あらすじ
母を亡くした小学校六年生の鳴海翔は、遠い町の祖母の家に預けられた。寂しさをこらえて新しい暮らしに慣れようとするが、そこには一筋縄ではいかない大人の世界があった――。万引きを奨励する母と暮らす大也、狭い家のなかで暴れる父に苦しむ美波、そして親から離れて暮らす翔。大人たちの身勝手さにもみくちゃにされながらも、三人はしだいに心を近づけていく。第12回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。
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Posted by ブクログ
最初から、あ、これは読むのが辛いやつだなと思ったが止まらなく引き込まれて一気に読んでしまった。初めから苦しく辛い。最後はもう苦しい悲しい涙。自分が経験したことのない登場人物の環境なのになぜか、逃げ場がなく息苦しい辛い生活がリアルに感じられてすごい。
最終的には救いがあり辛いだけで終わらないので後味の悪さはないが、重苦しい気持ちを追体験したような感じ。
今現実で身の回りにある平穏な日々に感謝して生きようと思った。
Posted by ブクログ
美波が可哀想すぎた
大人になりきれていない親達にふりまわされる子供達
現実はそうはいかないだろうけれど 3人の未来がまだ明るく照らされているような終わり方でよかった
Posted by ブクログ
子どもは大人のおもちゃではない。子どもは親を選べない。だから子どもが犠牲になる。でもあきらめない。そんな話でした。とても力が湧いてきて前向きになれました。
Posted by ブクログ
母を亡くし父とも離れて暮らさざるを得なかった翔。そんな彼とサーフィンを通して心を近くする大也と美波。彼らもまた厄介な親に翻弄され続ける。3人の友情が心地よい良作。
Posted by ブクログ
ひどい親もいるもんだ と、憤慨しながらも、その状況の中でも成長していく子供達を見ていると、救われた気分がします。
サーフィンをやってみたくもなりますよ。
Posted by ブクログ
いっき読み
子ども大人関係なく心が通い合う物語で
ところどころ涙もありながらいっき読みしました
サーフィンあまり分からないけど
自然と向き合う感じは
サーフィンに限らず
人の手では努力してもどうしようもない事とか
向き合う姿勢とかを教えてくれるのかなと思う
子どもでも大人でもどうしようもない事もある
すごくいい物語でした
映画化とかしそうだけど
本がいいです
Posted by ブクログ
母を亡くし祖母の家に預けられた鳴海翔。そこで出会ったのは母のネグレクトを受けている大也と義父から暴力を受けている美波。小6の三人の過酷な環境はサーフィンに夢中になったことで少し救われる。凪の日、荒れ狂う波の日、どんな波にも立ち向かっていく姿はまるで彼らの人生のように思えた。ラストは涙が止まらない。つらい別れもあるけど大丈夫。
Posted by ブクログ
母を亡くした小六の翔は、父も心労で病に倒れたために母の実家に預けられ祖母と叔母と暮らすことになる。
慣れない田舎町での生活と寂しさになんとか奮い立たせて明るく振る舞う翔。
その町には同じ学年に万引きを奨励する身持ちの軽い母と暮らす大也と義父から暴力を受ける美波がいた。その2人は、クラスでも孤立していた。
学校からの帰り道、祖母の家に近いアパートに住んでいる大也と言葉を交わしたことをきっかけに距離が縮まる。同じアパートには美波の家族も住んでいた。
美波は叔母からサーフィンを習っていて、翔も叔母に勧められていたが乗り気ではなく、大也が一緒に教えてもらいたいと言い出してから3人は次第に心を近づけていく。
思春期の子どもたちの成長譚であるが、歪な家族のなかでもがいていく姿は痛々しささえ感じる。
親や環境を自分では選べないというなか、大人たちの勝手さに翻弄されながらも3人は、互いに思いやりながら成長していく。
まさに大きな波にもみくちゃにされながらも、乗れない波はやり過ごし、大きな波に立ち向かう勇気を持つというサーフィンのようである。
不甲斐なさにくじけたり、理不尽さに腹を立てたりしながら彼らはきちんと向き合うことの勇気を身につけていくのだろう。
Posted by ブクログ
閉ざされた家庭内で困った親を持つ子供が、その親に振り回されている。最近、耳にする『親ガチャ』系か?
青春時代の友情、
若者の柔らかさ、
サーフィンの躍動感
個人的に大好きな日本海の波の広さが描かれているに、言葉に出来ない重苦しさを底辺に感じる。
各章の構成や描き方が上手で、何となく先は分かっていても、ユルユルと3日で読み進めました。
Posted by ブクログ
第12回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。
主人公の鳴海翔は母を亡くし、祖母の家に預けられた。
そこで出会ったのは母親からネグレクトを受けている大也と、義父から日常的に暴力を受けている美波。
まだ小学6年生の3人に対し過酷とも思える現実だ。
ありがちな設定ではあるものの、彼らの日常にサーフィンが取り入れられている事で物語に深みが増していた。
凪の日もあれば荒れ狂う大波の日もある。
サーフボードを操る彼らと、日々の困難を乗り越えていく姿がオーバーラップして胸が熱くなった。
終盤の展開が特にいい。
穏やかな気持ちで本を閉じた。
Posted by ブクログ
劇的なものではないが安定して面白かった。リアリティのある文体ではないが、非常に読みやすく、子供の為になると思った。もう少しドロドロしたリアリティのある設定とその文体のバランスが取れていればと思うが、読者層を考えると、非常に良いことだろう。
Posted by ブクログ
とても丁寧に描かれているけれど、そういう境遇の子が、ここ最近あまりにも多く本や映像で描かれてきたせいで、またか、と思ってしまうのは、本が悪いんじゃないけれど。
Posted by ブクログ
大人になれば自動的に理想的な親になれるわけではない。
どう見ても親になるには不適格な人だって
当然の様に親になる。
そりゃ、子どもは大変になるわけよね。
もし不幸にも親が駄目人間な家に生まれてしまったら、子どもはうんと小さい頃から
たくさん我慢を強いられることになる。
主人公たちが、我慢に我慢を重ねて流す涙に
思わずもらい泣きしてしまった。
三人の絆が素敵。
私も日々の些細なことに文句ばかり言ってないで
いい加減前を向いて歩いて行かなきゃいけないなと
主人公たちの友情に感じ入りつつ思うのでした。
Posted by ブクログ
田舎ののどかな海沿いの町が舞台の物語。綺麗な装画のイメージで、美しい友情物語かと思いきや…なかなか重めな内容だった。
親の死、DV、シングルマザー、貧困、窃盗、ヤンキーの脅しなどなど(まだまだあります)、2クラスしかないような田舎の学校で、こんな色々起こってしまうの?という位、問題が盛りだくさん。
ちょっと詰め込み過ぎな気はするけど、大人の都合に振り回されながらも、自分の好きなことや仲間をみつけて前を向いていく姿は、キラキラしていて前向きな気持ちになる。
サーフィンはやったことがないけど、立ちはだかる波をやりすごすか、立ち向かうのか。自然相手のスポーツから、きっと学ぶことがあるのだろうなと思った。
Posted by ブクログ
大人も子供もどちらも大変なことが沢山あるけれど子供が自分のために方向を決められるチャンスは少ない
ちゃんと見守ってあげる大人がいない子、多い
家族がポンコツでも諦めなかったこの子たちの強さは希望