした。せめて、スマホから流れてくるいかがわしい動画や漫画などは、子どもが意図せず目にしてしまう可能性があるので、未来の犯罪者を生まないためにも、早急に規制してほしいです!
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Posted by ブクログ
万引きについての知識はほとんどなくテレビでやってる警察24とかで出てくるのを見る程度だったのですが
思ったより身近にある問題だったんだなと思った。
毎日のようにコンビニやスーパーに行くけど今まで万引きをしてる人や万引きで捕まってる人を見た事ないけど発生件数をみると多いしバレてない分はカウントされてないからもっと多いと知ると考え方が少し変わりました。
医学的なお話や通院している方の事例を挙げてわかりやすかったです。
依存症とは快楽に溺れるために繰り返すのではなく人の内面にある"痛み"を和らげるための鎮痛剤とありました。依存症についての考え方も変わったと思います。
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Posted by ブクログ
盗撮行為というのも、クレプトマニアと同じ心理らしい。対象そのものよりも、撮るという行為への衝動、バレないかという緊張、やったときの快感、解放感の、中毒になっている。だから、バレずに撮ることが目的であり、エスカレートしていった人は、戦利品(下着写真など)は溜め込むだけで、見なくなるという。それから、認知の歪み。痴漢と比べて、罪が軽いと思っている人が多く、相手の秘部を隠し持つことにより、相手の上位に立ったり、所有した気分になったりする。性欲というより、浸みついた男尊女卑の思想が、男たちを盗撮に駆り立てる原因の一つであるともいう。
一穂ミチさんの『愛とか恋とかやさしさなら』が、いっそう怖く思えた。先読んでおいたらよかった。 -
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何冊も紹介している斉藤章佳先生の一冊です。
ワーカホリックは依存症へとつながりやすい。とあって、なるほど。とまず思いました。新卒の頃私はかなりのワーカホリックというか、ブラック企業勤務で、毎日翌日酒気帯びになるまで飲んでいました。日本酒の1.8Lパックが三日持ちませんでした。なるほど、あのときはこういう状態だったんだなぁと。
そこから男尊女卑のワーカホリックへと話は続き、ワーカホリックと性別役割分業についてと話は進んでいきます。同じアルコール依存症でも、男性の場合は仕事を頑張ったから飲んでいいだろう。会社の親睦を深めるために飲むとか、女性の場合は、日中子供以外の話相手のいない気持ちを紛らわせたり、ママ友とのあれこれを何とかするために飲む。
不健全な飲み方ですし、ここではアルコールで書きましたが、他の万引きや性依存などもあり得ます。一人ではどうにもならなくなった時、男性は本当に弱音を吐くのが下手。
最終章にAAと同じように12ステップを使って男尊女卑から抜け出すことが書かれているのですが、まず①の無力であることを認める。無理だろ―――!!!と思いました。それだけ男性は強くあれと周囲から言われて、そうあるのが当たり前と体にしみついているのですから、①の男尊女卑をしてしまう無力な自分を認めるだなんてどれだけの世の男性ができる?と、おもってしまいました。
これ、確かに⑫までやり遂げたら、その後素晴らしい生き方が待っているとはわかるのですが、現実的にこれができる人は本当ーーーーっに限られた人たちなんだろうな。と思ったのです。 -
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私には小学校六年生になる姪っ子がいます。なにやら推しができて、SNSをしているとのこと。私たちが小学校六年生の頃と言えば、山の中で猿のように遊んでいた頃です。
……そんな年代の子がSNS。
怖くなって読んだ一冊です。あと、ジャニーズ事務所の事も気になって。
姪っ子がしているSNSには大人は介入しているのでしょうか。●歳以上という規制は無いのでしょうか。と、心配になっています。SNSで高価なアイテムをくれるとか言われて(グルーミング)いて、そこから性加害に繋がっていないでしょうか。とても心配になりました。
前に、姪っ子がそのSNSで神絵師に推しの絵を書いてもらうと言っていました。その神絵師は大人?それとも同年代?その絵の対価に何かを要求されたりしない?それが大人だとしたら、巧妙なグルーミングではないの?
この本を読んでぞわぞわしたものです。
最終章の加害者だった加藤さんと、斉藤先生の対談がとても興味深かったです。ここで私の大好きなドラマである「glee」のパック役であるマーク・サリングについて触れられていました。死因は知っていましたが、その前の逮捕に関するところを知らなかったので、「……。それでああいう亡くなり方をしたんだ…」とショックも受けました。
あと、ジャニーさんの件についても触れられていて、ニュースを見た当時「もっと大きな声を上げていいんだぞ!被害者さんたち!!」と思っていたのですが、その時の記憶がないのかもしれない。あのことを性被害と認識していないのかもしれない。ということをこの本を読んで知ったので、ニュースを見た時に感じたものとは違う印象も受けました。
確かに、被害者からしたら一生刑務所から出てきてほしくない。死んで償ってほしい。そう思うでしょう。ですが、それが現実的ではないことはわかります。ですが、プログラムをしっかり受けて、加害しない。と分かっていても身近にいたら……。私の場合、姪っ子の近くにいたら……。と思うと心穏やかではいられません。
相手のいる犯罪において、スリップは許されません。新たな被害者を生むので。うまくプログラム等に繋がって、一日でも長く加害をせずに過ごしてほしい、できる事なら、今後一度たりとも加害をしないで生きて行って欲しいと思います。
それにしても「小児科」の「小児」の言葉だけでスイッチはいると言うのは理解に苦しみました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪者そのものよりその家族である加害者家族について興味ありこの手の本をこれまでも読んできてまして、今年発刊されたということで手に取った本書。
タイトルにあるように加害者家族と言っても性犯罪を犯した加害者に特化した内容となっておりました。
一口に加害者家族とくくっても、犯罪の内容によって「世間」の目や扱いは違うものなのだなということがわかり。性犯罪だとお母さんやパートナー(女性)が取り調べや裁判の際などにも子育ての否定されたり性生活について聞かれたりなど、母親や妻の立場として非難を受けがちでさらに辛い思いをさせられることが多いということでした。
しかし共通する部分もかなりあり、それは加害者家族の人生が破壊されてしまうという点でした。
それには報道されるかどうかということがかなり大きいようですが、最近ではマスコミ報道でなくてもSNSに情報が回ってしまうことで破壊されてしまうことも増えているようでした。
婚約破棄や離婚、果ては自死にまで追い込まれている加害者家族の話を読むと(p21ほか)「犯罪者の家族であることはそれがもう罪だというのか」といたたまれない気持ちになりました。
一番問題なのは、家族は罪を犯していないので罪を背負うことはないし責任もないのですが(ただし未成年者の場合などは親権者の責任が問われることはあり)一緒くたにされてしまい、家族に対して誹謗中傷したり責任を取れと迫ったりする「世間」が後を絶たないということです。
これは世間もそうであるけれど本書を読んでいると警察や検察の司法の場、特に裁判では家族に監視監督を求める指導がよくされている(p133)ということもあり、そもそも法律の場での加害者とその家族の同一視的扱いが一番問題なのではないかと思いました。
(p175)「親の監督不行き届きだ」とも言われました。確かにそう言われてもしかたないですよね、(略)ただ家族だからって30代の息子の首に縄をつけて四六時中見張っているわけにもいかない…というのも本音です。
上記の内容についても、検察・裁判というものは罪を取り調べて断罪し量刑を決めるものだからそうなるのかもしれませんが、言うのは言うけど実際には司法って何にもしてくれないのだなととても感じるエピソードでした。
家族には分かっていてもどうにも対処できないところがある、そこをどうするかと考えて相談したり監視管理する仕組みがどこにもないことが本当に理不尽だと感じました。
私は個人的に司法の仕組みって信用できないと思っているので上記のようなエピソードやp70にあるような取り調べの場で警察官に夫婦生活について詳しく聞かれ挙句「旦那さんも(性欲が満たされずに)かわいそうですね」とか頓珍漢な言葉を取調官からかけられたなどのエピソードを知ると腹が立ってきます。
そもそも本書にあるように盗撮や痴漢のような性犯罪は性欲というよりストレス解消(p116)やスリルを求めたいというのが大きい犯罪だと思います。(近隣で起きた数件の教職者の盗撮犯罪はほぼこれだったらしく。どんなストレスがあっても絶対に許されないですがあまりにもブラック化している勤務状況があったことを思うとそれはそれで問題)
自分も含めてですが、そういう認識は世間はほぼないと思われます。
本書に書かれているようなことを「世間」の人が認知すること自体がまず難しいのだろうとつくづく思った読後でした。 -
Posted by ブクログ
朝井リョウの正欲を読み、多種多様な性欲があるのだと知った時、じゃあそういう性思考の人たちはどうしているのかを知りたくなりこの本に辿り着いた。
元々小児が好き、先天性のさがであった場合発散方法が難しいと思っていたが、家庭の生育環境や親からの愛情の欠乏だったりストレスが極度にかかる現状だったりがトリガーとなる場合が殆どであるのだと分かった。
アルコール依存症のように一度陥ると中々自力では抜け出せず、犯行を重ねてしまうのだとも知れた。
身近に小児性愛者がいた場合、自分の子どもが被害にあった場合、過去にそういう経験をした友達など様々な視点から考えてみたが、とにかく自分たちだけで解決せず関係機関に相談することが大切なのかと考えた。
今までは、そういう犯行で逮捕された人のニュースを見ると刑期が軽い、再犯する可能性があるうちは刑務所にいてほしいと思っていたが、見る目や感じ方が変わりそう。