中村至宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
完結したシリーズの、スピンオフ後日譚。
シリーズを通して、こんなに登場人物がいたんだなあ、と再確認できる。
結婚した弓子さんのその後が描かれたのが、表題作の「小さな折り紙」。
埼玉の細川紙(和紙)の話も面白かった。
それにしても、技術の継承の問題は興味深い。
簀桁を作る職人さんがいなくなりつつあること、楮を自ら育てて収穫しないと材料が手に入らないことなどを知った。
このシリーズで活字鋳造がもうできなくなっているということが何度も語られていたが、まさに同じ話。
一つの技術は、生態系のようにネットワークの中にある。
その一つの要素が損なわれると、存続が難しくなるんだなあ、と気づく。
新しい技術が便利で優れていれば、そちらに移行していくのは当然のこと。
ノスタルジーだけで古い技術を守れというのは、無責任だけど。
ただ、何らかの事情で新しい技術が行き詰った時、古いものが残っていることの意味が出てくるのでは?とも思う。 -
Posted by ブクログ
沢山の仲間たちと一つの事を仕上げるのは有意義な事
以前一緒にいた人々を思い出す
いろんな事ができてよかった
今はひとつの物語のように感じます
現在何人かはあちらの世界にいたり、遠くにいたり
活版は、ノスタルジーだけでやっていけないと思うけど
ここでは美しい物語になってます
大きくなるときは、迷惑かけたり、助けてもらったり、失敗したり
それをしないと大きくならない
慣れたことだけしてたらダメなんだ
自分の身体 財産 大切な人 大事にしていたもの
仕事 業績 世のため人のためににしたこと
ーーーーその人のものじゃない 持っていけない
思い 記憶 夢
ーーーーーその人だけのもの -
Posted by ブクログ
今、私は結構しんどくて、しんどくて、この本を読むのにも休み休みで読んだ。(;^ω^)
とっても面白いし、背中を押してもらえるし、読んでいて苦しくなるような「救いのない本」ではない。
むしろその逆なのに、登場人物の強さがしんどくて、休み休みで読んでしまった。
「生きているのが楽しいのはほんのちょっとで、人生の大部分が戦い」
だなんて、ニコニコ笑顔で話されても、ああそうですよね、って、ちょっと今は言えない。
何せ戦いの真っ最中なもんで。
でもって、その戦いに気持ちが折れそうになってるもんで。
ああ、こういうもんなのね、って思ってしまう。みんなそう。苦しくて、もういいやって投げ出して楽になりたいって思うのにそれもできない。わかってる。わかってるけど、物語くらい、甘い甘い夢を見てもいいじゃないか、と、思ってしまって。
こういう本を読んで、よし、私もがんばろうって思えるぐらい強くなりたいな。
みんなも、同じように苦しいなら、もっともっと未来を見て、輝く遠い場所が幸せなんだと信じて毎日毎日旅立てるような、そんなふうに私も思いたい。
同じことを繰り返していても輝く遠い場所には届かないし、自分ひとりでは立ち止まってしまいそうなときでも、だれかとつながっていられれば少しずつでも前に進めるかもしれない。
だれかと一緒に何かをするのは、やっぱり、とても楽しいことなんやろう。
あと少し。
あと少しで、一歩踏み出す勇気が出そう。
大丈夫、たしょう立ち止まっていてもまだまだ先は長いんだから焦らず、私にとっての「輝く遠い場所」を目指そう。
この本では、活字がその「輝く遠い場所」を繋げている。
「思い出の時修理します」も、同じようにどこか「遠い場所」を探しているお話やけど、あちらはタイトル通り、「思い出」から未来を探している。
こちらも、やっぱりタイトル通り「活版印刷」から、「遠い場所」を探している。
どちらも素敵。どちらもロマンがあって、「同じことを繰り返していてもどこにも着かない」と、思っている私にとって何かのきっかけになるんじゃないかと期待して、活版印刷をやってみたいと思っている。
今回は、朗読会のお話もあって、こちらもやってみたいと思った。
素敵なんじゃないかなと思った。でも、たぶん、ちがう。それは他人の真似であって、どれほどその世界が素敵でも、私の「遠い場所」は、たぶんそこにはないんやろう。
でもでも、そう思っていても進めないもんね。
幸い、私は読書というツールがあるので、その読書で触れた何かは、手にできるものならやってみようと思っている。
活版印刷も朗読も私にとっての「遠い場所」ではなくても、一歩踏み出すことで何かが変わるかもしれないから、やってみようと思う。ちょっとお試しするぐらいの軽い気持ちです。
40年ちょっと生きてきているけれど、私の経験値はかなり少ない。もっともっと若いころに、
「ちょっと気になるな」
ってことに手を出してみればよかった。あのころは、そんなふうに興味本位で何かをやろうと思うことは浮ついていると思っていたし、そもそも「ちょっと気になるな」と、いうことを探すのもへたくそやった。
若いころのほうが時間も体力もあったのになあ、と、思うけど、いやいや、この年齢になったからこそ、「ちょっと気になるな」と、いうことを、自分以外のものに見付けられるようになったのかもしれへんしな。
感情の元になるものは、十歳のときにそろうのだそうだ。
それって遅いのか早いのか、そこからはあれこれ複雑になっていくばかりだそうやけど、感情がすべてそろうのすら十歳なんやったら、二十代であれこれ小器用にやりこなそうとか、無理な話やな。
そう思うと、四十代、いい年代なのかもしれへんな。
(と、自分に言い聞かせるよ。笑)
あれこれあれこれ並べてるな(笑)。屁理屈の武装でも、今はほしいねん。自分を奮い立たせるための何かが。(;^ω^)
確かに、傷のない人生は人生と言えないのかもしれへんよ。
傷があるからこそ、その人なりにそれをどう癒すか、ほんで、他人にどう接していくかが変わってくるんやもの。
自分がつらいぶん、もしかしたら他人に優しくなれるのかもしれない。
(なれないのかもしれない…)
自分で自分を癒すのはやっぱり大変で、そのときに他人の力を借りるから、今度は自分がだれかの力になろうと思えるんやろう。
そっか傷から何かが生まれるって、版画のことか。
傷をつけて、絵を文字を刻むんやもんね。絵や文字は魂の跡だわ。魂を形作るのに、無傷じゃあ、そりゃあ無理やろうな。
それは、分かるんやけどね…。
やっぱり今は、ありえないってぐらい、夢見がちなオチの話のほうがいいのかもな。笑
…うん…。
でも、足りなくても、それが私やねん。
足りなくても、あかんことばっかりでも、それが私。
そして生きるということに、正解はないねんね。
正解があって、その通りにすれば万事オッケーというものがあっても、それを単になぞらえるだけなら確かに機械でいいのかもしれない。
足りなくていいのかもなあ。足りないからこそ、誰かに補ってもらって、支えあえるのかもしれない。
ああやっぱり、夢見がちなオチにしてるんかな、自分で。笑
本には確かに文字しかないよ。
でも、読んでいる私にとっては、色も形もある。色や形や重さを感じる瞬間が、とても好きだ。
今回は、活版印刷と版画のコラボレーションもあった。
豆本といい、まったく見たことがないので想像でもできひんけど、版画の専門用語がバシバシ出てきたのには
「おおー」
と、思った。
普段からやってはる方には、こういう専門用語も、うんうん、そうよね、って思えるんかな。
寒冷紗
ラシャ
人絹
ドライポイント
メゾチント
エッチング
アクアチント
エングレーヴィング
ニードル
ビュラン
などなど…。
作中でもさらりと説明してくれてはるし、このあたりの手法や技法をくどくど言われると読んでて面倒くさくなりそうなので、このシリーズは(活版印刷も含め)このあたりの匙加減がとても面白い。
興味を持ったら、その後は自分で調べればいいんやもんね。
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■消波ブロック
海岸や河川などの護岸や水制を目的に設置するコンクリートブロック。消波根固ブロック(しょうはねがためブロック)、波消しブロック(なみけしブロック)と呼ばれることもある。
英語では「tetrapod」と呼ばれ、日本語でも消波ブロック全般を「テトラポッド」と呼ぶこともあるが、日本では「テトラポッド」は不動テトラの四脚ブロック製品の登録商標である -
Posted by ブクログ
祖父母がやっていた活版印刷所「三日月堂」に数年振りに戻ってきた孫の弓子さん。
その後色々なご縁から、また三日月堂を再開する事に。
そこに来る依頼のエピソードがどれもよい。
きっと活版印刷というものを見たくなるし、作りたくなるはず。
だがしかし、時代の流れでもう文字の型を作る作り手がいなかったりして、これから先見ることができなくなる文化なんだろうなと思うと悲しい。
実際に今やっている活版印刷所って、いくつあるんだろうか。
『文字を拾う』って言葉がとても素敵。
そして、銀河鉄道の夜が無性に読みたくなる(笑)
評価としてはものすごく☆4寄りの☆3
次の話が楽しみ。