泉ゆたかのレビュー一覧
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貸本屋を営んでいた父が亡くなり、母と妹を養うために蔦屋重三郎が営む書店・耕書堂で奉公することになった勇助。
だがその初日、いきなり蔦屋から『この耕書堂の跡を継ぐ、蔦屋の息子だ』と宣言され戸惑う。
そこから始まる、勇助の目まぐるしい日々を描く。
非常に分かりやすい内容。
ここで描かれる蔦屋重三郎もイメージ通りの豪快で、こうと決めたら突き進む敏腕プロデューサーという感じ。
勇助はそんな蔦屋のそばで時に学び、時に自分で考えて曲者作家たちに作品を書かせるために奔走する。
一方で、『蔦屋の息子だ』と宣言されてしまったゆえの負の部分も描かれる。手代頭の正蔵から酷く妬まれ嫌がらせを受ける。
勇助は何故蔦屋 -
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知里幸恵は、言語学者・金田一京介の依頼により
ユーカラの筆録・翻訳の手伝いをするため東京へ来た。
北海道にいる時はアイヌということだけで差別を受ける。
P123
〈常に和人の下で、貧しく愚かに希望なく生き続けることを望まれているのだ〉
東京見物も出来ないほど忙しく本の翻訳をする日々。
体も弱く、無理をすると寝込んでしまう。
アイヌ民族のために捧げたい人生だったが
幸恵は19歳で命を落としてしまう。
あまりにも短い。
幸恵の目を通してその時代の女性たちの苦しみも伝わってくる。
(和人、アイヌ問わず)
アイヌの華やかな部分だけを目にしがちだが
『ユーカラおとめ』を読んだことで
知里幸恵さんのこ -
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タイトルに引かれて。私も大阪出身なので気になり手に取りました。
大阪のおばちゃん・とし子の畳み掛けるようなしゃべりがすごい…キャラ濃いなぁ。
短編集ですが、おばちゃんのちょっと(?)強引なおせっかいが悩める人たちを救うストーリー。
『人に話すと、そんだけで結構楽になんねんで』
悩みを吐き出せる相手がいる、話を聞いてくれる人がいる。自分のために一喜一憂してくれる人の存在って大きい。
登場人物たちみんなそれぞれの事情で悩んでて苦しそうだったけど、なかでもとくに印象に残ったのは「道頓堀転売ヤー」
悲しくも虐待のニュースが絶えないけど、ある点において改めてネグレクトの罪深さを認識した。
もう -
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グイグイとお節介をやくとしこさん、そして人の心を動かして笑顔にさせてくれる。そんなおばちゃんにも暗い過去、そして家庭問題もある。
ネタバレなのでこれを読んでる方は注意です。
息子は事故で、しかも彼女を迎えに行く途中のバイト事故で寝たきりに、義母は容赦ない嫁いびり。旦那は亭主関白。何も悩みがないと思っていたら問題を抱えていて、しかもわがままだった。そして息子の彼女に甘えたり、嫉妬したり、感情の起伏も激しい。
そんなおばちゃんの内面を後半に持ってきて裏切られた、最初に持ってきてどうして明るく人を元気にさせてくれる人になったのかに繋げてほしかったと思ったが、人は多面性があり、出会いによって人生が激