中村至宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ完結編とても良かったです!
これまで登場した方達も沢山出てきてその後をしれたのがとても嬉しかったです。
活版印刷を通じて人と人が結びつき、ゆっくりと優しく繋がり続けている。そんな優しい物語でした。
表題作の『雲の日記帳』とそれに続く『三日月堂の夢』がとても大好きです。完全に綺麗なだけではなくて、人間の弱い部分も含めて綺麗なお話です。
ハッピーエンドではありますが、ハッピーなだけではなくて悲しいこと切ないこともありましたが、爽やかなラストです。
人が亡くなっても文字で思ったことや言葉が残って、他の人に広がっていく…本当に素敵です。
天涯孤独だった弓子さんの周りが温かくて優しい人達で溢 -
Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ良かっです。一つ一つの台詞が温かくて優しい気持ちになれる短編集でした。弓子さん自身の人生のお話が多かった気がします。今後のことで大きく色々と動き出しそうな巻でした。
途中、弓子さんの孤独に触れて私まで寂しくなりましたが、弓子さんの周りに今はたくさんの人がいて良かったと思います。なんだかシリーズ当初より弓子さんが明るくなったような印象を受けました。
今作は故人の想いが沢山出てきて、故人の想いを知ることが出来る文字っていいなぁと素直に感じました。思ったこと。考えたこと。悩んだこと。辛いこと。葛藤したこと。残された人達が知り、その想いを活版印刷を通して形にしていく。その想いをまた別の人が -
ネタバレ 購入済み
後悔の形
砂状病___それは正体不明の病。わかっていることは発病した際に身体中から砂がこぼれること。そしてすでに死んでしまっていること。
砂状病には都市伝説がありました。死んでから24時間は好きな場所に移動できると。
死者となってしまった砂状病患者の心残りとは?
死後-24時間の出来事が綴られています。
とても感動する作品です。 -
Posted by ブクログ
主人公は中学3年生の女の子。
話の進む中で、主人公の正直な気持ちが差し込まれているところが良いなと思いました。
バレー部で一番背が低い美月が背の高い後輩に対する嫉妬心、仲間外れにされた親友の気持ちが分かるのに声をかけられない迷いなどです。
実際に自分がとる行動や発する言葉と、内心の正直な気持ちは同じじゃないことが多いと思います。何かを肯定する気持ち、否定する気持ち、そういう風に考えてしまった自分に対する気持ちなどが、グルグル渦巻いた結果、ある行動が生まれるものです。それはいつも正解とは限りません。
主人公が悩みながら、いろんな気持ちが混ざりながら生きているのが読んでいて分かるところを、中学生 -
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。「シリーズ完結編」と書いてあるけれど、調べるとその後も6巻まで出ている模様。5は番外編で過去の話、6は少し未来の話だとか。
4では三日月堂が少し成長して大きくなっていく経過が書かれている。最初は弓子さん一人でやっていたのが、いつの間にか悠生や楓がいなくてはならない存在になっていて、更に協力者も増えて賑やかになっていく。
今回も日頃抱えている生きることや仕事に対する迷いや躊躇いを言葉にしてくれて、さらに思い切って踏み出してと後押ししてくれるような言葉がたくさんあった。あたたかくて安心できるシリーズ。
ほしおさなえさんの著作はこのシリーズしか読んだことが無いので、他のものも是非読ん -
Posted by ブクログ
昔、ウチの会社が印刷会社だった頃に、新人研修で現場の見学をしたことを思い出した。
刷版、輪転機、枚葉機、断裁機、機械が動く大きな音、それに負けないような大きな声、インクの匂い…。
全ては無くなってしまったけれど、あの頃のわくわくした想いが蘇った。
デジタル化される少し前のことだ。
とはいえ、その頃既に活字ではなく印字になっていたのだが、今よりは手作り感が強く、出来上がったカタログには今とは違う重みがあったように思う。
活字で本を作る。
なんて素敵で、なんて無謀なんだろう。
人と人のつながりの輪がどんどん大きくなっていく三日月堂の仕事。
続きがとても楽しみだ。