中村至宏のレビュー一覧
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三日月堂シリーズ、「未来」が描かれる番外編(シリーズ六冊目)。
今までのシリーズに登場した人達の、サイドストーリーや後日談・6篇が収録されています。
今回も、活版印刷で刷られた扉ページが“お出迎え”してくれるのが嬉しいですね。
どの話も優しい視点から“それぞれの生きる道”が描かれていて、温かな気持ちになります。
第六話「小さな折り紙」では、弓子さんと悠生さんの息子・佑くんも登場し、時の流れを感じます。
そう、誰もが昔は子どもでしたし、子ども達も時を経て大人になっていく・・この、あまりに当たり前な人の営みがとても尊いものなのだと本書は思わせてくれます。
因みに第一話「マドンナの憂鬱」の柚原さん -
Posted by ブクログ
ネタバレ貧困を描いた作品。
児童文学のせいか、あまり貧困を感じられなかった。
居場所を知られないよう学校にも行かずに、一人暮らしのおじいさんの家に隠れて住んでいた母子がいたが、設定に疑問を感じた。
母親は子供に愛情がないように見えたが、実はそうでなかったり、飢え死にしそうなくらいになるなら、生活保護を申請したらいいのに、などいろいろ考えてしまった。
おじいちゃんもいい人なのだろうが、もっと母子にとっていい方法を提示できなかったのだろうか?
けれども、実際団地の一室で孤独死する老人とかも、こんな感じなのかもしれない。
床一枚隔てた場所でどんなことがおきているかわからないのだから。 -
Posted by ブクログ
海の近くに店を構えるカフェ「キッチン・マホロバ」。そこでは、イケメン兄弟が店を経営しています。
ここでのカフェメニューがとにかく美味しそうに描かれています。何回もゴクンと飲み込むほど、美味しさが伝わり、読み手を誘惑させてくれました。文章が巧みに描かれていて、想像しやすく頭に浮かびやすかったです。こういうお店が近くにあったら、毎日通いたいぐらい行ってみたいです。
また、食べ物だけでなく、ミステリーとしても楽しめます。ただ、本格ミステリーではなく、お客からの困り事を解決していくとして捉えた方がいいかと思います。キーワードは「マーフィーの法則」。なんとなく、テレビドラマの「遺留捜査」で糸川刑事が科