「小児性愛」という病――それは、愛ではない

「小児性愛」という病――それは、愛ではない

1,870円 (税込)

9pt

「そりゃセックスもしましたよ。恋人同士ですもん。それを周りの人たちが、ぶち壊したんです。 私がロリコンで、Yちゃんは被害者だといって引き離したんです。
私はそんな人達によって犯罪者にさせられました。おかしいのはどっちだっていいたいです…」
これは、12歳の少女に性加害をした49歳の男性のケースです。
女子児童の側には、交際しているという認識はありません。怒ると声を荒げる男が怖くて、言われるがままになっていたのだとわかっています。
彼がしていたのは、明らかに加害行為です。子どもに肉体的・精神的に後々まで残る多大なダメージを与えました。
しかし、彼が見ていたのは、「子どもから求めていた」「子どもはよろこんでいた」という光景。事実とは、正反対です。
クリニックで子どもの性加害経験者からヒアリングしていると、これは性加害をする者なら誰もが持っている、特有の思考の歪みだと実感します。
彼らの問題行動の背景には、精神疾患があります。日本語では小児性愛障害、英語ではPedophilic Disorder, Pedophiliaといわれ、この「ペドフィリア」という語のほうが馴染みがある人もいるでしょう。
私は、150名を超える子どもへの性加害者らと関わってきて、彼らも私達と変わらない、同じ“人間”だと考えるに至りました。決して性欲が抑えられないモンスターではありません。
子どもへの性被害、つまり小児性愛障害は、社会のなかで学習された行動です。大げさかもしれませんが、いまの日本社会が「ペドフィリア」を生み出し続けているといっても過言ではありません。
本書より抜粋

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「小児性愛」という病――それは、愛ではない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    読む決心がつかず、ずっと積読本になっていたが、
    ニュースで小児性愛教師たちの盗撮グループが見つかった信じられない事件があったので読むことにしました。
    実際の加害者となった人の意見がそのままの表現で載っているので読むのかなりきついですが、ぜひ飛ばし読みをしないで読んで欲しいです。

    0
    2025年08月03日

    Posted by ブクログ

    勉強になった。
    認知の歪みについては知っていたが、条件反射の回路、プロセス依存、背徳感など、本書で指摘されて気づかされる情報も多々あった。

    ・「行為・プロセス依存」
    ・依存行動がやめられないのは、意志の弱さ、だらしなさが原因だと思われがちですが、その人のなかに条件反射の回路ができあがっているため、

    0
    2025年02月25日

    Posted by ブクログ

    ずっと眉間に皺を寄せて読む。日本はどうしてこんなにも性犯罪、小児性加害に甘いのか。こんなに再犯率が高いのに執行猶予判決が多く再発防止の為のシステムもほぼないに等しく野放し状態。子どもたちが全く守られていない。
    日本社会が変わらなければならないという言葉に共感。

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

    児童わいせつを犯してしまった人たちが、どのような心境で実行に至ったのか、逮捕や服役した後のことなどとても詳細に書かれていた。本の中での使われ方は違えど、児童へのわいせつを起こす原因として「ケーキの切れない非行少年」にもあった「認知の歪み」という表現が使われているのが興味深かった。

    ・盗撮や痴漢とい

    0
    2023年03月26日

    Posted by ブクログ

    犯罪者と私は明確に違うつもりで読み始めたが、実は境界は曖昧で私もきっかけがあればそっち側になってしまうかも、、、と不安になってきた。
    弱い者を虐げる犯罪をなくす為には犯罪者を隔離するよりもみんながストレスフリーな世界を目指す必要があるのかな。壮大。

    子どもが性犯罪の被害に遭わないために手に取ったの

    1
    2020年10月28日

    Posted by ブクログ

    小児性愛者、ペドフィリア、ロリコン。
    彼らの認知は歪んでいる。フリーズした状態を受け入れた、同意があったと思い込み、子供から求めてきたと信じ込む。
    挙げ句の果てに、LGBTと同じ文脈で語られるべき、とまで。
    本書には、実際の加害者の言葉も綴られている。
    もし、自分が被害者なら、知人の子が被害に遭った

    1
    2020年03月02日

    Posted by ブクログ

    若年妊婦のことや男尊女卑について調べていたらたどり着いた本。第一章の日記から読むのも悍ましくてずっとムカムカ胸焼けしながら最後まで読みました。小児性犯罪は1ミリも共感できない本当に許せない犯罪と思いながら読み進めていたら昔から強いものが弱いものを虐げる社会、男だけでなく女にもその男尊女卑社会の価値観

    0
    2025年05月11日

    Posted by ブクログ

    大人に是非読んでもらいたい本。
    再発率や被害者の年齢層など具体的なグラフも多く載っていた。
    第一の被害者を出さない為にも、小児性愛障害者が犯罪の一歩を踏み出さない為にも現在の社会の構造を変えなくてはならない。
    一人一人が小児へと向かう性犯罪を知り、変革していくことで犯罪の抑制に繋がると思う。

    0
    2024年06月20日

    Posted by ブクログ

    150人を超える小児性犯罪者に関わってきた著者が、データをもとに、子どもに性加害をくり返す者はどんな人物であり、どのような背景があるかを探る。その病理に光を当て、加害行為を“やめ続ける”ための方法を解説する。

    依存症。認知行動。

    0
    2020年10月18日

    Posted by ブクログ

    どこか薬物依存と似ているな、と思いました。
    薬物依存もどこか精神的に不安定な人がふとしたきっかけで初めてしまう印象。

    ただ処罰をするだけだったらもうすでに犯罪率は下がっているはず。
    精神的な矯正が必要なんだだろうな。

    0
    2020年07月27日

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