熊谷千寿のレビュー一覧

  • 2034 米中戦争

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    いま、ウクライナで『戦争』が起きていますが、これはそれよりも先の話。

    ここで描かれているほど、ICT機能においてアメリカが中国に劣勢になるという事は、ちょっと考えにくいのではないかと思いますが、アメリカと中国が何かしらの事柄で衝突するという事はありうる話だと思います。そういう意味で、これは現実の話ともいえるのではないかと。いまから12年先の話ですからね。

    それと、思いの外インドが力をつけているのも興味深いですね。これも、現実としてありうる話ですね。インドの経済成長の著しいです。ウクライナでの『戦争』で、中国と同じく独自の立場をとっているのは、その自信の表れなのかもしれません。逆に言うと、ア

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    2022年04月18日
  • Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

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    カーボンニュートラルやエネルギーなど、直近の世界の関心ごとについて本を読んでも、数字の規模にピンとこないことが多い。数字について学ぶとともに、現在の世界が抱える問題について楽観的すぎず悲観的すぎず捉える方法としては数字が適するのだと思える本だった。

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    2022年04月16日
  • 2034 米中戦争

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    サイバー攻撃がどういうものなのか、臨場感を持って伝わってきた。物理的な武力で勝ってれば良いというものではない。なるほど。

    あと日本の影の薄さもなんだかリアル。西側陣営の小国の1つみたいな描かれ方、というか事実そうなんだろうな。

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    2022年02月13日
  • 2034 米中戦争

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    作者は本書は警告の物語だとインタビューで答えているけれど、そのとおり、戦争は誰もが避けたいと思っていても、気づいたら後戻りできない地点に来ていて、始まってしまう、という怖さを感じた。我々は戦争を起こさないための弛まぬ努力をし続けなくてはならない。
    もう一つの示唆はテクノロジーの重要性と、プランBいやBどころかCやDまで持っておくことの重要性。最新のテクノロジーを開発し活用していくことが安全保障には重要だし、他方でそれに頼り切ってしまうことは危険。

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    2022年01月27日
  • Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

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    少し前に一世を風靡した「FACTFULNESS」を想起させる本書は、そのタイトルが示すとおり数値に重きを置いている。と言っても、「ほら数字がこういってるんだからこれが真実だ」という乱暴なものではない。むしろ、世の中にある数値というものはいかに恣意性に溢れているかを暴き、多角的に数値を見よと啓蒙しているのが本書だ。
    一方で、帯にあるような「衝撃の事実」を詳らかにするという性質のものではない。そういったものを期待してしまうと肩透かしを食らう可能性がある。むしろ、我々が銀の弾丸をイノベーションに求めフィージビリティの低い投資を行っていることに一石を投じるような主張が通奏低音のように流れている。著者の

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    2021年11月12日
  • パズル・パレス(下)

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    パスキー探すところは、映画みたいで楽しめました。でも、やっぱりちょっと古い感じがするのは否めませんでした。

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    2021年09月21日
  • Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

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    「ファクトフルネス」的、数字で世界の全体像をつかむことができる一冊(著者はエネルギーの専門家であるバーツラフ・シュミル)。環境・エネルギー・移動・機械~私たちが生活する上で欠かせない食べ物や乗り物、回線、スマホなどありとあらゆるものに対して「数字」と「ファクト」で現状を分析しており、300ページ超のボリュームで読めば世界の「今」を理解できる。難しそうだが1項目4~5ページくらいで、この手の本の中では比較的読みやすいと思う。

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    2021年09月18日
  • Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

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    さまざまな数字で、この世界のリアルを表現しています。希望的観測で、今後のイノベーションする世界を記した書籍も多いですが、この本は、数値によるどちらかというとネガティブな現実や、今後の世界予測を書いています。そして数値がいかに大切を教えてくれます。さまざまなテーマを短い文書で、書いてありとても読みやすかったです。

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    2021年07月21日
  • Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

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    最近よく見かけるタイプの事実をよく理解するべきという啓蒙書。とても読みやすくて面白い。しかし、その割にはあまり残る物がないと感じる。誰にでも「へー」と感じる事実があると思うが、全体として人生を変えるような物でもない。

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    2021年07月03日
  • パズル・パレス(上)

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    アメリカの国家安全保障局(NSA)が舞台。
    もとNSAの職員によって、暗号解読界を揺るがしかねない新たな暗号アルゴリズムが作られ、その公表を阻止したい側と、新たな暗号を手に入れてビジネスを拡充したい側、そもそもNSAの存在をよく思っていない側、いくつもの思惑が重なって非常にスリリングな展開になっている。
    内容は暗号とか数学とかなので理解はできないのだけれど、とりあえず誰が何をしたいのか、黒幕はどこにいるのか、というミステリーとしては十分に楽しめている上巻。

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    2021年02月07日
  • 東の果て、夜へ

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    暗黒街で育った少年が指令を受けて、長い旅へ。
    若者たちだけで車に乗り、殺人のために…

    ロサンゼルスの一角で、毎夜ひたすら仕事場の見張りをするイースト。
    15歳ながら地道に責任を果たし、ボスには信用されている。
    地域のボスはイーストの叔父で、父のいない兄弟らをそれとなく気にかけていてくれる後ろ盾でもあった。
    頼りにならない母親は、弟のタイの方を気に入っている。ところがこのタイは13歳で既に殺し屋。ギャング以外に生きる道が見いだせないような地区で、怖いもの知らずな存在だった。

    ある日突然、異変が起きて、イーストらはあわただしく街を出ることになる。
    裁判の証人となる裏切り者を出廷前に殺せというの

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    2020年10月02日
  • IQ2

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    スクラップ場で兄のマーカスを轢いた車両を発見したアイゼイアは、事故は偶然ではなく明らかな殺意をもって計画された殺人だったと確信し、執念深く調査を再開した。そんなとき、かつてマーカスの恋人だったサリタから「妹を救ってほしい」と依頼される。昔からサリタに密かな片想いをしていたアイゼイアは張り切り、フィアンセの出産を間近に控えたドッドソンを再び相棒に誘って、サリタの妹ジャニーンがいるラスベガスへ向かう。だが、それはカジノの高利貸しと中国系マフィアとメキシコ系ギャングの三つ巴に足を突っ込んでいくことを意味していた。〈IQ〉シリーズ第2作。


    前作のクールなアイゼイアから一転、今回のアイゼイアはコンプ

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    2020年09月17日
  • IQ

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    LAのロングビーチで探偵を営むアイゼイア・クィンターベイは、頭文字をとって“IQ”と通称されるほどのキレ者。とある事情でまとまった金が必要になったIQは、かつて同居していた腐れ縁のドッドソンと共に、〈ラッパーを襲う巨大ピットブル事件〉の謎を追うことに。18歳のときに目の前で兄を亡くし天涯孤独になったIQは、ドッドソンの誘いで“悪さ”に手を出し、取り返しのつかない事件の加害者になってしまった過去を持つ。罪を犯した2005年と、償いのため街の人びとの悩みを解決しようと奔走する2013年のエピソードが同時進行し、IQという探偵が生まれたわけを解き明かす、ポップな探偵シリーズ第1作。


    「現代アメリ

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    2020年09月13日
  • IQ2

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    「新しい私立探偵」というふれこみで読んだ前作がおもしろかったので読んだんだけど、うーん……。
    主人公アイゼイアの印象が薄かったような。
    メキシコ系、中国系、アフリカ系のギャングの話が絡み合って(アフリカ系の話はあまり知らなかったので興味深かったんだけど)、わけわからないうちに進んでいったような。

    そして、なんだか、すべての結末が想像とは違っていて、なんとなく腑に落ちない、というか……。
    アイゼイアの兄マーカスが轢き殺された理由は、なにかすごい陰謀があったり、だれかを守ったりしたから、ということでなくて。
    そのマーカスの恋人で、アイゼイアのあこがれの女性サリタはそこまですばらしい人っていうわけ

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    2020年06月16日
  • IQ

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    割と爽やかな読後感で良かったんですけれども、なぜだか読むのに時間がかかりましたね…難しい表現とかないし、スラスラ読めるはずなのですが…なぜだろう! 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、翻訳物でして舞台も向こうだし、そういった馴染みのなさが読み進むのを阻害していた感じが否めませんね…。

    結局、ミステリしていたのかどうか判然としませんが(!)、映画を観ているような感覚もあり、日本の小説では味わえない感じを味わえましたね!

    続編も出ているようなのでまあ…100円で手に入れば読むかな…さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2020年05月27日
  • 東の果て、夜へ

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    四人の少年が旅する話といえば、すぐ思いつくのはスティーヴン・キングの『スタンド・バイ・ミー』。この小説も四人の少年の旅の話から始まりますが、雰囲気は全く違います。

    所属する組織の命令で、裁判の証人になる男の殺害を命じられたイースト。組織のボスはイーストの他に三人の少年を指名。イーストたち4人は、2000マイル先の標的の元まで車で行くことになるのですが……

    文体と話の展開がなかなかに特徴的。ハードボイルドらしさを漂わせる文体は、感情を極力排し淡々と物語を前に進めていく印象。物語自体の雰囲気が暗いことに加えてこの文体がより、作品全体に漂う夜の中を歩んでいく感じを、表現していると思います。

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    2020年03月09日
  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて購入しました。原題ならば手に取らなかったかも。
    幼い頃から犯罪組織の一員としてキャリアを積んだ少年らが、証人殺しの命令を受けて2000マイルの旅路に出る。
    その最中で主人公イーストは、自分が築き上げてきた自信や、辛うじて捨てていなかった清らかさや絆も捨て去らなければならないような体験をする。
    物語終盤になり、過去に犯罪組織の見張りで叩き込まれた規律と忍耐力が、ペイントボール場のオーナーの信頼を得る良い武器となり、多くの人から小さな信頼を積み重ねるように得ていく。そのささやかな成功体験が誰のものでも無い自分自信の考えを見つけ出すきっかけとなる。
    読み易くテンポも良いため、長さを

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    2020年02月25日
  • IQ

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    ネタバレ

    シャーロック・ホームズのトリビュートものは映画なりドラマなりで多くある。この書籍もその一つ。
    登場人物の心情を深く掘り下げ、行動に理由づけるところがコナン・ドイルのシャーロックらしい。
    テンポの良い展開だったが、登場人物の描写が丁寧で散りばめられた付箋がしっかり回収されていくところはミステリーとして楽しい。続編もあるとのことなので読んでみたい。

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    2019年10月12日
  • IQ2

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    ネタバレ

    前作との比較をすると、スケールが大きくなり、何度も死んでもおかしくない場面が多数描かれている。兄の元カノが、アイゼイアを危険な仕事へといざない、前作からの謎である兄の死の真相を探りつつ物語が進む。

    移民の国アメリカのアフリカ系黒人、ヒスパニック、アジア系の悪人がそれぞれの理屈で行動を起こす。
    小説とはいえ、アメリカという国が抱える一面を描いたものになる。銃が身近にある社会での生活は、常に生死を分ける選択の連続。人生の落とし穴、成功とは何か?それぞれの価値観を軸に登場人物が行動する。
    そして読者の睡眠時間が削られていく・・・

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    2019年08月18日
  • 東の果て、夜へ

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    2016年発表作。内外で高い評価を得ており、犯罪小説/ロードノベル/少年の成長物語と、様々な読み方ができる作品だ。全編を覆う青灰色のトーン、凍てついた冬を背景とする寂寞とした空気感。筆致はシャープで映像的。主人公の心の揺れを表象する内省的な情景描写も巧い。動と静のバランス、光と影の均衡が、広大なアメリカの乾いた大地と相俟って、強いコントラストとなって魅了する。

    15歳のイーストは、ロサンゼルスの裏町にある麻薬斡旋所の見張り番を務めていたが、警察の強制捜査によって居場所を失う。犯罪組織のボスであり、イーストのおじでもあるフィンが少年を呼び出し、或る仕事を命じる。組織幹部の裁判で証人となった裏切

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    2019年08月17日