熊谷千寿のレビュー一覧

  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    クライムノベルであり、ロードノベルであり、ティーンの成長譚である、俺の好きな3要素ががっちり詰まっているなら読むしかないだろ!

    ほとんどの部分、主人公イーストの独白調で物語は進む(ちょっとだけ違う視点で語られる章がある、俺の好みではあの視点は不要と思うが…)、このイーストが生真面目で、一直線で、憂いや哀しみや諦めを心に抱えた可愛いヤツなんだよなぁ。生活環境から犯罪に手を染める生き方を選ばせて(選択肢がそこしかない)いるが、環境が違っていれば、文武両道で頼れるいい子になったんだと思うが…。

    そんな主人公が、エエ加減な男、デブッチョオタク、13歳の殺し屋(弟)とともに、青色のヴァンにのって、L

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    2019年05月25日
  • IQ

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    ギャングスタラップの世界に潜り込むシャーロックホームズ的な面白さ。トリックを暴くタイプではなく、状況を読み解き、論理的に原因を突き止める所もホームズっぽい。
    本国ではすでに第3巻まで刊行されているようなので、邦訳も続いてくれることを願う。

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    2019年02月18日
  • 東の果て、夜へ

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    ネタバレ

    LAの一角しか知らなかった15歳の少年イースト。叔父が支配するドラッグ組織で見張り役をしていたイーストは、叔父の命令でほかの3人の少年たちと共にバンに乗りウィスコンシン州に向かう。目的はある人物を殺すこと。

    犯罪組織に属する癖の強い4人が道中、平和に旅するわけがありません。どんどん問題を抱えていってしまう。仲間との軋轢を重ねながら、今まで知らなかったLA以外の地域、自然、人々を目にしてゆくイースト。

    物語の最後になって、イーストは叔父の命令の真意を知ります。LAに戻り犯罪組織で生きていくのか、それとも東(イースト)で新しい自分として生きていくのか。イーストの決断に心を揺さぶられた。

    この

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    2019年08月01日
  • 東の果て、夜へ

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    彼らは何を見て、何を感じ、何を得るのか?
    主人公イーストを含めた少年4人が、殺しの旅に出るクライムノヴェル。

    地の文が続く。街。山。自然。車。土地。暮らし。殺人に向かう最中の車からの景色。殺人の緊張感と旅の優雅さ。緊張と緩和。目的に近づくほど、トラブル難題が待ち受ける。

    殺人だけの関係。仲間達との旅路。急激な展開に先が読めない。
    イーストも仲間も子供だ。それぞれの思惑、深い闇、どう解決していくのか。または過ぎ去っていくのか。見所である。

    待ち受けている解放感。清々しい。「シスターズブラザーズ」とはまた違った、沸々と湧き上がる感情のざわめきがあった。次作も決定しているらしい。追いかけたい作

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    2017年12月10日
  • ケンブリッジ・シックス

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    [6人目]1930年代にケンブリッジ大学在学中、ソ連にリクルートされた5人のスパイ"Magnificent Five(大物五人組)"。長いことその存在が噂されていた6人目のスパイの存在を明らかにしようと、長年の友人であるシャーロットから共著話を持ちかけられた歴史学者のギャディスであったが、その次の日、シャーロットが心臓発作により突然この世を去ったとの報が彼の下に届き......。著者は、新世代のスパイ小説の旗手と目されるチャールズ・カミング。訳者は、英米文学の翻訳家である熊谷千寿。


    実在にあった話を土台とし、その上に緻密にリアリティのあるフィクションを重ねてきているので

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    2014年12月01日
  • パズル・パレス(下)

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    ネタバレ

    ダン・ブラウンの処女作。ラングドンシリーズを読み終わってから読んでみた。
    すでに、ラングドンシリーズにしても良いくらいのスピード感があった。違う場所で同時に展開していくところや、最後に全ての事件が全て集結し収束していくところなどは、ラングドンシリーズに似ているだろう。また、黒幕が主人公の守護者というのも似ている気がした。わかっていても騙されるのが一番の面白みなんだろう。
    ストーリーも情報の電子化とサイバーテロ(に似せたもの)とのたたかいとう、今後起こり得ることを題材にしており、とても楽しかった。

    【追記】他の作品や他人の作品を読んだ後に再読してみると、「ビックブラザーが見ている」などのオマー

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    2013年09月03日
  • パズル・パレス(上)

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    ネタバレ

    ダン・ブラウンの処女作。ラングドンシリーズを読み終わってから読んでみた。
    すでに、ラングドンシリーズにしても良いくらいのスピード感があった。違う場所で同時に展開していくところや、最後に全ての事件が全て集結し収束していくところなどは、ラングドンシリーズに似ているだろう。また、黒幕が主人公の守護者というのも似ている気がした。わかっていても騙されるのが一番の面白みなんだろう。
    ストーリーも情報の電子化とサイバーテロ(に似せたもの)とのたたかいとう、今後起こり得ることを題材にしており、とても楽しかった。

    【追記】他の作品や他人の作品を読んだ後に再読してみると、「ビックブラザーが見ている」などのオマー

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    2013年09月03日
  • パズル・パレス(上)

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    米国家安全保障局という場所が舞台で、その機関に所属する暗号解読官たちが繰り広げる暗号解読作戦。
    天才頭脳を持つ者たちがテロに立ち向かう。
    真実は一体どこに・・・。


    ダン・ブラウンさんのデビュー作です。

    難しい話ではあるんですが、それでもすらすら読めてしまうんですよね。
    場面展開がころころ変わっていって、最初は混乱しそうになるんですけど、いつの間にか引き込まれてる。

    不思議で、おもしろいです。

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    2012年09月22日
  • パズル・パレス(下)

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    演出が派手すぎる部分も否めないが、知的でスピーディーにスリリングに二転三転するストーリーは秀逸。ダン・ブラウンの作品が初めてだったこともあり、先の展開が読めず、とても面白く読めた。

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    2012年07月02日
  • パズル・パレス(上)

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    演出が派手すぎる部分も否めないが、知的でスピーディーにスリリングに二転三転するストーリーは秀逸。ダン・ブラウンの作品が初めてだったこともあり、先の展開が読めず、とても面白く読めた。

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    2012年07月02日
  • パズル・パレス(上)

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    (上下巻合わせてのレビューです。)

    ダヴィンチ・コードで一躍有名になった
    ダン・ブラウンのデビュー作がとうとう文庫になりました。

    海外の文学作品って人物名がやたら長いカタカナで出てきて、
    訳分かんなくなるので苦手なのですが、
    ダン・ブラウンの作品は別格ですな。

    訳わかんなくてなりそうでも、面白いから許せちゃう。

    文庫が出たら、ついつい買ってしまう。
    そんな作家です。

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    2011年08月21日
  • 2034 米中戦争

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    どこかの国が「核使用のハードルを下げる」ことを検討する現代、不要で偶発な衝突から同じようなシナリオが現実でも起こりうるかもしれない。

    と、思うとフィクションではないような
    危機感をもって読めた作品でした。

    しかし面白い!
    どうかずっとフィクションでありますように!

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    2024年12月21日
  • ターミナル・リスト 上

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    アメリカのテレビドラマシリーズにもなった作品。裏切りにあった主人公が復讐リストに沿ってターゲットを消していくという話。先にドラマを見ていたので、イメージしやすかった。

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    2024年12月03日
  • Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!

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    "Numbers Don't Lie"、つまり「数字は嘘つかない」ということで、7つの分野別に各テーマ数ページのコラム形式で具体的数字と科学的根拠を基に「世界の真の姿」を検証する。まあシュミル氏の見識豊かなこと。これほど幅広い分野をこういう切り口で捉えるとこういう事実になるととても刺激的。氏は経営電話を持っていないということで文明の利器と見識との相関性はそれほどないようだ。「世界の人々」の章はやや主観的かつ思想的に思うが、それもご愛嬌か。個人的お気に入りは以下トピック。

    「ギザの大ピラミッドは何人でつくったのか?」
    「食品ロスはグローバルな大問題」
    「牛の惑星」

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    2024年08月12日
  • パズル・パレス(上)

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    最強の暗号解析装置を守ろうとする者、破壊しようとする者、それぞれの思惑が交差し、物語は進む。暗号ものかつ最新テクノロジーを扱う故少し小難しい描写もあるが、インターネットがわかればある程度理解できる部類。

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    2024年07月08日
  • パズル・パレス(下)

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    NSA(国家安全保障局)が誇る最強の暗号解析機デジタル・フォートレスに仕掛けられた難攻不落の暗号がついにその正体を現す。暗号を解く鍵を探し求める先の見えない旅とデジタル・フォートレスを巡る攻防の結末やいかに。とにかくテンポが良い。サクサクと映像がそのまま頭の中に飛び込んでくるような鮮やかで軽快な活劇が素晴らしい。これでデビュー作なのだから恐ろしい。

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    2024年07月08日
  • 救出(下)

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    最後まで楽しめたが、期待していたような内容ではなかったよ。もっと激しい銃撃戦や肉弾戦があるのかと思っていたが、うーむ。

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    2024年05月18日
  • 救出(上)

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    まあまあおもしろかったです。まだ半分ですからね。グリーニーみたいな「どんな状況? 描写が糞で全然わからんわ」的なこともなく、スラスラです。下巻は果たして。

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    2024年05月17日
  • ターミナル・リスト 下

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    次々に登場する兵器の
    精巧な描写。

    そして、それらが人や
    建物を破壊する様子や、

    その粉塵を浴びながら
    感情を排して任務遂行
    する主人公の内面描写。

    筋書きが云々よりまず、

    軍人の視点で描かれる
    戦場のリアリティが◎

    それは著者自身が海軍
    特殊部隊に所属し、

    二十年超のキャリアで
    培った経験が語るから。

    戦闘でいちばん重要な
    一発は、

    民間人をそれと識別し
    撃たなかった一発。

    こんな言葉は実体験が
    なければ紡ぎだせない。

    機密情報に触れる部分
    がところどころ墨消し
    になってるのがまた◎

    細部のリアリティに星
    四つです。

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    2024年04月18日
  • ターミナル・リスト 上

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    愛する妻を幼い愛娘を
    惨殺されたら?

    貴兄ならそのときどう
    しますか?

    本書の主人公は絶望の
    淵から立ち上がり、

    復讐のためにただ一人
    巨悪に挑みます。

    海軍特殊部隊の実戦で
    鍛えられた桁はずれの
    その能力。

    死を賭した者がまとう
    迷いのなさ。

    彼はもはや人間を超越
    した存在。

    だれにも彼を止められ
    ません。

    もし私が彼と同じ立場
    だったらどうするか。

    彼のような鋼の肉体は
    ないけれど、

    やはり人間であること
    をやめて、

    死神に魂を売り渡して
    しまうかもしれません。

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    2024年04月20日