熊谷千寿のレビュー一覧

  • 東の果て、夜へ

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    麻薬販売所(もちろん違法)で見張り役のイーストは、仲間4人(イーストの異父兄弟のタイ)と共に判事を殺害する旅に出る。車での長距離移動であり、道中は4人の間で様々な事件が起きる。無事に予定していた殺人は完遂するが、物語の真相はそこではなかった。

    本書の最後の方でその真相が明らかになったとき、単純に読者が驚くだけではなく、これまでのイーストの行動がフラッシュバックし、そんな物語だったのかと、二度驚くことになる。物語の構成が良いのだろう、とても楽しめた。

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    2018年05月01日
  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    黒人少年の成長物語...
    主人公イースト、やっぱまだ少年だけあってタフガイではない。タフガイであることを期待してまうんやけど、実際は弟のタイの方がタフガイ。でもイースト、いいやつ。
    オハイオでの生活がもっと長く続けばよかったのに。

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    2018年02月21日
  • 東の果て、夜へ

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    各方面で絶賛されているとおり、クライムノヴェルでロードノヴェルでかつ、少年の成長モノで、意外な展開が新鮮な感じだった。
    状況についても、登場人物それぞれについても、もっと書き込めそうなのに最小限の情報しか書かないで想像させる、といった感じで、全体的にハードボイルドな、無駄を極力省いたタイトな文章。饒舌な語り好きなわたしとしては、もっともっと書き込んでくれてもよかったかなあと。なんでローティーンの主人公と弟がこういう人間になったのか、とかもっと詳細に読みたかったような。。。
    とにかくハードな状況なのでけっこう読むのがつらかった。いつ「成長モノ」っぽさが出てくるのかと待っていたら、ラスト三分の一くらいでやっとそれっぽくなって、その部分がいちばん好きだった。でも、暮らしている町近辺からたぶん外に出たことすらない主人公からしたら、州外に出て、気候も違う土地に行くってだけでも成長なんだろう。
    ラストがさわやかな印象で救われた。

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    2018年02月01日
  • 東の果て、夜へ

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    読み出してしばらくはなかなか流れに乗れず、最後まで読めないかもと思った。ロサンゼルスの暗黒街で育った少年が、人を殺すよう指示されて仲間と共に西へ向かう。その道行の始まりからまもなく、最初のトラブルが起きるあたりで、俄然話に引きつけられ、あとは息を詰めて成り行きを見守ることとなった。

    文章に独特のクセがあり、好みが分かれるだろうが、危うさに満ち、崩壊の予感を抱かせながら進む物語に、この文体はぴったりはまっている。少年の孤独がひたひたと胸に迫ってくる。ドラッグ売買の見張りをすること以外、何も教えられたことのない少年が、ギリギリの所で保っている倫理観は、何に根ざすものなのか。深い余韻を残す一冊だと思う。

    何よりいいと思ったのは、どの登場人物にもリアルな奥行きがあることだ。主要な顔ぶれだけでなく、ちらっと出るだけの電話交換手とかガソリンスタンドのお姉さんにまで物語がありそうだ。続篇があるようだが、「少年のその後」といったストレートなものではないかも。

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    2018年01月20日
  • 東の果て、夜へ

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    1話1話、そして登場人物のバックグラウンドも細かに丁寧に紹介しながら長ーいドラマとしてテレビで見てみたい。

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    2018年01月08日
  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    ハードボイルトとはいえ、渋いおじ様が主人公ではなく、ハイティーンの少年、それも黒人の男(の子?)が主人公という異色作。

    ロスの犯罪エリアで生きる少年たちに下された指令は、組織の審理に不利な判定を下すであろう判事の殺害。少年4人は車に乗り、はるか東の果てへ向かう…。

    少年4人のロードムービータッチの小説(ロードノベル)でありながらも、常にメンバーの不協和音が奏でられ、暴力と10代の無軌道な行動がせめぎあい、徐々に悪夢を帯びていくクライムノベルでもある

    やがて、単純なストーリーの様であったクライムノベルが、実は少年の自立と再出発の物語と変わる。
    どこまでも孤独ながらそれを当然のこととして受け入れ、淡々と生きる主人公の姿が切ないと同時に力強い。

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    2017年11月20日
  • ケンブリッジ・シックス

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    キム・フィルビー、アンソニーブランド、ガイ・バージェス、ドナルド・
    マクリーン、ジョン・ケアンクロス。イギリスの名門・ケンブリッジ
    大学に在籍した5人は、卒業後、外務省やMI5などに職を得た。

    イギリス政府の為に働くのは表の顔。実は大学在学中にソ連の
    情報機関にリクルートされ、祖国とその同盟国の情報をソ連に
    流していた。

    1950年代に彼らのスパイ活動が露見すると、イギリスには大きな
    衝撃が走った。と、ここまでは実際にあった出来事。

    後に「ケンブリッジ・ファイブ」と呼ばれるようになる5人に劣らぬ
    スパイ活動をしていた第6の男がいたというのが本書の導入部。

    主人公は財政厳しい歴史学者のギャディス。ロシア東欧の専門家
    だ。本を書いて一発当てないと、別れた妻とスペインに住む娘の
    学費も払えなくなる。税金も滞納しているし、さぁ、どうしたものか。

    そんなギャディスに持ち込まれたのが親友である女性ジャーナリスト、
    シャーロットからの共同執筆の提案。第6の男の話を書いてみないか?

    ギャディスにとっては渡りに船。だが、彼女は直後に急死してしまう。
    ひとりで調査を試みることになったギャディスだが、生前にシャーロット
    が第6の男の件で接触した情報提供者や、何かしらの情報を持って
    いると思われる人物が次々と死んで行く。

    そして、第6の男の存在を探るうち、厳重に封印されたロシア大統領
    の秘密に辿り着き、自身の命どころか愛娘の命さえ脅かされそうに
    なる。世界が引っくり返るような秘密とはなんなのか。

    という訳で、途中から第6の男からロシア大統領の秘密に主題が
    切り替わってしまうのだが、最後の2ページでにんまりしちゃった。

    展開が早く、ギャディスがどうなるのか気になって物語に引き込まれ
    る。ただ、ころころと話の視点が変わるので混乱したこともしばしば。

    そして、本書に出て来るロシア大統領がまるっきりプーチン閣下なの
    である。KGBの出身、批判的なジャーナリストの暗殺、強いロシアの
    再建。本書では「プラトフ」という名前なのだが、「プーチン」に置き換え
    て読んでしまった。

    スパイ小説と呼ぶには主人公がスパイじゃないので少々苦しいが、
    スパイ絡みのサスペンスならいいかも。

    あ、ロシア大統領の最大の秘密と言っても、プーチン閣下が暗殺を
    指示した証拠ではありません。念の為。

    フォーサイスやル・カレには及ばないけれど、それなりに楽しめた。
    映画にしたら面白んじゃないかな。

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    2017年08月19日
  • ケンブリッジ・シックス

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    キム・フィルビーら5人のケンブリッジ大学卒業生がソ連のスパイだったことが発覚し、英国は大打撃を受けた。だが彼らのほかに、もうひとり同時期に暗躍していたスパイがいたという。歴史学者のギャディスは親友の女性ジャーナリストからこの人物に関する本の共同執筆を提案されるが、その女性が急死し、彼は後を継いで調査を開始する。が、やがて国際情勢を左右する事実が明らかに! 巧妙に構築されたスパイ小説の力作。「二人の巨匠ジョン・ル・カレとグレアム・グリーンに比肩する作家だ」(ワシントン・ポスト)

    強力なバックアップがあるとは言え、素人スパイの行動にはハラハラさせられた。

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    2017年01月21日
  • ケンブリッジ・シックス

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    ネタバレ

    最近では珍しい、冷戦期のスパイ、それに続く現在のイギリス諜報部(SIS)とソ連との確執をそれに巻き込まれていく作家でもある教授を中心に描く。
    キム・フィルビーらケンブリッジの著名なスパイ以外に6人目がいた、という掴みが面白いし、その正体が中盤で分かってからもロシア大統領の秘密に話がスムースに移行して最後まで読める。ただ、実在の人物も多く会話中に登場するがエスピオナージュの世界に詳しくないと全くわからないのが残念だし、話が次々に動くのは良いが最後まで主人公の曖昧なキャラがドラマの流れを阻害している。あまりにも被害者として巻き込まれていく主人公の主観が長すぎてだれてしまうし、他の人物(彼女やSISの女性オフィサー)との関わりも中途半端。
    多彩な人物を配して読みごたえがあるが、もう少し整理しても良かったのでは?しかしこれだけストレートなエスピーナージュ物は久々で総じて楽しめたし次回作が翻訳されることに期待。

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    2015年06月16日
  • パズル・パレス(下)

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    謎が次々と解けていく爽快感、クライマックスの手に汗握る展開の興奮が味わえる素晴らしい小説である。
    確かに有名作品よりも壮大さに欠ける気がしたが、それを補ってあまりある丁寧さのあるように感じた。

    一つだけ不満を言うなら日本について誤解がほんの少しある気がする、がまあ日本人向けに書いたものではないのでご愛嬌で済ましたい

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    2014年10月25日
  • パズル・パレス(下)

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    物語終盤のスピード感あふれる展開には、思わず手に汗を握った。次に次に明らかになる事実と、複雑に作りこまれた複雑な罠、そしてそれを回避する手段。
    刻一刻とリミットが近づく中、敵を打ち負かすことができるのかできないのか。終盤でも大どんでん返しの連続で、非常に面白かった。

    上巻で散りばめられた数々の伏線が、徐々に関連付けられていく様は、ダ・ヴィンチ・コードや天使と悪魔にも見られるダン・ブラウンの腕の見せ所と言える。

    情報化社会となった今でこそ取っ付き易い題材だが、これが15年も前に著された作品であることに、ダン・ブラウンの先見の明を見出だせると思う。
    これだけ緻密に物語を練り込むには、相当な下調べが必要そうだ。感服。

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    2014年07月09日
  • パズル・パレス(上)

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    ダン・ブラウンのデビュー作。

    あのエンターテイメント性はデビュー時から携えていたのかー。
    思ったよりも伏線は少なめな感じで、すいすい話が進む印象。

    さてさてどんな結末を、どんな迎え方で描くのか。
    そういう(デビュー作)という意味でも下巻が楽しみ。

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    2014年03月31日
  • パズル・パレス(下)

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    ラングトンじゃないダン・ブラウン。完結編。

    「日本人にとって、素数は、とても大切な数なんだ!!」

    本当ですか?
    まぁ、江戸時代とか、数学が流行したときがあるので、そういうのとのからみなのかも。

    しかし、エンシェロンもまだなかった時代に、これを書いたっていうのは、すごいねぇ。
    このもっともらしい嘘をつくっていく力は、ものすごいものがある。
    そして、嘘がときに、現実を捉えてたりするのかもと思わせる何かがあります。

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    2014年03月06日
  • パズル・パレス(下)

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    コンピュータ系の話なので少々古臭くなるのは仕方が無い、ストーリー的にはハラハラドキドキでかなり面白かった。洋物苦手だけど、これは他も読んでみたいなダンブラウン。

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    2014年03月02日
  • ケンブリッジ・シックス

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    イギリスのスパイ小説ということでお家藝ではあるが、さすがに読ませる。スパイの扱った情報でなくスパイ自体に注目するというもの。

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    2014年01月06日
  • パズル・パレス(上)

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    NSAって、今、CIA職員がすっぱ抜いて話題のあの組織ですよねぇ。
    すげぇ、タイムリー。コンクラーベのときといい。

    と思っていましたが、これが書かれたのは10年以上前。
    ダン・ブラウン、おそるべし。

    今回、日本人も出てきます。ちょっと変な感じですが。
    同志社大学卒業、日本人、エンセイ・タンカドとか。なんじゃ、そりゃ?

    でも、そのあたりを気にしなければ、いつものジェットコースターです。
    そして、パターンもいつもの感じなので、多分、黒幕は……。

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    2013年10月16日
  • ケンブリッジ・シックス

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    うわぁーいいのか!?と読んでて勝手にビクビクしてしまいました。あの方のモデルはあきらかにあの方…ですよね。

    冷戦時代に暗躍していたスパイの真実を追う、大学教授と彼を追うものたち。ケータイやネットが発達した現在、情報伝達の手足を縛る方法はリアルで怖い。世界中どこ行っても筒抜けとか?武器を持たない主人公の危機からの脱出はまさに手に汗握る、上質のハリウッド映画を観てる時のような高揚感ありです。

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    2013年08月25日
  • パズル・パレス(下)

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    ネタバレ

    「ダヴィンチコード」で有名なダンブラウンのデビュー作。
    NSA(国家安全保障局)の、「どんな暗号でも解読してしまう装置」が「誰にも解けない暗号」によってシステム麻痺させられてしまったところから、物語は始まります。なんか「矛盾」のような話ですね。

    解決編となる下巻では、「誰にも解けない暗号」の正体が明らかにされます。
    暗号を扱っていることから、理系ミステリーと呼べるかもしれません。

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    2013年05月12日
  • パズル・パレス(上)

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    ネタバレ

    「ダヴィンチコード」で有名なダンブラウンのデビュー作。
    NSA(国家安全保障局)の、「どんな暗号でも解読してしまう装置」が「誰にも解けない暗号」によってシステム麻痺させられてしまったところから、物語は始まります。なんか「矛盾」のような話ですね。

    暗号の解読コードを求めて、アメリカからはるばるスペインへ向かった主人公の恋人の運命はいかに!
    平行して、主人公を中心に、機能しなくなったNSAの混乱も描かれています。

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    2013年05月12日
  • パズル・パレス(上)

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    ダン・ブラウンのデヴュー作であるが、この時すでに読者を罠にかける手練手管は、完成している。暗号は紀元前から存在していた技術であるが、コンピュータというとてつもなく速く演算をする道具を手にして暗号は進化していくことになった。解析と進化のいたちごっこである。 NSA(国家安全保障局)は、スーパーコンピューターにて、全てのメールによる情報を解読し、平和を維持している。このことの善悪が本書のテーマである。すなわち、私文書のプライバシーはどこまで守られるべきか? 私文書のプライバシーは守られるべきと考え、NSAを去った一人の天才プログラマーが壮大なリベンジをNSAのプロジェクト責任者と彼のつくったスーパーコンピューターに仕掛ける。 今回この謎解きの冒険をするのが、美人暗号解読課の主任スーザン・フレッチャーとその恋人の大学教授ディビット・ベッカー息もつかせぬ謎解きの旅が始まる。

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    2013年04月04日