ふすいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学1年の孤独な少女、美音が主人公。
母からの遺伝で、美音と兄は人が泣く時の涙の音が聞こえる。
聞こえる範囲は限られているが、壁などの障がい物を越えて聞こえてくるという。
特殊能力ものは、ヤングアダルト向けの小説にはありがちだが、特殊能力というより特異体質のような設定で、もしかしてそういう人もいるかもしれない、と感じさせてしまうところが絶妙だ。
涙の音が聞こえるせいで、美音は人との距離の取り方に悩み、孤独だ。
しかし、いつも明るい人気者の生徒会長、健先輩の涙の音が聞こえた時から、少しずつ変わり始める...。
中学時代は、友達付き合いも変化する時で、少なからず悩みを抱えるものだろう。
そ -
Posted by ブクログ
北海道の病院に赴任された四人の研修医。コロナ禍ながらも、懸命にそれぞれの科で働く四人。働いてわかってくる医者や患者の実情。苦難に立ち向かいながらも、医療の現場と向き合っていく。
コロナ禍での研修医の活躍に頭が下がる思いでした。研修医でも、現場に出れば「プロ」。どんな状況でも対応する描写が「緊迫」というよりは「爽やか」に描かれていて青春だなと思いました。
その分、コロナの扱い方があまり緊迫感がないなと思いました。コロナ禍での現場なのに報道で見るかのような緊張感があまり伝わってこない印象でした。
また、四人の研修医の群像劇なのですが、研修医の一人・風見を主人公にしてもよかったかなと思いました -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場する付喪神が動物型が多くて、文章ながらも目の保養だった。
しかも総じて持ち主思いのいい子たち。
可愛い。
特にフィリップはずるい。
喋れるのも十分おいしいけれど、彼の本体に関わるエピソードが素敵だった。
ヒーローを食う勢いだった気がする。
贈り主から込められた想いを知ることができたり、大切にしてきた物が次の人へと受け継がれていく場面に居合わせることができたり、質店ならではの場面が印象的だった。
物を大事にすることの大切さが身に染みて分かると言うか。
最初はバカ男に貢いだことから(諸々あって)始めたバイトだったけれど、創作意欲も取り戻せたし、物と人との絆を知られる場面に多数居合わせること