開沼博のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2018年に読んだ上野千鶴子の『情報生産者になる 』のアンサー新書です。上野ゼミの卒業生たちがいかにゼミでインプットし、いかにアウトプットしていったか?という記録です。いや、インプット、アウトプットというより、どんな「問い」を自らに立て、どんな動機で、どんな行動で、上野千鶴子に鍛えられていったか、を自ら振り返る「学び」のデコン集です。『情報生産者になる 』は出版されてすぐ読んで大きく刺激を受けましたが、『情報生産者になってみた』の存在は知らず、本屋さんの店頭で発見しました。前著にも影響受けましたが、この本もじわじわ効いてきそうです。この本棚にも入れている『「育休世代」のジレンマ』の著者の中野円
-
Posted by ブクログ
「情報生産者になる」が思いの外良かったので、続けてこの本も読む。
坂爪さんの研究には流石に引くが、この本を完成させてくれたことには感謝。
最後の座談会がすごくいい。
正直な物言いに、驚いた。
「女性学ってやっぱり運動だったのよ。」
アカデミズムの場で、「運動」を行うことを意識的にやっていたのだなと、その姿勢に感動。アカデミズムが後進を育てることができなかったこと、一人も上野ゼミに希望者がいなかった年がショックだったこと、そこから指導法を変えたこと。お茶の水の原ひろ子先生を尊敬していること。立命館で原さんがやったことを自分もやろうと思い実践したこと。自分の一生を賭けて一作書く人たちをサポート -
-
Posted by ブクログ
10年という節目。過去に戻ることはできないが未来のために残さなければならない記録。貴重な資料。
特に遠藤川内村長の姿勢が胸を打つ。
・危機管理はトップのリーダーシップによる。政・学、様々な分野のリーダーが必要。
・100mSv以下の被爆で健康影響は出ない
・除去土壌8000Bq基準の厳格適用と再利用
・食品摂取基準100Bq/食品1kgは汚染物を365日摂取する前提の値で国際基準の10倍。風評被害の原因。
・処理水保管によるデブリ保管場所の圧迫。災害時の漏出リスク。安全側の基準は他のリスクを高める。
・救援要請はできるだけ大きな声で、広く求めるのが危機の鉄則。東電からオールジャパン -
Posted by ブクログ
3.11原発事故発生当時、原発事故収束担当大臣そして環境大臣だった、細野豪志議員と当時、色々な面で福島と向き合った責任者の方々との対談形式の事故の振り返りがなされています。
震災当時、どのような事柄があってどのように対応して現在に至るのかを知ることができたのも大きいですが、福島の現状と未来の為にすべきことが明確に知ることが出来たのもかなり大きいです。
第三章に「福島のために、わが国が乗り越えるべき6つの課題」については、我々他県の住人でも意識して出来ることが掲載されています。
将来、原発事故を振り返るのにも残しておきたい貴重な資料になった一冊だと思います。 -
購入済み
もっと早く読めばよかった
福島に行きたくなった
ありがた迷惑12カ条はみんなもっと意識しないといけないと思う。
そこで吹聴されている悲劇的ストーリーは、
本当に現地の言葉や感情に立したものなのか??
本当にその現地の人々に支持されているのか??
本当に現地の人々に希望や救いをもたらしているのか??
単なる反体制的趣味なオナニーになっていないか??
反知性主義的な、ステレオタイプの、上から目線の左翼運動では、世の中の問題は一つも解決しません。
急ぐな! -
Posted by ブクログ
いくら公平に評価を定めても反対する人は反対する。しかし福島という町は確実に前に進んでいることも事実、その裏にはここに書かれているようにいろいろな分野の人が一生懸命に働いてくれている。
このような人たちにまず敬意を表する。それからでも反対することは遅くはない。そして本当に今自分が思っている状態が事実かどうかそれをしっかりと調べ把握することにより自らの論の価値が上がることを肝に銘じるべきだ。
自分の頭の中では真実は一つかもしれない、だが立場による真実はいくらにも考えることができるものだから本当の真実が何かを見つけ出すことはそう簡単なことではない。いやむしろ難しいというべきなのかもしれない -
Posted by ブクログ
2015年度時点での福島の復興状況をさまざまなデータをつかって、かつわかりやすく概説。さいしょに「福島を知るための25の数字」が掲げられていて、これにほとんど自信を持って答えられない自分をまず自省してから本文を読み進めるが、読み終わる頃には「ちゃんと勉強した」感がでてくるというのが、データ・数字の強さ。被災当時は「わからない」としか言えなかったことが、現在ではデータの積み重ねで「明確に分かってきた」と言えるようになったことがたくさんある。ならば〈「Aという考えも、Bという考えも、Cという考えも尊重されるべき」と言い続ける時期〉ではもうない。〈これからは「科学的な前提にもとづく限定的な相対主義」
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ震災当時に福島の原発をめぐる中央と地方の権力構造をテーマにした論文を書籍化して以後、ずっと福島に関する質的・量的研究を続ける社会学者の著者による福島の現実を知るための「福島学」の本棚。
400ページ以上ありながら、大変読みやすい語り口で、手頃な値段で、一般向けに書かれています。
震災からわずか4年にも関わらず、精力的に、実直に福島の問題に向き合いながら、極端な議論や炎上に巻き込まれることなく、多くの知見を提示してこられた著者の研究成果に、まず率直に敬意の念を抱きました。
震災以後、多くのメディアに露出し、正しい理解を求めてきた姿勢がとてもよく伺えるとともに、著者自身、多くの厄介な人たちに -
-
-
-
Posted by ブクログ
教員問題を知るために、教員免許を取った現場主義の乙武洋匡さんが、より社会問題を知るために各分野の現場で活動している専門家の方々と対談する『R25』での対談連載「乙武洋匡の自問多答」をまとめた本です。
テレビで報道させる社会問題は、一般人からするとあまり身近に感じられないかもしれない。
だけど、この本で社会問題を解決するために活動している方々をみると、小さなキッカケから始まったり、自身の不満が社会問題に結びついてたなど案外、一般人の自分なんかでもできちゃうかもなんて考えたりできて面白かったです。
社会に対して不満や課題があることに嘆くよりも、解決する側に立って考え行動する方が得るものがあるん