谷瑞恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
毎回、どの画家にスポットライトが当たるかが楽しみな作品。絵画に詳しくないので、谷先生の小説を読みながら画家の名前を検索して、鍵となる絵を見たりするのが楽しいです。
今回は、クラーナハのユディト。
前にも書いたような記憶があるのですが、谷先生は可愛い女の子、ではなく、女の子が憧れる女の子、を描くのがとても上手だと思います。千景の古風な物言い、美少女なのにそれに重きを置かない性格、少しずつ成長していく姿。
ストーリー的には、最後の最後でどかんと爆弾が落とされた感じです。そうか、そういうことか!だからあの人は!と頭が回転するので、これを読んだ後にブリューゲルの庭園の本を読むと、また違った印象を -
Posted by ブクログ
名前とは裏腹にツキのない人生を送っていたつき子が道に迷って出会ったのは、がらくただらけのトランクを持ったひとりの老人。
そのがらくたは彼が営む骨董店の商品で、彼はそれを売るたびにがらくたたちの物語を聞かせるのだ。そして不思議とその物語は、買った人たちの心に響きわたってゆく…。
がらくたが語る自分の物語という視点が童話のようで、またその内容も暖かさに満ちています。そのうつつとは離れたやさしい物語によって、現実の生活に悩む人々の苦しさがやわらいでゆくので、とてもほっとさせられるというか、しみじみと良かったなあと思わせてくれるのです。
親と子の複雑な関係や過去の軽くはない出来事も描かれていて、た -