熊谷千寿のレビュー一覧

  • パズル・パレス(上)
    アメリカの国家安全保障局(NSA)が舞台。
    もとNSAの職員によって、暗号解読界を揺るがしかねない新たな暗号アルゴリズムが作られ、その公表を阻止したい側と、新たな暗号を手に入れてビジネスを拡充したい側、そもそもNSAの存在をよく思っていない側、いくつもの思惑が重なって非常にスリリングな展開になってい...続きを読む
  • 東の果て、夜へ
    暗黒街で育った少年が指令を受けて、長い旅へ。
    若者たちだけで車に乗り、殺人のために…

    ロサンゼルスの一角で、毎夜ひたすら仕事場の見張りをするイースト。
    15歳ながら地道に責任を果たし、ボスには信用されている。
    地域のボスはイーストの叔父で、父のいない兄弟らをそれとなく気にかけていてくれる後ろ盾でも...続きを読む
  • IQ2
    スクラップ場で兄のマーカスを轢いた車両を発見したアイゼイアは、事故は偶然ではなく明らかな殺意をもって計画された殺人だったと確信し、執念深く調査を再開した。そんなとき、かつてマーカスの恋人だったサリタから「妹を救ってほしい」と依頼される。昔からサリタに密かな片想いをしていたアイゼイアは張り切り、フィア...続きを読む
  • IQ
    LAのロングビーチで探偵を営むアイゼイア・クィンターベイは、頭文字をとって“IQ”と通称されるほどのキレ者。とある事情でまとまった金が必要になったIQは、かつて同居していた腐れ縁のドッドソンと共に、〈ラッパーを襲う巨大ピットブル事件〉の謎を追うことに。18歳のときに目の前で兄を亡くし天涯孤独になった...続きを読む
  • IQ2
    「新しい私立探偵」というふれこみで読んだ前作がおもしろかったので読んだんだけど、うーん……。
    主人公アイゼイアの印象が薄かったような。
    メキシコ系、中国系、アフリカ系のギャングの話が絡み合って(アフリカ系の話はあまり知らなかったので興味深かったんだけど)、わけわからないうちに進んでいったような。

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  • IQ
    割と爽やかな読後感で良かったんですけれども、なぜだか読むのに時間がかかりましたね…難しい表現とかないし、スラスラ読めるはずなのですが…なぜだろう! 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、翻訳物でして舞台も向こうだし、そういった馴染みのなさが読み進むのを阻害していた感じが否めませんね…。

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  • 東の果て、夜へ
    四人の少年が旅する話といえば、すぐ思いつくのはスティーヴン・キングの『スタンド・バイ・ミー』。この小説も四人の少年の旅の話から始まりますが、雰囲気は全く違います。

    所属する組織の命令で、裁判の証人になる男の殺害を命じられたイースト。組織のボスはイーストの他に三人の少年を指名。イーストたち4人は、2...続きを読む
  • 東の果て、夜へ
    タイトルに惹かれて購入しました。原題ならば手に取らなかったかも。
    幼い頃から犯罪組織の一員としてキャリアを積んだ少年らが、証人殺しの命令を受けて2000マイルの旅路に出る。
    その最中で主人公イーストは、自分が築き上げてきた自信や、辛うじて捨てていなかった清らかさや絆も捨て去らなければならないような体...続きを読む
  • IQ
    シャーロック・ホームズのトリビュートものは映画なりドラマなりで多くある。この書籍もその一つ。
    登場人物の心情を深く掘り下げ、行動に理由づけるところがコナン・ドイルのシャーロックらしい。
    テンポの良い展開だったが、登場人物の描写が丁寧で散りばめられた付箋がしっかり回収されていくところはミステリーとして...続きを読む
  • IQ2
    前作との比較をすると、スケールが大きくなり、何度も死んでもおかしくない場面が多数描かれている。兄の元カノが、アイゼイアを危険な仕事へといざない、前作からの謎である兄の死の真相を探りつつ物語が進む。

    移民の国アメリカのアフリカ系黒人、ヒスパニック、アジア系の悪人がそれぞれの理屈で行動を起こす。
    小説...続きを読む
  • 東の果て、夜へ
    2016年発表作。内外で高い評価を得ており、犯罪小説/ロードノベル/少年の成長物語と、様々な読み方ができる作品だ。全編を覆う青灰色のトーン、凍てついた冬を背景とする寂寞とした空気感。筆致はシャープで映像的。主人公の心の揺れを表象する内省的な情景描写も巧い。動と静のバランス、光と影の均衡が、広大なアメ...続きを読む
  • IQ2
    LAのゲットーを舞台に青年探偵「IQ」の活躍を、ブラックカルチャーのリアルな描写を交えて描き出した前作。これが、めちゃ楽しかったので、読み切った翌日に2作目の「IQ2」を買ってしまった。

    今作は、メキシコ系マフィアやチャイニーズマフィア、ルワンダ移民も登場し、前作よりもさらに登場人物が入り組んでい...続きを読む
  • IQ2
    シリーズ第2弾。アイゼイアの兄の死亡事故の原因や兄の元恋人からの依頼と過去との繋がりが見えてくる今作。中国系ギャングが絡み命を狙われながらの調査。激しさを見せる展開とアイゼイアの推理、過去との対峙。人と深く付き合わず距離を置くなかで飼い犬のラフィンの存在がかわいくて和ませてくれる。過去と現在の間にあ...続きを読む
  • IQ
    面白かったけどミステリとして読むより、アクションとかサスペンスとかそういう要素の方が強いと思うのでそのつもりで読んだほうが楽しめるかも。

    作者はホームズが好きらしく、黒人のホームズというようなことがいわれてたけどホームズ感もそんななかったと思う。
    バスカヴィル家の犬を彷彿とするような場面もあったり...続きを読む
  • IQ
    過去に何かを抱えているらしき主人公の、その過去の何かが明かされていく章と現在進行形の事件が書かれる章が交互に出てくる。少しずついろいろ分かってくるので、読み終えた後にもう一度最初に戻って確認して納得する。
    コイツほんとに腹立つわーと思っていた「相棒」がいいとこを見せるラストが爽やか。お兄さんの敵討ち...続きを読む
  • IQ
    読みやすそうな表紙だけど、スラングや
    人種独自の感覚、場面の切り替わり方とか
    翻訳物初心者には少し読みづらいかもしれない。
    (読む価値はある)

    「低所得者と犯罪の多い地区のシャーロックホームズ」
    読む前はラッパーが絡むし、黒人なので勝手にラップを聴く明るめの探偵なのかと思い込んでいた。
    ジャズを聴...続きを読む
  • IQ
    貧困層で暮らしている超絶頭脳を持つ主人公が、自分の周りの世界を守るために推理・行動をしていく、という物語。

    過去と現代が交錯する物語である事に加え、登場人物がかなり多いこともあり集中して読まないとついていくのが大変ですが、その苦労に値する内容でした。過去の物語が進む中、主人公が何故この生活をしてい...続きを読む
  • IQ
    過去と現在が交差し、徐々に主人公の背景が見えてくる。
    はよ縁切れよって、思いながら読んでたが・・
    最後ちょっと分かりませんでした・
    この作者は日系じゃないなー。
  • 東の果て、夜へ
    原題「ドジャース」。LA(西南)からウィスコンシン州(北東)に車で移動する。飛行機、カードは使えません。組織の仕事で人殺しにいくので、身元が割れるような行動はできません。黒人青年少年四人が集めれ、ボロい車を運転し現金払いの設定で計画は始まるが、はい、うまくいかないですよ。むしろそうなるように計画され...続きを読む
  • IQ
    ヒップホップカルチャーやギャング抗争など黒人文化圏の背景にしている点が自分にはとても刺激的。時間軸を交差させながら明らかになる黒人青年探偵IQの心の傷と強くあらんとしクールにならなければならなかった様がいい。チャンドラーのクールネスとエルロイの描くクライムノベルの暗黒街の有様がこの物語に読書感の中で...続きを読む