中村至宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
活版印刷の店を受け継いだ若い女性。
手作りの小さな印刷物のいとしさ、しっとりした雰囲気の連作短編集です。
川越の町の一角に、ひっそりと「活版印刷三日月堂」があります。
ドアから覗くと、大量の活字が上から下までびっしり並んでいる迫力な店内。
店主の弓子はまだ若い女性だが、もう身内がいないのでした。
祖父から受け継いだ店の、大きな印刷機はもう使えない。
それでも子どもの頃の思い出が懐かしく、小さな印刷機を動かしてみると、活字を一つ一つ選んで並べた仕上がりには、独特な味わいがありました。
そんなお店があることにふと気づいて、やってくる人々。
依頼するお客さん達の視点で描かれ、話を聞いた弓子さんの -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ完結編とても良かったです!
これまで登場した方達も沢山出てきてその後をしれたのがとても嬉しかったです。
活版印刷を通じて人と人が結びつき、ゆっくりと優しく繋がり続けている。そんな優しい物語でした。
表題作の『雲の日記帳』とそれに続く『三日月堂の夢』がとても大好きです。完全に綺麗なだけではなくて、人間の弱い部分も含めて綺麗なお話です。
ハッピーエンドではありますが、ハッピーなだけではなくて悲しいこと切ないこともありましたが、爽やかなラストです。
人が亡くなっても文字で思ったことや言葉が残って、他の人に広がっていく…本当に素敵です。
天涯孤独だった弓子さんの周りが温かくて優しい人達で溢 -
Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ良かっです。一つ一つの台詞が温かくて優しい気持ちになれる短編集でした。弓子さん自身の人生のお話が多かった気がします。今後のことで大きく色々と動き出しそうな巻でした。
途中、弓子さんの孤独に触れて私まで寂しくなりましたが、弓子さんの周りに今はたくさんの人がいて良かったと思います。なんだかシリーズ当初より弓子さんが明るくなったような印象を受けました。
今作は故人の想いが沢山出てきて、故人の想いを知ることが出来る文字っていいなぁと素直に感じました。思ったこと。考えたこと。悩んだこと。辛いこと。葛藤したこと。残された人達が知り、その想いを活版印刷を通して形にしていく。その想いをまた別の人が -
ネタバレ 購入済み
後悔の形
砂状病___それは正体不明の病。わかっていることは発病した際に身体中から砂がこぼれること。そしてすでに死んでしまっていること。
砂状病には都市伝説がありました。死んでから24時間は好きな場所に移動できると。
死者となってしまった砂状病患者の心残りとは?
死後-24時間の出来事が綴られています。
とても感動する作品です。 -
Posted by ブクログ
主人公は中学3年生の女の子。
話の進む中で、主人公の正直な気持ちが差し込まれているところが良いなと思いました。
バレー部で一番背が低い美月が背の高い後輩に対する嫉妬心、仲間外れにされた親友の気持ちが分かるのに声をかけられない迷いなどです。
実際に自分がとる行動や発する言葉と、内心の正直な気持ちは同じじゃないことが多いと思います。何かを肯定する気持ち、否定する気持ち、そういう風に考えてしまった自分に対する気持ちなどが、グルグル渦巻いた結果、ある行動が生まれるものです。それはいつも正解とは限りません。
主人公が悩みながら、いろんな気持ちが混ざりながら生きているのが読んでいて分かるところを、中学生