感情タグBEST3
Posted by ブクログ
CSISのウォーゲームのような米中戦争のシュミレーション
戦闘経過は違うものの、戦争の結果と戦後の世界秩序の変化については、CSISのレポートに似ているのではないか?
本書は2034だが、2027までに起こりうると言われている現在、私達は何に備えておけばいいのだろうか?
トランプ政権からの流れが、先の大戦前の状況と似てるところがあるのが気になる
Posted by ブクログ
米海兵隊の特殊部隊に従軍していたアッカーマンとNATOの最高司令官も務めた元米海軍大将スタヴリディス提督が書いた米中戦争のシミュレーション。
戦争という国家間の危機においても、当たり前だけれどそこには判断、実行を重ねる個人がいて、その積み重ねが結果につながるのだと改めて感じた。
各登場人物の背景や考え立場が表現されていて、少しずつ思惑のボタンがかけちがうことでエスカレートしていくさまがリアルで、恐ろしくて、興味深かった。
国家間の歴史、関係性や地理、ホワイトハウスの高官や米海軍での役職などの分掌を理解して読むと、より面白さを感じられる気がする。
これからは国防においてはサイバー能力がいかに重要かということについても理解が進んだ。
日本の外務省が中国のサイバー攻撃を受け大規模な情報漏洩を起こしていたとのニュースを目にしたばかり(しかも米政府から警告までもらっている)で不安は募る
今後もサイバーセキュリティの観点でもニュースにアンテナをはろう
Posted by ブクログ
いま、ウクライナで『戦争』が起きていますが、これはそれよりも先の話。
ここで描かれているほど、ICT機能においてアメリカが中国に劣勢になるという事は、ちょっと考えにくいのではないかと思いますが、アメリカと中国が何かしらの事柄で衝突するという事はありうる話だと思います。そういう意味で、これは現実の話ともいえるのではないかと。いまから12年先の話ですからね。
それと、思いの外インドが力をつけているのも興味深いですね。これも、現実としてありうる話ですね。インドの経済成長の著しいです。ウクライナでの『戦争』で、中国と同じく独自の立場をとっているのは、その自信の表れなのかもしれません。逆に言うと、アメリカの威信の低下を示しているとも言えますが。
核兵器を使うと、たとえそれが戦略核ではなくて戦術核だとしても、未来は無いんですよねぇ。
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サイバー攻撃がどういうものなのか、臨場感を持って伝わってきた。物理的な武力で勝ってれば良いというものではない。なるほど。
あと日本の影の薄さもなんだかリアル。西側陣営の小国の1つみたいな描かれ方、というか事実そうなんだろうな。
Posted by ブクログ
作者は本書は警告の物語だとインタビューで答えているけれど、そのとおり、戦争は誰もが避けたいと思っていても、気づいたら後戻りできない地点に来ていて、始まってしまう、という怖さを感じた。我々は戦争を起こさないための弛まぬ努力をし続けなくてはならない。
もう一つの示唆はテクノロジーの重要性と、プランBいやBどころかCやDまで持っておくことの重要性。最新のテクノロジーを開発し活用していくことが安全保障には重要だし、他方でそれに頼り切ってしまうことは危険。
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近未来に米中が戦争となる仮想戦記。
中国、イラン、ロシアが絡みアメリカが中国との戦争に引きずり込まれる。
米中戦争となれば、影響必至の日本について本書ではほぼスルー。
日本不在で物語は進む。
まぁ、実際米中で戦争になれば日本なんて両国にとってはあまり関係ないことは予想の範囲内。
Posted by ブクログ
フィクションであり、サイバーに関して極端になんでもできすぎることになっていることに違和感は感じるものの(台湾侵攻の容易さとか中国の行動にち密さと杜撰さが混在していること等、違和感があることをあげつらえばきりがないが、フィクションなのでそこを難詰めすることに意味はない)、米中の対立においてどのような事態が生起しうるのかの頭の体操としては楽しめた。
一番興味深く印象深かったのがインドの行動。
米中の対立に、中立の立場で両者に軍事介入するという行動。
これが実際に行われるのかどうかは全くわからないが、国際社会において存在感を示すという意味で、軍事力の非常に効果的な使用法であり、米中戦争(厳密には戦争ではない。散発的な武力の応酬というべきか。)の中で、一番の果実を得るのがインドであると描くのは、フィクションではあるものの著者の慧眼と感じた。
翻って日本について考えてみた場合、米国との同盟との名の下に、完全に欧米に追従する形の行動をとって、本当に国際社会において存在感を示せるのか。
何もせず、米国、そして日本が国際社会の中で相対的に国力が低下していく中で、国土や経済的な権益を確保していけるのか。
戦争は望ましくないものの、(ウクライナを見ても明らかなように)結局のところ軍事力がなければ国を守れない現実を目の前にして、いかにして今後軍事と経済のバランスを考えなければならないかということを改めて感じさせれた(本書そのものの内容からは大幅に脱線しているが)。