【感想・ネタバレ】玉の輿猫 お江戸けもの医 毛玉堂のレビュー

あらすじ

獣と人間が心を通わせることはできないのでしょうか――?

谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」。
動物好きでしっかりもののお美津と、腕は確かだが不愛想な医師・凌雲が営む、動物専門の療養所だ。
近頃、とってもお利口さんなのに、足腰に問題を抱える犬たちが頻繁に運ばれてくる。
その犬たちは全て、浅草寺の犬屋「賢犬堂」から買われていた。
何か原因があるのかしら? 美津は不穏な思いを抱くが――。

江戸の世でも、ペットを思う気持ちは今と変わらない――。
お江戸のドクター・ドリトル、もふっと可愛くほっこり温かい傑作時代小説第2弾!

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Posted by ブクログ

お江戸けもの医 毛玉堂2作を続けて読んでみました。
凌雲先生の見事な診察、見事な推理で動物たちも飼い主たちも幸せになります。
凌雲先生とお美津さん夫婦が素敵です。

『大好きな人がいるとき、お化粧というのはとても良いものだ。』

そんな、お美津さんがとてもかわいい。

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2024年11月16日

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元小石川養生所の医師“吉田凌雲”と妻“美津”が営む『お江戸けもの医毛玉堂』の日々を生き生きと綴る続編 連作短編集

的確な診療の凌雲、飼主の心に寄り添う美津
お互いに信頼しあいゆっくりと愛情を育むふたりに頬が緩みます

お仙、善次のレギュラー陣も登場し物語を彩ります

動物のちょっとした仕草や表情がとても愛るしく目の前で見ているようです
もの言えぬ家族たち、いのちの尊さが描かれた大好きな作品です

シリーズ化、希望です!
よろしくおねがいします

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2022年11月27日

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凌雲と美津の夫婦が、やってくる患者動物にまつわる困りごとを解決していく様子が温かくて微笑ましい。
仙も、いい子なんだよねー、ちょっと困ったところもあるけどw
あの子もまた登場してくれて嬉しい。
けんけん堂の主人が、本当はどういう人なのかと思ったら、そうだったのか。今後も登場してくるかな。
元気なてろ助も可愛いわー。飼い主嬢も、分かってくれてよかった。
夫婦の仲がゆっくり近づいていくのも微笑ましいし、きっと3作目もあるよね。
凌雲目線のお話も読んでみたいかも。

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2022年11月23日

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ネタバレ

毛玉堂! 祝続編! このままシリーズ化よろしくお願いします(*^^*)

 今回は犬の話が多かったですが、その中に鸚哥やお仙の花嫁修業の話も混じって楽しかったです。

 この時代にもう鸚哥って買われていたんだとか思う私。
 知らないことを知るのは楽しいです。

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2022年11月16日

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ネタバレ

シリーズ2作目。前作よりも読み易いと感じました。
登場人物説明、状況説明がそれほど必要ないからかもしれませんが。

毛玉堂には近頃、お利口さんで脚が悪い犬の相談が持ち込まれることが多く、美津は気になっていました。
その共通点は「賢犬堂」から譲り受けた犬ということ。
人間の都合で無理な掛け合わせをしたせいではないかと美津たちは思っているのですが ―― 。

「賢犬堂」の主人、伝右衛門が思いの外、犬達への愛情があることに驚きました。人間と一緒に暮らせるようにとても厳しい躾をしていることに愛情と相反するものを感じたのですが、それも悲しい経験からくる伝右衛門なりの優しさでした。
でも、尾が千切れるほどの怪我をしても鳴かない犬はやっばり尋常ではないです。その犬、影法師が、てろ助を見て感情を取り戻すところは涙が出そうでした。
てろ助は飼い主、文の偏った愛情によって躾をされず、奔放に育てられていましたが、あるトラブルがきっかけで今度は体罰による躾をされ、心を閉ざしかけました。
正しい躾のアドバイスをしたのは伝右衛門です。
そんなてろ助が少しお利口さんになって影法師の役に立つなんて…。

病気のことなら「毛玉堂」、躾の相談は「賢犬堂」と役割分担が出来ました。シリーズの今後が楽しみです。

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2025年09月28日

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ネタバレ

お江戸けもの医毛玉堂というフレーズにキュンときて読んだものの、これシリーズモノの2作目だったのか!と半分以上読んでから気づく。1作目から読みたかった残念さ。。
でも短編連作みたいになっているから、読みやすいし面白いし、動物好きにはオススメしたい作品!
時代背景や作中の小物などはたしかに【お江戸】だけれど、話し言葉が現代語と大きく変わらないのでクセがなくて読みにくさもなかったです。
仙さんも強い決意で花嫁修行に戻って行ったし、けんけん堂の伝右衛門さんとも和解して、ビジネスパートナーみたいになるハッピーエンドで良かった。

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2025年04月21日

sun

購入済み

動物物語では収まらない娯楽作

猫の「玉の輿」に関する話が中心となります。ユーモアに満ちたエピソードを通じて、動物たちの生活や人間との関係性が描かれ、読者に笑いと温もりを提供します。特に、動物たちの個性が生き生きと描かれており、それが物語に深みを与えています
動物の治療を通じて、人間の生活や心の内面も浮き彫りにされ、主人公の凌雲とお美津が抱える問題や、患畜の背景を通じて、人間関係の複雑さや喜怒哀楽が表現されている
この深みが、単なる動物物語では収まらない娯楽作になっている

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2025年02月16日

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谷中でけもの専門の医療所「毛玉堂」の医師凌雲と美津の夫婦。
毎日訪れてくる患畜とその飼い主たちの相手をして忙しく過ごしている。
そんな日々のなか、身体を小さく作らされた犬達が増えていることに気づく。それらの犬達はみんな「賢犬堂」という犬屋から買ったものだという。
その主人は犬の身体を壊しかねないような交配をする悪者なのか。美津たちはどんな人物なのか確かめる為に会いに行く。
動物達と人との絆が描かれていて心が暖かくなる。
美津と凌雲との仲も少しずつ夫婦らしくなってきてこの先が楽しみ。

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2025年11月26日

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人にとって獣を飼うというのは、一生獣に振り回されることでもある。(p.66)
〔毛玉堂〕夫婦なのにいまだ男女の関係になってない二人。
〔お仙〕武家の行儀作法を教えてくれる家でどうも上手くいかず里帰り中。
〔けんけん堂〕全編通じた話題。主は伝右衛門。見目が良く賢い犬で評判を取っている犬屋。骨盤が細く脚が痛みやすいのも特徴。
〔白魚〕美しい白い毛並みと青い瞳の猫。脚が痛そうだ。飼い主の千紗とともに大きな商家に入った。
〔赤玉〕緋鸚鵡。料亭の看板鳥だったが加齢で引退、長年世話していた番頭の種市が自身の隠居と同時に引き取った。
〔仲蔵〕信頼できる鳥屋。
〔てろ助〕焼いた餅のような柄の、白くて大きな犬。気はいいがまったく躾ができていないアホ犬。飼い主は文。
〔玉三郎〕十三歳になる茶虎に緑色の目の猫。飼い主は魚河岸で荷運びをしている権助。権助が寝ていると叩いて起こすことがある。
〔影法師〕黒い犬。大八車が尾に乗りちぎれたのに鳴きもせず耐えていた異常性。

■毛玉堂についての簡単な単語集

【赤玉/あかだま】玉屋という大きな料亭で飼っていた緋鸚哥だったが年をとったので引退して長年世話をしてくれていた種市という番頭が自身の隠居と同時に引き取った。
【アズキ】足袋問屋「山吹屋」の飼っている狆。惣領の庄之助はアズキの不調が治らなければ手放すしかないと言ったらしい。庄之助の妻は美津にとっては気になっている「絹」という名らしい。
【おサビ】春信の飼っている錆猫。
【おちゃっぴい】白く賢い犬。脚を痛めやすい身体つき。
【影法師】黒い犬。大八車が尾に乗りちぎれたのに鳴きもせず耐えていた。
【絹】小石川にいた頃、凌雲となんらかの関わりがあったらしい。数を計算する馬、竹馬の主のお婆さんの口から出た名前。どうやら小石川療養所で凌雲の助手をしていた娘らしい。小石川小町と呼ばれていた美人。凌雲が小石川を辞め、長いこと落ち込んでいた理由なのか?
【毛玉堂】凌雲の開いている、けもの医。谷中感応寺にある。
【けんけん堂】賢犬堂。主は伝右衛門。浅草寺参道の近くにある犬屋。賢くて見栄えの良い犬を売って評判になっている。ただ、骨盤が細く脚を痛めやすいのも特徴。
【黒太郎】毛玉堂の犬。
【コンタ】茶色い狐顔の仔犬。ちゃんとぺこりと頭を下げて挨拶する。飼い主は犬屋で店賃一年分くらいの値で買った。
【時代】明和五年から始まる。
【白魚】千紗という女の猫。日本橋にある呉服屋の「梅酒屋」から来た。
【白太郎】毛玉堂の犬。巨体。一年半前に凌雲の家の前に捨てられていて人に敵意を抱いていた。生ける屍状態だった凌雲がけもの医になるきっかけとなった。
【鈴木春信】絵師。お仙の絵を描きたがっている。
【仙】美津の幼馴染。いつも差し入れをしてくれる。惚れ惚れするような別嬪。笠森稲荷の境内にある水茶屋「鍵屋」の看板娘。浅草寺奥山の楊枝屋「柳屋」の藤、二十軒茶屋の水茶屋「蔦屋」の芳と並ぶ江戸の三美人の一人。旗本の倉知政之助と恋仲。《噂話は私の生きがいさ。》p.97。《私にとっていちばんに考えなくちゃいけないのは、どれだけ私が美しくあるかなのさ。》p.69。実在の人物のようなので小説に登場することも多そう。ぼくが読んだ中では米村圭吾さんの「退屈姫君」シリーズに出てきたお仙と同一人物と思われる。
【善次】仙が連れてきた八歳の子どもで、毛玉堂の見習いになった。絵心がある。実の父親はさる大名。
【竹馬】数の計算ができる馬(ということになっている)。お婆さんが飼い主で、その息子の八吉(やきち)が見世物にしている。
【玉三郎】十三歳になる茶虎に緑色の目の猫。飼い主は魚河岸で荷運びをしている権助。権助が寝ていると叩いて起こしてくることがある。
【茶太郎】毛玉堂の犬。
【てろ助】焼いた餅のような柄の大きな犬。主人は文。カラスに襲われていたところを助けた。ちんの垂丸を食い殺そうとしたと訴えられた。まったく躾ができていないアホ犬だがもちろん飼い主の文に原因がある。
【伝右衛門】賢犬堂の主人。犬に優しいはずなのだが、一方で厳しすぎる躾をしているよくわからない人。《お江戸で私ほど犬を大事にしている者はいないさ》第二巻p.271
【トラジ】船宿の「沢屋」の、六歳になる大きな雄猫。主の宗兵衛の娘、琴に甘やかされて育ったわがままもの。最近急に宗兵衛の妻を襲いだした。《トラジは獣のくせに、あんたの勝手でここにいるんだ。ここにいてくれてるんだ。トラジに余計な負担を掛けようなんて考えずに、少しでも楽しく穏やかに暮らせるように、あんたが心を配ってやってはどうだ?》p.146
【仲蔵】鳥屋の主人。根っからの鳥好き。猫よけのために右之助、左之助という人懐っこい犬を飼っている。
【マネキ】毛玉堂の猫。キジトラ。
【ミケ】仙ちゃんちの飼い猫。
【美津】凌雲の妻。生家は八百屋。筋金入りの動物好き。夫婦にはなったがいまだ手をつないだこともない。家事力は高いが火付けだけは苦手。
【耳麻呂】春信の飼い兎。三歳。
【吉田凌雲】→凌雲
【凌雲】吉田凌雲。けもの医、今で言う獣医。美津の夫。元は人間の医師で、小石川療養所の名医だった。治療費をちゃんと受け取らないので家計はいつもカツカツ。《動物のやることには必ず理由があるはずだ》(第一巻p.41)。《動物が腹で考えていることなんて、決してわかりゃしないさ。ぜんぶ、人の思い込みだ》(第一巻p.56)

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

シリーズ2作目。犬も猫も鳥も、飼われた動物たちはみんな人の庇護がないと生きていけない。だからこそ、ひとたび共に生きると決めたならその子が元気で楽しく幸せに暮らせるように愛情をかけお世話をしていかなくては。赤ん坊と同じくらい手がかかる、まさにその通り。命を大事にしてほしいと願う気持ちがとても伝わってくるような、総じてそういう話でとてもよかった。鸚哥とおじいさんの話に和んだ。人と生きるには躾は大切だけど怯えさせたり萎縮させたり読んでいて悲しくなった。人も動物もお互いを思い遣っていけたらそれこそ幸せだろう。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

202211/シリーズ2作目。キャラや動物頼みな部分も多いので、困りごとやその解決など展開が強引だったり、そのエピソード必要かな?と思うところもあるけど、基本的にはほのぼの楽しめる。

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2022年12月14日

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