熊谷千寿のレビュー一覧
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ネタバレクライムノベルであり、ロードノベルであり、ティーンの成長譚である、俺の好きな3要素ががっちり詰まっているなら読むしかないだろ!
ほとんどの部分、主人公イーストの独白調で物語は進む(ちょっとだけ違う視点で語られる章がある、俺の好みではあの視点は不要と思うが…)、このイーストが生真面目で、一直線で、憂いや哀しみや諦めを心に抱えた可愛いヤツなんだよなぁ。生活環境から犯罪に手を染める生き方を選ばせて(選択肢がそこしかない)いるが、環境が違っていれば、文武両道で頼れるいい子になったんだと思うが…。
そんな主人公が、エエ加減な男、デブッチョオタク、13歳の殺し屋(弟)とともに、青色のヴァンにのって、LAからはるか2000マイル(3000キロ!)先のウィスコンシンまで、人を殺しに行く。というのが大雑把なあらすじ。
普通、ロードノベルや成長譚というと、明るい希望があるからこそ魅力的で、ページ繰る手もポジティブになろうというものなんだが、この物語は一筋縄ではいかない。ほぼ全編にわたって明るい希望が見当たらないのだ。後半になって主人公がたどり着いた先で、よーやくボヤーっと見えた「あれはひょっとして明るい未来につながるのかなぁ…」って希望の断片も、ものの見事に踏みつぶしてくえるし、オーラスの話の締めは、「ガメラ3イリス覚醒」に似た「それでも行くのか…」な哀しみを連れた未来しか見えないし…。
なのに、なぜか、この物語にひかれてしまった。もっとストレートな成長譚、もっと未来につながる旅物語の方が好きなはずなんだが…。絶望は嫌いだが、この作者の小説は、絶望であっても、追いかけてみたい、と思ってしまったんよなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレLAの一角しか知らなかった15歳の少年イースト。叔父が支配するドラッグ組織で見張り役をしていたイーストは、叔父の命令でほかの3人の少年たちと共にバンに乗りウィスコンシン州に向かう。目的はある人物を殺すこと。
犯罪組織に属する癖の強い4人が道中、平和に旅するわけがありません。どんどん問題を抱えていってしまう。仲間との軋轢を重ねながら、今まで知らなかったLA以外の地域、自然、人々を目にしてゆくイースト。
物語の最後になって、イーストは叔父の命令の真意を知ります。LAに戻り犯罪組織で生きていくのか、それとも東(イースト)で新しい自分として生きていくのか。イーストの決断に心を揺さぶられた。
この本、アメリカの地図付きだったらいいと思いました。カリフォルニアからウィスコンシン、そしてオハイオなど地図を辿りながらもう一度読みたい。
アメリカ横断のロードトリップをしたくなります。 -
Posted by ブクログ
彼らは何を見て、何を感じ、何を得るのか?
主人公イーストを含めた少年4人が、殺しの旅に出るクライムノヴェル。
地の文が続く。街。山。自然。車。土地。暮らし。殺人に向かう最中の車からの景色。殺人の緊張感と旅の優雅さ。緊張と緩和。目的に近づくほど、トラブル難題が待ち受ける。
殺人だけの関係。仲間達との旅路。急激な展開に先が読めない。
イーストも仲間も子供だ。それぞれの思惑、深い闇、どう解決していくのか。または過ぎ去っていくのか。見所である。
待ち受けている解放感。清々しい。「シスターズブラザーズ」とはまた違った、沸々と湧き上がる感情のざわめきがあった。次作も決定しているらしい。追いかけたい作家である。 -
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[6人目]1930年代にケンブリッジ大学在学中、ソ連にリクルートされた5人のスパイ"Magnificent Five(大物五人組)"。長いことその存在が噂されていた6人目のスパイの存在を明らかにしようと、長年の友人であるシャーロットから共著話を持ちかけられた歴史学者のギャディスであったが、その次の日、シャーロットが心臓発作により突然この世を去ったとの報が彼の下に届き......。著者は、新世代のスパイ小説の旗手と目されるチャールズ・カミング。訳者は、英米文学の翻訳家である熊谷千寿。
実在にあった話を土台とし、その上に緻密にリアリティのあるフィクションを重ねてきているので、(月並みな表現ですが)本当にあった話かと思わされてしまうほど。あの大物五人組に6人目がいたら......というキャッチーなつかみでギアが入ったら、後はもう次から次へと投げかけられる謎、そしてその解明の波に呑み込まれること間違いなし。何気なく手にした作品ですが、それにしては随分と楽しませていただきました。
主人公であるギャディスを始めとして、人間くさいキャラクターが多いのも本書を魅力にしている1つかと思います。また、その人間くさい不完全さが、人物を安易に白か黒で判断できなくなる効果をもたらしており、読者は「え?この人実は......」と呆気にとられること間違いなし。特に、個人的にはロシア大統領のキャラクター設定(模倣?)に苦笑してしまいました。
〜ある点を越えると、すべてが複雑になる。そうは思わないか?〜
本書を読んで改めてスパイ小説のことが好きだと思った☆5つ -
Posted by ブクログ
ネタバレダン・ブラウンの処女作。ラングドンシリーズを読み終わってから読んでみた。
すでに、ラングドンシリーズにしても良いくらいのスピード感があった。違う場所で同時に展開していくところや、最後に全ての事件が全て集結し収束していくところなどは、ラングドンシリーズに似ているだろう。また、黒幕が主人公の守護者というのも似ている気がした。わかっていても騙されるのが一番の面白みなんだろう。
ストーリーも情報の電子化とサイバーテロ(に似せたもの)とのたたかいとう、今後起こり得ることを題材にしており、とても楽しかった。
【追記】他の作品や他人の作品を読んだ後に再読してみると、「ビックブラザーが見ている」などのオマージュも何点かあり、そういう発見を面白かった。 -
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ネタバレダン・ブラウンの処女作。ラングドンシリーズを読み終わってから読んでみた。
すでに、ラングドンシリーズにしても良いくらいのスピード感があった。違う場所で同時に展開していくところや、最後に全ての事件が全て集結し収束していくところなどは、ラングドンシリーズに似ているだろう。また、黒幕が主人公の守護者というのも似ている気がした。わかっていても騙されるのが一番の面白みなんだろう。
ストーリーも情報の電子化とサイバーテロ(に似せたもの)とのたたかいとう、今後起こり得ることを題材にしており、とても楽しかった。
【追記】他の作品や他人の作品を読んだ後に再読してみると、「ビックブラザーが見ている」などのオマージュも何点かあり、そういう発見を面白かった。 -
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ネタバレ2026年の29冊目は、D・V・ビショップの「フィレンツェに悪魔が彷徨う」です。16世紀のフィレンツェが舞台の治安官チェーザレ・アルドを主人公とした歴史ミステリーです。
まずは、16世紀のフィレンツェという舞台設定、治安八人委員会の治安官や捜査官という初めて聞く主人公の設定だけで面白そうと思ってしまいます。
そして、冒頭の夜間外出禁止時間での捕物の場面でそれが間違いないと思えるでしょう。主人公アルドやコルテッロ伯爵夫人を始め登場人物のキャラクターも一癖二癖も有って、非常に良いです。
更には、実在する歴史上の人物、コジモ・デ・メディチ公が登場したり、当時の教会と住人との関係性、都市国家間同士の諜報活動の姿等が描かれており、歴史好きには堪らないと思います。
事件の犯人に驚きは感じませんが(余りにも露骨なミスリードです)、落ちの付け方は、好きです。
シリーズの他の作品も翻訳を望みます。
☆4.6