あらすじ
獣と人間が心を通わせることはできないのでしょうか――?
谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」。
動物好きでしっかりもののお美津と、腕は確かだが不愛想な医師・凌雲が営む、動物専門の療養所だ。
近頃、とってもお利口さんなのに、足腰に問題を抱える犬たちが頻繁に運ばれてくる。
その犬たちは全て、浅草寺の犬屋「賢犬堂」から買われていた。
何か原因があるのかしら? 美津は不穏な思いを抱くが――。
江戸の世でも、ペットを思う気持ちは今と変わらない――。
お江戸のドクター・ドリトル、もふっと可愛くほっこり温かい傑作時代小説第2弾!
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Posted by ブクログ
毛玉堂! 祝続編! このままシリーズ化よろしくお願いします(*^^*)
今回は犬の話が多かったですが、その中に鸚哥やお仙の花嫁修業の話も混じって楽しかったです。
この時代にもう鸚哥って買われていたんだとか思う私。
知らないことを知るのは楽しいです。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。前作よりも読み易いと感じました。
登場人物説明、状況説明がそれほど必要ないからかもしれませんが。
毛玉堂には近頃、お利口さんで脚が悪い犬の相談が持ち込まれることが多く、美津は気になっていました。
その共通点は「賢犬堂」から譲り受けた犬ということ。
人間の都合で無理な掛け合わせをしたせいではないかと美津たちは思っているのですが ―― 。
「賢犬堂」の主人、伝右衛門が思いの外、犬達への愛情があることに驚きました。人間と一緒に暮らせるようにとても厳しい躾をしていることに愛情と相反するものを感じたのですが、それも悲しい経験からくる伝右衛門なりの優しさでした。
でも、尾が千切れるほどの怪我をしても鳴かない犬はやっばり尋常ではないです。その犬、影法師が、てろ助を見て感情を取り戻すところは涙が出そうでした。
てろ助は飼い主、文の偏った愛情によって躾をされず、奔放に育てられていましたが、あるトラブルがきっかけで今度は体罰による躾をされ、心を閉ざしかけました。
正しい躾のアドバイスをしたのは伝右衛門です。
そんなてろ助が少しお利口さんになって影法師の役に立つなんて…。
病気のことなら「毛玉堂」、躾の相談は「賢犬堂」と役割分担が出来ました。シリーズの今後が楽しみです。