中村至宏のレビュー一覧

  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    川越を舞台にした三日月堂シリーズの3作目。
    読み始めてすぐに、シリーズ2の4章「我らの西部劇」の続きだと気づいた。

    1章「チケットと昆布巻き」
     扉写真:校正機
    「月刊めぐりん」編集部のメンバーは、イベント上映会の取材で川越シアターを訪れる。刊行された本『我らの西部劇』が活版で印刷されているのを見た3人は「三日月堂」を訪れて…。

    大学のゼミの同期は皆、大手に就職。
    「小さな出版社で旅行情報誌の取材、編集に追われる毎日を過ごす自分は、何のために生きているんだろう?」もがく竹野は、三日月堂で一人黙々と働く弓子の姿を見て、仕事への向き合い方を考えるようになる。今、戦っている全ての人に薦めたい一編

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    2025年11月18日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    蔵造りの街、川越が舞台。
    活版印刷「三日月堂」に戻って店を再開した弓子さんと、訪れる客との触れ合いを連作4編に纏めたもの。壁一面の活字の棚や、古めかしい印刷機の写真を見て、活版印刷所に足を運びたくなった。

    「世界は森」
    来週末、息子が北大の寮に入る。
    「母さん、心配しすぎだよ。大丈夫だよ、家事なんてどうとでもなるって!」と言われたハルさん。これまで一人で育ててきた自分は何だったのかと腹立たしくて情けなくなる。母親の寂しい気持ちが手に取るように伝わってきた。
    桜色のハルの名が入った便箋で息子に宛てた手紙を書く。三日月堂に頼んだ卒業祝いのレターセットには、森の緑の色で息子の名が刻まれている。亡夫

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    2025年11月08日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    遠い過去を遡り、その時のそれぞれの人の心をみる

    それは深くて暗い箱の底にある煌めきをすくいとるようでもあり、
    夜空の星に手を伸ばすような心地もする。

    やさしくて、確かな、記憶を辿る時間。

    これまで会ってきたような登場人物たち、
    みんなの過去、想いが
    ゆっくりと熟成して、未来へとつながって
    良い時になっている。

    その嬉しさと安心感が、
    この物語を一層好きにさせる。

    さて、次の展開は?

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    2025年10月21日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    泣いてしまった。

    これまでに関わった人たちが、
    ゆっくりと三日月堂の歯車になり、
    前に、前に進んでいく。

    弓子さんの決意に、水上さんの優しさに
    これまで現れた人たちの心の豊かさ、
    そして、何より素敵な魔法に。

    「本は宛先のない魂のかけら」。
    その言葉にも、ぐっときた。
    大切に紡いだ言葉を、いつか誰かに届くようにと
    流れに委ねること。

    その勇気が自分の人生を楽しく、豊かにしていく。
    のかな?

    そんなことを信じたくなるような本作に
    心から感謝したい。

    さて、次はどうなるのか。また楽しみである。

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    2025年10月18日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    好きな仕事を大切にし、
    人のことを想い、丁寧に力尽くして進めていく。

    そうしているうちに、さまざまな良き出会いが
    生まれていく。

    いつか必ずあの大きな印刷機は動くことになる
    と信じて読み進めていたけれど、
    その光が見え始めた。

    それでも、本人は、焦ったり、よりかかったりしない。
    ひたすらに自分の仕事を追求し、自分の在り方を見つめている。

    言葉のちから。
    それも、強く考えさせられた。
    次の展開も楽しみでたまらない。

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    2025年10月12日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    主人公が活版印刷を通じて、
    さまざまな人と関わっていく。
    その人の人生のとても深いところに、
    さりげなく、優しく、丁寧に。

    一つ一つのストーリーに心あらわれる想いがする。
    自分がやりたいことが、誰かのために
    心に灯りをともすことになる仕事…。

    そして、川越の町のことを知り、
    どんどん好きになっていく。

    あぁ、いい小説に出会えて良かったと
    嬉しさをかみしめる。

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    2025年10月12日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    ネタバレ

    少ししずかな雰囲気をまとった素敵なお話。
    活版印刷を通して登場人物たちが少しずつ繋がって、進んでいくのがすごく良い。
    義母から譲り受けた本なのですが、続巻も買って読みたい。

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    2025年09月22日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    三日月堂、これからの話ー

    平凡な日々はつまらないと思っている女性
    遠く離れた土地で暮らすことが決まっている友人を思う女子高生
    中学受験に立ち向かう息子を見る男性
    苦手だったはずの義理の母の家が売られることになった女性
    結婚したいけど、将来が不安な男性
    そしてラスト、弓子さんの息子の話

    どれも心にしみる話でした。
    結構泣けるものもあったので涙腺が弱い私は泣いてました笑

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    2025年04月19日
  • 明日、君が死ぬことを僕だけが知っていた

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    ネタバレ

    この手の本は泣ける。裏切らないと思い、読んでみました。例えセカチューや、きみ膵のパクリと言われても・・。ラストは予知夢通り、修学旅行の夜目の前で亡くなるのだけど、残してくれた日記(はい、きみ膵と設定似てますけど)
    に涙、涙でしたー。そして、公平も約束通り小説を書き続け、夢が叶い、ハッピーエンドです。
    あらすじ。
    予知夢を見るも未来はかえれない少年、工藤公平。彼は小説家をめざすも、自分の夢を予知夢で叶わないと知り、腐った日を過ごしていた。その前は夢に向かう社交的な優等生だったのだ。
    病気のヒロイン、早川愛梨。病気になってからは悩ましい日々だったところに現れた公平に、残される人の為に何ができるかを

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    2025年03月29日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    昔は活字を拾って言葉を組み印刷していたという事実を再認識した。この本を読んでから、印刷博物館(文京区)を訪れると印刷技術の凄さを目で見て感じ取ることができ良かった。

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    2025年03月25日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    自分の妻、娘たち、両親、それぞれの存在に対して愛おしい気持ちになる一冊だった。
    当シリーズ全6冊?中まだ5冊までしか読み終わってないですが、これがいちばん沁みた。

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    2025年03月13日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    良かったです。
    人の思いがぎゅっと詰まったお話に惹かれます。

    お話も良かったですが、活版印刷のコラボ企画の案内が本に挟まっていました。
    この頃にこの本と出会えていたら参加したかったのにと残念に思いましたが、印刷博物館は今も活版印刷のイベントが行われているようなのでこれには是非参加してみたいです。

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    2025年03月11日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    一番大切なものはお金じゃない。
    もちろんお金は大切だけれど、充実感や満足感、達成感、心の豊かさ、人としての魅力って、お金とはまた別のなにかにあるんだなぁっていうのをじんわりと心の中に感じることができた。
    もしも、今、自分が別のことをして生きるとしたら…どんなことができるだろうか。
    作中に出てきた「心打たれる」というひと言に胸いっぱいになる。
    読み終えると共に、涙が溢れ出して止まらない。
    私も、生きているうちに、こんな風に心が動くものごとと歩みを共にしたい。
    生活のためとか、仕事だからとか、そういうのではなく、自分の心の奥底から喜びが湧き上がってきて時間も忘れるくらいに夢中になれるなにかと共に過

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    2025年03月08日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    活版印刷の魅力とともに、人の温かな思いを感じられるストーリー。

    著者の「銀河ホテル」シリーズでも感じましたが、作品のもつ優しい雰囲気と言葉にまつわる物語の世界観がとてもとても素敵。
    また、追いかけたいシリーズが増えました。

    素敵だなぁと感じるフレーズがいくつもあって、そういうときは心の中で繰り返してしまう。
    「言葉」がもつ表現力というか力みたいなものを感じることがある。それは違和感なく心にスーッと入ってくることもあれば、ちょっとした衝撃を受けることもある。
    そういう読書体験が、著者の作品にはあるような気がしています。

    「八月のコースター」がとても良くて、一番好きかも?と思ったのですが、次

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    2025年02月27日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    ネタバレ

    話がずーっと進んで弓子さんの息子佑くんの卒園シーンで終わります。いい話だったなあーとしみじみ思います。

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    2025年02月24日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    番外編。今まで語り手になっていなかった人が語っています。弓子さんの家族の身辺のお話。とてもよかったです。

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    2025年02月24日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    ネタバレ

    活版印刷の可能性が広がることで夢が広がっていく様子にわくわくします。悠木さんとふたりてやっていくことになってよかったです。

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    2025年02月24日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    今回は感動の連続でした。

    「我らの西部劇」のライターさん、
    弓子さんのお父さん、
    弓子さんのおばあちゃん、
    三日月堂のお得意さんで和紙のお店の人、
    弓子さんのお母さん、カナコさんの大学時代の同級生の人、
    弓子さんのおじいちゃん、
    そして…全てを失った弓子さん自身の話。

    弓子さんが成長していく段階に合わせて話が進んでいくのも面白かった!

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    2025年01月25日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    ネタバレ

    「わたしたちは生まれてしまったから生きてるだけ。死ぬまで続く地獄のような道をひとりで歩き続けているだけ。」
    「人生はきっとただの苦しい道なんだろうけど、歩いていれば素晴らしいことも起こるかもしれない。」

    人生って何だろう、と考える日々の中でのこの本との出会い。
    明日も歩こう。そう思えた。

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    2024年12月05日
  • 余命-24h

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    砂になって消えてしまう病に罹患してしまった人たちが紡ぐ最後の二十四時間の物語でした。短編形式で様々な人の終わりを書いているので、一冊の中で一粒も二粒も楽しめる仕掛けになっていました。友達と喧嘩したままで終わりたくないとか、人生に区切りをつけたいとか、夫が一人でも生きていけるようにしたいとか、家族の元に還りたいとか、あるゆる後悔とか未練を払拭しようと奮闘する老若男女の姿に胸が熱くなりました。最後に収録されている短編『僕と俺〜海へ還る日〜』は、一際感動しました。とても素晴らしいお話でした。

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    2024年11月23日