中村至宏のレビュー一覧
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第一話チケットと昆布巻
主人公の竹野がなかなかとして捻くれている。
自分の仕事に満足出来ていなくて、試行錯誤中なのだと思うけど…。
でも、弓子さんの活版印刷への姿勢を見て、自分自身の仕事への向き合い方を学んでいく。
古い物の良さって何なんだろう。
私自身もわかってないなあ。
第二話カナコの歌
弓子さんのお母さんのカナコさんの物語。
カナコさんは透明感、清潔感があるとても素敵な人だ。
突然の病気で戸惑いや恐怖、残される弓子さんのこと、たくさんの思いがあったことであろう。
そして、周りの友人にも、もちろん生活があるんだけど…
友人の裕美にはもう少しカナコに寄り添って欲しかったなあ。
きっとその頃は皆が若くて未熟だったんだよね。今からでも遅くない。
周りに目を向けて欲しいなあ。
第三話庭のアルバム
主人公の高校生の楓の気持ち、よくわかる。
その楓とその作品をしっかりと見つめてくれる弓子さん。
気難しい性格のおばあさんが孫の楓の気持ちに寄り添ってくれるのも嬉しかった。
生活にキラメキ☆が出来てよかったね、楓ちゃん!
私も嬉しくなった。
弓子さん、ありがとう。
第四 話川の合流する場所で
ゆうせいと弓子。
似た空気をまとう二人。
上手く行きそう。
次巻で二人の関係が発展していることを祈ります。
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アナログでレトロなものや、紙ものの質感が好きな人にはたまらない小説だと思う。
レターセット、ショップカードにコースター、栞、結婚式の招待状。活版印刷ならではの味わいを堪能できるアイテムが各章で登場し、一つ一つの言葉に込められた「想い」が活版印刷により「重み」を与えられてそれらに刻まれる。以下好きな描写の引用を2つ。
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くっきりした文字だった。「刻まれている」と感じた。ふつうの印刷だと紙に文字が「張りついている」感じだが、これは凹んでいるわけではないのに「刻まれている」。文字ひとつひとつが息づいているみたいに見える。
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コンピュータのなかでは文字に重さがない。厚みもない。「もの」じゃない。だけど、活字には身体がある。重さも、大きさもある「もの」だった。
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フォントもレイアウトも自由に組み合わせられて便利になった反面、言葉が本来持っている重量感を感じる機会はめっきり減ってしまっていたのだな、と気付かされた。
ちょっと分類は違うけど、自分が本も手帳も紙派なのは、言葉の重量感がデジタルよりは感じられるからなのかもしれない。
作中で登場したコースター、リアルにあったら喫茶店の常連になってしまうなぁ。
それとは別に、今の自分に対して雪乃さんのおばあちゃんの「仕事はいつだって探せる、でも人の縁はそうそう見つかるものじゃない」という言葉がじんわり沁みた。
たしかに仕事は外からなんとなく見えるから探りやすいけど、人の縁は内側まで踏み込んでいかなきゃなかなか探せないもの。今後の自分の指針として心に留めておきたいフレーズだった。 -
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活版印刷三日月堂の番外編。
東日本大震災から14年目の昨日、東日本大震災の描写があるシーンを目にした。
すごいタイミングに見えない何かを感じる。
祖母・祖父・父を見送り、この流れで活版印刷の第1弾に繋がっていったのかと本編で目にしたあれやこれやを思い出し感慨深さを味わった。
本編に繋がっていた色んなシーンそれぞれが思い出され、本編がより奥行のある物語として存在してくれた。
色々な人とを見送ったり、失われたものを思い浮かべたりする機会も多かったので、読み終えた今、少し淋しさを感じる読後感を味わっている。
でも!この後ものすごく素晴らしく力強い世界が広がって行くんだよなということを思い出す。
よし、私も頑張ろう!そんな力が自分の中から顔を出す。 -
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三日月堂シリーズスピンオフ。本編の未来編。
最初の頃の巻にしか出てきていない人だと、
「この人は誰だったっけ?」
となりつつ、話が進むと思い出せました。
楓のおばあちゃん
おばあちゃんのおうちと万葉の庭
カナコさんの短歌
と、本編での好きなものが多く出てきた「庭の昼食」が一番良かった。
カナコさんの恩師・深沢先生も素敵。
弓子と悠生の息子・佑が出てくる最終章も、こんなに時が経ったのかと驚くと共に、これからの明るい未来を感じさせてくれて、最終章にふさわしい内容でした。
これが月光荘に繋がっていくのかー。
今更だけど、三日月堂→月光荘と、月繋がりなんですね。 -
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シリーズ完結編。
予想通り、最後の章は弓子視点でした。
でも個人的に印象に残ったのは、最初の章の「星をつなぐ線」に出てくる星座早見盤。
どんなに素敵なものなのか見てみたい!
私は次のシリーズの月光荘シリーズを先に読み始めてしまったので、この巻で浮草や街の木の地図のことを詳しく知ることができて、なんだか不思議なかんじです。
今また月光荘を読み直したら、また心持ちが違いそう。
1人で細々と始めた活版印刷屋さんが、色んな人と繋がって、やれる仕事も広がっていって、静かだけど強く優しい物語だったなぁ。
「慣れたことだけしてたらダメなんだ」って言葉、三日月堂でも月光荘でも何度か出てきた気がする。
川越を舞台にしているシリーズ全体のテーマなのかな。 -
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三日月堂シリーズ第二弾。
「海からの手紙」では銅版画の描写が素敵で、どんな豆本だったんだろうと想像が膨らむ。
活版印刷といい銅版画といい、あと朗読もだけど、ほしおさんの作品はそれぞれの魅力の表現が豊かで、興味を持たせられてしまう。
朗読会っていうものに行ったことないけど、すごく行ってみたくなりました。
「我らの西部劇」で描かれる、三日月堂の前店主の印刷への愛やこだわりも良かったなぁー。
人の手を介して作られるものには、ちゃんと人の思いが込められていて、機械とは違う何かがあるなぁとしみじみ。
そういうのを大事にしていける世界でありたい。
弓子視点のお話もそろそろ読んでみたいな。