泉ゆたかのレビュー一覧

  • 母子草 お江戸縁切り帖
     代書屋で縁切り状の仕事をしているお糸。でも、この小説は、人と人との縁をつないでいく物語です。にんじん姉弟、桜の脇差、昔の母、繰り返し、奈々の縁結び の5話。泉ゆたか「母子草」、お江戸縁切り帖シリーズ№4、2023.9発行。
  • 幽霊長屋、お貸しします(一)

    最初は少し不気味にも感じて、第1章はイマイチかなーと思いながらも読み進めてみると第2章以降はスっと話が入り込んで一気に進められました。

    直吉がどんな人なのかがこれから分かってきそうで楽しみです。

    個人的には最後の猫の話が面白かったかな。
  • 髪結百花
    冒頭からの美しく丹念に編まれた文章に引き込まれました。
    エンタメとして完成された作品で、非常に読みやすく面白かったのですが、自分個人としては「よくわからない」「見た事のない」ものとの遭遇を期待して読書しているんだな、と改めて自分の趣向を知るきっかけにもなりました。
    舗装された道よりも、まだ誰も通った...続きを読む
  • 君をおくる
    一緒に家族として暮らした動物たちを看取るお話…それぞれに泣ける。第一章の女性に第四章では新しい家族ができていて良かった。そしてツインテールの女の子。ささやかな回収が優しくて嬉しい。
  • 君をおくる
     この本を読むと動物との接し方が少し変わります。

     動物は飼い主が一緒にいてくれたらそれで幸せ❣

     感動と涙でした❣
  • 春告げ桜 眠り医者ぐっすり庵
    「粗末ながら心づくしの煎茶を呑んで、茶の味を楽しむことができる今この時を大切に味わえ、というのが師の教えです。なんとも朗らかな教えでしょう。」
  • れんげ出合茶屋
    三十路前後の女たちが、生い立ちに辛い過去を抱えながらも、強かにあけすけに生きていて、人の裏も表も見尽くして、それでも笑っている様に力強さを感じる作品でした。

    出合茶屋という場所故に、生々しさもありながらクスッと笑える場面も。
    ただ、親の過度な躾、ネグレクト、不倫の末の殺人、自殺、身売り、SEX依存...続きを読む
  • お江戸けもの医 毛玉堂
    江戸時代の動物のお医者さん。
    暗い過去を持つ凌雲、凌雲を支え動物たちを優しく労わる美津、友達思いの仙など出てくる人物は魅力があると思うのに、なぜか心に残らなかった。展開が読めて薄いのかなあ。
    特に最終話「手放す」は、絹に言わせたい台詞があったから凌雲に判断ミスをさせたとしか思えなくて(話を簡単に聞い...続きを読む
  • 玉の輿猫 お江戸けもの医 毛玉堂
    202211/シリーズ2作目。キャラや動物頼みな部分も多いので、困りごとやその解決など展開が強引だったり、そのエピソード必要かな?と思うところもあるけど、基本的にはほのぼの楽しめる。
  • お江戸けもの医 毛玉堂
    202210/動物モノなので評価甘め。物語的にはゆるいので物足りなさもあるけど、お江戸の動物事情も書かれていて楽しめる。
  • れんげ出合茶屋
    女中奉公をして来た咲が新たに雇われたのは、これから出合い茶屋を始めるという女主人。それは子供の頃母が奉公していた大店のお嬢さん、志摩だった。男好きするお香、絵師の左之助と共に、出合い茶屋「蓮華屋」を繁盛させようと奮闘する。
    登場人物それぞれが胸の奥に哀しい過去を持ち、それでも今を生きる為に頑張ってい...続きを読む
  • 雨あがり お江戸縁切り帖
    きっと熊蔵は、ただ糸の喜ぶものは何だろうと考えただけだ。これだと閃いたら、いくらでも労を惜しまない、まっすぐな気質なのだろう。
  • 朝の茶柱 眠り医者ぐっすり庵
    江戸のハズレにある茶園は、父母が営んでいた。
    医学を学びに長崎へ修行に行っていた兄、松次郎が、行方不明に。
    その間、相次いで両親が亡くなり、今は叔父夫婦で切り盛りしている。
    密かに茶園の一角に不眠症に悩む人を対象にした「ぐっすり庵」を開業した兄の秘密は、妹の藍と、茶園の女中で千住に嫁いだお久が知るの...続きを読む
  • おっぱい先生
    書棚で目を引いた題名につられて読んだ。
    我が身も地元のおっぱい先生に心身共に助けられて授乳期を過ごしたため、その記憶が蘇り、泣けた。
    作中に出てくるような、カンボに熱心な人、産後初期に問題発生した人、断乳時期の人しか関わらないのはとてももったいない存在だと感じているので、この本を色々な世代が読むこと...続きを読む
  • 雨あがり お江戸縁切り帖
    202012/面白かったけど、主人公のあの不思議設定はなくてもいいような。この本もだけど、最近読んだり気になったりした本はおとないちあきさんの装画が多く書店で平積されている中で目をひく。