中村至宏のレビュー一覧

  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    三日月堂の「未来」を描いた番外編であり、最終作。
    「これを読んだら終わり」と思ったら、なかなか読めなかったけど心が疲れていたので、味わいながら読ませていただきました。
    三日月堂の「未来」と言うより、川越の人々やこれまで関わって来た後日談が描かれる。
    最初は川越の商店街のメンバーで訪れた北陸旅行の話。久しぶりに川越運送のハルさんが出て来るのは、嬉しいところ。
    その他にも三日月堂の手伝いを始めた楓や、デザインを担当していた金子君など、お馴染みのメンバーの裏の顔が読めるのもお得な感じ。
    でも、これで終わると思うと、やはり寂しい…

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    2020年09月14日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    どれもステキな物語だった。
    「あわゆき」の名刺はいいな。
    版画と活版印刷の豆本、買ってみたい!お気に入りのフレーズで自分でも制作に加わってみたいな。

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    2020年09月01日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    心から出てくるものを、活字にし本に残す。本になることで人に伝わり繋ぐことができる。
    時間を超え想いを伝える活字。人の文化を伝える活字。形は変わっても伝えたい想い。

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    2020年08月15日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    人と人を繋ぎ、時間を超越する活字。人が拾い、組み上げ、印刷する。印刷されて初めて伝わる言葉になる。
    人に繋げるから人の手が必要なのだ。

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    2020年07月24日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    ネタバレ

    シリーズ二作目。活版印刷を通して人と人が繋がっていく物語。「ちょうちょうの朗読会」「あわゆきのあと」「海からの手紙」「我らの西部劇」の5編。どのお話も良かった。最後のお話の中の「書いた人も、組んだ人ももうここにいないのに、版が残ってる。これを刷れば、言葉が浮かび上がってくる」この一文は本当に感慨深い。データとは違い、手で触れて感じることが出来るからこそ、胸に迫るものがある。余談だが、お父様の残した資料をヒントに「我らの西部劇」の物語が出来たのだろうか。ここにも「繋がり」を感じる。

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    2020年07月14日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    時間は流れる。人は変わる。
    ーーそれが生きているということだから。

    私も飛ぼう。低くても、遠くまで行けなくても。行き先があるかわからなくても。飛べるかぎり飛んでみよう。
    それが生きるということだから。

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    2020年07月11日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    今、私は結構しんどくて、しんどくて、この本を読むのにも休み休みで読んだ。(;^ω^)
    とっても面白いし、背中を押してもらえるし、読んでいて苦しくなるような「救いのない本」ではない。
    むしろその逆なのに、登場人物の強さがしんどくて、休み休みで読んでしまった。

    「生きているのが楽しいのはほんのちょっとで、人生の大部分が戦い」
    だなんて、ニコニコ笑顔で話されても、ああそうですよね、って、ちょっと今は言えない。
    何せ戦いの真っ最中なもんで。
    でもって、その戦いに気持ちが折れそうになってるもんで。
    ああ、こういうもんなのね、って思ってしまう。みんなそう。苦しくて、もういいやって投げ出して楽になりたいっ

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    2020年07月04日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    お母さんの話は切ないですが、たしかにいたんだということを関わった人たちによって弓子さんにわかってもらえてよかったです。

    活版印刷のイベント行ってみたくなりました。落ち着いたら調べて行こうかな。
    果たして大きい印刷機は動くのか気になるところです。

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    2020年06月10日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    ネタバレ

    シリーズ最終章。
    やっと主人公、弓子の物語になった感じ。
    「雲の日記帳」は、辛い話だが、私には、シリーズの中では一番感動的だった。
    それまで、弓子が周りに影響を与えることが多かったが、今度は、水上に心動かされる。
     怖いけれど、一歩踏み出す。そして、人も夢も動き出す。
    321ページ
    “前略…みんな、いつか死ぬ。人間はそれを知ったうえで生きている。ほんとうに賢かったら、生きるのをやめてしまうでしょう”

    ここ、ぐっときたなぁ…。

    番外編も気になります。

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    2020年05月24日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    シリーズ完結編。
    川越の小さな運送屋さんのハルさんの思い付きから始まった、活版印刷三日月堂の復活。
    人と人との縁がどんどん繋がり、前作では弓子さんが動かせなくて困っていた大型の印刷機を動かす目途も立ち、完結編となる今作ではとうとう本を一から作成することに挑戦する。
    悩みながらも、たくさんの人々に支えられて、どんどん立派になっていく弓子さんと三日月堂は、川越に行ったら、本当にありそうで、架空の話とは思えないくらい、私にとって身近な作品となった。
    依頼人の希望には笑顔で答えつつも、「本当に自分に出来るのかしら…」と常に迷う弓子さんの姿は、自分自身の迷いも重なり、つい応援してしまうし、上手く行った時

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    2020年05月20日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    ネタバレ

    最後の話が一番グッときた。理解しあえない不器用な親子が少し歩み寄り、魂が版に、そして本によみがえる。本ってやっぱり宝物やなぁ

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    2020年04月29日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    シリーズ3作目。
    前作のラストで作成した大作「ウエスタン」がお披露目となり、たまたま街ブラの雑誌編集者が取材したことにより、自分の仕事が他の同級生に比べ、レベルが低いと感じていた彼が活版印刷と出会うことで、自分の仕事の価値を見直す「チケットと昆布巻き」。その雑誌をたまたま手に取った弓子の母の同級生の三日月堂への再訪から始まる、弓子の母の遺した短歌を綴ったカードを作ることになる「カナコの歌」そのカードを受け取った弓子の母の同級生の娘が目にすることで、夏休みのワークショップを受けることになる「庭のアルバム」
    その「庭のアルバム」で作成したポストカードを展示会で出店したことにより、出会う盛岡の大きな

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    2020年03月27日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    第一話チケットと昆布巻

    主人公の竹野がなかなかとして捻くれている。
    自分の仕事に満足出来ていなくて、試行錯誤中なのだと思うけど…。
    でも、弓子さんの活版印刷への姿勢を見て、自分自身の仕事への向き合い方を学んでいく。

    古い物の良さって何なんだろう。
    私自身もわかってないなあ。


    第二話カナコの歌

    弓子さんのお母さんのカナコさんの物語。
    カナコさんは透明感、清潔感があるとても素敵な人だ。
    突然の病気で戸惑いや恐怖、残される弓子さんのこと、たくさんの思いがあったことであろう。
    そして、周りの友人にも、もちろん生活があるんだけど…
    友人の裕美にはもう少しカナコに寄り添って欲しかったな

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    2025年11月27日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    ★ちょうちょうの朗読会

    出来上がった朗読会のプログラム、私も見たいなあ。
    想像しながら一生懸命読むんだけど、想像がおいつかない。(^^;

    ★我らの西部劇

    父と子の心の確執や成長の物語


    前作同様に、活版印刷や店主の弓子さんと会話する事により、気づきを得たり成長したり。
    何が違うのかはわからないけど、前作の方がスっと理解できて感動もしたような。
    登場人物たちの状況が私の身近であるかどうかの違いなのかな。
    とはいえ、続きも気になるので次回作も読みます!

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    2025年11月13日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    アナログでレトロなものや、紙ものの質感が好きな人にはたまらない小説だと思う。

    レターセット、ショップカードにコースター、栞、結婚式の招待状。活版印刷ならではの味わいを堪能できるアイテムが各章で登場し、一つ一つの言葉に込められた「想い」が活版印刷により「重み」を与えられてそれらに刻まれる。以下好きな描写の引用を2つ。

    くっきりした文字だった。「刻まれている」と感じた。ふつうの印刷だと紙に文字が「張りついている」感じだが、これは凹んでいるわけではないのに「刻まれている」。文字ひとつひとつが息づいているみたいに見える。

    コンピュータのなかでは文字に重さがない。厚みもない。「もの」じゃない。だけ

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    2025年09月15日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    ほしおさなえさんの作品が好きで、ずっと気になっていた一冊。
    活版印刷という静かで手間のかかる仕事を通して、人と人との心の機微が丁寧に描かれていて、読むたびに穏やかな気持ちになれました。
    大きな事件は起きないけれど、そのぶん登場人物たちのちょっとした一言や表情がじんわりと沁みてきます。
    自分の心のざわつきも落ち着いていくような、そんな読後感でした。疲れているときや、やさしい物語に包まれたいときに読み返したい一冊です。

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    2025年07月27日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    活版印刷三日月堂の番外編。
    東日本大震災から14年目の昨日、東日本大震災の描写があるシーンを目にした。
    すごいタイミングに見えない何かを感じる。
    祖母・祖父・父を見送り、この流れで活版印刷の第1弾に繋がっていったのかと本編で目にしたあれやこれやを思い出し感慨深さを味わった。
    本編に繋がっていた色んなシーンそれぞれが思い出され、本編がより奥行のある物語として存在してくれた。
    色々な人とを見送ったり、失われたものを思い浮かべたりする機会も多かったので、読み終えた今、少し淋しさを感じる読後感を味わっている。
    でも!この後ものすごく素晴らしく力強い世界が広がって行くんだよなということを思い出す。
    よし

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    2025年03月12日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    文字に実体があり触感がある
    凛とした感じもあり、優しさもあるような
    あー、いいなぁ活版印刷
    三日月堂で働きたいな

    舞台は川越
    その街の中で生きる人達の物語

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    2025年03月04日
  • 団地のコトリ

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    主人公の、前向きでまっすぐな目線でまわりのことなどを映し出し、現実を柔らかく正確に伝えてくれる話。
    でも、陽菜ちゃんの母親はちょっとどうかと思ったな。
    陽菜ちゃんがいい人たちに巡り会えてよかった。

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    2025年02月19日
  • 団地のコトリ

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    ティーン向けの温かな作品なので、ぜひ中高生に読んでほしい。分かりやすい表現と平易な言葉選びで、本にそこまで慣れていなくてもすらすら読めると思う。
    題材としては重くなる内容を、主人公の目線で前向きに捉え直しながら進めていく形で、重くなりすぎず、中高生でも受け止められるように落とし込んである。喜びや安堵、嫉妬、戸惑い、悲しみやもどかしさ、そういった思春期に抱く複雑な心情を上手に織り交ぜてあって、現代の若者でもどこかに共感できる作品になっていると思う。

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    2024年12月26日