斉藤章佳のレビュー一覧

  • 性暴力の加害者となった君よ、すぐに許されると思うなかれ

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    著者は性加害の加害者臨床に携わる人物で、依存という視点から加害当事者の更生に取り組んでいる。
    実際の性被害者と、著者が臨床場面で携わっている加害者たちとの対話を通して、被害者だけでなく加害者も、自分の人生を取り戻そうとする取り組みを著したものが本作である。
    私自身、職業柄加害者被害者どちらにも出会う機会があり、何が正解か、どこへ向かっていくことが必要なのか、その事実が起きた背景にある課題がひとつではないからこそ、とても悩ましく思うことがよくある。
    その回答のひとつが、対話によるそれぞれの理解ということになるのだろうが、まあ、こんな簡単な言葉で済ませられるような話でもないことは明らかで。

    でも

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    2025年11月02日
  • 夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」

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    ■「カーリング子育て」とは、医師でヘルスプロモーション推進センター代表の岩室紳也氏が提唱した言葉。カーリング競技で選手がストーンを滑らせる際に、氷の表面をブラシで掃く姿になぞらえ、親が子供の障害物や困難を予め取り除き、スムーズな道を整える育児スタイルのこと。子ども同士のトラブルを親が介入して未然に防いだり、子供がミスをしないように親が先回りして学校の宿題を手伝ったり、完璧に仕上げたりすること。子供がストレスを感じにくい環境が作られる一方で、悩んだり痛みを感じたりすることがないので、子供本人の問題解決力が十分に育まれんないことや、ストレスへの体制が弱くなることも懸念される。
    ■九州工業大学名誉教

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    2025年10月26日
  • 子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か

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    できたら目を背けたい腹立たしい犯罪だけど、ニュースを見るたびに「なんでそうなるの?」と疑問が多く湧き上がるので、知識がほしくて手に取った。

    ・「性的グルーミング」という概念
    ・加害の動機は性欲ではない
    ・性加害は依存症の側面がある
    ・男児をターゲットにする理由
    ・被害者が加害者になる負の連鎖
    ・現在の日本での治療プログラムについて
    ・性犯罪者の個人情報を住民に公開することの功罪

    など、現状を知ることができ、疑問に思っていたこともだいたい整理できた。
    大切なのは厳罰化じゃなく、どう再犯を防止していくか。被害者を増やさないことが何よりも大切。

    最初は読むのが怖かったけど、知識として入れば距離

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    2025年09月29日
  • 「小児性愛」という病――それは、愛ではない

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    読む決心がつかず、ずっと積読本になっていたが、
    ニュースで小児性愛教師たちの盗撮グループが見つかった信じられない事件があったので読むことにしました。
    実際の加害者となった人の意見がそのままの表現で載っているので読むのかなりきついですが、ぜひ飛ばし読みをしないで読んで欲しいです。

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    2025年08月03日
  • 50歳からの性教育

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    40代前半ですが、めちゃくちゃ勉強になりました。
    言語化できていなかった部分を、医師・弁護士・ライター・精神保健福祉士の多面的な面で語られれている。
    生きるための教育が日本はされていない。
    セックスについて学ぶ機会がないだけでなく、更年期について学ばないため、どのように対応して良いかわからない。パートナーとの関係の構築方法もわからないし、誰でも性加害者になりうる現状も赤裸々にかかれている。性加害者の多くは、「四大卒、会社員、既婚の男性」、つまりモンスターではなく、周りにいいる普通の人たちであり、自分が加害者である自覚はない。結局、性暴力は支配欲を満たし、ひとときの心の安定と満足を得る行為。お互

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    2025年05月18日
  • 性暴力の加害者となった君よ、すぐに許されると思うなかれ

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    修復的対話という新しい形式で、加害者と被害者が向き合う場を作ることで新たに見えてくることが多い。
    にのみや氏が対話に集まった参加者への感謝を述べた場面から始まり、とりわけ「心の殺人」と称されながらも、非当事者には見えにくい被害者のその後を自己犠牲的に語ることが、教科書的な反省の弁すら跳ね除けて真の贖罪を加害者に突きつける。
    被害者同士で寄り添うために声をあげることですら、多大な勇気が必要とされることであろうに、生涯にわたる深い傷を被ったにのみや氏が、それを背負いながら日常生活を営む傍らでこのような活動に勤しんでいるという事実にはひたすら感嘆するばかり。

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    2025年03月22日
  • つながりを、取り戻す。

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    アルコール依存症と実母からの性暴力を受けた福岡雅樹さんと斉藤章佳さん、 竹内達夫さんの対談でできています。

    そんな辛い過去を持っていても人間は生き直す事ができるんだ!と希望を与えてくれる本です。
    未来はどうなるかもわからないけど自分なりに今を生き直す事、将来を守る動きができる事を教えて下さりありがとうございます。

    自分には関係ないと思い読む事はなかったと思う「しくじらない飲み方」(斉藤章佳さん)も読んでみたくなりました。

    私たちに必要なのは【つながりを、取り戻す】事なんだと熱く感じました。

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    2025年02月28日
  • 「小児性愛」という病――それは、愛ではない

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    勉強になった。
    認知の歪みについては知っていたが、条件反射の回路、プロセス依存、背徳感など、本書で指摘されて気づかされる情報も多々あった。

    ・「行為・プロセス依存」
    ・依存行動がやめられないのは、意志の弱さ、だらしなさが原因だと思われがちですが、その人のなかに条件反射の回路ができあがっているため、やめたくてもやめられなくなっているのです
    ・問題行動を達成すれば、優越感や支配欲、飼育欲さえも満たされます。人間として超えてはいけない一線を越えているという背徳感でやみつきになり、当然やめようなどとは思いません
    ・死なないために依存する

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    2025年02月25日
  • 50歳からの性教育

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    そもそも寝た子を起こすな、とばかりに教育というか正しい知識を教えないという選択を続ける国に対して、実際世の中に蔓延しているのは男性に都合のいいファンタジーならばその無知によって導かれるのは不幸な関係になるのでは

    お互いが真に理解するべく対話をするのも大事であるが、腫れ物にさわるかのような扱いにしてきた過去を踏まえてこれからはきちんとした教育をしていく事の方が誰にとってもプラスになると思うんだけどどうだろう

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    2025年02月24日
  • 性暴力の加害者となった君よ、すぐに許されると思うなかれ

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    被害者のその後の日常を読んだ時の衝撃。
    胸が痛かったです。
    加害者と対話しようと思ったにのみやさんすごいです。

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    2025年02月05日
  • 子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か

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     子供に対する性犯罪についてのパターン、グルーミング、そして、どのようにすることが際犯防止になるのかということがしっかりと書かれていました。世間の厳罰かを求める声ももっともですが、それだけでは再犯防止をできないというエビデンス的な側面も無視するわけにはいかないのだろうなと。

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    2025年01月29日
  • 子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か

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    旧ジャニーズ事務所における性加害問題で広く知られるようになった、子供への性加害。
    男の子でも被害者になるんだ、と驚いた人も多かっただろう。
    売名だとか、嘘つきだとかそういった反応も多かった。
    だが、実際は残念ながら珍しいことではない。
    限られた子供だけが被害に遭うわけではないのだ。
    親には言えなかったけれど、私も露出狂に遭ったり、電車内の痴漢、デパート内で陰部を押し付けられたりしたことがある。
    今はSNSを入り口にした性犯罪が増加している(26頁 警察庁統計より)。
    決して、関係ない世界の出来事ではないのだ。

    加害者の頭の中は、認知が歪み過ぎていて腹立たしい。
    「相手が嫌がっていないと思った

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    2024年07月24日
  • 男尊女卑依存症社会

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    依存症の症状と治療という視点から見る
    日本の性差(ジェンダー)問題を分析した
    いい本でした。

    本の主な内容は 
    依存症の治療についてですが
    依存症の原因分析から 
    日本社会の男性に優位な社会制度と
    その代償として
    男性に背負わされる
    男らしさという鎖の重さを
    依存症の事例と治療方法を
    例に挙げながら 解説しています。

    あまり堅い文体・内容ではなく
    読みやすい文で書かれているので
    気軽に読めるる本です。

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    2024年07月17日
  • 男が痴漢になる理由

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    なろうとして痴漢になるのではない、ふとしたきっかけで足を踏み入れてしまう…というのが大半。人生を崩壊させるきっかけはいつ訪れるか分からない恐怖を改めて認識。

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    2024年07月03日
  • 50歳からの性教育

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    ■どんな本か
    人間と性をテーマに長年教育に携わってきた著者を『校長』とし、各教科の『先生』達がそれぞれのテーマを教え、最後には対談も交えながら人生と性について論じる本。

    ■内容
    生きるうえで性について知ることは不可欠だ。
    自己を知り人を知り、関係を育むのが性教育であるべきなのに、日本の学校では今日現在もセックスを教えないなど【はどめ規程】が残り、産む性にとどまっているこたが問題だ。

    ①更年期(高橋怜奈)
    ・女性は閉経前後5年間。閉経50歳が平均だから45-55歳。(とはいえ50歳過ぎても半数が生理ある。個人差あるから年齢だけで区切るのは注意。)
    人生100年時代、まだ折り返し地点。

    原因

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    2024年07月03日
  • 50歳からの性教育

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    婦人科系の病気にかかり、改めて、自分の身体について知らないことが多すぎたと実感。第1章の更年期については特に自分も誤解していたところも多く読んでよかった。
    一つ一つの章が、自分には学びだと思ったが、年代に関係なく読んでもいいと思うし読みつがれていくといいと思う。どなたかも感想に書かれていたようにタイトルで少し損をしているかも。

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    2024年06月10日
  • 男尊女卑依存症社会

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    ネタバレ

    アルコールや盗撮、薬物などの依存症は、日本社会の男尊女卑が原因であり、男女の刷り込まれた役割分担が大きいと分析している。また特に男性は、仕事や日常生活で男性という衣を着せられているが、それを脱ぎ弱さを認めることによって依存症から抜けることが書かれている。

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    2024年05月28日
  • 「小児性愛」という病――それは、愛ではない

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    ずっと眉間に皺を寄せて読む。日本はどうしてこんなにも性犯罪、小児性加害に甘いのか。こんなに再犯率が高いのに執行猶予判決が多く再発防止の為のシステムもほぼないに等しく野放し状態。子どもたちが全く守られていない。
    日本社会が変わらなければならないという言葉に共感。

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    2024年04月29日
  • 男尊女卑依存症社会

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    この本の趣旨を二度までも見誤った。読み誤った、というべきか。

    まず1章を読み始めた時、
    この本は、今の日本の男女差別を問題視し、会社の役職者や議員の割合などの、
    現状の男社会が今の日本の諸悪の根源だ!と訴えたい本なのかなあと思った。

    しかし読み進むうちに様子が変わってきた。
    ワーカホリック、過労死、アルコール依存症、痴漢依存症、、、
    あれ?依存症の恐ろしさを訴えたい本だったのか、
    看板に偽りありだなあ、と多少憤りながら読み進めた。

    そうしていくうちにようやくこの本の狙い、ターゲット、言いたいことがわかってきた。

    男尊女卑社会の通念、固定観念に縛られたが故の生きづらさにより、
    ワーカホリ

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    2024年03月27日
  • 子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か

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    ■子供と信頼関係を築き関係性を巧みに利用して性的な接触をする行為をグルーミング(性的懐柔)という。
    ・2023年7月に改正刑法が施行され「面会要求等罪」(グルーミング罪)が新設された。
    ・グルーミングの3つのパターン
    ①オンライン上でのグルーミング
    ②面識のある間柄でのグルーミング
    ③面識のない間柄でのグルーミング
    ■治療の三本柱
    ①認知行動療法
    ②薬物療法
    ③性加害行為に責任を取る
    ■再犯を踏みとどまらせる手がかりは3つある。
    ①社会の中に自分の居場所があること。「自分はここにいていいんだ、ありのままに生きていていいんだ」と思える場所があること。
    ②裏切ってはいけない大切な人がいること。人と

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    2024年03月03日