熊谷千寿のレビュー一覧

  • IQ

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    いきなり視点人物が変わるので、ちょっと読みづらかった。最近のアメリカミステリでは、男主人公が頭がよく才能にも恵まれ、性格もいいのに、運命の悪戯で裏社会で生きざるを得ないという設定が多い。本作『用心棒』『東の果て、夜へ』とか。流行りなのか。シリーズものとして先が楽しみなのは、兄の死の謎を残している本作かな。轢き逃げには違いないが、基本的にお兄さんの不注意のせいと思っていたら、解くべき謎があるらしい。

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    2019年04月16日
  • IQ

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    ロサンゼルスに住む黒人青年のアイゼイアは"IQ"と呼ばれる探偵だ。
    ある事情から大金が必要になったら彼は腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。
    だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ!」という異様なものだった。
    奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。
    そんな彼が探偵として生きる契機となった壮絶な過去とは…。
    (あらすじより)

    探偵は裕福か金に困ってるか両極端だなぁ。

    今回の探偵IQは金に困ってる方。
    でも、ズボラなのではなく病気の子供(赤の他人)のために金が必要なのが好印象。
    クールで綺麗好き、無愛想だけど心根は優しい。

    続編もある終わり方なのでまた読みたいな!

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    2019年04月01日
  • IQ

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    分かりやすく惹かれる序盤に過去と現在、別角度からの交差する視点。無駄のない展開に、簡潔な最後の一撃。
    小気味良く続きも気になる佳作。

    そうそう、続編への引きってこういうのでいいんだよと頷きたくなる繋ぎも見事

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    2019年03月21日
  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    前半の半人前悪党の少年たちがいざこざを起こしながらだらだらと東に向かっていくくだりは個人的には退屈でなかなかページが進まなかった。
    終盤のイーストの再生物語には惹きつけられ、また、予想していなかった結末までの展開には驚き、なるほど全体としてみると悪くはないと思った。

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    2019年03月08日
  • IQ

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    ネタバレ

    コントラストが眩しい小説。

    現在と過去。
    IQとドットソン。
    論理と感情。

    最高にクールでかっこいいIQ。
    いかがわしいが憎めない男、ドットソン。
    この二人の関係を軸に過去と未来で物語が疾走する。

    現在をラップにノッてクールに論理的に描き、過去は人間としての成長を情感豊かに描き出す。
    論理的にも感情的にも許せないドットソンの最後に見せる粋な計らいには思わずホロリ。

    続編も大いに期待したい。

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    2019年02月10日
  • IQ

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    IQと呼ばれる主人公のキャラクターがとても良い。彼の武器は知性に基づく徹底した観察力。でもどこか、脆さと悲しさを感じさせるところが一つアクセントとなっている。ただ個人的にストリートギャングの物語が苦手であること、他の方が買っている場面の展開の速さに私はついていけなかったことで星3つ。それでも続編が出たら読むと思う。著者がフランシス・フクヤマのいとこであるのが一番驚いた。

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    2019年01月20日
  • パズル・パレス(上)

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    デビュー作とあって勢いがいいが表現方法が露骨というか、いかにも思わせぶりで疲れる。でも面白い。続きが気になる。

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    2018年09月29日
  • パズル・パレス(下)

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    思わせぶりな表現が多く、先に先にと気が急く。けれど視点がころころ変わるその切替の早さがテンポよく、一気に読ませる。本筋からズレる感想だが、原爆投下に対してアメリカ国民がどう考えているのか間接的に窺えた。

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    2018年09月22日
  • 東の果て、夜へ

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    イーストとタイが10代であることをつい忘れてしまう。アメリカは本当に州を超えると、全く違うんだな。ペリーと出会ってからは、成長物語と言うより、解説にある通り、イーストの少年時代の、或いは子供としてのやり直しというのがしっくりきた。まあ、大人に利用されているという点では、フィンと同じなんだけど。ロードノヴェルとしては、人との出会いが少ない。まともな教育を受けていれば、まともな大人になれた筈のイースト。そこがタイとは違う。環境が与える影響は大きい。

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    2018年09月14日
  • ケンブリッジ・シックス

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    予想以上の面白さ。ストーリーはネタバレするので割愛するか現代のイギリスのロシア史専門家がとあることでイギリス諜報機関が秘匿するロシアな関する秘密を解明することになるが、その過程で当時の関係者が一人また一人と暗殺されていく、迫り来る輪の恐怖か物語終盤のスリリングかつスピード感あるストーリー展開になり、読み応え充分である。ただ、二つの時制を紐解くため登場人物や場面が飛び飛びにならざるを得ず、序盤の難解さはいなめない。

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    2018年06月21日
  • 東の果て、夜へ

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    このミス2018 海外3位。
    4人の少年が暗殺の命令を受けて旅に出る。
    クライムノベルというより一人の少年の成長物語の感じのほうが強い。
    ただかなり読み進めるのに苦労した。

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    2018年05月26日
  • 東の果て、夜へ

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    文字や文章がバンの車窓から見える景色のように通り過ぎていく。後には虚ろな空間しか広がらない。ページをめくる指が重い。読み進めば進むほど望まない方向へ話がどんどん進んでいく…。イーストがかわいそうでならない。先が見えて来ない…。

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    2018年04月26日
  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    最初から危うい感じの4人組。予想どうりトラブルの連続。だんだん追い詰められていく感じで苦しくなり、なかなか読み進められない。
    後半の穏やかな時の流れがよかったが、こんな生活はいつまでも続くわけがなく、やはり旅立ち。
    新しい名前で生きていくイーストに、頑張ってと言いたい。
    それにしても老成した男の子であった。

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    2018年02月09日
  • 東の果て、夜へ

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    序盤はどんな話なんだろうと思いつつ読んでいましたが、読み進めるうちにロードノベル的な面白さに引きこまれていき、後半は一気に読んでしまいました。
    テイストが好みが分かれる作品かもしれませんが、登場人物それぞれの個性と、舞台となる場所がどんどん変わって行くところは個人的にはとても楽しめました。

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    2018年02月04日
  • 東の果て、夜へ

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    原題は<DODGERS>。言うまでもなく有名なメジャー・リーグのチーム名で、旅に出る少年たちが来ているユニフォーム・シャツに由来する。ドジャースがブルックリンに本拠地を置いていた時代、ブルックリンの住人は行き交う路面電車をかわしながら街を往来しなければならなかった。そこから、ブルックリン地区の人々を 「路面電車をよける (dodge) 人たち」 つまり、 「トローリー・ドジャース」と呼んだ。チーム名はそこから来ていると言われている。

    少年時代、ドッジ・ボールが苦手だった。最後に一人残って逃げてばかりいると、味方の外野から「早く当たれ」とやじられる。ゲームが早く終われば、はじめからもう一回できるからだ。後年、「ドッジ」の意味が「よける」だと知り、ひらりひらりとボールをよけていた自分の方が、自ら捕りに行く級友よりも正統的であったことに気づき、留飲を下げた覚えがある。まあ、そんなことで少年時代の苦い思い出は消えたりしないのだが。

    クライム・ノヴェルであり、ロード・ノヴェルでもある。ロサンジェルスからウィスコンシンまで、北米大陸を車で東に横断する黒人少年たちの旅と、主人公であるその名もイーストの旅立ちを描く。主人公が十五歳。弟のタイが十三歳、最年長のウォルターでさえ十八歳である。初めは旅を仕切っていた二十歳のマイケル・ウィルソンがラス・ヴェガスでトラブルを引き起こし、仲間から排除されてしまう。それがケチのつきはじめだった。

    イーストは、ボクシズ(箱庭)と呼ばれる地区で麻薬業界を仕切るフィンというボスに見張り役として使われていた。ある日、警察に踏み込まれ、組織は打撃を受ける。仕事先の「家」は閉鎖され、失業したイーストは、フィンから直々に、他の三人とウィスコンシンまで行き、自分の裁判を担当する判事を殺せ、という指令を受ける。飛行機を使うと身元が割れる。車で行って仕事をし、終わったらそのまま帰ってくるという筋書だった。

    金以外は何も持たずに出向き、銃は現地で調達するはずだったが、四人のはずが三人になったため、銃の取引相手が信用せず、別口で銃を買う羽目に追い込まれる。この辺りの少年たちの困惑と、そこを何とか切り抜ける機転の利かせ具合がなかなか面白い。ひとつピンチを切り抜けるたびに、それまでよく知らなかった相手の頭の良さや口の上手さ、度胸の良さ、危機回避能力などを知ることで、相手をリスペクトするようになってゆく。

    口先ばかりのマイケル・ウィルソンが去ると、コンピュータ・オタクのウォルターが、なかなかの切れ者であることが分かってくる。種ちがいの弟のタイは家を出て以来音沙汰がなかったが、組織の雇われ仕事で、銃の扱いに慣れており、いざという時は頼りになる。ただ、何かというと銃を使いたがるので、イーストは扱いに困っている。タイは誰のいうことも聞きはしないのだ。

    イーストは、冷静で暴力を好まない。「家」のガサ入れで銃撃戦に巻き込まれて死んだ少女をいつまでも忘れられない。そんな少年がなぜ殺人という依頼を受けたかだが、一つはフィンは父の実弟で、血のつながりがある。もう一つは、組織の危機を招いたのが自分が仕切る見張りチームのミスではなかったかという自責の念だ。さらに言えば、死んだ父の代わりに母に仕送りをしなければならなかった。

    廃屋の段ボールの箱で眠り、洗面器で体を洗う少年の暮らしは、人の温みとは無縁だった。そんなイーストが父親代わりに出会うのが、第三部「オハイオ」。請け負った仕事はやり果せたものの、数々の失態から、ついにイーストは厄介者のタイを撃ってしまう。飛行機で家に帰るウォルターと別れ、独り東に向かって歩き出したイーストを雇ってくれたのが、スローター・レンジというウォー・ゲーム場のオーナーだった。

    追われる身であるイーストは、このペリーに見込まれ、仕事を任される。模擬弾を使った撃ち合いだが、持ち込まれた弾には危険なものがある。プレイヤーたちが不正をしないか、上から見張ったり、掃除や道具の貸し出しをしたりといった仕事をイーストはしっかりこなした。客からも信頼され、オハイオでの暮らしにすっかりなじんだ頃、ペリーが死ぬ。そんな時、思いもかけないことに襲撃を受ける。

    あっと驚くどんでん返しだが、オハイオでの地道な暮らしに共感を感じていた読者としてはありがたくない不意打ちだ。ネタバレになるので詳しくは書けないが、種明かしめいた展開はあまりいただけない。イーストという少年の成長と更生を願う読者としては、これではまるで、イーストが観音様の掌の中を飛び回る斉天大聖悟空のように見えてくる。いっぱしの大人のように思えていたイーストが一気にただの子どもに戻ってしまうのだ。

    「書評七福神」の今月の一冊で票を集めていたので手を出した。これがデビュー作というので名うての評者も点が甘かったのかもしれない。広いアメリカを行く少年の目に初めて見える景色や、土地によって異なる人々の暮らしの様子など、少年であればこそとらえることのできる初々しい視点がある。ロード・ノヴェルの新境地かもしれない。ただ、終始十五歳の少年に寄り添った視点では、いくら大人びていても見えるものは限られている。それが叙述トリックなのかもしれないが、見える世界が限られている息苦しさが気になった。

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    2017年10月28日
  • パズル・パレス(下)

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    事情があって下巻から読んだからかもしれないけど、ストーリーが出来上がりすぎてて真の暗号に関するプログラム取り扱いの問題を取り上げているとはいえないような未熟さがあった。しかし、時代背景を考えると、その時代にこれほどの構想の積み上げはすごいのかもしれない。
    一方で、この手の小説は時代背景を強烈に意識する必要もあり、書籍ネタとしては難しいのかもしれない....

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    2017年01月24日
  • パズル・パレス(下)

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    また恋オチ…壮大なスケールなんだけど、ネットの話だからどこか卑小さが感じられ、もっと言うと、その道に明るくない自分には何が何だか。ただ、副館長、しつこし。これが処女作というのには驚き。これが原点か。様々な専門知識で必死にくらいつこうとする読者を煙に巻きながらも、しっかりと伏線をこしらえ、意外な側面から事実が紐解かれるダンブラウンの骨頂は、ここから始まったのか。

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    2016年09月29日
  • パズル・パレス(上)

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    するする読めて、設定もなかなか魅力的でした。理系なので登場人物に親近感を感じたりもしました。
    これからどうなるのか楽しみ、期待。

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    2014年10月22日
  • パズル・パレス(上)

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    文庫化されたのはダ・ヴィンチ・コードや天使と悪魔よりも後のようだが、ダン・ブラウンのデビュー作品のようだ。
    数学者の父、宗教音楽家の母、美術史研究者 兼 画家である妻をもつらしい。ダ・ヴィンチ・コードや天使と悪魔のテーマを考えると納得できる。

    本作は暗号解読と通信システムを巡る物語であり、情報化社会におけるテロが題材にされている。プライバシーと安全保障は現代社会でもよく取り上げられる問題であるが、本作が発刊された1998年に著されたことを考えると驚きである。

    暗号解読のエリートたちと世界有数の頭脳をもつプログラマーの情報通信システムを巡る戦いは一体どのようになるのか、気になるところだ。
    誰が嘘をついており、明かされていない事実は何なのか。
    考えながら読み進めるのも面白いと思う。

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    2014年07月08日
  • パズル・パレス(下)

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    先の展開が読めてしまうのはダン・ブラウンの処女作故か。最後のパスコードは、先に答えがあっさり思い浮かんでしまうほどで残念。
    でも、当時のIT事情から、ここまで書き上げていたことは、下調べ等相当されたに違いないと感心しました。

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    2014年06月23日