中村至宏のレビュー一覧
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川越を舞台にした三日月堂シリーズの3作目。
読み始めてすぐに、シリーズ2の4章「我らの西部劇」の続きだと気づいた。
1章「チケットと昆布巻き」
扉写真:校正機
「月刊めぐりん」編集部のメンバーは、イベント上映会の取材で川越シアターを訪れる。刊行された本『我らの西部劇』が活版で印刷されているのを見た3人は「三日月堂」を訪れて…。
大学のゼミの同期は皆、大手に就職。
「小さな出版社で旅行情報誌の取材、編集に追われる毎日を過ごす自分は、何のために生きているんだろう?」もがく竹野は、三日月堂で一人黙々と働く弓子の姿を見て、仕事への向き合い方を考えるようになる。今、戦っている全ての人に薦めたい一編 -
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蔵造りの街、川越が舞台。
活版印刷「三日月堂」に戻って店を再開した弓子さんと、訪れる客との触れ合いを連作4編に纏めたもの。壁一面の活字の棚や、古めかしい印刷機の写真を見て、活版印刷所に足を運びたくなった。
「世界は森」
来週末、息子が北大の寮に入る。
「母さん、心配しすぎだよ。大丈夫だよ、家事なんてどうとでもなるって!」と言われたハルさん。これまで一人で育ててきた自分は何だったのかと腹立たしくて情けなくなる。母親の寂しい気持ちが手に取るように伝わってきた。
桜色のハルの名が入った便箋で息子に宛てた手紙を書く。三日月堂に頼んだ卒業祝いのレターセットには、森の緑の色で息子の名が刻まれている。亡夫 -
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ネタバレこの手の本は泣ける。裏切らないと思い、読んでみました。例えセカチューや、きみ膵のパクリと言われても・・。ラストは予知夢通り、修学旅行の夜目の前で亡くなるのだけど、残してくれた日記(はい、きみ膵と設定似てますけど)
に涙、涙でしたー。そして、公平も約束通り小説を書き続け、夢が叶い、ハッピーエンドです。
あらすじ。
予知夢を見るも未来はかえれない少年、工藤公平。彼は小説家をめざすも、自分の夢を予知夢で叶わないと知り、腐った日を過ごしていた。その前は夢に向かう社交的な優等生だったのだ。
病気のヒロイン、早川愛梨。病気になってからは悩ましい日々だったところに現れた公平に、残される人の為に何ができるかを -
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一番大切なものはお金じゃない。
もちろんお金は大切だけれど、充実感や満足感、達成感、心の豊かさ、人としての魅力って、お金とはまた別のなにかにあるんだなぁっていうのをじんわりと心の中に感じることができた。
もしも、今、自分が別のことをして生きるとしたら…どんなことができるだろうか。
作中に出てきた「心打たれる」というひと言に胸いっぱいになる。
読み終えると共に、涙が溢れ出して止まらない。
私も、生きているうちに、こんな風に心が動くものごとと歩みを共にしたい。
生活のためとか、仕事だからとか、そういうのではなく、自分の心の奥底から喜びが湧き上がってきて時間も忘れるくらいに夢中になれるなにかと共に過 -
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活版印刷の魅力とともに、人の温かな思いを感じられるストーリー。
著者の「銀河ホテル」シリーズでも感じましたが、作品のもつ優しい雰囲気と言葉にまつわる物語の世界観がとてもとても素敵。
また、追いかけたいシリーズが増えました。
素敵だなぁと感じるフレーズがいくつもあって、そういうときは心の中で繰り返してしまう。
「言葉」がもつ表現力というか力みたいなものを感じることがある。それは違和感なく心にスーッと入ってくることもあれば、ちょっとした衝撃を受けることもある。
そういう読書体験が、著者の作品にはあるような気がしています。
「八月のコースター」がとても良くて、一番好きかも?と思ったのですが、次