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亡き兄の恋人だった女性から、高利貸しに追われる妹ジャニーンを助けてほしいと頼まれた探偵“IQ”。腐れ縁のドッドソンを伴い、彼女が住むラスベガスに赴くが、事態は予想よりも深刻だった。ジャニーンは中国系ギャングの顧客情報に手を出し、命を狙われていたのだ。待望のシリーズ第二作。解説/丸屋九兵衛
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Posted by ブクログ
IQことアイゼイアが主人公となる黒人カルチャー満載のギャングスタミステリ。本作は黒人のみならずヒスパニックや中華、アフリカンなどが入り混じり、それぞれの社会の闇が産んだ「悪党」たちが対立する。 単純にIQはオタクっぽいし、風情は違うけど、自分は人種間問題を織り込んだジェイムス・エルロイ的暗黒小説と読...続きを読むめた。あれよりだいぶ救いは有りますが。スピード感があり、ミステリとして単純に面白いのも肝。
IQ1に引き続き兄マーカスを殺害した犯人探しを軸に、ジャニーンとベニーのギャンブル中毒カップルを助けたり相棒ドッドソンとシェリースの出会い話などのエピソードが絡んでいく。ドッドソンとシェリースが教会で出会いとジャーニンがアイゼイアの友人デロンダ宅で匿われている間の会話は最高に楽しいです。ドッドソンや...続きを読むデロンダなどの助演だけでなくジャニーン・ベニーのゲスト陣も強烈なキャラクターで読ませますが、主人公アイゼイアも一人でミステリーパートを受け持ち楽しませてくれます。どちらかだけでもつまらなくなるし良いバランスでは無いでしょうか。今回でマーカスの死について解明され、それによって尊敬する兄が聖人ではなかったことに気づいてしまいます。次回作からが本当のシリーズ開始になるような感じがします。がんばれアイゼイア‼
IQシリーズ。亡き兄の元彼女から依頼を受け、中国ギャングと相対するアイゼイア。それと交互して死んだ兄の事件の真相を追う。終盤に2つの物語がつながるまでどういう時系列なのかわかりにくかった。 しかしアクションあり、推理ありでエンタメとして気軽に読める作品と思う。またアイゼイアやドットソンが少しづつ成長...続きを読むしていくのも読んでいて楽しい。
「新しい私立探偵」というふれこみで読んだ前作がおもしろかったので読んだんだけど、うーん……。 主人公アイゼイアの印象が薄かったような。 メキシコ系、中国系、アフリカ系のギャングの話が絡み合って(アフリカ系の話はあまり知らなかったので興味深かったんだけど)、わけわからないうちに進んでいったような。 ...続きを読むそして、なんだか、すべての結末が想像とは違っていて、なんとなく腑に落ちない、というか……。 アイゼイアの兄マーカスが轢き殺された理由は、なにかすごい陰謀があったり、だれかを守ったりしたから、ということでなくて。 そのマーカスの恋人で、アイゼイアのあこがれの女性サリタはそこまですばらしい人っていうわけでもなくて。 結局、セブが実はサリタにゆがんだ恋愛感情をもっていたのがすべての発端だった、みたいなのは、なんだかなあ、と思ってしまったんだけど。 ルワンダ出身のセブのこと、あんなにおとしめるのもどうか、とか……。なんだか彼には同情していたので……。 でも、事件解決して、上に書いたようなことがわかって、アイゼイアがいろいろなことに気づいた時点で、なんだか突然おもしろくなったように感じたんだけど。アイゼイアがやっと目を覚ました、というか。ここから2巻をはじめてくれたらよかったんじゃないか、と思ったんだけど……。 次作読むのは迷うところ……。
LAのゲットーを舞台に青年探偵「IQ」の活躍を、ブラックカルチャーのリアルな描写を交えて描き出した前作。これが、めちゃ楽しかったので、読み切った翌日に2作目の「IQ2」を買ってしまった。 今作は、メキシコ系マフィアやチャイニーズマフィア、ルワンダ移民も登場し、前作よりもさらに登場人物が入り組んでい...続きを読むる。悪党どもが所属するコミュニティや彼らが背負っている文化的バックグラウンド、どうやってアガリを得ているかなどがしっかり描写され、そこに「多様性」を読み取れる仕組みになっている。「多様性」がテーマでありながら、「家族をどう築いていくか」の話でもある。それをテンポ良く切り取っていく手つきは、いまのアメリカのエンターテインメントっぽい。 細かいところだと、前作から積み残した謎を、今作できっちり解決してくれたのが良かった。あと、クラブマガの特訓シーンは熱いよね。 巻末の丸屋九兵衛による解説がすばらしい。まさに、「この人しかいない」という人選。 アメコミ邦訳版って、内容への理解を深めるために、単語や社会背景を解説する小冊子がついているんだけど、それに近いノリだな。中国系のDJが自己紹介する場面で「神風」や「ワサビ」など日本に関連する単語を使う理由とか、この解説がないとぜったいにわからないよ。 次回作、邦訳希望!
シリーズ第2弾。アイゼイアの兄の死亡事故の原因や兄の元恋人からの依頼と過去との繋がりが見えてくる今作。中国系ギャングが絡み命を狙われながらの調査。激しさを見せる展開とアイゼイアの推理、過去との対峙。人と深く付き合わず距離を置くなかで飼い犬のラフィンの存在がかわいくて和ませてくれる。過去と現在の間にあ...続きを読むるわだかまり、不安、孤独、そういうものが少しずつ変化していく今作でラストには次作が早く読みたくなる場面もあったりと楽しみ。
前作に続いて面白かった。主人公の成長が見られそうで、今後の展開が楽しみ。今のところは、まだ帯にあるような「暗黒街のホームズ」とまでは言えない感じだが、そう言う表現でなくても充分におもしろいと思う。とにかくロスのアンダーグラウンドのカルチャーや実態がよく分かる。作者はまさにそこから這い上がったそうだが...続きを読む、そのバックグラウンドが強烈に効いているシリーズ。
IQシリーズ2作目。轢き逃げに遭って死んだ兄の恋人サリタに頼まれて、彼女の妹を助けに向かうというところから物語が始まる。IQのサリタへの淡い恋心も匂わせ、もう悲劇の予感しかしない。主人公IQの、ひねた、影のあるキャラクタは相変わらずいい。相棒のドットソンも味がある。終わり方も個人的には好きだ。ただ、...続きを読むいかんせん、読みにくい。場面や時間軸がころころ変わり、視点も急に変わるのでなかなか物語がつながらない。あと前作に比べて探偵IQのIQたる論理部分が弱い気がした。雰囲気を楽しむ小説かも。
スクラップ場で兄のマーカスを轢いた車両を発見したアイゼイアは、事故は偶然ではなく明らかな殺意をもって計画された殺人だったと確信し、執念深く調査を再開した。そんなとき、かつてマーカスの恋人だったサリタから「妹を救ってほしい」と依頼される。昔からサリタに密かな片想いをしていたアイゼイアは張り切り、フィア...続きを読むンセの出産を間近に控えたドッドソンを再び相棒に誘って、サリタの妹ジャニーンがいるラスベガスへ向かう。だが、それはカジノの高利貸しと中国系マフィアとメキシコ系ギャングの三つ巴に足を突っ込んでいくことを意味していた。〈IQ〉シリーズ第2作。 前作のクールなアイゼイアから一転、今回のアイゼイアはコンプレックスまみれで人間関係が拗れやすい困った若者に。亡くなった兄の元恋人への想いは過剰に膨らんで暴走気味。アイゼイアのカッコつけが加速したせいでドッドソンも「敬意を示しながら話すことはできねえのか?」と懇願しだす始末。これに関してはマジでドッドソンの言うとおり。 しかし、そんなドッドソンへの冷たい態度も、サリタへの過度の期待も、兄を殺した宿敵の心理状態に近づくことで謎を解く伏線となり、アイゼイアの抱える孤独が敵と鏡像関係になる構成はやっぱり上手いなぁと感心。今回、さまざまなギャングたちの姿が “気がついたら今のように生きるしかなかった” 存在として、アイゼイアと対比されているように思う。そしてアイゼイアも自身が本当に必要としているものに自覚的にならなければ、同じ道を辿る可能性もあると示唆される。 対してドッドソンはビジネスの面では不安要素だらけなものの、フィアンセのシェリースを心から愛し、かつてのようなバカもしない。そんなドッドソンの環境を無意識に羨んでいるアイゼイアが、そんな自分を受け入れられずに憎まれ口を叩いてしまう負の連鎖にはやきもきするが、最後には読者の知らんとこで仲直りしてドッドソンは無事産まれた息子のミドルネームに「アイゼイア」とつける。もう勝手にせえ。 今作もクライマックスはギャングの抗争。ラモーナの死をきっかけにしてピタゴラスイッチ的に発生した抗争を利用したアイゼイア、8年の間に非情になっちゃって…。フランキーとマンゾの愛憎関係、バルサザーが死んでから彼が唯一の友人だったことに気づくレオ、ルワンダ内戦を生き抜いたセブとガヒギの絆など、ギャング側の私情も、語りはコンパクトだが熱い。 初登場のシェリースはめちゃくちゃイケてる女で、推しキャラの最愛の女がイケてるって最高だな〜! 前作では打算まみれのビッチ扱いだったデロンダも、今回はチャーミングな姉貴役。ラモーナとロコスの女たちのねじれた関係や、デロンダとジャニーンのシスターフッド、人身売買に手を出していた父を決して許さないヴァン姉妹など、女性の書き方も悪くなかった。 そしてなんといっても人種のごっちゃ煮としてのLAの書き方ったら。特に片脚を失いながらケンブリッジに通ったセブと、黒人とヒスパニックのハーフだった母と中国系マフィアの父のあいだに生まれ、同じくケンブリッジに通って弁護士になったサリタの対比は、よく考えるとエグい。「アフリカ系アメリカ人の土地にいるアフリカ人。そのふたつはそれぞれの大陸と同様にまるでちがう」というセブの述懐に、映画『ブラックパンサー』を思い出すのは必然だろう。(チャドウィックさん R.I.P) 丸屋九兵衛の監修がついて註が増え、特にNBA知識がない私はとても助かった。解説も大変ためになった。(でもあの解説を載せておきながら帯で〈暗黒街のホームズ〉をまだ使ってるのはどうなの?)
前作との比較をすると、スケールが大きくなり、何度も死んでもおかしくない場面が多数描かれている。兄の元カノが、アイゼイアを危険な仕事へといざない、前作からの謎である兄の死の真相を探りつつ物語が進む。 移民の国アメリカのアフリカ系黒人、ヒスパニック、アジア系の悪人がそれぞれの理屈で行動を起こす。 小説...続きを読むとはいえ、アメリカという国が抱える一面を描いたものになる。銃が身近にある社会での生活は、常に生死を分ける選択の連続。人生の落とし穴、成功とは何か?それぞれの価値観を軸に登場人物が行動する。 そして読者の睡眠時間が削られていく・・・
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