熊谷千寿のレビュー一覧

  • IQ
    ハードボイルドなストイックさ
    作者は自分の理想を描いてみせた。

    同じ理想を持った自分は、それを読んで、少し救われた。
    毎日の新鮮さに気づくことが出来た。
    ありがとうの思いとして、これからも読み続けたい。
  • IQ
    黒人が主人公の探偵役,障害児の少年を面倒見ながら生きている.腐れ縁のドッドソンと危ない橋を渡りながら,金のために引き受けた仕事でなんども死にそうになる.IQと異名をとるほどに冴えた頭脳,レーサーのような運転技術など才能溢れるアイゼイアが,挟み込まれる過去の話でだんだんくっきりとしてきて,どんどん魅力...続きを読む
  • IQ
    話の展開が早く、読みやすい。情報量が多くて、しかし登場人物の多様さと現実感のバランスが良くて受け入れやすい。結末はとても呆気なかったけれど、アイゼイアとドッドソンの掛け合い、許せないこと、受け入れ、利用し、理解すること、それら一つ一つの過程を見ているのはとても楽しかった。過ちは消えないけれど、後悔を...続きを読む
  • パズル・パレス(上)
    ダン・ブラウン処女作。
    ダン・ブラウンの中で一番読みにくかった。ネットセキュリティー、機密情報、個人情報など現在のネット犯罪にまつわる内容だが、複雑で話の中に集中する事が難しい。もう一度読み返したら、もっと理解が出来るかもしれない。ラストはワクワクした。
  • 東の果て、夜へ
    麻薬販売所(もちろん違法)で見張り役のイーストは、仲間4人(イーストの異父兄弟のタイ)と共に判事を殺害する旅に出る。車での長距離移動であり、道中は4人の間で様々な事件が起きる。無事に予定していた殺人は完遂するが、物語の真相はそこではなかった。

    本書の最後の方でその真相が明らかになったとき、単純に読...続きを読む
  • 東の果て、夜へ
    黒人少年の成長物語...
    主人公イースト、やっぱまだ少年だけあってタフガイではない。タフガイであることを期待してまうんやけど、実際は弟のタイの方がタフガイ。でもイースト、いいやつ。
    オハイオでの生活がもっと長く続けばよかったのに。
  • 東の果て、夜へ
    各方面で絶賛されているとおり、クライムノヴェルでロードノヴェルでかつ、少年の成長モノで、意外な展開が新鮮な感じだった。
    状況についても、登場人物それぞれについても、もっと書き込めそうなのに最小限の情報しか書かないで想像させる、といった感じで、全体的にハードボイルドな、無駄を極力省いたタイトな文章。饒...続きを読む
  • 東の果て、夜へ
    読み出してしばらくはなかなか流れに乗れず、最後まで読めないかもと思った。ロサンゼルスの暗黒街で育った少年が、人を殺すよう指示されて仲間と共に西へ向かう。その道行の始まりからまもなく、最初のトラブルが起きるあたりで、俄然話に引きつけられ、あとは息を詰めて成り行きを見守ることとなった。

    文章に独特のク...続きを読む
  • 東の果て、夜へ
    1話1話、そして登場人物のバックグラウンドも細かに丁寧に紹介しながら長ーいドラマとしてテレビで見てみたい。
  • 東の果て、夜へ
    ハードボイルトとはいえ、渋いおじ様が主人公ではなく、ハイティーンの少年、それも黒人の男(の子?)が主人公という異色作。

    ロスの犯罪エリアで生きる少年たちに下された指令は、組織の審理に不利な判定を下すであろう判事の殺害。少年4人は車に乗り、はるか東の果てへ向かう…。

    少年4人のロードムービータッチ...続きを読む
  • ケンブリッジ・シックス
    キム・フィルビー、アンソニーブランド、ガイ・バージェス、ドナルド・
    マクリーン、ジョン・ケアンクロス。イギリスの名門・ケンブリッジ
    大学に在籍した5人は、卒業後、外務省やMI5などに職を得た。

    イギリス政府の為に働くのは表の顔。実は大学在学中にソ連の
    情報機関にリクルートされ、祖国とその同盟国の情...続きを読む
  • ケンブリッジ・シックス
    キム・フィルビーら5人のケンブリッジ大学卒業生がソ連のスパイだったことが発覚し、英国は大打撃を受けた。だが彼らのほかに、もうひとり同時期に暗躍していたスパイがいたという。歴史学者のギャディスは親友の女性ジャーナリストからこの人物に関する本の共同執筆を提案されるが、その女性が急死し、彼は後を継いで調査...続きを読む
  • ケンブリッジ・シックス
    最近では珍しい、冷戦期のスパイ、それに続く現在のイギリス諜報部(SIS)とソ連との確執をそれに巻き込まれていく作家でもある教授を中心に描く。
    キム・フィルビーらケンブリッジの著名なスパイ以外に6人目がいた、という掴みが面白いし、その正体が中盤で分かってからもロシア大統領の秘密に話がスムースに移行して...続きを読む
  • 北極の白魔
    読みやすかったです。こんな極寒でも人はいきられるのか?と不思議に思いつつ、登場人物達の不死身っぷりにあっという間に読み終わりました。
  • パズル・パレス(下)
    謎が次々と解けていく爽快感、クライマックスの手に汗握る展開の興奮が味わえる素晴らしい小説である。
    確かに有名作品よりも壮大さに欠ける気がしたが、それを補ってあまりある丁寧さのあるように感じた。

    一つだけ不満を言うなら日本について誤解がほんの少しある気がする、がまあ日本人向けに書いたものではないので...続きを読む
  • パズル・パレス(下)
    物語終盤のスピード感あふれる展開には、思わず手に汗を握った。次に次に明らかになる事実と、複雑に作りこまれた複雑な罠、そしてそれを回避する手段。
    刻一刻とリミットが近づく中、敵を打ち負かすことができるのかできないのか。終盤でも大どんでん返しの連続で、非常に面白かった。

    上巻で散りばめられた数々の伏線...続きを読む
  • パズル・パレス(上)
    ダン・ブラウンのデビュー作。

    あのエンターテイメント性はデビュー時から携えていたのかー。
    思ったよりも伏線は少なめな感じで、すいすい話が進む印象。

    さてさてどんな結末を、どんな迎え方で描くのか。
    そういう(デビュー作)という意味でも下巻が楽しみ。
  • パズル・パレス(下)
    ラングトンじゃないダン・ブラウン。完結編。

    「日本人にとって、素数は、とても大切な数なんだ!!」

    本当ですか?
    まぁ、江戸時代とか、数学が流行したときがあるので、そういうのとのからみなのかも。

    しかし、エンシェロンもまだなかった時代に、これを書いたっていうのは、すごいねぇ。
    このもっともらしい...続きを読む
  • パズル・パレス(下)
    コンピュータ系の話なので少々古臭くなるのは仕方が無い、ストーリー的にはハラハラドキドキでかなり面白かった。洋物苦手だけど、これは他も読んでみたいなダンブラウン。
  • ケンブリッジ・シックス
    イギリスのスパイ小説ということでお家藝ではあるが、さすがに読ませる。スパイの扱った情報でなくスパイ自体に注目するというもの。