ジャック・アタリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
欧州最高峰の知性などと呼ばれている作者のことは恥ずかしながら名前だけ聞いたことがある、程度だったのだけど凄い人なんですな…「政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利など的中させた」んだそうで欧州のエリートって桁違いだったりするしね。そんな人が語る食の歴史はいかなるものか、という興味だったのだけど…確かに食の歴史、については語っているがそれは前置きに過ぎず極論すればいろんな歴史家の言ってることをサマライズしただけであって本当に作者が言いたいことは後半の三分の一くらいにある。つまりこのままでは人類の食は保
-
Posted by ブクログ
《アタリはアタる》
というのが、以前から私がなんとなく感じていたことだった。
以前に読んだ本には、近い将来世界的なパンデミックが起こるとあったが(『危機とサバイバル』)、すでに新型ウィルスが世界を席巻したのは周知の事実である。
そんなこともあり、2030年まであと10年となった今、ジャック・アタリはこれからの10年をどのように見るだろうかというのは興味のあるところであった。
本書の後半へ読み進むにつれて暗雲垂れ込め、第三章に至って愕然とした。
えええええ!!!、、、世界はそんなことになっちゃうの!?
という話が次々出てきて圧倒されたからだ。にわかに信じがたいストーリーを前に、こんなものは -
Posted by ブクログ
ネタバレ海を思わせる鮮やかなブルーの装丁に惹かれて、書店で思わず手に取った一冊。しかも、著者はジャック・アタリ。で、これならと即買い。(アタリでなくても多分買ったと思うけれど)
宇宙と水の誕生から、大航海時代を経て、コンテナの出現と現在の漁業に至るまで、海のこれまでを総括して、その上で問題提起と提言。正直、宇宙の誕生からヒトの誕生まで取り上げた最初の二章は、ワタシの装丁買いは“アタリ”ではなくて、ハズレだったかと思ったのだけれど、人類が船を作り出して海に進出し始めた第三章から、ワタシの読書航海も無事軌道に。そこから第六章まで、視点を海に置いて世界史を眺めてみると、これまでと少し違う風景が見えてきた。
-
Posted by ブクログ
この本で語られる2030年は、たった12年後。
「最悪の事態が起きる可能は極めて高い。その場合、2030年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害ももたらす」、「危機がせまっていると自覚することが絶対に必要だ。そうした自覚こそが、危機をかいひするための唯一の方法なのだ。」
「自分自身ができる限り高貴な生活を送りながら世界を救う」
そのために、10段階の精神的道筋を歩むことが進められている。
1.自分の死は不可避だと自覚せよ
2.自己を尊重しろ、自分自身のことを真剣に考えろ
3.変わらない自分を見つけろ
4.他者が行おうとすること、そして世界の行方 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現在世界の地政学や宗教から来る敵対関係、内情事情、環境問題、貧困、公害、高齢化など多様な社会的な懸案事項を取り纏めて解説して今後の動向をどう見極めるか?を提示してくれている。そこまではとても興味深いものがあったけど、ラストの回答とう言うか今後の指針は特別なものは無かったかなぁ〜けどね、出来るだけアンテナを高く上げていないと2030年までの荒波を乗り切る事が難しいんだよって、それは強く伝わって来た。本当にこの本で書かれていることの全てが起こるとは言えないけれど、形は少し違えども似たり寄ったりの事件や事象が発生するんだと思う。それに備えることを始めるきっかけにはなると思う。これからの世の中、情報は
-
Posted by ブクログ
順調に推移している世界と悲惨になりつつある世界をそれぞれ具体的に上げて、それらを合わせて、未来を考察します。
市場と民主主義はお互いに強化しあいながら新たな富の創造を促進するはずであったが、世界は既にとじておらず、まったく別の力学が働いていて、この力学こそが従来の市場と民主主義の蜜月関係を破壊し、世界を逸脱させた。その力学とはグローバル経済であり、国際的な法整備を喫緊の課題として挙げています。
また、自分の幸福は他者の幸福に依存していることに自覚して、世界のためにも行動する準備をしろとも訴えます。
未来予測というより、エリート層に向けての世界の協調とノブレスオブリュージュを諭した書と読みました -
3.6 (5)
-
3.6 (5)
-
Posted by ブクログ
フランスで要職を歴任し、思想家としても有名なジャック•アタリ氏による歴史解釈と未来予測を綴った本です。
年末は今年起きたことを整理し、未来はどうなるか考える良い機会なので、その一助になればと本書を手に取りました。2050年の世界の状況に関する予測とその基となる考え(「心臓」と「形態」)について説明しています。著者は、今から30年前でも現在起こっている多くのことを予測できたため、今から25年後の世界を予測することも十分に可能としていますが、この点は個人的には疑問です。例をあげると、人口動態から中国が発展し、アメリカとある程度摩擦が生じることは予測できたかもしれませんが、自身が覚えている範囲では -
Posted by ブクログ
新たな洞察を期待したが、予測可能な人口動態をベースにした未来予想かカーボンニュートラルへの方針やエネルギー対応を多めに語るので、どこかで聞いたような一般論や通説という感じである。取扱説明書というには言い過ぎな気もした。ただそうした反復学習も重要だと思うので、価値のある読書。世界を学び直す。
ー 気候変動の影響により、GDPは10%~35%減少する恐れがある。とくに、今日の首都ジャカルタの40%は水没するかもしれない。そこで、インドネシアは、ボルネオ島に新たな首都を建設中だ。このヌサンタラ(「群島」)と呼ばれる新首都の完成予定は、2045年だという。フィリピンの人口は1億6000万人を超すだろ -
3.6 (5)
-
Posted by ブクログ
並行してエマニュエル・トッドを読んでいたのでその理解が深まったが、やはり複数名を一冊に取り扱うようなダイジェスト本だと論説の中身が浅い。広く浅く、まずは関心を、がコンセプトなのだろうからそこで文句を言ってはいけないのだが。本書に関しては、先の賢者たちの言説紹介よりも、後半の日本人同士のセッションの方が面白く感じた。
與那覇氏。「よなは」。と読むらしい。この方の発言で、「民主主義は皆が理性を働かせ、今より良くなっていくことを建前としている」のだから、「ニヒルな人間不信とは相性が悪い」という内容に共感を覚えた。ニヒリストは、もの凄く大きな権力とか構造に対して諦めてしまい、民主主義を放棄しがちだ。