中村至宏のレビュー一覧
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古い町並みが残る街・川越の小さな活版印刷所、三日月堂。
『活版印刷 三日月堂』は、店主の弓子さんが活版印刷を通じて、お客さんたち思いを汲んで、文字を組む物語です。
初版には実際に活版印刷で刷られた1ページが追加されています。
自分の名前入りのレターセットが、活版印刷で刻まれるなんて、すてきですね。私も欲しくなりました。
作中でも語られていますが、活版印刷のレトロで不便なところが、デジタル世代の若い人たちに受けているそうです。
けれど、不器用さをほめられるのは、職人たちとっては複雑な気持ちなのだとか。
かといって、古いものがすべて良いわけではなくて、弓子さんはそんな現代の活版印刷の活かし方を探しているように思えます。 -
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三日月堂のシリーズ完結編。
川越に戻り、たった一人で祖父の活版印刷所
「三日月堂」を再開した月野弓子。
訪れるお客さんや周りの人に支えられながら
手探りで活版の仕事を続けてきた。
「この先どう生きて行きたいか」
彼女が自分の"夢"をやっと言葉にできたラスト、涙が溢れ止まらなくなった。
星をつなぐ線
街の木の地図
雲の日記帳
三日月堂の夢
「街の木の地図」から「雲の日記帳」への流れがとても良かった。
立花ゼミの三人は春休みに「川越の街をテーマに雑誌を作る」課題に取り組む。
川越を巡り、木の思い出を街の人から聞き、一枚の紙の雑誌を作る。イラストマップが深緑色に活版印刷された「街の木の地図」はとてもきれいで…。
「目に見える葉や幹の下に広がる木の根っこのように、言葉にも根っこがあるのかもしれない。
残しておきたい思いがたくさん隠れている。」
雑誌『街の木の地図』は古書店「浮草」で販売され、店主の水上は同人誌作りに夢中だった大学時代を思い出す。
新人賞を取った後、書くことをやめた水上。
久しぶりにやってきた友人の岩倉から「雲日記」の出版を持ちかけられて…「雲の日記帳」
「水は雨や雪になって、地上を流れて、海になって、雲になる。わたしたち生きものの身体も水でできている。人が生きるのは、雲になる練習のようなものかもしれない。」
シリーズに今まで登場した人たちが三日月堂に集まって水上さんの本作りを手伝う場面はまるで星の輝く銀河のよう!
水上が弓子にかけた最後の魔法にニヤリとさせられた。
この春に新生活を始めた人たちに、是非シリーズを通して読んで頂きたい。
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大人になってからはどうしても計算的な恋愛になってしまう。そこには相手のためを想った行動でも、それが相手を息を詰まらせることだってある。
この小説の主人公、麻衣は結婚を考えていた相手に浮気され、ふと高校の頃にクラスメイトとした約束を思い出す。
「30歳までお互い独身だったら、結婚しない?」
お互いを幼い頃から知っているからこそ、そう簡単には恋愛には結びつかないのだけれど、心はずっと惹かれあっているのだと感じた。
家族とは、夫婦とは、居心地の良い相手を選ぶべきというのは間違っていないなぁと認識。
特別な日だけを特別に過ごせる相手よりも、自分の日常に溶け込むような、それでいて言いたいことが言える、そんな関係でい続けられる相手と一緒にいたい。
そして、そう相手に想われていたらより幸せなことなのだろう。
ずっと心温かくて、家族とは?を何か考えさせられる一冊だった。
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ネタバレお姉ちゃんに肝臓あげたくないかはあとの四週間で死ねる!
色んな死にたい自殺したい人が二葉がいる鉄橋まで3人くる!サラリーマンのおじさん、小学3年生の巴ちゃん、そして妊婦さんの椿さん!
結局サラリーマンの人は死なない約束をしてしまったけど死んでしまった!
その二人は死なずに済んだけど、
結果的にれい君は幽霊じゃなくて地縛霊だった、病院に植物状態のレイ君は眠っていた!
そして二葉は自分の心の中の気持ちを両親にぶつけてた!わがままだって言っていいんだよとお姉さんは言う!
でもこの本はいじめの描写もあってちょっと辛かった!!
でも結果的にお姉ちゃんとレイ君遠矢君完全に回復!
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川越を舞台にした三日月堂シリーズの3作目。
読み始めてすぐに、シリーズ2の4章「我らの西部劇」の続きだと気づいた。
1章「チケットと昆布巻き」
扉写真:校正機
「月刊めぐりん」編集部のメンバーは、イベント上映会の取材で川越シアターを訪れる。刊行された本『我らの西部劇』が活版で印刷されているのを見た3人は「三日月堂」を訪れて…。
大学のゼミの同期は皆、大手に就職。
「小さな出版社で旅行情報誌の取材、編集に追われる毎日を過ごす自分は、何のために生きているんだろう?」もがく竹野は、三日月堂で一人黙々と働く弓子の姿を見て、仕事への向き合い方を考えるようになる。今、戦っている全ての人に薦めたい一編。
2章「カナコの歌」
扉写真:弓子の亡母カナコが詠んだ歌
月刊めぐりんの「川越特集」に写っていたのはカナコの娘の弓子ちゃんだった。
カナコと裕美、そして私(聡子)の3人は大学時代にバンドを組んでいた仲間。カナコが入院中に、私と裕美は仲違いしてそれから会っていない。
弓子さんから裕美に連絡をとりたいと言われた私は…。
あの夏は愛するものもまだなくてひこうき雲に憧れていた
月野カナコ 二十七回忌
カナコの遺した歌を、娘の弓子が刷る。
カナコの遺した歌が聡子と裕美の心を、懐かしい仲間たちを結びつけるラストに胸がじんわりとした。
3章「庭のアルバム」が良かった。
扉写真:植物が描かれた樹脂凸版
三日月堂の「活版体験」で、高校生の楓はスケッチした萩の絵が綺麗な三色刷りになり驚く。
弓子から活版印刷のイベントに出す植物の絵を頼まれて…。
楓は祖母から万葉集の植物の歌を教わる。
おじいちゃんが祖母の好きな万葉集の草木を選んで庭に植えていたとわかり、祖母が泣く場面は切なくて!
「あんた、世界のすべてを知ってるわけじゃないんだから、楓のやりたいことをたまにはちゃんとみてやりなさい」と息子を叱る祖母もいいなぁ。
楓がすべての植物の絵をカードにして、庭のアルバムにする日が待ち遠しい。
4章「川の合流する場所で」
扉写真:平台
盛岡で活版の職人だった大叔父が活版印刷のイベントを見にやってきた。三日月堂のブースに置かれた『我らの西部劇』が活字を組んで刷られた本であることに気づいた大叔父と僕は…。
活版印刷が贅沢品として若者に受け入れられる時代だが「活字を組んで印刷することはもうない」だろうと思っていた。
盛岡にきた弓子さんに機械の動かし方を教えながら、刷り上がった紙を手にする大叔父の嬉しそうな顔。
祖父が組んでいた八木重吉の第二詩集『貧しき信徒』の中から選んだ詩を弓子さんと二人で刷って冊子を作る。
祖父の思いが残る重吉の版を刷ることでまた歩き出せる!
「思いを文字にして世に出す、その手助けがしたい」と思う二人がこれからどう歩んでいくのか?シリーズ完結編も是非読みたい。
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蔵造りの街、川越が舞台。
活版印刷「三日月堂」に戻って店を再開した弓子さんと、訪れる客との触れ合いを連作4編に纏めたもの。壁一面の活字の棚や、古めかしい印刷機の写真を見て、活版印刷所に足を運びたくなった。
「世界は森」
来週末、息子が北大の寮に入る。
「母さん、心配しすぎだよ。大丈夫だよ、家事なんてどうとでもなるって!」と言われたハルさん。これまで一人で育ててきた自分は何だったのかと腹立たしくて情けなくなる。母親の寂しい気持ちが手に取るように伝わってきた。
桜色のハルの名が入った便箋で息子に宛てた手紙を書く。三日月堂に頼んだ卒業祝いのレターセットには、森の緑の色で息子の名が刻まれている。亡夫と二人で、「ほかのすべての文字を捨てて、森太郎って名前を選んだ。生まれてきた子を見たとき、ああ、これでよかった」と思えた。
親から子へと手渡される思いに、何度も涙が込み上げ止まらなくなった。
「八月のコースター」
叔父の珈琲店〈桐一葉〉を継いだ僕は、ハルさんの紹介で三日月堂を訪れた。
「前に踏み出すのは怖い」けれど、活版で刷られた高浜虚子の句が僕に…。
『桐一葉日当たりながら落ちにけり』
活字を一つ一つ拾うように時を刻む。
「叔父さんが残したこの店をお客さんといっしょに作って行きたい!」と心が定まるラストに温かみを感じた。
「星たちの栞」
『われの星燃えてをるなり星月夜』
〈桐一葉〉のコースターに刷られた俳句を見て、国語教師の遠田真帆は、すずかけ祭に活版印刷のワークショップを依頼して…。
「どんな言葉も文字の組み合わせでできている。この文字の天の川のなかにある星たちでできている」
『銀河鉄道の夜』をイメージした教室の壁面に、活版で印刷された栞がつけられていく。文芸部員がそれぞれ選んだ一節の中には「『ほんとうのさいわい』ってなんなんでしょうね」の一文も! 教室に広がる宇宙…美しいその光景が見えるように思えた。
「ひとつだけの活字」
すずかけ祭で活版印刷を体験した雪乃は、結婚の招待状に祖母の遺品の活字を使えないかと、弓子さんに相談する。
戦前の銀座には活字店が多かったことを初めて知った。雪乃の曽祖父が営んでいた『平田活字店』の話が明かされていくストーリーにワクワクした。大切な活字でどんな招待状が出来上がるのだろう!
結婚前の雪乃の不安な気持ちや、弓子さんの辛い過去もわかり、またしても涙が止まらなくなった。
シリーズ2も続けて読みたい。
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ネタバレこの手の本は泣ける。裏切らないと思い、読んでみました。例えセカチューや、きみ膵のパクリと言われても・・。ラストは予知夢通り、修学旅行の夜目の前で亡くなるのだけど、残してくれた日記(はい、きみ膵と設定似てますけど)
に涙、涙でしたー。そして、公平も約束通り小説を書き続け、夢が叶い、ハッピーエンドです。
あらすじ。
予知夢を見るも未来はかえれない少年、工藤公平。彼は小説家をめざすも、自分の夢を予知夢で叶わないと知り、腐った日を過ごしていた。その前は夢に向かう社交的な優等生だったのだ。
病気のヒロイン、早川愛梨。病気になってからは悩ましい日々だったところに現れた公平に、残される人の為に何ができるかを問い、「胸を張って生きていく」事を諭され、ヒロインは病気を隠して明るくいきていた。自分のことを救ってくれた公平と仲良くなりたかったのに、いつの間にか公平は腐ってしまっていてー。
何とか仲良くなろうと、奮闘する愛梨に、心を閉ざし、意地悪な態度を撮り続け、おすすめでもないマンガを教えたりしたりしていたのに、だんだん惹かれていく公平。しかし、自分に告白する予知夢と、愛梨が死ぬ事を予知夢で知りー。
みたいな内容です。