中村至宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三日月堂シリーズスピンオフ。本編の未来編。
最初の頃の巻にしか出てきていない人だと、
「この人は誰だったっけ?」
となりつつ、話が進むと思い出せました。
楓のおばあちゃん
おばあちゃんのおうちと万葉の庭
カナコさんの短歌
と、本編での好きなものが多く出てきた「庭の昼食」が一番良かった。
カナコさんの恩師・深沢先生も素敵。
弓子と悠生の息子・佑が出てくる最終章も、こんなに時が経ったのかと驚くと共に、これからの明るい未来を感じさせてくれて、最終章にふさわしい内容でした。
これが月光荘に繋がっていくのかー。
今更だけど、三日月堂→月光荘と、月繋がりなんですね。 -
Posted by ブクログ
シリーズ完結編。
予想通り、最後の章は弓子視点でした。
でも個人的に印象に残ったのは、最初の章の「星をつなぐ線」に出てくる星座早見盤。
どんなに素敵なものなのか見てみたい!
私は次のシリーズの月光荘シリーズを先に読み始めてしまったので、この巻で浮草や街の木の地図のことを詳しく知ることができて、なんだか不思議なかんじです。
今また月光荘を読み直したら、また心持ちが違いそう。
1人で細々と始めた活版印刷屋さんが、色んな人と繋がって、やれる仕事も広がっていって、静かだけど強く優しい物語だったなぁ。
「慣れたことだけしてたらダメなんだ」って言葉、三日月堂でも月光荘でも何度か出てきた気がする。
川 -
Posted by ブクログ
三日月堂シリーズ第二弾。
「海からの手紙」では銅版画の描写が素敵で、どんな豆本だったんだろうと想像が膨らむ。
活版印刷といい銅版画といい、あと朗読もだけど、ほしおさんの作品はそれぞれの魅力の表現が豊かで、興味を持たせられてしまう。
朗読会っていうものに行ったことないけど、すごく行ってみたくなりました。
「我らの西部劇」で描かれる、三日月堂の前店主の印刷への愛やこだわりも良かったなぁー。
人の手を介して作られるものには、ちゃんと人の思いが込められていて、機械とは違う何かがあるなぁとしみじみ。
そういうのを大事にしていける世界でありたい。
弓子視点のお話もそろそろ読んでみたいな。 -
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Posted by ブクログ
福岡の美しい海岸線と豊かな自然が広がる愛島。
市内から少しはずれた、なかなか辿り着けない隠れ家そのものの、カフェ「キッチン・マホロバ」。
訪れた人から語られる小さなミステリをサラリと謎解く兄弟。
公園で木から落とされそうになっていたバターを塗られた猫
プロレス同好会の主催者、綺麗目女子の秘密
突然スキンヘッドになった中学生
公開プロポーズから逃げ出した彼女の理由
カフェに届いた16冊の本の謎
剣道で決着をつけた2人の告白の行方
気になるあの子に毎月届く男性宛の封書
愛島にやってきた彼女の理由
休む間もなくやってくる謎たち。
もう少し余韻に浸らせてくれーとも思いつつ。
ルックスも料理も頭の回 -
Posted by ブクログ
小学4年生のときに過労死で父親を亡くして以来、保育士の母と市営住宅でふたり暮らしをしている美月は、低身長のせいで部活のバレーボールでも活躍できず悔しい思いをしていた。
中学2年が終わるころ、下の階で一人暮らしをしている柴田のじいちゃんの家に、母娘の気配を感じるようになったが、その姿は見えない。
秋が始まるころ、柴田のじいちゃんが1ヶ月前にスーパーで倒れてそのまま入院したことを聞く。母が見舞いに行くと意識不明状態が続いていた。じいちゃんの家に行くと明かりは漏れていたものの、声をかけても誰も出なかった。
10月の半ば、柴田家に敬老の日の祝いを持ってきた民生委員と出会った美月は、エアコンの室外機が動