【感想・ネタバレ】男が痴漢になる理由のレビュー

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Posted by ブクログ

これを書籍にしてくださったことが嬉しい。

痴漢が起きるのは、
根底に根深い男尊女卑思想が、
社会にあるからだ。

男性にとって、
男尊女卑は都合の悪いことではないし、
男性の男尊女卑を利用したい、
または、それを受け容れて当然と考える女性も多いので、問題が本当の意味での解決には向かわない。

殺人が、と言っても冤罪がとは言われないのに、
痴漢が、と言うと冤罪の話になる、
強姦が、と言うとハニートラップの話になるのはおかしいのだ。

どこまでも女性側に過失があるという発想を、
男性だけでなく女性ももっている。

だから、この社会はよくならない。

女性の非正規率が高く低賃金であることも、
まったく同じ構造から起きている。

女性はもっともっと声を上げていい。
そして、もっと堂々と女性の味方をすべきだ。

3
2018年10月07日

Posted by ブクログ

最後の「STOP!痴漢」可能なのか。の章がとりわけ重要。「痴漢は依存症です」「痴漢は治療できます」というメッセージこそ効果的なのだ。

認知のゆがみとコーピングの選択肢の少なさか。
男である自分を省みる格好の機会となった。

2
2018年03月26日

Posted by ブクログ

■行為・プロセス依存の7つの特徴
・強迫性
・反復性
・衝動性
・貪欲性
・有害性
・自我親和性
・行為のエスカレーション
■すべての依存症の診断において,「コントロール喪失」と「離脱症状」が重要なポイントとなる。
■置換の動機は性生活の充実やセックスレスとは異なる。
■性風俗店の利用は痴漢行為の抑止とならない
■痴漢行為は彼らにとって”ストレスへの対処法”
・ストレスへの”コーピング(対処行動)”
■痴漢には勤勉な者が多い。その一方で何らかの劣等感を抱いていたり自己肯定感が低かったりするのも彼らの特徴。
■すべての依存症には,自身の内にある心理的苦痛や不安感,孤独感を一時的に和らげる効果がある。これを”依存症における自己治療仮設”と呼んでいる。
■痴漢に限らず性犯罪者は必ず心の内に歪を隠し持っている。
■痴漢で逮捕され幾度となく反復してきた加害行動に漸く歯止めがかけられたことによって彼らは”生きがい”を失ったという。
■性犯罪に走る者は元々ストレス・コーピングの選択肢が少ない傾向がある。人間関係の構築が下手で気持ちや生活に負荷がかかった時にどう対処するか,或いはどう受け流すかといったスキルが低い傾向がある。そのうえ孤立しがちな性格なので悩みを人に相談できず一人で抱え込む。
■「反省を強いてその責任性を追求し過ぎると再犯率が上がる」というエビデンスがある。これは世界の性犯罪者処遇の中で確認されているもの。DV加害者プログラムでも同様のことがいわれているので反復する加害行為においてはある程度共通する法則だろう。
■加害者は早期に加害者記憶を忘却する「加害者記憶の忘却」は,性犯罪に限らずあらゆる加害行為の加害者側に共通する特徴。
■「これが最後」とは依存症の人たちの口癖のようなもの。「これが最後」という認知の歪み。
・これが最後の痴漢であると思い込む
・これを最後にもう飲まない
・競馬に行くのはこれが最後 etc

2
2018年02月17日

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ネタバレ

 とにかく性犯罪の加害者への罰則が軽すぎる。
捕まっても起訴すらされないとか、被害者に非があるかのようにいわれてしまう風潮とか何なんだろう、と常々憤っていた。議論が加熱すると必ず冤罪がどうとかいう話が持ち出されて、めちゃくちゃになる。
何なの、おかしくない?ってずっと思ってきた。
この本には、そのあたりの話まできっちりと書かれている。
驚いた。

 性犯罪者は性欲が異常に強くて理性でそれが制御できないのだから、被害を無くすためには去勢するしかない、くらいに思っていた。痴漢は減らず、性犯罪者がまっとうに裁かれない現実に苛立つと、極端な願望を抱くしか救いがないから。
まずその今の現状がおかしいことはまた別の話として、痴漢の人物像や、痴漢をする目的、自分からはなかなかやめられずどんどんエスカレートし捕まるまでやめられないこと、逮捕されても家族への罪悪感はあっても被害者には謝罪の気持ちはない等、思っていたのとは違い、諸々衝撃的な内容だった。
ただ捕まって刑に服しても再犯率が高いことから、再犯防止プログラムが必要なこと、そして加害者家族へのケアのことまで痴漢をとりまく現状、問題や課題までよくまとめられていて、法律や環境が早く整って、とにかく早く痴漢被害が無くなる世の中になってほしい、と思った。

1
2019年08月07日

Posted by ブクログ

なぜ日本で痴漢が多い?なぜ許されている?なぜ性風俗やエロアニメが野放しになってる?
かねての疑問がだいぶ解けてくる。
男性の支配欲、悲しいほどに染み付いている男尊女卑、家父長制の歪み。
まだ途中だが、少しでも多くの人にこれを読んで、日本で当たり前すぎる出来事がどんなに恐ろしいか気付いて欲しいよ

2
2023年09月28日

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痴漢をした人に「痴漢を止めて失ったものは何ですか?」と聞いたら何人かが「生きがい」と答えた、と言うエピソードに業を感じた。依存症ってどうしたら良いんだろう……

2
2021年10月16日

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・読み終わって感じたこと
 自分は痴漢に縁遠いと読む前に思っていたが、痴漢の背景となる男尊女卑の価値観が潜む社会,ストレスコーピングの選択肢の少なさ…要素としては自分も一歩間違えれば誰かを傷つけてしまうかもしれないと思いました。
 誰かを傷つけないためにも、自分の振る舞いが誰かを傷つけるものではないか,この価値観は女性を低くみてないかといった自己点検と適切なストレス対処を行って行かねばと思いました。

・気になったところ
 海外に痴漢の語がないことや、痴漢をするために日本へ来てる外人もいるなんて話は寝耳に水で、なおかつ恥ずかしい気分になりました。

1
2023年06月26日

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ネタバレ

著者は加害者臨床を専門とする精神保健福祉士/社会福祉士。特に日本における痴漢のメカニズムと再犯防止プログラムに関する内容であった。
著者が男性であることに少なからず意義があると思う。

全体を通して、痴漢を発生させている社会背景やメカニズムが具体的かつ明瞭に書かれていた。一方、どう再犯を防ぐか、発生させなくするかという点は薄め。実際、これからもっと検討も議論も必要なのだろうなと思った。
性犯罪は常習化しやすいこと、痴漢は学習された行為であること、日本においては男性の生きづらさや一部残る男尊女卑、満員電車などをはじめとする社会要因を踏まえ、痴漢行為はストレスコーピングとして繰り返されるのだと理解した。

冤罪に関するデータが不足しているとのことだが、本書の発行から4年経っているので探ってみたい。
また、新型コロナによる在宅ワークが進んだ以降の痴漢に関するデータが気になると同時に、そこでストレスを対処できなくなった人たちの対処方法がどのように変わっているのだろうと、少し怖くなった。

1
2021年07月12日

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痴漢をはじめ、性暴力は「暴力」「支配欲」であって、「性欲」ではないんだよ…という認識が広がってほしい。

1
2020年12月02日

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病気としての側面を知ることが出来て勉強になった。

認知のゆがみや、謎の謝罪文、
リスクマネジメント用紙のサンプル、
加害者への責任追及によるジレンマ

治療意欲とその効果に相関関係がない

今のままの仕組みでは、再犯率が高く被害者も増え続けて国としての手続きの費用も馬鹿にならない。
社会のこの犯罪に対する認識を変えて、とにかくまず被害者を出さないことにもっと力を入れるべきなんだと勉強になった。

そもそも、一般的な司法による罰だけでは、認知のゆがんだ人間には罰にすらならなかったり、反省以前の問題という点は、ケーキが切れない非行少年たちと似た部分があると思った。

1
2020年08月07日

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>以上のデ ータをまとめると 、痴漢のリアルな実態は 、 「四大卒で会社勤めをする 、働きざかりの既婚者男性 」ということになります 。つまり 、どこにでもいる 、普通すぎるほど普通の男性です 。それは裏を返せば 、普通の男性もきっかけがあれば痴漢行為に手を染めかねないということでもあります 。

→これ、完全に自分じゃん。全くもって油断出来ないし、いつそうなってもおかしくない要素もある。今のところ大丈夫だけども。

>強姦や強制わいせつの容疑で逮捕された 5 5 3人のうち 3 3 ・ 5 %が 「 A Vを観て自分も同じことをしてみたかった 」と回答しています 。 2 0歳未満の少年にかぎれば 、その割合は 5割近くにもなったそうです 。 「現実は現実 、ファンタジ ーはファンタジ ー 」と区別がついているといい切ることがむずかしいパ ーセンテ ージではないでしょうか 。

→とりあえず、AVの見過ぎには気をつけよう。

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2019年06月14日

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痴漢依存症を治療するクリニックの担当者(精神保健福祉士)による痴漢の特性、治療方法、トリガーの特性などの紹介。

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2019年05月21日

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【認知の歪みだらけ】

仕事でストレス溜まってるから
触られたい女性がいる
捕まるかもしれないスリル

そんな「認知の歪み」が起こす『痴漢』
相手が弱い存在だから、目に見える金、物、命を奪うわけではないからと自分勝手な考えで、女性の「心を壊す」のが『痴漢』

『パワハラ』も同じ、
自分より弱い立場の人を、自分勝手な考えで攻撃し「心を壊す」

自分は役職が上だから
自分の方が長く生きてるから
そんな「認知の歪み」で人の心を壊す」ことは痴漢もパワハラも一緒。

「認知の歪み」で「心を壊された人」だらけの世の中

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2019年03月02日

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日本でもっともありふれた性暴力の形態である「痴漢」。おそらくだからこそ、世の中には、その問題性を頑なに認めようとしない物言いがあふれている。痴漢よりも「痴漢冤罪」こそが大きな問題であるとか、女の側にも問題があるといった言説は典型的だ。多数の痴漢加害者と接してきた依存症クリニックの精神保健福祉士による本書は、痴漢にまとわりつく神話の雲を吹き飛ばす知見に満ちている。
痴漢に限らず、性犯罪は、「男性がもつ自然な性欲」を妻か風俗で発散できない男が抑えきれずに起こしてしまうものとされてきた。そういうジェンダー非対称的な解釈枠組みを刑法システムが創り上げ強固に維持してきているわけだが、著者によれば、痴漢はアルコールやギャンブル依存などと同じ依存症。適切な介入がなければ自力で脱出するのは困難という。なかでも衝撃的なのは、「痴漢は生きがい」という加害者たちの発言だ。会社などでのストレスと、痴漢という発散の手段がいったん結びついてしまった者たちは、「自然な、抑えきれない性欲」に衝き動かされているどころか、捕まらないよう、準備や逃走に入念に気をつけながら、徐々に加害行為をエスカレートさせていく。
ジェンダー非対称な性犯罪理解のひとつの帰結が、たとえ捕まっても悪質でなければ刑事罰よりも示談、という司法判断だが、せっかく捕まっても罰金や示談で済ませることは、「まだ大丈夫」という認識をあたえてしまうことになる。刑事罰も再犯防止にはつながりにくい。逮捕を医療介入につなぐチャンスにすることが大事だという。
基本的に医療アプローチを主張する本書だが、とはいえ、完全に個人の病理として理解するのは過ちだ。ストレス発散の手段として女性に対する性暴力を多くの男たちが選んでいるという現実は、社会における女性の人権軽視の蔓延と切り離すことができないからである。他の男性が痴漢をやっているのを見て自分もやるようになった、日本に来てから痴漢をおぼえたという加害者がいるのは、日本社会の性暴力への寛容さを反映するものといえるだろう。
痴漢がアルコールやギャンブル依存症と違うのは、そこに必ず被害者が存在し、たとえ加害者にとっては問題行動からの脱出という「解決」が訪れても、被害のトラウマはそこで終わらないということだ。性差別が蔓延するなかで育ち、女性を対等な人間と思っていないからこそ、ストレス発散の対象として性暴力を選んできた加害者は、いくら反省の言葉を述べても、その実、被害者の存在がほとんど意識にないことが多いという。この点の気づきを加害者に絶えずうながすことが治療の重要なポイントのひとつだという指摘には深くうなずける。その意味で、加害者の行為に対する妻、母親、父親それぞれの異なる反応という話も示唆に富む。
安易な治療アプローチをとることなく、社会構造としての性差別と個人の行動がどのようにリンクするのか、さらに探求が必要だろう。

1
2018年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 徹底して被害者の側に立った上で、痴漢行為を依存症として治療の必要と治療法を解説する。痴漢をしてみたくなる気持ちが理解できなくはないため読んでいて苦しくなる。満員電車に乗る環境になくて本当によかった。前から『それでも僕はやってない』の、普段はやっているけど、その時だけは本当にやっていなかった痴漢冤罪事件の話を作ってみたいと思っていたのだけど半端じゃなく大変そうだ。

 著者がその立場になく、分析したり解説したりするのが仕事とは言え、ここまで書くならあなたはどうなのだ?というのが気になった。痴漢は性欲とも実は密接ではないという論もあるのだが、それでもなお性欲を持っていること自体に後ろめたさを感じさせられる。

 先日映画にもしていただいた『チェリーボーイズ』がまさに認知の歪みをベースに作られた物語であるので申し訳ない気持ちになった。

1
2018年05月23日

Posted by ブクログ

痴漢を依存症と捉え、適切な治療の必要性を説く。

「性欲」は一因であり得るにすぎず、むしろ、支配欲や認知の歪み、ストレス対処法の不足が根本的原因としてある。


痴漢を正しく理解できる良書。

1
2017年11月24日

Posted by ブクログ

よく知らないことに対するイメージは当てにならないというか、実態とはかなり違うもの
自分が知っていると思っていることのうち、実態を知っているものはどれだけあるのだろう
頭の中にあるのはほとんどがただの情報で、その情報が言動の元になっているとすると、それは個別の人間と言えるんだろうかなんてことを考えてしまいました

1
2024年04月02日

Posted by ブクログ

男にこそ読んで欲しいとレビューに書いてあったので。
自分はしないからと、無関心が痴漢を蔓延させる温床になってるんだなあ、と。

ちょっと乱暴な結論の付け方もあったが、まあ、痴漢を止めたいという気持ちは伝わった。

1
2019年11月09日

Posted by ブクログ

痴漢という犯罪を世の中から如何になくすか?という観点に立ち、
痴漢の実態・真実を詳細に説明している内容。
依存症であるということは改めて理解できるものの、
やはりあくまでも自分本位の身勝手な論理に裏打ちされている事実。
やはり許されるものではないということが改めて理解できた。
ただ、この依存症を直すために取り組んでいる著者・その加害者家族の存在。
こうした人達のこうした取り組みが不要になるようにするには、
やはり、個々人の意識が大事。これは人に教えてもらうものじゃないと思う。

1
2018年08月27日

Posted by ブクログ

痴漢は性依存症。この観点から、一貫して加害者(場合によっては加害者家族も含む)の治療の必要性を説いている。

共感性の低さ、認知の歪み、ストレスコーピングの選択肢の少なさ、などが痴漢の特徴・キーワードとしてあげられている。

治療計画や取り組みなどが興味深く、これは広く知らしめたほうがいいのでは?と思った。

1
2018年05月03日

Posted by ブクログ

とにかく痴漢に特化した本。おもしろかった。

痴漢が単に性欲から来るものだけではないという認識が一般にもっと広まれば、また別の撲滅のためのアプローチができるのでは?と感じた。
しかし、女性に一切責任はないと言い切るのはどうだろう。フェミニズムが流行し、本質とズレているような理論さえも持て囃される昨今において耳障りは良いかもしれないが、誘発させないリスクを限りなく抑えるという意識も少なくとも必要ではあると思う。

2017.11.08

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2018年04月18日

Posted by ブクログ

社会に心の余裕が無さ過ぎる。
フッと疑問が湧いたのは、男性の支配欲は学習や社会の成熟と共に矯正可能なのか?ってこと。
七つの大罪ってか人間の性(さが)が現代社会でも当然作用してて、痴漢はその病理の現れなのかも、今は鉄道会社の具体策や人の善の力と努力で対処するしかないのかなぁ。
なんかまとまらんわ。
ってか女性の具体策に関して何か無いのかよ!と思ったけど何か書いたあったっけ、笑

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2017年11月03日

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