熊谷千寿のレビュー一覧
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発表や新聞などで伝えられる数値を鵜呑みにしてはいけない。その前提を確認し、いろいろな視点を考えて検証し、自分なりに理解する必要がある。そうしないと、荒唐無稽な結論や方向に向かってしまう、ということだと思う。
経済指標としてのGDPに手厳しい批判がされている。アルコールの販売が増えて、それによる様々な悪影響があっても、そこに本来は必要のない支払いが発生すればGDPは増大してしまう。人の幸せとは関係ない。著者にとって、物やお金ではなく人が中心で大切であるという意志を感じた。
様々な分野について数字で規模の把握や比較がされている。省エネについては三重窓などの効果が大きく、新技術に熱を入れるより、効果が大きく現実的であるところから始めようという視点も忘れていない。好感が持てる。
風力発電についても盲目的に称賛するのではなく、潤滑油など様々な付属物を用意・構築する必要があり、それには環境負荷がかかることを理解した。
飛行機のエネルギー効率が想像よりよく、感覚で判断していたなあと反省した。
後半は数字というよりは技術の紹介と歴史の説明に費やされており、ここが著者が言いたいところなのだろうと感じた。数字で語るところは依頼に沿ったものかもしれない。それはそれで面白いのだけれど、私にはどこかで読んだことのある内容だった。 -
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ギャングの跋扈する地帯で両親を早くに亡くし、年の離れた兄に育てられた異常に頭の良い青年の謎解きミステリー。
相棒役は、高校時代から薬物ディーラーをしていて家なしが故にお互いに嫌々ルームメイトをしてきたドッドソン。著名人にはヘコヘコするし金で動くしなんもわかってないのにクライアントの前ではパフォーマンスだけするし基本的には嫌な奴なのに、料理の鉄人のファンでめちゃくちゃ凝った料理作ってくれるとかちょこちょこ憎めない設定が入ってる。
頭の良い黒人が主人公という小説は初めて読んだ。オバマ大統領の後から、段々と成績も良いけどクールな黒人というジャンルが開拓されてきた(あるいは、日本人にも可視化されるようになってきた)気がする。主人公の感じはなんとなくケンドリック・ラマーと思わせる。いつか映画化されそう。
書き手が還暦近い日系人てとこもびっくり。
結局お兄さんの復讐劇と小児性愛のヘンタイの話は次巻以降にお預けなのね。 -
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またまた渡辺由佳里さんのオススメから。(まだまだ続きます)
著者の地元、犯罪多発地帯として知られるロサンゼルスのサウス・セントラル地区を舞台にした犯罪小説、ということで、勝手に重厚な社会派ドラマかと思ってたけど、意外にもハリウッド的アクション満載な軽い物語でちょっと驚いた。
うーん、こんなことは言いたくないのだけど、訳がひどい。
すごくおもしろい話なのに、訳文が、一度読んだだけでは意味が分からなくて、3回くらい読んでやっと理解できる、ということが多々あった。5回読んでも結局意味が分からない、という文章も数回あった。とにかく読む勢いを削がれるったらない。
これは担当編集者の怠慢じゃないのかしらん。
あと、意図がよく分からない謎のルビも多かったなぁ。
(例えば、「落書き」にグラフィーティ、「私道」にドライブウェイ、などとルビがある。そのルビ必要?)
お店の名前は100%カタカナ語で処理、もいかがなものかと思った。例えば「トップ・ノッチ・アプライアンシズ」とかは何の店か分かるように、日本語混じりで訳せるんじゃないの?などと思ってしまった。まあこれは好みの問題ではあるけれども。
ということで、なんというか、元がおもしろい作品だったから最後まで読めたけれど、訳のせいでひどく疲れた。
本来はもっと評価が高くてもおかしくない作品だと思う。
ブラザー版ホームズ、というのがとても新鮮だった。
ワトソン役のドッドソンがとても良いの。
欠点だらけのほんとにしょーもない奴で、たぶんホームズ焼き直し史上、最低のワトソンだと思うけど、これまた欠点の多い主人公、ホームズ役IQの弱点をばっちり補完してもいる。
ドットソンが料理するシーンが特に好きだった。
特性サンドイッチ、すごくおいしそうだったなぁ。
読んでいて私まで料理したくなった。
ハーブ入りのマヨネーズって、なんのハーブ入れてたんだろう・・・映画では彼の料理シーンは詳細に描いてほしいなぁ。
1冊の本の中にたくさんの事件を詰め込み過ぎかな。読み終わるとかなりおなかいっぱいになる。
サービス精神が溢れすぎて、盛り過ぎる作家、という印象。
映画化されるときっとそういう過剰な部分がそぎ落とされて、すごく面白くなりそう、と思った。 -
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ネタバレLAの探偵IQ,ラスベガスへ。尊敬していた亡き兄の昔の恋人の頼みで,義理の妹の窮状を救いに行くが。
ラスベガス編と,1の最後で見つけた兄の死の手がかり追跡編が交互に進んで,最後にすっと交差するという作りになっています。
面白かったんだけど,1と比べると鮮烈さは欠けますかね・・・それはしょうがないか・・・。
中国マフィアやらメキシコギャングやら?今回も色々な裏社会の悪党が登場します。まあ彼らだけが特別に悪というわけではないと思いますが,すっきりする終わりにはなっていました。
しかし,兄の死の謎が2巻でもう解決してしまうとは思わなかった。解決というか,新たな敵を生んだという感じかもしれませんが。
ジャニーンはアホだよね。最後で,この話はなんだったのかなと思ったわ。。ドッドソンの奥さんのキャラは意外でした。こんなアホに巻き込まれて気の毒・・・,そりゃドッドソン,迷う余地なさすぎだわっていう。ドッドソンファミリーには幸せになってほしい。
なお,この話の良心はわんこです。ピットブルだけどな。
ラスト,次はIQがついに町の便利屋から飛躍していく感じになるのでしょうか。ドッドソンとのコンビも健在。原作は4まで出ているようです。早く読みたいなー。 -
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そこそこ読めるけど再読は確実にないなー。
乾いた筆致で淡々と荒事も含めて描写していくクールさは気持ちよく、ギャング世界の荒涼とした雰囲気を描くことに成功している。
登場人物が魅力に乏しいのが辛い。和気藹々とした感じもないし、わりと早い段階でムードメーカー的なやつが脱落してしまうと残ったメンバー間の会話が少しかったるくなってしまう。
主人公が選ばれし人間なのも、そうでない弟との葛藤を丁寧に描くということがなされていないため、なんか鼻につくだけになってしまっている。
黒人文化みたいな色付けもなく、あまり楽しみのない読書になってしまった。いやそれでも読み切れるだけのパワーはあるのだけどね。 -
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LAのブラックコミュニティを舞台に、「IQ」と呼ばれる若い探偵(a.k.a.便利屋)が活躍するミステリ。
街の治安がとにかく悪いし、登場人物も薬物依存症のセレブラッパーや、元ギャングスタの実業家、レコード会社のあくどい社長など、ロクでもない(けど、どこか愛すべき点がある)連中ばかり。時代は違うけど映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を連想してしまった。
主人公「IQ」は、冷静でやさしく、こころに傷を抱えている。舞台立てが猥雑でにぎやかなぶんIQの人物像が引き立つ。
ヒップホップカルチャーの描写が楽しい。ヒップホップカルチャーとミステリを組み合わせるために、とても工夫をしたんだろうなあ。全体のテンポが良くて、ウェルメイドなエンターテインメント映画をみている感じだった。著者のジョー・イデは日系アメリカ人というのも興味深い。