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Posted by ブクログ 2021年09月30日
2030年という近未来に起こることを悲観的な事実を並べたて恐怖心を煽られていると感じるが、これくらいでちょうどいい。
これらの事実を直視し問題を先送りせずに必ず訪れる悲観的な近未来に対し自分は今何をするべきか?
しっかり考えたい。
Posted by ブクログ 2020年08月26日
この本は、
#FACTFULNESS
の上をいくかも
学べば学ぶほどグローバル経済も民主主義も今のままじゃやばいってなるけど
結局は個人が変わるしかなくて、そのカギは利他主義だ、という本
日本の今の政治家には無理や
仏にはアタリに諮問する政策委員会があるのか…凄いな
Posted by ブクログ 2020年08月02日
第一章はデータの記載が多く世界中で起きている様々な社会問題。
第二章から読者に投げかけられる質問、ジャックアタリの未来予測は読み手を圧倒する。
Posted by ブクログ 2020年05月03日
コロナ禍で一歩も外に出ないことでしか
社会に貢献できない私は、
すでに世の中の無用なお荷物と化している。
と思って行動することもできれば、
私はコロナ禍を直接火消しすることには
大した貢献はできないが、
まだ見えないアフターコロナを創る
主体的な一人になりうるのだ。
と意思を持って行動することもでき...続きを読むる。
「高度な野心」は持つべきであり、
それによって自分が命を賭けてでも守るべき課題を
見つけることができ、
唯一無二の幸福な人生を終えることができる。
世の中と限りなくWin-Winな状態で。
的な読後感です。
アタリ氏のいう「高貴に生きる」ということが
これ程に徒労に思える時代はないのかもしれないけど、
「高貴に生きること=個人が幸福に生きること」
という方程式を成立させ続けないと、
2030年を待たずに
人間が地球を主体的に崩壊させてしまうということは
割と高い可能性で起こってしまうわけで、
それを成立させるには
アタリ氏のいう「合理的利己主義」しか
今のところ私には見当たらないなと思う。
全てを投げ打つ必要もなく、
自分自身の最大限健やかな人生と
利他をどう共存させるのか。
一度放たれた欲望をピボットさせるのはとても難しいが、
このコロナウイルスさえもしかすると
人類にちょっと考えてくれという意図で
世の中を駆け巡っているような気もしてきます。
Posted by ブクログ 2020年01月17日
人類を取り巻く環境について悲観的なファクトをこれでもかというほど書き連ねているが、楽観的なお花畑色に染め上げた未来予想より、これくらいの重みがある方が現実味があり腹も据わる。
最終章で人類が政治や宗教、歴史的なわだかまりを越えて共感し合い、協力する術についての提案がある。半年に一回くらいは読み直し...続きを読むたい一冊。
Posted by ブクログ 2017年09月17日
「これまでに述べてきたことから判断すると、これらの問いに対する答は否定的だ。最悪の事態が起きる可能性はきわめて高い。二〇三〇年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害をもたらす。
否定的な理由は、地球規模の複合的な課題を自覚している人々の数が極めて少...続きを読むないからだ。また、それらの課題を理解したところで、今日、全世界に作用する巨大な力をねじ曲げられるとは思えないからだ。…」
「… そして、民主主義が機能するのは国内だけであるため、民主主義はまもなく幻想になると覚悟しておく必要がある。。そして民主主義と市場は近視眼的な要求によって逸脱するかもしれないと心得て置くべきだ。」
”自由を求め怒りにかられつつ他者を批判する”ことが横行している。
いまや学問が進歩して、どのようなわがままも「個人の自由や尊厳」に結びつける理屈を作れるようになった。「公共の福祉」を求める人間はほとんどいない。皆「自分への福祉」を「公共への福祉」と言い換えている。このような流れが民主主義を終わらせるということなのだろう。
ジャック・アタリは「審判のいない市場」と「地球規模の法の支配がないこと」が世界を壊滅的な状況に導くと言っている。「怒りの克服」と「利他主義」しか人類を救う道はないと結んでいるが、二〇三〇年までにそれが可能とは思っていないようだ。(そう書いてはいなけれど)
ただ、最後に述べられている一人ひとりへの一〇段階の自省のすすめ、そして世界のための行動一〇箇条、これに耳を傾けよう。この破滅的な将来を生きていく一人ひとりにとって、自分の人生を救う道標になるだろう。
閑話休題。
読むのに1日もかからない二〇〇余ページの本に未来予測を詰め込んである。専門家は「ずさんだ」というのだろう。(著者の「二十一世紀の歴史」はもっと大部だったようにも思う。もう10年前のことだから記憶は曖昧だ。)
何を持ってずさんというのだろうか。一方でデータを乱用して「相関関係」から「因果関係」をおそまつに説明する風潮について冒頭でアタリも指摘している。
仮説を構築する能力はプロセスに対する理解と洞察力による。そして未来の世界を予測するにはありとあらゆるプロセスに対しててそれが求められる。未来予測は予測でしか無い。その元になる仮説が証明されるのはすべて終わったあとだ。何度も試行を繰り返せない場で予測の正しさを問うことは虚しい。
人々の行動を作る説得力はどこから来るか。部分部分の専門的な正しさでなく、本人の学術的成果の追求という個人の欲を離れ、多くの視点を持ち多様な価値観を是認して、多くのプロセスを常識的な因果関係で説明できるかにかかっている。古今真理は常に単純だった。
本書の結論は自分が考える今後数十年の世界の未来像とほぼ一致している。悲観的な将来をほぼ不可避と予想しながら、自分や家族に言うことは「どのような世の中になったとしても、怒りを制御し、自分の力で切り抜けていく覚悟をもって生きていこう。」ということだ。
Posted by ブクログ 2021年01月03日
フランスの思想家で、サルコジ大統領の諮問委員会通称「アタリ政策委員会」の委員長を務め、オランド大統領への政策提言や何よりアタリ政策委員会フランス政治に大きな影響を持つジャック・アタリ。本書は、世の中への警鐘を鳴らすために、最近としては珍しく世界に対して悲観的な近未来予測をたらふく書いている。
原題の...続きを読む”Vivement après-demain”は、「明後日が待ち遠しい」といった意味なのだが、それは、きれいごとも含めて最後に世界およびフランスに対して提言を行って、われわれならできるとこの本の最後は締められているからだ。2016年にフランスで出版されているので、およそそこから15年後の2030年を明後日として見据えたものだが、2021年の今、そこまでの道程のうち約1/3が過ぎたところだ。
「本書執筆の時点では、世界に善をなす手段は数多く存在し、善をなす活動家たちは増え続けている。だが、現在、世界は悪の勢力によって支配されているといえる」と書かれると、ベストセラー『FACTFULNESS』で指摘された人間の本能からくる思い込みに飲まれている典型的知識人なのではと思われるかもしれない。また、『FACTFULNESS』が出版されたのは、この本が出版された後の2018年なので、ハンス・ロリングはアタリのような知識人を念頭において自らの著作を書いていたのかもしれない。それでも、二人が直接話を交わせば(ハンス・ロリングはすでに亡くなっているのでそれは不可能なのだが)、お互いにすぐに表面上は打ち解けて、表現は違えど意図するところは同じだなどと知識人的に言ってしまいそうなのだが。
アタリも、生活水準が上がっていることは認めるし、平均寿命が各段に伸びていることも認める。極度の貧困にあえぐ人びとの数と割合は少なくなっている。情報通信、農業、教育、医療におけるテクノロジーのイノベーションが進んでいることも当然誰よりも知っている。戦争や暴力も、殺人事件も減っていることも認識している。それでもアタリが敢えて警鐘を鳴らすのは、高齢化、一部地域での人口爆発、移民の境遇、そして何より地球環境の危機だ。具体的には水資源と気候変動、そして格差拡大だ。そこからは、どんどん暗いニュースと数字を並べたてる。世界全体としては物事がよくなっていることは認めているので、その指摘は局所的な課題(メキシコでの殺人事件発生率上昇)や直近の動き(2011年から2015年までに戦争やテロの被害者が七倍)であるものが多い。しかし、それがまさに近年の格差拡大の証拠のようにして挙げられる。
アタリは、その原因のひとつになっている法の支配のないグローバルな資本主義の暴走を危険視する。
一方で、技術進歩の観点では2030年までの間には大きな進歩が期待される。具体的な例として、健康(遠隔医療や認知症改善)、教育(遠隔教育や脳の働きに合わせた学習)、労働(苦役からの解放)、住宅(3Dプリンティング建築やスマートビルディング)、水資源(海水の淡水化)、農業(センサやゲノム編集作物)、エネルギー(太陽光パネルと蓄電池の大幅改良)、自動車(電池改良によるEVや自動運転)、航空(ハイブリッド化や自動運転)、娯楽(VRやオンライン化)、芸術(3DプリンティングやAR)、シェアリングエコノミー(金融、求人、宿泊、自動車、コンテンツ)、リサイクル(分子レベルの物質分離)が挙げられる。
しかしながら、これらの技術進歩がこのままではポジティブな結果をもたらさないだろうというのがアタリの結論だ。「世界経済が審判のいない市場に支配され続ける限り、それらの要素は権力者たちに横取りされ、現在の不均衡を悪化させるだけなのは理論的に明白だ」と言う。果たしてそれほど明白かどうかは自分にはわからないのだが、アタリは「技術進歩がどれほど魅力的であっても、技術進歩によって雇用は破壊され、富のさらなる集中が加速する」と断言する。2030年には「この世を耐え難く思う人々が現在よりも圧倒的に増え、ほとんどの人々がそのように感じると予測できる」というのだ。おそらくは、それがジャック・アタリが問題視するところだ。
「世界中の社会に蔓延する憤懣は、次第に激怒になる」という(※ここは使われる単語のフランスでのニュアンスが知りたいところだ)。それが、暴力を生み、破壊的な社会状況をもたらすのだと。ちなみに、日本は、混乱と激怒を発生させる6つの火種のうちのひとつにも数えられており、国の巨額債務バブルの崩壊による金利と物価の上昇に直面し、日本円の価値が大幅に下落に向かって、現金やゴールドへの逃避が始まり世界経済の混乱を生むと悲観的だ(他の国にもおよそ悲観的なのだが)。
そうして2030年までの混乱により、世界大戦が始まる確率が高まっているとまで言って読者を脅す。地政学的に、北朝鮮、ロシア、パキスタン、中東、サヘル地域とアフリカ、イスラーム国、が指摘される。さらに特記すべきは、「大勢の人々が命を落とすまで治療法のわからない新型ウイルスが発生」する可能性も指摘されていることだ(残念ながら深堀りされていないので、これをもってコロナを予言したというのは言い過ぎだろう)。
いずれにせよ「危機が迫っていると自覚することが絶対に必要だ。そうした自覚こそが、危機を回避するための唯一の方法なのだ」という。
そして、そうした自覚が「自分たちの憤懣を怒りではなく、利他主義へと誘導」し、「協力は競争より価値があり、人類は一つであることを理解する」ことが重要で、「人類の倫理と政治組織を高度な次元に移行すべきだという自覚が、われわれの中に芽生えてくる」のを期待する。
アタリにとっては、それはあるレベルにおいては、個人の生命よりも価値を与えられるべきだという。「われわれは自分自身の生命に最大限の意義を与えて死を拒否する。だが例外がある。きわめて大切な価値観が危機にさらされている場合だ。すなわち、それは次世代の暮らしに関する価値観である」という。
「「自分自身ができるかぎり高貴な生活を送りながら世界を救う」
この奇妙な文句は、自己と他者の利益の見事な一致であり、いかなる時代であっても、どれほど大きな危機に直面しても、適用可能な革新的な寸言である」
と書くとき、その言葉の底に流れる論理には、どこかそれはカント的な相貌を見ることができるのではないか。アタリがそれを意識しているのかどうかはわからないが(意識しているのではないかとも思っているが)、倫理を突き詰めると、いつもカントに戻ってくるような気がする。
最後に、アタリが挙げる10の箴言をまとめて並べてみよう。
1. 自分の死は不可避だと自覚せよ
2. 自己を尊重し、自分自身のことを真剣に考えろ
3. 変わらない自分をみつけろ
4. 他者が行おうとすること、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめろ
5. 自分の幸福は他者の幸福に依存していることを自覚せよ
6. 複数の人生を同時かつ継続的に送る準備をせよ
7. 危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつけろ
8. 不可能なことはないと思え
9. 実行に移す
10. 最後に、世界のためにも行動する準備をせよ
さらにアタリが挙げる10個の提案も並べてみる。
1. 学校や法律の教科書など、いたるところに、利他主義、寛容な精神、誠実さを養うための学習を取り入れろ
2. 国連総会のもとに次の三つの機関を設立せよ(組織改正された安全保障理事会、三十歳未満をメンバーとする次世代議会、世界環境裁判所)
3. 世界的な紛争が勃発するリスクと闘え
4. 法の支配と暴力を抑制する合法的な手段を強化せよ。とくに、女性や子供に対する暴力を撲滅するのだ
5. 世界経済の連携を組織せよ
6. 世界通貨を導入せよ (万国共通のベーシックインカムの保障のため)
7. 小規模の農地を守るために、農地に関する所有権を世界的に強化せよ
8. 積極的な経済を推進するための世界的な基金を創設せよ
9. 新たな技術進歩を世界中の人々が利用できるように支援せよ
10. 最後に、今までに述べたことに対する取り組みの進行状況を、企業、都市、地域、国、世界という単位で、客観的な指標を用いて計測せよ
そして、最後にフランスが国家として行うべき行動計画を提案する。
これらの結論として言いたいことを一言で表すとすれば、「情けは人のためならず」ということかもしれない。大枠として、きれいごとが過ぎるのと、グローバル資本主義がもたらし、かつ今後ももたらすであろう貢献に対する批判としてはやや不公平にも感じる。しかし、本書の刊行から5年を過ぎてSDGsの観念と行動がここまで普及したのは、こういったアタリ的な人びとによる提言がバックグラウンドにもあるのかもしれない。
不思議なことに、2016年10月に出版された本書は、その1ヶ月後にドナルド・トランプがアメリカ大統領になる可能性についてはおくびも出さない。"トランプ"という言葉にさえ、この本の中では一言も触れられていない。2016年の時点で世界でもっとも影響を与える単独のイベントはトランプの大統領就任を置いて他にはない。また、本書で掲げる利他主義にあからさまに反する人物であることもそのころから表面的には少なくとも明らかだ。そう考えると、いくら経験を積み、知識と情報を集めたとしてもすぐ先の未来さえも見通して当てることは難しいということなのかもしれない。むろんそれは、ジャック・アタリ個人の非ではない。逆にわれわれがそういった限界の認識を得ること自体が重要だと言えるのである。
ちなみに副題の「不確実な世の中をサバイブせよ!」は余計で、ミスリードするところだ。サバイブと書くと、まるで個人が競争して生き残ることを想像させる。アタリが言いたいことはまったく逆で、人類や次世代、もっと広くいうと地球環境が生き続けるために利他の心でもって行動するべきだと言っているのである。どうして邦題はこうも頓珍漢なものが付けられることが多いのだろうか。
ひとつひとつの主張には違和感を感じるところも多かったが、フランス政府やEUには直接的に影響力をもつ人がどういうことを考えているのかということを知るということでは読んでおくべき一冊かもしれない。同じ意味で秋に出版された『命の経済――パンデミック後、新しい世界が始まる』もトランプとコロナを経てそれがどう変わっているのか(変わっていないのか)を知るためにも目を通すべきなのかもしれない。
Posted by ブクログ 2021年01月02日
2016年にフランスで出版され翌年日本で出版、2020年に読み始めたため、内容に少しギャップを感じるところもあったが、文中に幾度もウイルスによる世界的ダメージが発生する可能性を示唆しており、それが正に進行している中で読み進めていたため、驚かされることとなった。
この書籍は「父が娘に語る 美しく、深...続きを読むく、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」で書かれていたように、様々な数値を元に書かれていることと合わせて、人それぞれ、民族それぞれがもちあわせる、それぞれの歴史的な流れなどからどのように思考すし、どのように判断が行われるかが書かれている。
よって、今後の世界情勢については楽観視ではなく、かなり悲観的に見ている内容となっている。
これまでは貧富の差はあれど、富めるものの資産で複数の国の国家財政を超えることがなかったが、現実問題として複数国家財政を超える領域に達してきている。となると、国と資産家との1国の中でのパワーバランスが逆転しているだけではなく、世界的に国と資産家のパワーバランスが逆転してきていることになっている。
上記は数字の範疇であるが、人の気持ちは数字で判断出来る内容をねじ曲げることがある。それらを紐解いてくれる示唆に富んだ一冊である。
Posted by ブクログ 2020年09月21日
《アタリはアタる》
というのが、以前から私がなんとなく感じていたことだった。
以前に読んだ本には、近い将来世界的なパンデミックが起こるとあったが(『危機とサバイバル』)、すでに新型ウィルスが世界を席巻したのは周知の事実である。
そんなこともあり、2030年まであと10年となった今、ジャック・アタ...続きを読むリはこれからの10年をどのように見るだろうかというのは興味のあるところであった。
本書の後半へ読み進むにつれて暗雲垂れ込め、第三章に至って愕然とした。
えええええ!!!、、、世界はそんなことになっちゃうの!?
という話が次々出てきて圧倒されたからだ。にわかに信じがたいストーリーを前に、こんなものは空想に過ぎぬ、未来はわからないから未来なのだと一掃することはできるだろう。だが、仮に、金と利権と権力にしか興味のない人々が、自分たちのために世界を動かしているのだとすれば、こういう破滅的な世界が遠からず来ることは予測できなくもないなとも思う。
アタリは、こうした危機に抗う方法として、《利他》の精神を説く。《利他》の精神そのものは素晴らしいと思うし、本当に全世界の人々が覚醒し、利他行に本気で勤めれば危機は回避できるだろう。しかし、この予測される圧倒的な現実の中で、《利他》がどれほどの力を持つか、私にはよくわからない。
今後もときどきページを繰りたい一冊である。
Posted by ブクログ 2020年07月31日
表紙の袖に書かれている『「起きるわけがない」と決めつけても、どんなことだって起こりうる。そうした最悪の事態を予測することこそが、最悪を回避する最善の手段なのだ』という言葉が全てを物語っている。
随所に先見性が見られて参考になる。が、数字での解説が多いので把握しずらい。
Posted by ブクログ 2019年07月03日
現代版ノストラダムスの大予言。ただ、ちゃんと統計データに基づいている。利他的に生きること。これは、企業も大事。
Posted by ブクログ 2018年04月08日
この本で語られる2030年は、たった12年後。
「最悪の事態が起きる可能は極めて高い。その場合、2030年までに大きな危機や壊滅的な戦争が起きる。そして世界的な危機や戦争は、人類に不可逆的な被害ももたらす」、「危機がせまっていると自覚することが絶対に必要だ。そうした自覚こそが、危機をかいひするための...続きを読む唯一の方法なのだ。」
「自分自身ができる限り高貴な生活を送りながら世界を救う」
そのために、10段階の精神的道筋を歩むことが進められている。
1.自分の死は不可避だと自覚せよ
2.自己を尊重しろ、自分自身のことを真剣に考えろ
3.変わらない自分を見つけろ
4.他者が行おうとすること、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめろ
5.自分の幸福は他者の幸福に依存していることを自覚せよ
6.複数の人生を同時にかつ継続的に送る準備をせよ
7.危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつけろ
8.不可能なことはないと思え
9.実行に移す
10.最後に、世界のために行動する準備をせよ
世界を変革するための10この提案は以下。
1.学校や法律の教科書など、いたるところに、利他主義、寛容な精神、誠実さを養うための学習を取り入れろ。
2.国連総会のもとに、次の三つの機関(組織改革された安全保障理事会、30歳未満の次世代会議、世界環境裁判所)を設立せよ。
3.世界的な紛争が勃発するリスクと闘え。
4.法の支配と暴力を抑制する合法的手段を強化せよ。とくに、女性や子供に対する暴力を撲滅するのだ。
5.世界経済の連携を組織せよ。
6.世界通貨を導入せよ
7.小規模農家の農地を守るために、農地に関する所有権を世界的に強化せよ。
8.積極的な経済を推進するための世界的な基金を創設せよ。
9.新たな技術進歩を世界中の人々が利用できるように支援せよ。
10.最後に、今までに述べたことに対する取り組みの進行状況を、企業、都市、地域、国、世界という単位で、客観的な指標を用いて計測せよ。
Posted by ブクログ 2018年03月22日
グローバル化による市場と民主主義の崩壊から起こりうる大惨事を食い止めるためには利他主義という捉え方に立って行動するよう説かれていた。
Posted by ブクログ 2018年02月07日
資本主義への警鐘と受け取れた。利他的に振る舞えるよう、1人1人が内面から変わっていかないといけないという著者の啓蒙書。語られている事実は衝撃的で、説得力があった。
一方で、変わっていかなければいけない理想は分かるけど自分が損をしないためにマネー社会に飛び込んでいかなければいけないジレンマもある。一般...続きを読む人にはなかなか難しい。
Posted by ブクログ 2018年02月05日
現在世界の地政学や宗教から来る敵対関係、内情事情、環境問題、貧困、公害、高齢化など多様な社会的な懸案事項を取り纏めて解説して今後の動向をどう見極めるか?を提示してくれている。そこまではとても興味深いものがあったけど、ラストの回答とう言うか今後の指針は特別なものは無かったかなぁ〜けどね、出来るだけアン...続きを読むテナを高く上げていないと2030年までの荒波を乗り切る事が難しいんだよって、それは強く伝わって来た。本当にこの本で書かれていることの全てが起こるとは言えないけれど、形は少し違えども似たり寄ったりの事件や事象が発生するんだと思う。それに備えることを始めるきっかけにはなると思う。これからの世の中、情報は最大の武器だから、早く気付いて上手く使うスキルを身につけて荒波を乗り越えていきたい。
Posted by ブクログ 2017年10月15日
順調に推移している世界と悲惨になりつつある世界をそれぞれ具体的に上げて、それらを合わせて、未来を考察します。
市場と民主主義はお互いに強化しあいながら新たな富の創造を促進するはずであったが、世界は既にとじておらず、まったく別の力学が働いていて、この力学こそが従来の市場と民主主義の蜜月関係を破壊し、世...続きを読む界を逸脱させた。その力学とはグローバル経済であり、国際的な法整備を喫緊の課題として挙げています。
また、自分の幸福は他者の幸福に依存していることに自覚して、世界のためにも行動する準備をしろとも訴えます。
未来予測というより、エリート層に向けての世界の協調とノブレスオブリュージュを諭した書と読みました。
Posted by ブクログ 2020年07月06日
21世紀の歴史では、迷いなくアタリの言葉が入ってきたのだが、、今回は全て受け取れていない自分がいた。この腑抜けた時代のまま次の世代に渡してはいけない、我々世代が未来の教科書に一行も出てこないのではという不安もある。教科書に載る必要はないが、今があるのはこの時代のこの世代のおかげと思われたいというのが...続きを読む、未来への利他主義なのかもしれない。日本は世界で一番利他主義のはずだった。その時代に戻せばよい、貧しいけど笑顔で幸せという世界を。
Posted by ブクログ 2021年11月10日
2030年の未来予測はだいたい恐怖でしかない、この本も恐怖感がすごかった。
2021年に読んでいるからこそ、鳥肌が立つことも。
こんな未来きてほしくないけどどうしたらいいんだろ・・・
Posted by ブクログ 2021年09月27日
2021年45冊目。満足度★★★☆☆ 2015年時点で15年後の2030年の世界を複眼的に予測。最悪の事態を予測することこそが、最悪を回避する最善の策であると説く。期待して読んだが、深みに欠けた。
Posted by ブクログ 2021年06月27日
アタリ氏による、未来の技術からくる世界予想と、それに伴う人間の思想、怒りのり原因、対処法、
今後の考え方と行動。
一言で言うと。
1.世界は技術進歩により様々な変化がおこる。それは必ずしもプラス面だけではなく、マイナス面もある。
↓
2.そのマイナス面を、どう乗り越えていくか、それは利他であり、自...続きを読む分のやりたいことに傾注することだ。
↓
3.そうした愛情が、世界を良くする。
是非取り組みされたし。
Posted by ブクログ 2021年01月05日
イノベーションの大波が2030年までに起こるとのこと。
特に3Dプリンターの導入は今後の15年に大きな影響や革新をもたらすだろう。
人工知能の発達とともに、感情の刺激をどう反映していけるのか?
人とロボットの差は縮まるが、その中でどう生き残るのか?
企業にとってもこれからの15年は、勝負だ。
ま...続きを読むた人類を全滅させる大惨事についても予想しており、その中に新型ウィルスについての記述がすでにあった。
人工知能においても人類を消滅させる決定を下す、と記述があり、世界大戦などの恐れもあるとのこと。
ウィルスを当てているだけあって真実味があり、そうならないためにどう生き抜くかを
最後に提示してくれている本でもある。
Posted by ブクログ 2020年08月09日
経済はグローバルであるのに対し、利益を社会的に還元する政治は各国ごとにローカルなので、うまく経済政策が回らない、ということかな。
Posted by ブクログ 2018年03月12日
利他的に生きましょう。それしか生き残る道は無いですよ、と人類に問いかけている一冊。
2018年3月①
Posted by ブクログ 2018年01月16日
ジャック・アタリが天才だからだろうが、現在の状況やら分析やらがどんどん押し寄せてきて、のどに詰まって飲み込めないといった感じである。結論も分析の続きのようで、なんでそのような結論が導かれたのかいまいち消化不十分である。
世界全体で見れば生活水準は上がり技術は進歩し順調に見える反面、富の偏在や気候...続きを読む変動などの環境悪化、保護主義化や原理主義者の台頭などの混乱要因があり、2030年には大混乱になるだろう、という議論である。現在の状況なり課題が勢ぞろいでまとめてある。
結論として、それを阻止するためにみんなが行動する必要があり、国連に機関を設立しろとか世界通貨を導入しろとか10項目を提案している。普通の人なら数冊以上の本になるような内容を凝縮して書いている感じである。
本書を読んでなるほどと理解納得し、ジャックアタリが期待するような行動を取れる人が一体どれだけいるだろうか?私の読解力がないだけかもしれないけど…。
Posted by ブクログ 2017年12月14日
人類が倫理観を変化させ、世界中で人々が次世代の利益を重んじる利他的な活動を行い、人類が利他主義者達の必要とする地球規模の法規範の制定を支援しなければ、人類は壊滅的な事態に陥る。
全世界で外国への投資額は、1995年の3千億ドルから2015年の17千億ドルまで急増した。
2016年、23億人がソー...続きを読むシャルネットワークを積極的に利用している。
2016年、全世界で600以上の大学は4,200のムークを開講している。2015年には3,500万人がムークを受講した。
今後、企業は顔も見たことのない投資家達の為に、自社の財務諸表をインターネットで定期的に公開しなければならない。
人道と利他主義に基づく活動が世界中で拡大している。個人主義や貪欲さとは根本的に異なる世界が現実に影響を及ぼし始めている。
安定した民主主義の条件である情報開示は大きく進展している。
1995年、外国人旅行客の総数は5.4億人。2016年には12億人。
暴力による年間死者数はを人口10万人当たりで表すと、5,000年前は500人、中世は50人、現在は6.9人。
戦死する年間兵士数を人口10万人当たりで表すと、WW2時は300人、朝鮮戦争時は23人、ベトナム戦争時は9人、イラン・イラク戦争時は5人、2001年は0.5人、2011年以降は0.3人。
殺人事件の年間犠牲者数を人口10万人当たりで表すと、16世紀のオックスフォードでは110人、20世紀中頃のロンドンで1人未満。
過去数十年間に表現の自由や法の支配などに関する公衆の自由は、105カ国で著しく後退し、61カ国で改善された。
世界では企業の租税回避によって、国の税収は年間2,400億ドル失われている。これは世界の法人税収の4-10%。
企業の外国人持ち株比率は、イギリスのFTSE100が50%以上、ドイツのDAXが50%以上、フランスのCAC40が45%以上、日本の日経平均株価が32%、アメリカのS&P500が16%。
あらゆる側面において相互依存が強まっている以上、他者の失敗で利益を得る者は誰もいない。人類のサバイバルの鍵は利他主義。
自己の利益の為に最大限に利他的に振る舞うこと。こうすれば全員の利益の為に自己実現が図れる。
協力は競争よりも価値があり、人類は一つであることを理解すべき。そうした認識があれば、人類の倫理と政治組織を高度な次元に移行する自覚が芽生えてくる。
誰にでもなんらかの素晴らしい天賦の才能が備わっている。
世界の為に役立つ持続的な活動をする為の10ステップ
1.自分の死は不可避だと自覚する
2.自己を尊重する。自分自身の事を真剣に考える
3.変わらない自分をみつける
4.他者が行おうとしている事、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめる。共感力。
5.自分の幸福は他者の幸福に依存している事を自覚する
6.複数の人生を同時かつ継続的に送る準備をする。自己実現の様々な形式を絶えず発見する為。
7.危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつける
8.不可能な事はないと思う
9.実行に移す。PJの燃料は憤懣であり、エンジンは心と身体。
10.世界の為にも行動する準備をする
自分は世界の幸福の為に何がしたいのか?
世界に対する10の提案
1.学校や法律の教科書など、いたるところに利他主義、寛容な精神、誠実さを養う為の学習を取り入れる。
2.国連総会の元に、安全保障理事会、30歳未満で構成された次世代会議、世界環境裁判所を設立する。
3.世界的な紛争が勃発するリスクと戦う。
4.法の支配と暴力を抑制する合法的な手段を強化する。特に女性と子供に対する暴力を撲滅する。
5.世界経済の連携を組織する。
6.ブロックチェーンを基盤とする世界通貨を導入する。
7.小規模農家の農地を守る為に、農地に関する所有権を世界的に強化する。
8.積極的な経済を推進する為の世界的基金を創設する。
9.新たな技術進歩を世界中の人々が利用できるように支援する。
10.企業、都市、地域、国、世界単位で客観的な指標を用いて計測する。
フランスが自分たちの役割を担う為に実行すべき提案。
1.自分自身になる各自の手段を強化する。全ての保育所と小学校の整備率を上昇させる。
2.教育システムの改革。技術、知識、哲学、倫理を誰もが生涯を通じて学べるようにする。失業者には職業訓練を施し、ホームレスには社会復帰の機会を提供する。
3.職業人としての最終条件を均等化させる。退職後の人生を教える事をはじめとする他者の為の活動に費やせるようにする。
4.利他的に行動するための手段を大幅に強化する。国民全員がNGO、団体、組合、政党に参加する為の時間と手段を自由に使えるようにする。
5.世界の為の計画をフランスの外交方針にする。
6.EUを合理的利他主義のモデルにする。その為には国境および国内の警備、共通の防衛、欧州のベーシックインカム、共通の社会政策を施行する事により欧州法を補完する。
Posted by ブクログ 2017年10月03日
まあ書いて有ることは面白いんだけど、それに対するアクションプランがすげーフランス人で笑う。仏教徒からすると。
Posted by ブクログ 2017年09月11日
フランスの叡知、ジャック・アタリ氏の2016年での未来予測本、すべての世界情勢を数値統計データで整理した上で分析/考察している。
アジアの片隅で一般庶民として生きている私でさえも直感でなんとなくわかっているが、氏の予測では地球上は混沌化しつづける一方で止まる兆しも皆無とのこと。
昔は、個人内、地...続きを読む域内、国内だけに目を向けて、今できる最良のことだけを一生懸命やれば、良い結果が必ずついてきていたが、グローバル化した今、それが通用しなくなってしまった。
どうすればよいか、アタリ氏は利他主義が世界を救う唯一の手段であると提案。もう、それだけ先が読めない事態らしい。
持続可能な生きがい、楽しさ、幸せ、すぐに答えはでない。でも21世紀を生きる大人として真剣にそれを考え続けていこうと思った。