あらすじ
LAの若き青年探偵“IQ”は、音楽界の大物が命を狙われているという事件に挑むが……新世代の“シャーロック・ホームズ”登場! ミステリ賞を多数受賞した鮮烈なデビュー作
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数年前に評判になった一冊。途中までは面白かったんだけど、だんだんよくわからなくなる。黒人版ホームズを期待すると、ある意味そうなんだけど、ミステリーというよりはクライムノベル。
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相棒もの、好きだ…。相変わらず横文字が苦手で、登場人物の名前がなかなか覚えられない+ラッパーの専門用語?が全然分からなくてリタイアか…と思ってた自分!ばかもの!この小説には愛が詰まってるぜ…ちょっと下品な表現が多いけど、それはサーッと読めばいいんだ。
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大なり小なり登場人物はすべて悪党だ。
現在と過去を行ったり来たりしつつ物語が進んでいく。
そんな悪党のなかにも、自分の中にルールを決めて守り抜くのが主人公。それが、悪党世界の常識から外れてでも、矜持を持って行動する。
登場人物は誰も彼も何かしらの問題を抱えている。一癖どころか二癖ある輩たちの物語。とても面白いシリーズだと感じた。すでに2巻目が発売されている。早速今日から読み始める。
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ギャングスタラップの世界に潜り込むシャーロックホームズ的な面白さ。トリックを暴くタイプではなく、状況を読み解き、論理的に原因を突き止める所もホームズっぽい。
本国ではすでに第3巻まで刊行されているようなので、邦訳も続いてくれることを願う。
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ラッパーが多く出てきて面白い。
ギャング、ドラッグ、いかれぽんちでハードボイルドに近い。はたしてここに出てくる黒人文化はどこまでリアルなのか。
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青年探偵が犬を使う殺し屋を探し出す仕事を請け負い。殺し屋とその雇い主を探す話。また合間に探偵になる契機挿入し、交互にすすめている。スピード感がありエンタメ性にあふれた作品て映画を見ているような感覚だった。じっくりした推理を目当てにしているならこの作品は向かない。元犯罪者の主人公は人を選ぶかもしれない。
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LAのロングビーチで探偵を営むアイゼイア・クィンターベイは、頭文字をとって“IQ”と通称されるほどのキレ者。とある事情でまとまった金が必要になったIQは、かつて同居していた腐れ縁のドッドソンと共に、〈ラッパーを襲う巨大ピットブル事件〉の謎を追うことに。18歳のときに目の前で兄を亡くし天涯孤独になったIQは、ドッドソンの誘いで“悪さ”に手を出し、取り返しのつかない事件の加害者になってしまった過去を持つ。罪を犯した2005年と、償いのため街の人びとの悩みを解決しようと奔走する2013年のエピソードが同時進行し、IQという探偵が生まれたわけを解き明かす、ポップな探偵シリーズ第1作。
「現代アメリカの黒人文化に造詣が深い作者によるヒップホップ小説にして、シャーロック・ホームズに倣った思考術を操る探偵小説である」とか、「スキップのあだ名“マゴット”って元ネタ『ハマースミスのうじ虫』かな?」とかは言い尽くされているだろうから、私はアイゼイアとドッドソンの関係性が最高なBLとして読みましたよという話をします。
アカデミック・デカスロンの地区チャンピオンで、ゆくゆくはハーバードに進学するはずだった優等生のアイゼイア。対して、地元のギャングに所属する若きクラックの売人ドッドソン。同級生ながら本来は交わるはずがなかった二人が接点を持ったきっかけは、アイゼイアの兄・マーカスの死だった。両親が死んでから兄と二人で暮らしてきたアイゼイアは、一人になっても今のアパートメントを離れたくないばかりに、家賃をアテにしてドッドソンを同居に誘ってしまう。
ドッドソンはすべての元凶であり、こいつのせいで何人もが血を流すことになった正真正銘のクズなんだけど、なんとも言えずカワイイやつ。162cmのオシャレさんで、服道楽に金を費やすかと思いきや、料理が趣味でフードチャンネルのアイアン・シェフやチョップドをよく見てたり、アイゼイアの予測に反して綺麗好きだったりする。アイゼイアに初めて食べさせた手料理のチキンガンボを、8年後にまた作って出したのに気づいてもらえずがっかりしちゃうんだよ? 完全に萌えキャラじゃん。アイゼイアにいつも推理を先回りされて悔しく思っているが、他人の感情を汲み取るコミュニケーションの面ではドッドソンのほうが優れていたり。兄の死から目を逸らしたいと思っているアイゼイアの気持ちを察して、優しい労わりから強盗をやろうと持ちかけるやり口なんかサイテーでサイコー。このドッドソンのワルなんだけどお茶目なキャラ設定のおかげで、二人の同居生活が「悪質だけどていねいな暮らし」になっていく、その描写がほんとうにツボ。
2013年時点では殺し屋にも一目置かれるような探偵になっているアイゼイア。2005年のまだカッコ悪い頃の姿を記憶しているのはドッドソンとデロンダくらいだ。ドッドソンはアイゼイアは常に上から目線で自分をバカにしていると感じているらしいが、同居時代のアイゼイアはドッドソンの世慣れた振る舞いに少し憧れていたような心中の描写があり、それを表に出さないようにしているところにニヤついてしまう。ドッドソンお手製のBLTサンドで、兄が死んで以来失っていた、食べ物を美味しいと思う気持ちがアイゼイアに蘇ってくるくだりもすごくない? BLじゃないっていうほうがおかしいよ、こんなの。2013年のドッドソンの家に行ってテレビの録画見ながら「なぜここで鑑賞することに同意したのか、そもそも、なぜそんなものを鑑賞すると言ってしまったのか、アイゼイアは自分でもわからなかった」って一文もなに? ありがとうね。
ドッドソンがやらかしたド級のバカ失態のために、アイゼイアが不本意ながらピストルを握ってしまうクライマックスは心で感謝の涙を流しながら読んだし、二人の和解の会話はもう…こんなに気が利いてていいのか。ここまで全然触れてこなかったけど、ピットブル事件をめぐる推理と音楽業界の裏事情も勿論めちゃくちゃ楽しみました。ネットフリックスとかでドラマ化したらすごい流行るんだろうなぁ。その前に表紙にドッドソンも描いてくれ。たしかに全くバディものを期待しないで読んだ私はものすごいお得感を感じられたけど、絶対アピールしたほうがいいでしょ。
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割と爽やかな読後感で良かったんですけれども、なぜだか読むのに時間がかかりましたね…難しい表現とかないし、スラスラ読めるはずなのですが…なぜだろう! 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、翻訳物でして舞台も向こうだし、そういった馴染みのなさが読み進むのを阻害していた感じが否めませんね…。
結局、ミステリしていたのかどうか判然としませんが(!)、映画を観ているような感覚もあり、日本の小説では味わえない感じを味わえましたね!
続編も出ているようなのでまあ…100円で手に入れば読むかな…さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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シャーロック・ホームズのトリビュートものは映画なりドラマなりで多くある。この書籍もその一つ。
登場人物の心情を深く掘り下げ、行動に理由づけるところがコナン・ドイルのシャーロックらしい。
テンポの良い展開だったが、登場人物の描写が丁寧で散りばめられた付箋がしっかり回収されていくところはミステリーとして楽しい。続編もあるとのことなので読んでみたい。
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面白かったけどミステリとして読むより、アクションとかサスペンスとかそういう要素の方が強いと思うのでそのつもりで読んだほうが楽しめるかも。
作者はホームズが好きらしく、黒人のホームズというようなことがいわれてたけどホームズ感もそんななかったと思う。
バスカヴィル家の犬を彷彿とするような場面もあったりはするし、主人公が頭が良くて腕っ節も強いという点ではホームズ感はあるけど性格は似てないとおもうので。
でもそういうのは特に考えず読めば十分に面白かった。
現在のラッパー殺しの事件と、過去のアイゼイアやアイゼイアの兄、ドッドソンにまつわる事件とが交互でえがかれる。
スラングの多用やアクション要素もありつつ、アイゼイアと兄との関係には切なさやヒューマンドラマ的な良さがある。
相棒のドッドソンも嫌な奴な部分も多いけど良いとこも繊細なとこもあってなんだか憎めない。
最後はちょっとかっこいいとこみせたのでよかった。
続きそうだなと思ったら2作目だけでなく3作目まで海外ではでてるようなので続き読めるのが楽しみ。
Posted by ブクログ
過去に何かを抱えているらしき主人公の、その過去の何かが明かされていく章と現在進行形の事件が書かれる章が交互に出てくる。少しずついろいろ分かってくるので、読み終えた後にもう一度最初に戻って確認して納得する。
コイツほんとに腹立つわーと思っていた「相棒」がいいとこを見せるラストが爽やか。お兄さんの敵討ちはどうなるのかなと思っていたらこれもラストに仕掛けがあって、続編が楽しみである。おもしろかった。
Posted by ブクログ
読みやすそうな表紙だけど、スラングや
人種独自の感覚、場面の切り替わり方とか
翻訳物初心者には少し読みづらいかもしれない。
(読む価値はある)
「低所得者と犯罪の多い地区のシャーロックホームズ」
読む前はラッパーが絡むし、黒人なので勝手にラップを聴く明るめの探偵なのかと思い込んでいた。
ジャズを聴くし、常にクール(冷静)
観察眼も冴えるIQという名前の探偵が主人公
事件はラッパーが殺し屋に狙われるよくある感じの設定なんだけど、命を狙ってくるのが「猛犬使いの殺し屋」ってのもなかなか面白かった。
ただ場違いな環境に生まれた天才が活躍するって話ではなく、「何故、彼は探偵をしているのか?」がわかる過去パートを間に挟み
つつ進む。
兄の死を乗り越えるために前に進んでいく話でもある。
厄介な相棒と組んで犯罪に手を出すの
はちょっと…とか思ったけど
シャーロック・ホームズもまあ薬物中毒っぽかったから、まあいいか…
あと元ギャングの相棒ドットソン(ワトソン役)よ…下手な商売をしないで、料理の店でも開けば、大儲けできるぞ兄弟
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貧困層で暮らしている超絶頭脳を持つ主人公が、自分の周りの世界を守るために推理・行動をしていく、という物語。
過去と現代が交錯する物語である事に加え、登場人物がかなり多いこともあり集中して読まないとついていくのが大変ですが、その苦労に値する内容でした。過去の物語が進む中、主人公が何故この生活をしているか、という事がわかった瞬間、非常な切なさに包まれたのも事実。このため過去の章は読むのが割とつらかったです。
ただ主人公と推理力と行動力がずば抜けているため、読んでいて非常に爽快でもありました。一方、推理小説成分が思ったより多くないため、濃厚な推理小説を読みたい人からすると肩透かしを受けるのも事実だと思う。ミステリーというよりは、アクション・ハードボイルドよりの作品というか。
全般的に人間ドラマとして読むと非常に良くできた作品でした。登場人物にダメ人間が多いけど、ラストの小切手のくだりは本当に素敵だし、最後の最後で出てくる車の件も見事。ラストが良い小説って本当に印象に残るよなぁ、と思わせてくれた作品でした。
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過去と現在が交差し、徐々に主人公の背景が見えてくる。
はよ縁切れよって、思いながら読んでたが・・
最後ちょっと分かりませんでした・
この作者は日系じゃないなー。
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ヒップホップカルチャーやギャング抗争など黒人文化圏の背景にしている点が自分にはとても刺激的。時間軸を交差させながら明らかになる黒人青年探偵IQの心の傷と強くあらんとしクールにならなければならなかった様がいい。チャンドラーのクールネスとエルロイの描くクライムノベルの暗黒街の有様がこの物語に読書感の中で重なった。自分にとって日本でこれを描くなら井上三太のトーキョートライブになると個人的に思ってる。
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ハードボイルドなストイックさ
作者は自分の理想を描いてみせた。
同じ理想を持った自分は、それを読んで、少し救われた。
毎日の新鮮さに気づくことが出来た。
ありがとうの思いとして、これからも読み続けたい。
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黒人が主人公の探偵役,障害児の少年を面倒見ながら生きている.腐れ縁のドッドソンと危ない橋を渡りながら,金のために引き受けた仕事でなんども死にそうになる.IQと異名をとるほどに冴えた頭脳,レーサーのような運転技術など才能溢れるアイゼイアが,挟み込まれる過去の話でだんだんくっきりとしてきて,どんどん魅力が増してくる.ストーリーも面白かったが人物も良かった.
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話の展開が早く、読みやすい。情報量が多くて、しかし登場人物の多様さと現実感のバランスが良くて受け入れやすい。結末はとても呆気なかったけれど、アイゼイアとドッドソンの掛け合い、許せないこと、受け入れ、利用し、理解すること、それら一つ一つの過程を見ているのはとても楽しかった。過ちは消えないけれど、後悔を受け止めたアイゼイアの姿をまた見たいです。続編も待っています。
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渡辺由佳里さんの本で紹介されていて知りました。
ロサンゼルス在住の黒人探偵が物騒な地域を根城に活躍する、新しいシャーロック・ホームズものとしては楽しかった。
相手にするラッパーやドラッグ売人、レコード会社プロデューサーなども現代的で面白い。
ただ最終の謎解き部分が、??が多いのと、あまりにも多い固有名詞について意図が理解しきれず、なかなか読み通すのも大変だった。
Posted by ブクログ
ギャングの跋扈する地帯で両親を早くに亡くし、年の離れた兄に育てられた異常に頭の良い青年の謎解きミステリー。
相棒役は、高校時代から薬物ディーラーをしていて家なしが故にお互いに嫌々ルームメイトをしてきたドッドソン。著名人にはヘコヘコするし金で動くしなんもわかってないのにクライアントの前ではパフォーマンスだけするし基本的には嫌な奴なのに、料理の鉄人のファンでめちゃくちゃ凝った料理作ってくれるとかちょこちょこ憎めない設定が入ってる。
頭の良い黒人が主人公という小説は初めて読んだ。オバマ大統領の後から、段々と成績も良いけどクールな黒人というジャンルが開拓されてきた(あるいは、日本人にも可視化されるようになってきた)気がする。主人公の感じはなんとなくケンドリック・ラマーと思わせる。いつか映画化されそう。
書き手が還暦近い日系人てとこもびっくり。
結局お兄さんの復讐劇と小児性愛のヘンタイの話は次巻以降にお預けなのね。
Posted by ブクログ
またまた渡辺由佳里さんのオススメから。(まだまだ続きます)
著者の地元、犯罪多発地帯として知られるロサンゼルスのサウス・セントラル地区を舞台にした犯罪小説、ということで、勝手に重厚な社会派ドラマかと思ってたけど、意外にもハリウッド的アクション満載な軽い物語でちょっと驚いた。
うーん、こんなことは言いたくないのだけど、訳がひどい。
すごくおもしろい話なのに、訳文が、一度読んだだけでは意味が分からなくて、3回くらい読んでやっと理解できる、ということが多々あった。5回読んでも結局意味が分からない、という文章も数回あった。とにかく読む勢いを削がれるったらない。
これは担当編集者の怠慢じゃないのかしらん。
あと、意図がよく分からない謎のルビも多かったなぁ。
(例えば、「落書き」にグラフィーティ、「私道」にドライブウェイ、などとルビがある。そのルビ必要?)
お店の名前は100%カタカナ語で処理、もいかがなものかと思った。例えば「トップ・ノッチ・アプライアンシズ」とかは何の店か分かるように、日本語混じりで訳せるんじゃないの?などと思ってしまった。まあこれは好みの問題ではあるけれども。
ということで、なんというか、元がおもしろい作品だったから最後まで読めたけれど、訳のせいでひどく疲れた。
本来はもっと評価が高くてもおかしくない作品だと思う。
ブラザー版ホームズ、というのがとても新鮮だった。
ワトソン役のドッドソンがとても良いの。
欠点だらけのほんとにしょーもない奴で、たぶんホームズ焼き直し史上、最低のワトソンだと思うけど、これまた欠点の多い主人公、ホームズ役IQの弱点をばっちり補完してもいる。
ドットソンが料理するシーンが特に好きだった。
特性サンドイッチ、すごくおいしそうだったなぁ。
読んでいて私まで料理したくなった。
ハーブ入りのマヨネーズって、なんのハーブ入れてたんだろう・・・映画では彼の料理シーンは詳細に描いてほしいなぁ。
1冊の本の中にたくさんの事件を詰め込み過ぎかな。読み終わるとかなりおなかいっぱいになる。
サービス精神が溢れすぎて、盛り過ぎる作家、という印象。
映画化されるときっとそういう過剰な部分がそぎ落とされて、すごく面白くなりそう、と思った。
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海外の作品は何かと読み辛い。
それでも面白いと読むスピードが増していくのだが、そこまでの高揚感は憶えなかった。
この作品は軸となる部分よりその他のところの方が味があるような感じする。
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LAのブラックコミュニティを舞台に、「IQ」と呼ばれる若い探偵(a.k.a.便利屋)が活躍するミステリ。
街の治安がとにかく悪いし、登場人物も薬物依存症のセレブラッパーや、元ギャングスタの実業家、レコード会社のあくどい社長など、ロクでもない(けど、どこか愛すべき点がある)連中ばかり。時代は違うけど映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を連想してしまった。
主人公「IQ」は、冷静でやさしく、こころに傷を抱えている。舞台立てが猥雑でにぎやかなぶんIQの人物像が引き立つ。
ヒップホップカルチャーの描写が楽しい。ヒップホップカルチャーとミステリを組み合わせるために、とても工夫をしたんだろうなあ。全体のテンポが良くて、ウェルメイドなエンターテインメント映画をみている感じだった。著者のジョー・イデは日系アメリカ人というのも興味深い。
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ギャング達の口数が多過ぎて、ストーリーが頭に入らずなかなか進まない。セリフや描写が90パーセント無駄に感じるシマツ。ドットソンが料理上手なところ、なんとなくハッピーエンドなところで★3
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いきなり視点人物が変わるので、ちょっと読みづらかった。最近のアメリカミステリでは、男主人公が頭がよく才能にも恵まれ、性格もいいのに、運命の悪戯で裏社会で生きざるを得ないという設定が多い。本作『用心棒』『東の果て、夜へ』とか。流行りなのか。シリーズものとして先が楽しみなのは、兄の死の謎を残している本作かな。轢き逃げには違いないが、基本的にお兄さんの不注意のせいと思っていたら、解くべき謎があるらしい。
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ロサンゼルスに住む黒人青年のアイゼイアは"IQ"と呼ばれる探偵だ。
ある事情から大金が必要になったら彼は腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。
だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ!」という異様なものだった。
奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。
そんな彼が探偵として生きる契機となった壮絶な過去とは…。
(あらすじより)
探偵は裕福か金に困ってるか両極端だなぁ。
今回の探偵IQは金に困ってる方。
でも、ズボラなのではなく病気の子供(赤の他人)のために金が必要なのが好印象。
クールで綺麗好き、無愛想だけど心根は優しい。
続編もある終わり方なのでまた読みたいな!
Posted by ブクログ
分かりやすく惹かれる序盤に過去と現在、別角度からの交差する視点。無駄のない展開に、簡潔な最後の一撃。
小気味良く続きも気になる佳作。
そうそう、続編への引きってこういうのでいいんだよと頷きたくなる繋ぎも見事
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コントラストが眩しい小説。
現在と過去。
IQとドットソン。
論理と感情。
最高にクールでかっこいいIQ。
いかがわしいが憎めない男、ドットソン。
この二人の関係を軸に過去と未来で物語が疾走する。
現在をラップにノッてクールに論理的に描き、過去は人間としての成長を情感豊かに描き出す。
論理的にも感情的にも許せないドットソンの最後に見せる粋な計らいには思わずホロリ。
続編も大いに期待したい。
Posted by ブクログ
IQと呼ばれる主人公のキャラクターがとても良い。彼の武器は知性に基づく徹底した観察力。でもどこか、脆さと悲しさを感じさせるところが一つアクセントとなっている。ただ個人的にストリートギャングの物語が苦手であること、他の方が買っている場面の展開の速さに私はついていけなかったことで星3つ。それでも続編が出たら読むと思う。著者がフランシス・フクヤマのいとこであるのが一番驚いた。