ふすいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』→本書→『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の順に出たと思っていたので、その順で読んだのですが、実際の出版の順序は、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』→『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』→本書でした。
が、本書を読んだのは、映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』を観たあとだったので、違和感なく読むことができました。
本書は、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』と『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の主な登場人物の独白集という形をとっていることもあり、湊かなえの『告白』を思い出しました(内容はまったく違いますが)。
主な登場人物の優しさや戦争に対する思いを丁寧に描いていると思います。
この本そのものが映画になったわけではありませんが、映画の世界観と地続きになっていて、映画の背景を知るのによい本だと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ26年夏、映画化するということがきっかけで。
前作の映画+書籍も読んで、本作の映画を見てから手に取りました。映画はまあ感動場面はあるものの正直興ざめ(壁ドン、生徒の前で嘆願)もあり、改めて本作には口直しの期待も込めました。結論、読んでよかった。
ひたすら青く甘酸っぱい中学生男子の恋愛模様がしばらく続くので冒頭はラブコメラノベ感は否めないですが、どうしてこんなに百合の一言一句は重いんでしょう。まるで戦時中の惨状を見てきたように感じる表現を、リアルに文言で表現されているのは強く感情移入させられました。
「将来の夢があるのって、すごく幸せなことだよね」
「恩返しできてないことって、ある?」
恩送りのくだりは本当にいい話ですね。あげた恩を返せなんて思わないし(現実たまにはいるけど)、返せなかった時の後悔や辛さ、その苦渋が人を優しくするんでしょうね。あした死ぬかもよ?を読んだ時も同じ感覚を得ました。恋愛模様に死生観を絡ませてる深い内容です。
後半の、彰を受け入れてからの涼は本当にかっこいい。脱中2で厨二。
今回は先に映画を見てからだったので福原遥さんと細田佳央太さんのイメージが脳内再生されてるのも受け入れやすかったところかもしれません。キャストはよかったのですが、資料館で彰の遺影と涼が出会うシーンや、夢の中で百合の花に囲まれて空を見上げる百合のシーンなどは映像だけでは正直伝わりきらなかった部分でした。
書籍でしかなかった居酒屋で百合の真意を聞くところや、涼のサッカーと進学について親との確執のくだりは深みを感じました。一方映画のみでいうなら、老いた千代さんとの再会はよかったですよね、でも特別授業の際、教室に千代さんつれていけばよかったのになとは思います。
恋愛模様から死生観、ひいては大学に進んだ百合の世界の平和を願う、といった壮大なストーリーでした。これからも映画⇔書籍のザッピングは続けていきたいですし汐見夏衛さんの作品はまた触れてみたいです。